慢性腎臓病(CKD)なら注意したい”朝ごはんメニュー”に気を付けて
こんにちは。
純炭社長の樋口です。
あなたの朝ごはんは毎日どんなメニューでしょうか?
和食?洋食?いつも食べない?
実は、毎日の朝ごはんの”あるメニュー”によって、腎機能を落とすかどうか…落とし穴が潜んでいます。
目次
朝ごはんと言えば目玉焼き?
卵は手軽にタンパク質がとれて朝ごはんには欠かせない食材の一つですね。実は、この卵をどうやって調理するかで、腎機能を保てるかが変わってきます。
あなたは目玉焼き(しかもベーコンエッグ)を毎日食べてはいませんか?ベーコンエッグはAGE(糖化物質)が多いので腎臓に負担をかけてしまうのです。
腎臓に負担をかけるAGEとは
腎機能を落とす原因物質の一つに糖化物質AGE(えーじーいー)があります。これは、糖とタンパク質がガッチリと結合して一体化してしまったもの。糖化物質は高温で長時間加熱する程増えてしまいます。
調理方法次第で増えるAGE
上記の図のように、卵を加熱調理するとAGE量がどんどん増えます。一日に食べてもよいAGE量の上限は15,000exAGEです。つまり目玉焼き1回で1日分の約1/4のAGEを摂ってしまうことになるのです。
AGE恐ろしい正体
加熱によって作られた糖化物質AGEが体内に取り込まれると、体内のタンパク質本来の機能を損ない、AGE受容体(RAGE)に結合して炎症やがん細胞の増殖を引き起こします。体内に取り込まれたAGEを体外に排泄するには腎臓からしかできません。
AGEが腎臓を通過すると?
ネズミを使った実験では、投与されたAGEの83%が腎臓で血管内から除去されるものの、その35%が腎臓に沈着して腎機能の低下をまねくのです。人間では腎臓で除去されるAGEの大部分が食事中のAGEであることが知られています。ですから高AGE食が多いほど腎臓に負担をかけていることになるのです。
AGEが多い食事の例
AGEは糖とタンパク質が加熱によって結合してできるもの。大切なのは料理温度です。大抵の食材は糖とタンパク質が共存しているので、料理温度が高くなるほど糖とタンパク質がぶつかる回数が増えてAGE化しやすくなります。この写真のようなファーストフードもAGEが多いので食べすぎに注意しましょう
腎臓に優しいメニューを選ぶ
毎日ベーコンエッグを食べるのは避け、ゆで卵や温泉卵などAGEの低い調理方法をローテーションにするのがオススメ!AGEはコンガリ焦げ目のついた料理や油で調理したものにも多く作られてしまいますので、朝ごはん以外のメニューを選ぶときも気を付けて見ましょう。
メニュー選びのポイント
メニュー選びのキーワードは水を使った料理『蒸す・茹でる・煮る』です。
蒸料理は100℃以上にならないのでAGEが少ない調理法です。カリウムが高い場合には茹で料理がおすすめです。
水を使った調理方法なら100℃以上になりませんから、調理中に高温になりすぎず、焦げ目も付かないのでオススメです。蒸料理は水溶性ビタミンが流れ出ないので栄養価が高くAGEも少ない調理法ですが、血液検査でカリウムが高い場合は茹で料理がおすすめです。
野菜炒めなどの炒め物は油だけでいためるのではなく、少し水を入れて炒め煮のようにするとAGEを少なく抑えることが出来ます。
電子レンジ調理のワナ
電子レンジも焦げ目はつきませんが、非常に高温になってしまうためAGEができやすいので避けましょう。もともとAGEが多い揚げ物を電子レンジで温めなおすのはもっとも避けたい料理法です。
まとめ買いをして食材を凍らせたりしている場合は自然解凍をしたり、野菜の下ごしらえ(下茹で等)に電子レンジを使っているいる場合は、茹でたり蒸すなどにしましょう。
どうしても・・・冷凍食品を食べる場合やお惣菜の温め直しなどは、オーブントースターや鍋で温め直しをした方が腎臓には優しくなります。
外食の場合
AGEがどれくらいか知ってしまうと怖くて外でご飯が食べられなくなってしまうかも??※1日に食べてよいAGE許容量(15,000exAGE)外食する場合は腎臓に負担をかけるAGEを意識してメニューを選びましょう。
高AGEの要注意メニュー | ||
生姜焼き(豚肩ロース100g) | 14,041exAGE | こんがり焦げ目のついたお肉が高AGEの原因 |
カルボナーラ(150g) | 7,033exAGE | ベーコンなどの加工食品自体がAGEを含み、さらに加熱調理でAGE量がUP |
うな重(うなぎ120g+ごはん240g) | 14,153exAGE | 甘いたれを付けてこんがり焼いたウナギは高AGE |
ハンバーグ(牛豚合いびきで100g) | 11,771exAGE | 素材自体に油分が多いと焼いた時に高温になりやすくなります |
比較的AGEが少ないメニュー | ||
サバの味噌煮(90g) | 1,409exAGE | 焼き魚よりも煮魚メニューの方がAGEが低くて安心です |
しゃぶしゃぶ(100gのロース肉+ポン酢) | 2,575exAGE | 茹でる調理は低AGEメニュー |
ポテトサラダ(70g) | 254exAGE | 同じサラダでも、炒めたベーコンやクルトンが入るシーザーサラダはAGEが高くなるので注意 |
かけうどん(200g) | 86exAGE | お揚げ入のきつねうどんなら1,500exAGE、てんぷらそばにすると2,049exAGE |
➤外食メニューのAGE量はAGEデータブックをご覧頂くと詳しく掲載されています。ご注文はこちら
➤AGEと腎臓病については読むデトックス2&3もどうぞ!
- この記事を書いた人
- 純炭社長:樋口正人
株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)
「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。
「慢性腎臓病(CKD)なら注意したい”朝ごはんメニュー”に気を付けて」への9 件のフィードバック
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[…] 前回のブログは体が糖化しないようにするにはAGEによる体内の老化を防ぐためには『AGE化する2つの経路を絶つ』ということが大切ですとお伝えしました。 […]
[…] AGEがどのようにして腎臓に負担をかけるのか?は、 「ベーコンエッグで腎臓病に!?」ブログで紹介していますが、この一冊を持ち歩いていれば、外食の際にも何を食べたら腎臓に優し […]
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[…] ☝肉まんは腎臓に良いと言い切れるか? だがしかし、そうは単純に「肉まんは腎臓に良い食べ物」と言い切れないのが腎臓病食の難しいところ! 前回のブログ「腎臓に良い食べ物はどっち?純炭社長おすすめの朝ごはん編」は卵料理を比較したので、どんなタイプの腎臓病であっても自信をもって「目玉焼きよりもゆで卵の方が腎臓に優しい!」と言い切れたのですが、ファーストフードのように、違う食材・違う料理法のメニューを比較して「どっちが腎臓に優しいか?」と言い切るのは実は無理があるのです。 […]
[…] ☝ただし果物はこんな注意が必要です。 注:カリウム的に果物が大丈夫であっても食べすぎにはご注意ください。というのも果物に含まれる果糖は腎臓に負担をかけるAGE(糖化物質)に変化しやすい糖だからです。AGEと腎臓病の関係は「腎臓に良い食べ物はどっち?純炭社長おすすめの朝ごはん編」で紹介していますので合わせてお読みください。 […]