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検査値の読み方腎臓病対策

【最新版】腎機能が悪くなる季節があるって本当?慢性腎臓病(CKD)の数値の傾向をつかもう

こんにちはゆっきーです!
7月になり熱中症警戒アラートも毎日のように発表される季節になってきました。


最近の夏は、”猛暑より厳しい酷暑”になる日が増えているので、エアコンや扇風機を上手につかって、熱中症を予防してくださいね。
こまめな水分補給も忘れずに(甘い飲み物よりも水や麦茶などがおすすめです)。

腎臓の数値が上がりやすい季節とは


お電話の相談で「夏場になって腎臓の数値がが悪くなってしまった」とおっしゃるお客様が多く、皆さんお悩みは共通のようです。実際、季節によってのクレアチニン値がどの様に変化するか?を調べた論文※1もあるので、どんな結果が出たか見てみましょう。

腎臓病は夏場が鬼門


この論文※1では、高血圧の患者さんを2つのグループ(慢性腎不全の群・そうでない群)に分け、季節ごとのeGFR(推算糸球体濾過量=腎臓がどの程度働いているかを示す数値)の変動を調べています。どちらのグループも春よりも夏にeGFRが下がってしまったとのことです。

腎機能低下の原因は?


また、他の腎機能の数値(クレアチニン値・尿酸値)も夏に上昇していたことなどから、

「脱水」によって腎機能が低下するのだろうと筆者たちはまとめています。

更に詳しく調べてみると、高齢者や降圧剤の飲み合わせ(レニン-アンジオテンシン系阻害剤と利尿剤の併用)でeGFRの低下がよりはっきり表れるそうです。
喉の渇きを感じにくい高齢者や、水分を体外に排出する利尿剤が「脱水」を招いているのかも知れませんね。自分に当てはまる場合は利尿剤を止めるのではなく、意識的に水分を多めに摂るようにしてくださいね。

秋には腎臓の数値が戻る!?


しかし、論文内で注目したいのは「夏場に悪化した値は秋や冬になると少し戻ってくるという傾向がみられた!」ということ。つまり、本当に腎臓に傷害が起こっているのではなく、一時的な脱水の影響で数値が悪化したのかもしれません。急激にeGFRが低下した場合は別として、多少の数値の悪化に心配しすぎてストレスをため込むのも良くありません。検査結果の悪化が「脱水」なのか?腎機能の低下なのか?はお医者様なら判断できますので、診察を受けてから、秋の検査でもう一度確認しましょう。

秋にもう一度再検査をしましょう


ちなみにクレアチニンの値は筋肉量や摂取タンパク質量の影響も受けやすいので(特に高齢者や女性で)1回の値ではなく、できるだけ継続的に血液検査を受けて変化を把握してくださいね。

また、筋肉量に左右されない「シスタチンC」を調べることでも腎機能を調べることができます。自分は筋肉が少ないな~(あるいは筋トレで筋肉が多い)と思う場合は、クレアチニンだけでは腎機能を正確に把握できていない可能性がありますので、血液検査で簡単に調べられる「シスタチンC」を測定してみてはいかがでしょう。

おわりに


前述のようにクレアチニン値だけでは腎機能を知ることは難しいので、eGFRをグラフにつけて、自身の腎臓が何時どんな時に数値変動するか?といった傾向をつかむのもオススメの方法です。eGFRが低下しやすい季節は、暑い夏だけでなく、美味しいものを沢山食べてしまうお正月や、花粉症の季節など人それぞれです。2~3年もグラフにつければ、毎年この時期は良くなる(悪くなる)などがわかるので、多少の数値の増減にも余裕をもって受け止めることが出来るようになりますよ。グラフの書き方は純炭粉末きよら通信保存版(eGFRグラフ)も参考にしてみてくださいね。

参考文献など

※1. Tohoku J. Exp. Med. 224:137-142, 2011
「Seasonal Variation in Estimated Glomerular Filtration Rate Based on Serum Creatinine Levels in Hypertensive Patients」
Masugata H. et al.
「高血圧の患者さん※2の中で,慢性腎不全(CKD)のある人(55名),ない人※3(47名)について,血清クレアチニン値を元に算出するeGFR(推算糸球体ろ過値)の季節変動を調べたところ,どちらのグループでも春先(3~5月)に対して夏場(6~8月)はeGFRが低下(≒血清クレアチニン値が上昇)していた。」

※2. 高血圧・・・収縮期血圧140mmHg以上,かつ/または,拡張期血圧90mmHg以上
※3. 腎不全に該当しない人・・・eGFRが60mL/min/1.73m2以上

「CKD早期発見・治療 ベストガイド 寛解につながる慢性腎臓病へのアプローチ」  佐中 孜 著 <医学書院>

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純炭社長:樋口正人 代表取締役社長CEO
中外製薬で腎臓病治療薬(エリスロポエチン)の創薬研究に従事。金沢医科大学医学部腎臓内科非常勤講師を経て、2009年株式会社ダステックを創業。 長期服用を前提とした安心・安全な食用炭「純炭粉末」の研究開発や自社製造を続ける傍ら、腎臓病の知識・腎臓内科の受診のすすめ、腎臓をeGFRで管理することの重要性など、慢性腎臓病患者さんに対する情報発信、啓蒙活動に取り組んでいる。

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この記事を書いた人
純炭社長:樋口正人

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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