熱中症リスク(脱水リスク)を上げる腎臓病処方薬とは│こんな人は水分補給の仕方を相談しよう
こんにちは、連日熱中症になりかねない環境で純炭を焼いています純炭粉末公式専門店です。
お客様より、夏場の熱中症対策や水分補給に関してご質問をいただきます。
今回は腎臓病の中でも熱中症になりやすい人や脱水リスクが高い方に関して、腎臓病の啓蒙活動に努める弊社ができる限り分かりやすくご説明します。
最後には降圧薬・利尿薬一覧表を50音順でまとめましたのでご参考になれば幸いです。
目次
腎臓病における処方薬と熱中症の関係
結論:腎臓病の方は【脱水と熱中症】になりやすい
腎臓病の方は健常人よりもはるかに脱水症状になりやすいです。
理由をご説明します。
腎臓病の方は降圧薬(高血圧治療薬)や利尿薬を処方されています。
この薬は体液量を減らすことで高血圧を改善し、腎臓への負担を軽減する目的で使われます。
この体液量を減らす=体に蓄えている水分量を減らすということのなので、
常時脱水になるか、ならないかのぎりぎりの状態が保たれている状況と認識してください。
そこに猛暑による発汗で水分が失われると、あっという間に脱水です。
「脱水」自体が腎臓病を悪化させるだけでなく、
「脱水」は発汗と体温コントロール、電解質調節など熱中症のなりやすさに大いに関わります。
つまり腎臓病の方は「脱水」になりやすいから「熱中症」にもなりやすいといえます。
そのため、もし下記のお薬が処方されている場合はより念入りに小まめな水分補給をする必要があります。
どんな症状が脱水ですか?
以下のような症状があれば脱水になっている可能性があります。その場合、小まめな水分補給をこころがけましょう。
・外に出ても汗が出ない。(汗が出なければ異常だと思ってください。)
・のどが渇く、唇が乾燥する。(高齢者は感じにくいことが多いです。)
・尿の量が少ない、頻度がいつもより少ない。
・尿の色が濃い。
・脈がいつもより早く感じる。
・食欲がない。
・疲れやすい、だるさ、倦怠感・脱力感
・めまい、ふらつき、立ち眩み
・ぼーっとしてしまう。集中力が落ちた など
※脱水は室内でも、外に出なくても、水分を取らなければなります。ご注意ください。
注意:必ずお読みください。
※この記事は処方薬による脱水と、脱水による熱中症リスクの注意喚起を目的としています。
※以下に登場する薬を否定する記事ではありません。
※自己判断で薬をやめないでください。
※必ず腎臓病を専門とする医師・薬剤師にご相談ください。
脱水の副作用がある【処方薬】はなんですか?
腎臓病では高血圧の治療に用いられる、【降圧薬】と【利尿薬】に脱水の副作用があります。
治療薬 | 血圧を下げる仕組み | 副作用 |
---|---|---|
チアジド系利尿薬 | 尿量を増やすことで、体液量を減らす | 脱水、高尿酸血症 |
ループ利尿薬 | 尿量を増やすことで、体液量を減らす | 脱水 |
ACE阻害薬 | 血管を広げる | 脱水、空咳、高カリウム血症 |
ARB | 血管を広げる | 脱水、高カリウム血症 |
Ca拮抗薬 | 血管を広げる | 動悸、頭痛、ほてり、むくみ |
SGLT2阻害薬 | 尿中に糖を排出する | 脱水、低血糖 |
α遮断薬 | 血管を広げる | 立ち眩み、動悸 |
β遮断薬 | 心臓の過剰な働きを抑える | 徐脈、冷感、息切れ |
降圧薬・利尿薬は下記のような種類があります。ACE阻害薬やARBと言われても分かりにくいですし、お薬手帳にも記載がありません。
記事の後半に【降圧薬・利尿薬の商品名一覧】がありますのでそちらをご参考ください。
降圧薬・利尿薬はなぜ必要?
薬によって方法は様々ですが、腎臓の糸球体にかかる圧力が低下させ、腎臓への負担を軽減することを目的としています。
高血圧と腎臓病は負の連鎖です。高血圧により腎機能は低下し、腎機能が低下すると高血圧になる。そしてまた腎機能が低下する負のサイクルがグルグルしてしまいます。
これ以上の腎機能悪化を防ぐため、低下速度を緩やかにするための大切な薬です。
降圧薬・利尿薬のデメリット
【脱水】
腎臓病では高血圧の治療に用いられる、【降圧薬】と【利尿薬】に脱水の副作用があります。
これは、血圧を下げることや利尿作用により尿量が増える。つまり体外に水分が出やすい状態ということです。
【尿毒症物質の蓄積】
血圧が下がるため、十分な濾過をしにくくなり尿毒症物質など不純物が身体に貯まりやすくなります。
尿毒症物質と腎機能もまた負の連鎖です。腎機能が低下すると尿毒症物質がたまりやすくなり、尿毒症物質が腎機能を低下させます。
その十分に排出できなくなる尿毒症物質対策に球形吸着炭が処方されたりします。
参考:尿毒素と腎臓の関係
どんな人が熱中症に特に注意をすべきですか?
熱中症は万人が注意が必要ですが、腎臓病の方はさらなる注意が必要です。
具体的には
・降圧薬・利尿薬を服用している人
・降圧薬・利尿薬を服用しつつ外出の必要がある人
・高齢で喉の渇きが感じにくい人
・高齢で認知機能が低下している人
・脱水の危険性を医師・薬剤師に説明された覚えがない人
・暑くなってからまだ受診をしていない人
脱水対策の基本は「こまめな水分補給」
コツはのどが渇く前・のどが渇いていなくても水を飲むことです。
飲むタイミング:1時間に1回
飲む量:コップ1杯150ml程度
※飲水制限がある場合は医師に相談してください。
薬の影響と水分補給の仕方は【誰に相談をすべき】ですか?
【腎臓病を専門とする医師・薬剤師】へのご相談をおすすめします。
かかりつけ医やドラッグストアの薬剤師さんを否定するつもりはありませんが、腎臓は多くの薬の影響を受けるため専門の勉強が必要です。
腎専門医・腎臓病専門薬剤師はどこにいますか?
腎臓専門医の探し方はこちらの記事をご参考ください。
腎臓病専門の薬剤師は正式には
腎臓病薬物療法専門薬剤師・腎臓病薬物療法認定薬剤師といいます。
基本的に総合病院にいることが多いようです。在籍しているお近くの総合病院・薬局をお探しください。
医師・薬剤師にどのように相談したらよいですか?
聞きたいのは
①降圧薬・利尿薬が処方されているか
②水分補給や経口補水液などミネラル補給の仕方です
なので下記のように相談してみてはいかがでしょうか?
お客様
・脱水の副作用があると聞きました。
・水分補給の仕方とミネラル補給の仕方を教えてください。
・経口補水液は飲んでもいいですか?
腎臓病で処方される利尿薬、降圧薬の商品名一覧
ARB、SLGT2阻害薬と言われても病院でもらえるお薬手帳や「薬の説明書」にはたいてい記載されていません。基本的に「商品名」しか記載がありません。
そこで腎臓病で処方される降圧薬・利尿薬の商品名一覧を50音順で記載します。
※ここに載っている薬を飲んでいたら、夏場の過ごし方について医師・薬剤師に相談してくださいというリストです。
商品名 | 分類 |
---|---|
アジルサルタン | ARB |
アジルバ | ARB |
アゼルニジピン | Ca拮抗薬 |
アゾセミド | ループ利尿薬 |
アダラート | Ca拮抗薬 |
アデカット | ACE阻害薬 |
アテディオ配合錠 | ARB+Ca拮抗薬 |
アテレック | Ca拮抗薬 |
アバプロ | ARB |
アムロジピン | Ca拮抗薬 |
アムロジン | Ca拮抗薬 |
アラセプリル | ACE阻害薬 |
アルダクトンA | K保持性利尿薬(MRA) |
イミダプリル塩酸塩 | ACE阻害薬 |
イルトラ配合錠 | ARB+利尿薬 |
イルベサルタン | ARB |
イルベタン | ARB |
エースコール | ACE阻害薬 |
エカード配合錠 | ARB+利尿薬 |
エクスフォージ配合錠 | ARB+Ca拮抗薬 |
エナラプリルマレイン酸塩 | ACE阻害薬 |
エブランチルカプセル | α遮断薬 |
エプレレノン | K保持性利尿薬(MRA) |
オドリック | ACE阻害薬 |
オルメサルタン | ARB |
オルメテック | ARB |
カナグル | SGLT2阻害薬 |
カプトプリル | ACE阻害薬 |
カプトリル | ACE阻害薬 |
カルブロック | Ca拮抗薬 |
カンデサルタン | ARB |
ケルロング | β遮断薬 |
ケレンディア | K保持性利尿薬(MRA) |
コディオ配合錠 | ARB+利尿薬 |
コニール | Ca拮抗薬 |
コバシル | ACE阻害薬 |
ザクラス配合錠 | ARB+Ca拮抗薬 |
ジャディアンス | SGLT2阻害薬 |
シルニジピン | Ca拮抗薬 |
スピロノラクトン | K保持性利尿薬(MRA) |
ゼストリル | ACE阻害薬 |
セタプリル | ACE阻害薬 |
セパミット | Ca拮抗薬 |
セララ | K保持性利尿薬(MRA) |
セリプロロール塩酸塩 | β遮断薬 |
セレクトール | β遮断薬 |
ダイアート | ループ利尿薬 |
タナトリル | ACE阻害薬 |
チバセン | ACE阻害薬 |
ティオバン | ARB |
デタントール | α遮断薬 |
テナキシル | チアジド類似利尿薬 |
テモカプリル塩酸塩 | ACE阻害薬 |
テルミサルタン | ARB |
トラセミド | ループ利尿薬 |
トランドラプリル | ACE阻害薬 |
トリテレン | アミロライド感受性Na+チャネル遮断薬 |
ナトリックス | チアジド類似利尿薬 |
ニトレンジピン | Ca拮抗薬 |
ニバジール | Ca拮抗薬 |
ニフェジピン | Ca拮抗薬 |
ニューロタン | ARB |
ニルバジピン | Ca拮抗薬 |
ノルバスク | Ca拮抗薬 |
バイカロン | チアジド類似利尿薬 |
バイロテンシン | Ca拮抗薬 |
バソメット | α遮断薬 |
バルサルタン | ARB |
ヒドロクロロチアジド | チアジド系利尿薬 |
ヒポカ | Ca拮抗薬 |
フォシーガ | SGLT2阻害薬 |
フルイトラン | チアジド系利尿薬 |
プレミネント配合錠 | ARB+利尿薬 |
フロセミド | ループ利尿薬 |
ブロプレス | ARB |
ベタキソロール | β遮断薬 |
ベナゼプリル塩酸塩 | ACE阻害薬 |
ベニジピン | Ca拮抗薬 |
ベハイド | チアジド系利尿薬 |
ペリンドプリルエルブミン | ACE阻害薬 |
ミカトリオ配合錠 | ARB+Ca拮抗薬+利尿薬 |
ミカムロ配合錠 | ARB+Ca拮抗薬 |
ミカルディス | ARB |
ミコンビ配合錠 | ARB+利尿薬 |
ミニプレス | α遮断薬 |
ミネプロ | K保持性利尿薬(MRA) |
メフルシド | チアジド類似利尿薬 |
ユニシア配合錠 | ARB+Ca拮抗薬 |
ラシックス | ループ利尿薬 |
ランデル | Ca拮抗薬 |
リシノプリル | ACE阻害薬 |
ルプラック | ループ利尿薬 |
レザルタス配合錠 | ARB+Ca拮抗薬 |
レニベース | ACE阻害薬 |
ロサルタンK ロサルタンカリウム | ARB |
ロンゲス | ACE阻害薬 |
よくある質問
Q:水を飲めば飲むほど腎臓に良いのですか?
A:いいえ。水を飲んだからと言って腎機能が回復することはありません。
ただし、脱水症状による腎機能低下は防ぐことができます。そのための水分量は一日1L~2L程度で構いません。
Q:処方薬が該当しているのか分かりません。専門の医師・薬剤師の探し方が分かりません。
A:よろしければお気軽にこちらにご相談ください。お調べいたします。
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- この記事を書いた人
- 純炭社長:樋口正人
株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)
「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。