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きよら通信バックナンバー

2024年度版「慢性腎臓病(CKD)治療の最前線」

いつも食べる純炭きよらをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

きよら通信担当のゆっきーと純炭社長が、腎臓病お役立ち情報をお届けします(*^^)v

(このブログは食べる純炭きよら通信vol.21(2021.4月号)として配信した内容を毎年ブラッシュアップしてお伝えしています)

腎臓病の治療薬はないの?

新薬のイメージ画像

2021年4月のきよら通信で「腎臓病治療の新薬」をお伝えした時点では、1991年に承認された球形吸着炭薬クレメジン(及びそのジェネリック)しか腎臓病治療薬はありませんでした。

最も期待していた新薬バルドキソロンメチルは、残念ながら2023年5月に開発中止となってしまいましたが、引導を渡したのが2021年8月に慢性腎臓病治療薬として承認されたフォシーガ(SGLT2阻害薬)だったと思います。

治療薬がないと言われていた腎臓病ですが、2024年4月現在ではSGLT2阻害薬(3剤)に加えて、MR拮抗薬(1剤)で治療を受けることができます。

更には透析を行っていても、透析から離脱できる可能性も高まってきました。

もう少し頑張れば、だれでも透析を回避できる世の中になるかも知れません!

今現在、どんな希望の光となる薬や治療法があるのか、今回のブログで見ていきましょう。

SGLT2阻害薬(フォシーガ・ジャディアンス・カナグル)

SGLT2阻害薬は尿中にブドウ糖を捨てて血糖値を下げてくれる薬として開発され、糖尿病治療に広く使われてきました。

その後、糖尿病だけでなく、慢性心不全や慢性腎臓病にも効果があることがわかり、2021年8月にフォシーガが慢性腎臓病治療薬として使えるようになりました。

2024年4月現在、腎臓病治療薬として処方してもらえるSGLT2阻害薬はフォシーガ、ジャディアンス、カナグルの3剤ですが、このうち糖尿病が無くても使えるのはフォシーガとジャディアンス。

カナグルは糖尿病に合併した腎臓病でないと使えません(糖尿病治療薬としては使えますが、腎臓病単独の治療目的には使えません)

【参考】小野薬品工業:フォシーガ、2型糖尿病合併の有無に関わらず、日本で初めての慢性腎臓病の治療薬として承認を取得、日本の慢性腎臓病患者さんの治療に大きな進展をもたらす

SGLT2阻害薬の注意点1(eGFRの一時的な低下)

この図はカナグルの臨床試験においてeGFR変化を表したグラフです。

グラフ縦軸は服用を開始した時からのeGFR変化量、横軸が服用期間(月)になります。

青い線がSGLT2阻害薬であるカナグルを服用した患者
黄色の線がプラセボ(薬効成分が入っていない偽薬)を服用した患者

注目すべきはSGLT2阻害薬を飲んだ患者(青線)のeGFRが1か月後に6近く下がっていること。

しかし、3か月後には少し回復して、その後はプラセボ(偽薬)よりもeGFRの低下速度は緩やかになっています。

SGLT2阻害薬を処方してもらう時のポイントは、①最初のeGFR低下にビックリして飲むのをやめないこと、②最初のeGFR低下で透析になってしまわないように、少なくともeGFRが20以上ある時点で服用を開始することだと思います。

SGLT2阻害薬の注意点2(低血糖や脱水の副作用)

SGLT2阻害薬は糖尿病患者の血糖値を下げる薬として開発されたので、血糖値が下がりすぎる低血糖に注意が必要です。

特に食が細くて食べられない高齢者や独自の食事法(糖質制限など)を行っている場合は低血糖のリスクが高まります。

糖尿病とは異なり血糖値測定の習慣がない腎臓病の場合には、FreeStyleリブレのような血糖値センサーの活用を考えても良いのかも知れません(詳しくは医師にご相談ください。ちなみにゆっきーや純炭社長も使ったことがあります)。

また、SGLT2阻害薬は尿中に糖を捨てて血糖値を下げる薬なので、尿の量が増えて、脱水になりやすくなります。普段以上にこまめな水分補給を心がけてください。

MR拮抗薬(ケレンディア)


いつもの処方薬の中に血圧を下げる薬(降圧剤)がありませんか?

降圧剤にはレニン・アンジオテンシン系阻害薬やカルシウム拮抗薬、利尿剤など様々な種類がありますが、あなたが糖尿病で尿蛋白が出ている場合、MR(ミネラルコルチコイド受容体)拮抗薬という種類の降圧剤を処方されていたら、あなたの主治医は素晴らしい勉強家と言えます。

この薬は沢山ある降圧剤の中ではあまり処方されない薬なのですが、2020年10月、世界一の医学誌に「尿蛋白陽性の2型糖尿病患者にMR拮抗薬とレニン・アンジオテンシン系阻害薬の両方を投与すると腎機能低下が抑制できる!」という結果が掲載されました。(出典:メディカルトリビューン2020年12月2日付記事より)

そして2022年3月、ついにMR拮抗薬であるケレンディアが「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」の治療薬として承認されました。

SGLT2阻害薬とMR拮抗薬の併用は?

作用メカニズムが違う2種類の腎臓病薬が使えるようになったのですから、両方を併用したらもっと効くのでは?と思ってしまいますよね。

調べてみたところ、SGLT2阻害薬とMR拮抗薬の併用でアルブミン尿(尿蛋白)抑制が増強し、尚且つ、MR拮抗薬の副作用である高カリウム血症が減るという研究結果が見つかりました(出典:日本医事新報2022年7月20日付記事より)。

併用は魅力的ではあるものの、今のところ、大規模臨床試験で安全性や有効性を確かめる段階です。

球形吸着炭(クレメジン)

腸内で悪玉菌が作る尿毒素(腎臓に負担をかける物質)を吸着して便とともに排泄することで、腎臓の負担を軽減し、eGFRの低下速度を緩やかにする薬です。

最大の特徴は「SGLT2阻害薬やMR拮抗薬と併用できること」と「eGFRが10程度でも服用できること」だと思います。

30年以上の歴史があるクレメジンですが、①飲む量と回数が多くてストレスを感じる、②便秘になりやすいといった理由で、患者さんがきちんと飲んでくれない残念な状況があります。

個人的には良い薬だと思いますし、速崩錠(錠剤)の剤型追加で飲みやすくなり、新しい便秘薬もいろいろ使えるようになった現状では、きちんと飲んでくれる患者さんが増えて、効果を感じる専門医も増えてくれることを期待しています。

透析が無くなる日は来るか?

血液透析は週に3日病院に通って、3~6時間程度ベッドの上で透析を受けなければなりません。

体内に埋め込む透析装置や洋服のように着る透析装置の研究も進んでいますが、透析ベッドから離脱するためには今のところ腎移植しか方法がありません。

ブタの腎臓で透析から離脱

2024年4月4日、「ブタの腎臓を移植した患者が経過良好で退院した」というニュースが世界中に流れました。

米国では拒絶反応が起きないように遺伝子を改変したブタの大規模飼育施設が建設中です。

日本ではiPS細胞でヒト腎臓を作る研究が進行中

東京慈恵会医科大学の横尾先生らは、ヒトのiPS細胞から腎臓の元になる細胞を作り(途中ブタ胎児を使うものの)最終的にはヒトの体内で腎臓を再生させる研究を進めています。

遠くない将来、透析が必要でなくなる世界が必ずやってきます。
とは言うものの、移植はしないに越したことはないので、eGFRの低下速度を緩やかにする生活習慣は怠らないでくださいね。

≪健康コラム≫呼吸が浅くなっていませんか?


あなたは1日何回呼吸をしているかご存知ですか?

実は、人間は1日に2万回も呼吸をしています。

でも、どんな風に呼吸をしているか意識している人は少ないはず。

1日たった5分だけ、質を意識したこんな呼吸法をためしてみてはいかがでしょうか?

1日5分だけ、酸素たっぷり呼吸法のやり方

いすに座って背筋を軽く伸ばし、目をとじる
8秒かけて鼻からゆっくり吐く
4秒かけて鼻から吸う
呼吸の質を意識した深呼吸の方法

腹式呼吸か胸式呼吸かは意識しなくてもOK。

横隔膜を大きく上下に動かすようにし、上半身全体が肺(風船)だとイメージしてその風船が大きく膨らむようにゆっくりと呼吸します。

大事なのは「1・2・3・4・・・・」とゆっくり呼吸を数えながら行いましょう。

深い呼吸にはこんなメリットが!

深呼吸 健康
・横隔膜が大きく上下に動くと自律神経が整えられる。
・全身の毛細血管の血流量がアップし血行が良くなる。
・体全身にしっかりと酸素が行き渡る
・脳の疲労が改善されストレスが軽減する

ストレスや自律神経のバランスが乱れていると、腎臓の血流量が下がって腎機能が低下する可能性があります。

毎日の呼吸から腎機能の負担が軽減できれば、儲けものですので、ぜひ試してみて下さい。

オススメの本


もっと詳しく知りたい方は『腰痛がラクになる酸素たっぷり呼吸法』という本を読んでみてください。

(すみません、ダステックでこちらの本は販売しておりませんm(__)m)

本書では腰痛について取り上げられていますが、その他様々な不調を改善するのに深い呼吸は役立ちます。

100歳を超え現役医師として活躍した日野原重明先生も深い呼吸法を実践していたそうです。

『しっかり深い呼吸をして、適度な運動、ストレスをためない、人生を楽しむ』

これが長寿のコツだそうですよ。

実際にためしてみると

深呼吸 女性
実際にゆっきーも5分間実践してみましたが、頭がすっきりして体があったかくなる感覚が!

普段の呼吸が、いかに意識しておらず浅くなっていたかを、たった5分で感じました。

さっそく今から5分だけゆっくり呼吸をしてみませんか?

(2021.4月号として配布した「きよら通信」を加筆修正したものです)

この記事を書いた人
ゆっきー

美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
きよら通信やブログはゆっきーがお届けしています。
また、お電話で商品をご注文のお客様は”ゆっきー”が電話対応させていただくことも。お客様に安心してご購入いただくことを信条としていますので、ご相談から世間話までお気軽にどうぞ♪いつも元気と笑顔がモットーです( *´艸`)

「2024年度版「慢性腎臓病(CKD)治療の最前線」」への9 件のフィードバック

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