生真面目な性格ほど透析になる? ウソだらけの健康常識、「不良」長寿のすすめ 2022年5月17日追記
こんにちは。純炭社長の樋口です。
先日、完璧に食事内容を自己管理しているお客様から、こんなお電話をいただきました(多少の脚色はご容赦ください)。
目次
几帳面で頑張っているのに…
お客様
「医者や栄養士の言うことを聞いて、こんなに努力しているのに、クレアチニンの値がどんどん高くなってしまう。どうしたら良いのか分からない。」
いろいろとお話を聞いていると、こんなことをおっしゃいました。
お客様
当時は僕と友人のクレアチニン値が同じ位だったの・・・。
その友人はね、僕と違って食事や運動なんて全く気にせずに自由に生活しているから、あっという間に透析になっちゃうと思っていたら・・・・
なんと、そいつの腎機能はたいして悪くならないの・・・・
節制している自分の方がどんどん悪くなっちゃう・・・・
若いころは海外出張が多くて、暴飲暴食していたから自業自得かな?
その数日後に出会ったのが、この本です。
「不良」長寿とは?

本の帯に書いてある内容(特にタバコ)には納得できないところも多々あります。
しかし、筆者の
「自分を許す」
「いい人であることをやめる」
「(時には)自分は悪くないと責任回避する」
という生き方が病気を遠ざける!という発想に共感をおぼえました。
(※ただし不摂生を勧めるものではありません)
時間のない方は、冒頭にある『はじめに-二十一世紀は”心の世紀”』の18ページだけ、書店て立ち読みして下さい。
これからの人生や生き方が変わるとこと間違いなしです。
本著書によると、数々の興味深い研究結果が紹介されています。
我慢して感情を抑えてしまう『いい人』はがんになりやすい

実は、性格と病気については、似たような調査報告がいくつもでています。
早死にしやすい性格がある
イギリスの学者がユーゴスラビアの1500人、それも家を一軒ずつ飛ばして1500軒の40~50歳くらいの世帯主について、性格と寿命をしらべたました。
すると、早死に(そのうち8割はがんで死ぬ)する性格が分かったそうです。
それは「何かがうまく行かなかったとにき、全部自分のせいにして、うちにこもってしまうような真面目なタイプ」だったのだそうです。
ガンになりやすい性格
心理学者のハンス・アイゼンク博士による調査では、ガンになりやすい性格が分かりました。
「周囲との調和を優先して、感情を抑えがちで、悲しみや不安を感じても表情に表すことが少なく、自分の中に抱え込んでしまうタイプ」ががんになりやすいそうです。
脳卒中のリスクにも性格が関係する
ミシガン大学のキム氏の研究で楽観度と脳卒中の関係が調べられています。
『50歳以上の6404人を2年間調査したところ、楽観度が1段階上がると、脳卒中のリスクが9%低下した。』という結果になりました。
健康管理に真面目な人は病気になりやすい?

冒頭のお電話相談のお客様のように、真面目すぎるのは健康に良くないかもしれない?と考えさせられる調査報告があります。
フィンランドで1974年から15年間、40~45歳の生活環境が似ている上級管理職1200人を600人づつに分け以下の2グループに分けて調査を行いました。
グループ1(真面目グループ) | 毎年2回も健康診断を受診 栄養管理を徹底 酒・タバコ・砂糖を控え、適度な運動をさせる |
グループ2(自由グループ) | なんの制限も設けずに自由に生活する |
死亡率はどちらが高かったか
グループ1(真面目グループ) | 死亡者67人(自殺者あり) |
グループ2(自由グループ) | 死亡者46人(自殺者なし) |
『結果として、自由グループの方が病気も死亡率も低かった』というのです。
真面目グループのような生活を楽しんで過ごせる人は良いのかもしれませんが、窮屈に感じてストレスにつながってしまうと病気になりやすくなるのでしょうね。
進行がん患者の75%は似たような性格
『心理学者のリディア・テモショックらの150人以上の進行がん患者を対象とした調査では、75%の進行がん患者がタイプCに分類される性格を有しいました。

怒らない、不安、悲しみ、恐れといったネガティブな感情を表に表さない。
仕事、家族などの人間関係で、忍耐強く、控えめで協力的。
自分の欲求や願望よりも他人に気をつかい、自己犠牲になりやすい特徴がある
タイプCのほかに、AとBもあるそうです。

『精力的、野心的で競争心が強く、挑戦的で出世欲が強く、攻撃的で人と敵対する、怒りっぽい性格』。
かつてのトランプ大統領を思い出しますね(笑)。
このタイプはタイプCの次に病気になりやすく、特に血管系(心筋梗塞や脳梗塞など)の病気になりやすいようです。

『他人との競争を好まず、勝ち負けにこだわらず、野心があまりなく、マイペースであくせくしないタイプ』
仙人とも呼べるこのタイプが最も健康的で長生きできるそうです。
「のに」の呪縛と「せっかく」からの脱却

「几帳面ないい人」をやめて「いい加減で楽観的」になりなさい・・・と言われても、そんなに簡単に性格は変えられませんよね。
食生活に気を付けて減塩に取り組み、運動もがんばっているAさんの場合… 病院で検査結果を渡されるたびに、 「せっかく食生活に気を付けて減塩に取り組み、運動もがんばっているのに、今回も数値が悪くなってしまった」 と落胆していた癖をやめて (最初はやせ我慢でしたが)「こんなに食生活に気を付けて減塩に取り組み、運動もがんばっているんだから、多少数値が悪くなっても大丈夫!」 と自分自身へ言葉に出して声がけするように心がけたそうです。 すると不思議なことに検査数値の悪化が止まったとのこと。 |
「せっかく〇〇してあげたのに…」とか「こんなに頑張ったのに…」
という考え方が知らず知らずのうちに心と身体にストレスをため込む原因になっているのかもしれませんね。
「せっかく」や「のに」の呪縛から脱却するにはマインドフルネスや瞑想がおすすめです。
グーグルやインテルなどのハイテク企業は、様々なストレスから社員を解放させて、創造性や仕事の効率を良くするためにマインドフルネスや瞑想を活用しているんですよ。
おわりに
純炭社長はメディトピアをいうスマホアプリを使っています。
このアプリは優れもので、就寝前と起床時に15分から20分程度のマインドフルネスをすることができます。
(他にも、心の緊張を緩めてくれるお話を聞けたりします)
また、お客さまからマインドフルネスや瞑想を治療に取り入れている病院はないか?と聞かれることもあります。
茨城県取手市にある椎貝クリニックの椎貝達夫先生は慢性腎臓病治療に「瞑想」を取り入れていると聞いたことがあります。
しかし、残念ながら、他の腎臓内科でマインドフルネスや瞑想を取り入れた統合医療を行っているとの情報はありません。
マインドフルネスや瞑想で穏やかな心を手に入れたいけれど、禅寺での座禅はハードルが高そうだし、ヨガ教室は男性は通い難いし・・・・などとしり込みをしてしまう方には、この本を手に取って見てはいかがでしょう(純炭社長も活用しています)。
松下幸之助や稲森和夫などの実業家や多くの政治家が師事したと言われる中村天風。
お鈴やブザーの音に集中し、その音が聞こえなくなったときに訪れる、なんとも言えない静かな「空」の境地を感じることができると思います。
- この記事を書いた人
- 純炭社長:樋口正人
株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)
「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。
「生真面目な性格ほど透析になる? ウソだらけの健康常識、「不良」長寿のすすめ 2022年5月17日追記」への4 件のフィードバック
いつもお世話になっております。性格と病気の記事と関係ないのですがご教示頂けますと幸甚です。
担当医からフォシーガを提案されました。
以前フォシーガを飲み始めるとクレアチニンが上昇しその後安定するとの記事があり、理由は腎臓にかかる圧力が減るため血液中に老廃物が残りクレアチニンも上昇するが圧力が低減することによる腎臓保護により長期的にはクレアチンの数値が上昇するのを防ぐという内容でした。
この中で腎臓にかかる圧力が減るというのが腹落ちできないです。腎臓にかかる圧力とは血液の圧力なのかかな?とも思われますがフォシーガ有効となる機序をご教示頂けないかと存じます。
現在服用中の薬は、痛風:フェブキソスタット20mg腎臓保護:ロサルタンK50mg×2錠
前立腺がん小線源治療後の頻尿:ベオーバ50mgと八味地黄丸です。
年月 クレアチニン GFR 尿蛋白 尿素窒素 尿酸
2006頃 1.0 +~++ 16 6
2011頃 1.1 ±~+ 16 6
2016頃 1.1 55 - 18 7 自転車通勤で体重減少し尿蛋白等改善しました
2021頃 1.15 50 ± 18 7
最近 1.23 46 ± 19 6 2回連続でGFRが50を切ったので東北大病院式腎臓体操を始めました。67歳です。
よく勉強していらっしゃいますね。

素晴らしいです。
さて、ご質問いただいた「腎臓にかかる圧力」とは、正確には「糸球体にかかる圧力」のことです。
糸球体とは腎臓のろ過装置で、腎臓1個あたり100万個存在します。
輸入細動脈から糸球体に流れ込む血液と輸出細動脈から出ていく血液の差圧が糸球体にかかる圧力(糸球体内圧)になります。
糸球体内圧が高い状態が続くと、本来はろ過されないはずのたんぱく質が尿中に出てきてしまったり、腎機能が低下する原因になります。
フォシーガに代表されるSGLT2阻害薬は、輸入細動脈を絞って糸球体に流れ込む血液量を減らすため、糸球体内圧が低減して腎保護作用を発揮すると考えられています。
しかしながら、SGLT2阻害薬の作用メカニズムは不明な点が多く、抗炎症作用や抗線維化作用、尿酸低下作用などが複合的に作用している可能性やケトン体関与説などもあります。
ちなみに服用中のロサルタンは輸出細動脈を拡張して糸球体内圧を下げる作用があります。
(その人のモノの考え方で病になってしまう)
特に睡眠は眠りが浅く感じます。例えば運動も身体に力が入り、緊張してしまいます。(遊んでいるのですよ)言い聞かせてます。
とても為になりました。早速瞑想の本を注文し、マインドフルネスもインストールして見ました。ゆっくり楽しみます🙇
コメントありがとうございます。
私も子供の頃から寝つきが悪く、睡眠の量や質が気になるものの、あまり気にし過ぎるとストレスになるので、「昼間眠くならないから大丈夫!」と考えるようにしています。
また、頭の中を空(くう)にする瞑想や呼吸に集中するマインドフルネスも10年以上続けています。
最新のナショナルジオグラフィックにも「脳と体を改善する科学的呼吸法」という記事があり、まさにマインドフルネスの呼吸法そのものでした。
お時間がある時にご一読ください。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/051900266/