「リン吸着成分は入っていないのですか?」
「リンは吸着しないのでしょうか?」
「猫の腎臓ケアサプリならばリン吸着剤は必須ではないのですか?」
確かに、ダスペット:キドニーピュアには
炭酸カルシウム・酸化鉄・炭酸アンモニウムといった
いわゆる「リン吸着剤」と呼ばれる成分は配合していません。
また、今後も配合する予定はありません。
それは「リン管理が大切でないから」ではなく、
リン吸着剤の使用は非常に判断が難しく、
自己判断で使えるサプリメントには向かないと考えているためです。
少し整理しながら、研究メーカーである当社株式会社ダステックがわかりやすく解説します。

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当社の見解
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過剰なリン摂取が腎臓に負担をかけることは事実
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そのため加工食品・おやつ・サプリに由来する
余計なリンを避けることは賛成 -
一方でリンは減らしすぎも良くない必須栄養素
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必須なリンは食事(タンパク質)からとるべき
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リン吸着剤は獣医師の管理のもと使用すべき
この記事の監修者

純炭粉末サプリ開発者
樋口 正人(ひぐち まさと)
株式会社ダステック代表取締役 1985年千葉大学大学院修了
元中外製薬主席研究員。元金沢医科大学医学部非常勤講師
腎臓疾患の研究・創薬に携わる。
退職後は長期使用を前提とした安心・安全な食用炭「純炭粉末」の研究開発や自社製造を続ける傍ら、腎臓病に関する情報発信、eGFR管理の大切さなど啓蒙活動に取り組む。
01
リンは「悪者」なのでしょうか?
近年、猫の腎臓病に関する情報の中で
「リン=悪いもの」 というイメージだけが独り歩きしているように感じることがあります。
確かに猫の慢性腎臓病(CKD)は進行性の疾患で、
腎機能が低下するにつれて
リンやカルシウムなどの ミネラル代謝が乱れることがあります。
リンは、過剰になると
・腎臓への負担増加
・石灰化
・炎症
などにつながり、腎臓に悪影響を及ぼすことがあります。
その意味では、「過剰なリン」は確かに問題です。
しかし一方で、
リンは骨や細胞の働きに関わる必要不可欠な栄養素でもあります。
つまり
☑ 過剰なリンは問題
☑ リンを排除しすぎるのも問題
大切なのは、「ゼロにすること」ではなく
バランスを崩さないことです。
02
リンは何から摂取すべき?
なるべく摂取源を食事(食事中のたんぱく質)にすべきだと考えます。
腎臓が気になる猫では
「リンの摂取量を減らしたほうがよい」という点は事実です。
ただし、その方法は
リン吸着剤を足すことではなく、
食事内容を見直すことが基本になります。
・リンを多く含むおやつ
・加工度の高い食品
・サプリメント由来のリン
これらは、腎臓に配慮する猫にとって
「あえて摂る必要のないリン」になりがちです。
そのため、サプリメントを選ぶのであれば
リンを増やさない設計のものを選んでほしい
と私たちは考えています。
03
リン制限=リン吸着剤ではありません
猫の腎臓病における“リン対策”は大きく分けて
・食事療法(リン制限食)
・リン吸着剤(phosphate binders)
という2つのアプローチがあります。
しかし、
リン制限=即座にリン吸着剤の使用ではありません。
適切なリン制限は食事管理で行うことが基本であり、
吸着剤はあくまで食事療法でコントロールできない場合の補助的な役割です。
なぜリン吸着剤の自己判断使用が問題なのか?
ここで誤解してほしくないのは、
「リン吸着剤そのものを否定しているわけではない」という点です。
問題にしているのは
☑ 自己判断での使用
☑ 早期・漫然とした使用
です。
リン吸着剤を使うと、
本来吸収されるはずのリンが腸管で吸収されなくなります。
すると体は
「リンが足りない」と判断し、
腸からより強く吸収しようとする反応が起こります。
このとき、リンと一緒に
カルシウムの吸収も高まってしまうことがあり、
結果として
・高カルシウム血症
・石灰化などの別の問題
が生じるリスクが指摘されています。
獣医臨床ガイドラインでも、
カルシウム含有リン吸着剤を使用する場合は
血清カルシウム(理想的にはイオン化カルシウム)を定期的にモニターすることが推奨されています。
どんな時にリン吸着剤を使うべき?
一般的なガイドラインでは、
大前提として慢性腎臓病であり、なおかつ
・リン負荷が明確に高い(FGF23の値が高い)
・食事療法(リン制限食)だけでは十分にコントロールできない
この条件がそろった場合に、
獣医師の判断で使用されるものとされています。
つまり、リンによる影響が確かに出ている状態かつ薬に頼らざる負えない場合です。
ステージで言えば、
比較的進行した段階(Stage4相当)が目安になるケースが多く、
少なくとも
予防目的や早期段階での自己判断使用は推奨されていません。
04
余談:多品目配合=安心、とは限りません
「何でも入っているから安心」
「全部に対応できそう」
多品目配合のサプリは、確かに魅力的に見えます。
しかし、ここで大切なのは
☑量の概念
☑その成分が本当に必要な状態か
です。
必要かどうか分からない成分を
「少しずつたくさん」足すことが、
必ずしも腎臓にやさしいとは限りません。
05
結論:犬猫用サプリブランド・ダスペットの方針について
※他社製品やリン吸着剤そのものを否定する意図は一切ありません。
リン吸着剤は、
適切な検査・診断・用量管理のもとで使われる場合には意味を持つ場面があることも事実です。
ただし、サプリメントのように
自己判断で使われやすい形で提供される場合、慎重になるべきだと考えます。
また、リン吸着剤成分の当社が懸念するリスクもご紹介します。
みせかけの安心感というリスク
懸念事項・リスクの一つが、
「リン吸着剤を飲ませているからリン制限をゆるめても大丈夫」という安心感です。
リン吸着剤を使っている安心感で、
・おやつ、加工食品、食事量がついつい増えてしまう
・食事管理を甘くしても大丈夫だと思ってしまう
など
結果的にリンの摂取量が増えてしまうケースは珍しくありません。
実際には、
摂取しているリンの量と
リン吸着剤が処理できる量のバランスが取れていないにもかかわらず、
「対策をしているつもり」になってしまうことがあります。
これは、
猫の体にとっては
負担が減っていないどころか、増えてしまう可能性もあります。
このリスクを自己責任だと突き放すことは当社は出来ません。
そのためダスペットでは、
リン吸着剤を配合することで得られる「まやかしの安心感」よりも、
余分なリンを含有しない高純度な炭の設計を優先するという考え方を取っています。
猫の腎臓にとって本当に大切なのは、
「何かを足すこと」ではなく、
余計な負担を増やさないこと。
その方針のもと、
弊社ではリン吸着剤を配合しない設計を選択しています。
「リン吸着剤が猫の腎臓病予防になる」という誤解について
近年、
「リンを抑えることが大切」
「リンが腎臓に悪い」
という情報が広まる中で、
「リン吸着剤を使えば腎臓病の予防になるのではないか」
と考える飼い主さんも少なくありません。
しかし現時点では、
慢性腎臓病でない猫にリン吸着剤を使用して、
腎臓病の発症を予防できたとする明確な報告はありません。
リン吸着剤は、「腎臓病予防を目的としたものではなく、
すでにリン負荷が問題になっている場合の“管理手段”」として位置づけられています。
リン吸着剤=予防、という理解は、
科学的根拠に基づいたものではない点に注意が必要です。
そのためダスペットでは、
リン吸着剤を配合することで得られる「まやかしの安心感」よりも、
余分なリンを含有しない高純度な炭の設計を優先するという考え方を取っています。
猫の腎臓にとって本当に大切なのは、
「何かを足すこと」ではなく、
余計な負担を増やさないこと。
その方針のもと、
安全性を最優先し、
弊社ではリン吸着剤を配合しない設計を選択しています。
よくあるご質問
Q&A
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キドニーピュアはリンを吸着しないのですか?
はい。炭はリンを吸着することは出来ません。
吸着の対象が異なり、キドニーピュアに用いられる炭:純炭粉末は「臭気成分(インドールなど尿毒素)や糖化物質」を吸着するサプリメントです。
ただしリン吸着剤の使用するべきペットは実際には少なく、またリン吸着剤の使用は非常に難しい。特に血液検査や尿検査の数値管理をしない自己判断での使用は注意が必要と考えています。
-
犬や猫にリン吸着剤を使っている人は間違っているのですか?
いいえ。必ずしも間違いではありません。
ただし、犬猫の腎臓病予防として用いることは、明確な根拠・エビデンスがありません。
また、血液検査や尿検査の数値管理をしない自己判断での使用は注意が必要です。
リン吸着剤はFGF23が高値などリン負荷が確かにかかっていることが確認でき、リン制限食・腎臓病食でもコントロールできない場合に、獣医師の判断の元、各種血液検査の数値を定期的に確認しながら使用される場合は意味を持つことがあります。 リン吸着剤を飲ませたい場合は獣医師にご相談することをおすすめします。
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うちの猫はまだ初期ですが、リン吸着剤は使った方がいいですか?
初期段階では、まず食事管理が基本です。
獣医師の指導がない場合はまずは食事管理から相談してみたらいかがでしょうか。
多くのガイドラインでは、
まず食事療法(リン制限食)から始めることが推奨されています。
最近の研究では、 リン負荷が確認できない場合はリン制限食を始めなくても良いという報告もあります。
そして、リン吸着剤は早期からの使用は推奨されておらず、自己判断の使用もまた推奨されていません。 つまり、50~60歳でeGFR60の方は平均よりも低下速度が速い可能性があります。
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リンを制限すれば猫の腎臓病の予防になりますか?
リン制限だけで猫の腎臓病を予防できるわけではありません。
腎臓病は多因子性の疾患であり、
リン制限は「進行管理の一要素」であって、万能な予防策ではありません。
過度なリン制限は、別の栄養バランスを崩す可能性もあります。
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リンの摂取量はできるだけゼロにした方が良いのですか?
いいえ。リンは必要な栄養素です。
リンは骨や細胞の働きに不可欠であり、 「過剰」も「不足」も問題になります。 大切なのは、ゼロにすることではなく、バランスを保つことです。 -
サプリメント由来のリンはなぜ避けた方がいいのですか?
食事由来のリンとは性質が異なる場合があるからです。
サプリメントや加工食品由来のリンは、
・吸収されやすい(無機リン)
・濃縮されているため濃度が高い
・エキスや粉末など入っているか分かりにくい
・不要に摂取量が増えやすい
という特徴があります。
腎臓に配慮する場合、「あえて足す必要のないリン」になりやすいため注意が必要です。
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純炭粉末・キドニーピュアは、リン対策として使えますか?
純炭粉末・キドニーピュアは、リンを吸着する目的のものではありません。
ただし、低リン・低カリウムな品質となっており、最終製品での実測値も公開しています。
また、キドニーピュアは犬猫用の炭サプリですが、一般的な炭(竹炭や木炭・ヤシガラ炭)と比べ 1万分の1~10万分の1と非常にリン含有量が小さいことが特徴です。
そのため、余計なリン摂取とならないサプリメントとなっています。
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純炭粉末・キドニーピュアは、何をするサプリですか?
純炭粉末・キドニーピュアは低分子領域の不要な物質を吸着する炭サプリです。
試験管の試験では臭気成分(尿毒素としてもしられる)インドールやp-クレゾール、AGEs終末糖化産物、一部食品添加物を吸着することが確認されています。
これらは犬猫の食品中や、消化の過程で消化管内にあることが知られています。
そういった不要物質を吸着することで、犬猫の生活をケアすること期待したサプリメントです。
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キドニーピュアはリンを吸着しないのですか?
はい。炭はリンを吸着することは出来ません。
吸着の対象が異なり、キドニーピュアに用いられる炭:純炭粉末は「臭気成分(インドールなど尿毒素)や糖化物質」を吸着するサプリメントです。
ただしリン吸着剤の使用するべきペットは実際には少なく、またリン吸着剤の使用は非常に難しい。特に血液検査や尿検査の数値管理をしない自己判断での使用は注意が必要と考えています。
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純炭粉末は早期・自己判断で使ってもよいのでしょうか?
「リン吸着剤はだめなのに、御社のサプリはいいの?」と疑問に思いました。リン吸着剤と純炭粉末は「性質・作用の前提」が異なるため、同じ基準で扱うものではないと私たちは考えています。
以下、その理由を整理してご説明します。
① 純炭粉末は体内(血液中)に吸収されない素材です
リン吸着剤は、
・吸収されるミネラル(リン・カルシウム)
・体内の恒常性(ミネラルバランス)
に直接影響を与える可能性があります。
一方、純炭粉末は消化管内を通過し、体内に吸収されない素材であり、血液中のリンやカルシウムなどに直接作用するものではありません。
そのため、
体内のミネラルバランスに影響を与えるリスク構造が根本的に異なります。
② 吸着の対象が「必須栄養素」ではありません
リン吸着剤は、
リンという必須栄養素そのものを吸着・排除することを目的としています。
一方、純炭粉末が主に対象とするのは、
・腸内で発生する臭気成分(インドールなど尿毒素)
・たんぱく質やアミノ酸が分解される過程で生じる不要物
いわゆる「負担の原因になり得る物質」
であり、
本来体に必要な栄養素を積極的に減らすことを目的としたものではありません。
この点が、
早期・予防的な使用に対する考え方が異なる大きな理由です。
③ 細孔構造による「選択性」があります
炭素材の働きは、
成分そのものではなく、多孔質(細孔)という構造にあります。
その中でも純炭粉末は、
・分子サイズ
・形状
・極性
といった違いによって、
吸着しやすい物質と、しにくい物質が分かれる特性を持っています。
このため、大きな
・栄養素
・消化酵素
に対して過度に作用しにくい設計になっています。
※「何も吸着しない」という意味ではなく、
“無差別に何でも吸着する”素材ではないという点が重要です。
④ 長期使用を前提とした安全性試験を行っています
純炭粉末については、
単回ではなく
長期継続使用を前提とした安全性試験
を行い、
日常的に使われることを想定した評価を行っています。
これは、
早期から使われる可能性がある
飼い主さんの自己判断で使われる可能性がある
という前提を踏まえた、メーカーとしての安全性配慮です。
⑤ 「減らせるなら減らした方がよい」とされる物質を対象にしています
腸内で発生する臭気成分(尿毒素の前駆体など)については、
体にとって必須ではなく
過剰な場合、負担の原因になり得ることから、
"「可能であれば減らした方がよい」"とする考え方が示されています。
純炭粉末は、
これらの不要物・負担の原因になり得る物質を消化管内で吸着することを目的とした素材です。
なぜ同じ「吸着」でも扱いが違うのか整理すると、違いは次の通りです。
結論
リン吸着剤と純炭粉末は、
「同じ吸着素材」ではあっても、
安全性の考え方・管理の前提が根本的に異なります。
そのため当社では、
必須栄養素に直接作用し管理を誤ると逆効果になり得るリン吸着剤は獣医師の管理なしに使われる可能性が高いサプリには配合しない。
一方で、
・体内に吸収されず
・不要・負担物質を対象とし
長期使用を前提とした安全性評価を行っている純炭粉末については早期・自己判断での使用による悪影響の可能性は高くないと考えています。
これは「自社製品だから良い」という理由ではなく、成分の性質とリスク構造の違いに基づく判断です。
補足(安心のために)
いずれの場合でも、
・体調の変化がある
・病状が進行している
・治療中である
といった場合には、獣医師に相談したうえで使用を検討することが望ましいと考えています。
観点 リン吸着剤 純炭粉末 体内吸収 影響あり得る 吸収されない 主な対象 必須栄養素(リン) 不要・負担物質 バランス影響 大きい 小さい 自己判断適性 低い 比較的高い 管理前提 獣医師管理必須 日常使用前提 安全性試験 医療前提 長期使用前提
参考文献紹介
この記事は以下の文献を参考にしています。
①Kidder AC, et al. Treatment Options for Hyperphosphatemia in Feline CKD — CKD猫のリン制限食とリン吸着剤の役割、リン吸着剤は慎重なモニタリングが必要とする。
②Chew D. Special aspects of CKD in cats — CKD猫でカルシウム系リン吸着剤使用により高カルシウム血症が観察された症例を報告。
③Pugalendhi SJ, et al. Chronic kidney disease in cats: beyond diet — 新しいガイドラインでは normophosphatemic catsへの即時リン制限を慎重とし、検査に基づく管理が推奨される。
④Sparkes AH, et al. ISFM Consensus Guidelines — 猫CKD治療の国際コンセンサス、リン吸着剤使用はガイドライン的に意義はあるが、比較研究や副作用評価が不十分とされる。
また、コンテンツポリシーをもとに監修されています。
コンテンツ公開日・更新日
- 公開日:2026年2月12日
- 最終更新日:2026年2月12日
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