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腎臓病対策治療薬

フォシーガ体験談。SGLT2阻害薬の腎保護効果、日本人の場合は?

明けましておめでとうございます、純炭社長の樋口です。
2022年寅年も純炭粉末公式専門店をよろしくお願いいたします。

腎臓病の新薬承認のニュース

SGLT2阻害薬 フォシーガ 商品画像
さて、2021年のトピックスは何といってもフォシーガが慢性腎臓病治療薬として承認されたこと!1991年に球形吸着炭である「クレメジン」が慢性腎臓病用の医薬品として発売されて以来、なんと30年ぶりの新薬なのです。
【関連記事】
食べる純炭きよら通信vol.29-慢性腎臓病(CKD)の承認された新薬”フォシーガ”の最新情報をまとめました。

実際飲んだ人の声は?

薬を飲む女性
純炭粉末公式専門店では、毎月お届けする「きよら通信」やブログを通じて慢性腎臓病に対する新薬開発状況などをお知らせしていたためか、2021年の秋以降、多くのお客様から「フォシーガを飲み始めたよ!」というお声をいただきました。
そこで、フォシーガを飲み始めたあなたや、これから飲んでみようと思っているあなたにとって参考になりそうな体験談をお知らせしようと思います。

フォシーガを飲み始めたらeGFRが下がってしまったAさまの場合

電話相談 男性
Aさまは2021年9月からフォシーガを飲み始めたところ、1か月後の検査でクレアチニンが上昇し、eGFRも低下してしまいました。
そこで、フォシーガ販売元である小野薬品工業の「くすり相談室」に電話してみたところ、「フォシーガ投与2週間後でeGFRが4.0程度下がることがあるが、その後のデータ(エビデンス)はない」との回答だったそうです。

純炭社長が調べてみたところ、初回承認時の2型糖尿病1012例中、6例で腎機能障害が報告されていました(頻度0.6%)。また、腎機能に対してフォシーガが効果を発揮するには少なくとも4か月の服用が必要とのデータも見つかりました。

Aさまは、「まだまだ、不透明感があり一喜一憂するところはありますが、薬効を信じて経過をみたい」と語っていました。

A様の素晴らしいところは、疑問点を医師や薬剤まかにせず、ご自分で製薬会社に問合せているところだと思います。
自分が飲んでいる薬について知りたい場合は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の医療用医薬品の添付文書情報サイトで添付文書やインタビューフォームが入手できますので調べてみて下さい。製造元や販売元の問合せ先も記載されています。
【参考】
医療用医薬品の添付文書情報 -独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

フォシーガ服用中に尿素窒素(BUN)が上昇してしまったBさまの場合

診察 女性
Bさまはフォシーガ開始後3か月目の検査で尿素窒素(BUN)が2倍に跳ね上がってしまいました。クレアチニンやeGFRには大きな変化はないのに何故?食事の内容が悪かった?と思ったそうです。

Bさまのお話を聞いて純炭社長が真っ先に思い出したのは、最近購入したレジデンスノート増刊「腎疾患の診察・検査できてますか?」(羊土社)206頁に書かれていた以下の文章です。
『(透析導入の基準となる尿毒症症状の)鑑別のなかで特に議論となるのは、血清クレアチニンが2 mg/dL程度であるにもかかわらず、BUNが100 mg/dL以上で、食欲低下や倦怠感などの尿毒症症状と思われる症状があるような状況ではないかと個人的には思う。このような場合、よく透析導入の依頼を受けるが…(中略)…消化管出血、循環血漿量の低下(脱水)、タンパク負荷といった、いわゆるBUN/クレアチニン比が増加している病態をしっかり除外する必要がある

フォシーガの副作用として尿量増加による脱水があります。
この副作用を知っていたBさまは毎日1.5~2.0リットルの水分摂取を心がけていましたが、2021年12月の検査ではBUN/クレアチニン比が急上昇しており、(赤血球やHbA1cなども増加していたことから)、脱水状態と判断されたとのことです。

Bさまの場合は、ご自身の見識や主治医の判断で透析には至りませんでしたが、注意すべきは、クレアチニンやeGFRが透析導入基準に満たない場合でもBUNが跳ね上がり食欲不振や倦怠感を感じていると(本当は必要ないのに)透析導入されてしまう場合があるということです。

お医者様にしてみれば、目の前に食欲不振や倦怠感を訴える慢性腎不全患者が現れれたら、(透析導入したとしても)美味しく食べられ、身体も軽く、楽になって欲しいと願うのが当然(医師の使命)だと思います。ですから、誤って透析に入ってしまうようなことが無いように、セカンドオピニオンを見つけたり、自分自身の病気に関する見識を高めることが大切だと思うのです。

【参考】
BUN/クレアチニン比とは何か? -公益社団法人福岡県薬剤師会
患者さんは脱水症状ではないですか? -長崎県島原病院NST(栄養サポートチーム)

SGLT2阻害薬、日本人での腎保護効果は?

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メディカルトリビューンWeb版(2021年11月9日)で報道された川崎医科大学(長洲一先生)と横浜市立大学(矢野裕一朗先生ら)の共同研究成果によると、2型糖尿病(注)の日本人において以下のことが明らかになったとのことです。
1)eGFRの年間低下率はSGLT2阻害薬(フォシーガ以外のSGLT2阻害薬も含む)で-0.47、他の血糖降下薬では-1.22でありSGLT2阻害薬で明らかにeGFR低下は緩やかになった。
2)平均2年間の追跡期間中にeGFRが50%以上低下または透析導入に至った103例の内訳はSGLT2阻害薬で30例、他の血糖降下薬で73例であり、SGLT2阻害薬で有意に少なかった。
【参考】
Kidney Outcomes Associated With SGLT2 Inhibitors Versus Other Glucose-Lowering Drugs in Real-world Clinical Practice: The Japan Chronic Kidney Disease Database -Diabetes Care 2021; 44: 2542-2551

注:糖尿病には1型と2型の二つのタイプがあります。1型糖尿病は自己免疫疾患などでインスリン分泌細胞が破壊されてしまうタイプ(インスリン注射が必要です)。2型糖尿病はインスリンは分泌されるものの、分泌量が減ってしまったり感受性が低下してしまい、血糖値が高いままになるタイプです。2型糖尿病は遺伝的要因や過食・運動不足などが原因で発症します(e-ヘルスネットより抜粋

おわりに

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以上の結果から、フォシーガに代表されるSGLT2阻害薬は日本人の慢性腎臓病(CKD)治療に有効であることは間違いなさそうです。しかしながら、本ブログでご紹介したAさまのように一過性にeGFRが低下してしまったり、Bさまのように脱水が生じてしまう場合があるので、検査値を見ながらより良い薬効が得られるように気長に様子を見守ってくださいね。

【関連記事】
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この記事を書いた人
樋口正人(純炭社長)

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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