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【2022年版】胃酸を抑える薬を処方されている腎臓病患者が気を付けるべき薬の飲み合わせ

こんにちは。2021年6月1日に初孫が生まれた純炭社長の樋口です。
今日は『「胃酸を抑える薬」と鎮痛薬の併用で腎障害のリスクが上昇』(日経グッデイ)という気になる記事を見つけたのでご紹介します。

胃が痛い

お薬手帳でチェック!胃酸を抑える薬の見分け方

お薬手帳
病院で「胃がムカムカする」、「胃もたれする」、「酸っぱいもの(胃酸)がこみ上げてくるような気がする」と話すと、「逆流性食道炎かも知れないから胃酸を抑える薬を出しておきますね」と言われます。逆流性食道炎は生死にかかわる誤嚥性肺炎の原因になることがあるので、あなたの健康を気づかってお医者さまがお薬を出してくれるわけです。

プロトンポンプ阻害薬が処方されている?

プロトンポンプ阻害薬は胃酸を抑える薬の一種です。まず最初に、お薬手帳にプロトンポンプ阻害剤(プロトンポンプインヒビター、PPI)と書かれていないかチェックしてください。

プロトンポンプ阻害剤の代表的な商品名

・オメプラール、オメプラゾン
・タケプロン
・パリエット
・ネキシウム

胃酸を抑える薬にはプロトンポンプ阻害薬以外にも市販薬として買えるH2受容体拮抗薬(ガスターなど)がありますが、今日の主人公であるプロトンポンプ阻害薬は処方箋が必要で、市販薬として買うことはできません。
そこで、お薬手帳にプロトンポンプ阻害が書かれていたら、この先を読み進めて自分の腎臓を守ってください。
書かれていなかったら、この先は読まなくても大丈夫です(笑)。
※腎機能を落とす薬についてもっと知りたい方は『原因不明の腎疾患が増えている原因とは?』をお読みください。

鎮痛剤(エヌセイズ、NSAIs)とプロトンポンプ阻害薬の併用で急性腎障害が3倍に!

痛み止め
頭痛や歯痛、関節痛など辛い痛みは一分一秒でも早く取り除きたいですよね。そんな時に頼りになるのがドラッグストアでも買える鎮痛剤なのですが、即効性で効き目が強い鎮痛剤のほとんどにはエヌセイズ(NSAIs、非ステロイド性消炎鎮痛薬)という腎機能を落とす成分が配合されています。

プロトンポンプ阻害薬で胃酸の分泌を抑えているあなたが、何も知らずにエヌセイズが入った鎮痛薬を飲んでいると、急性腎障害のリスクが3倍以上になってしまうので、鎮痛薬を飲むときにはエヌセイズが含まれているか?を薬剤師に確認してください。

純炭ブログの『腎臓が不安な人は、どの風邪薬なら大丈夫?』で紹介しているようにエヌセイズは鎮痛薬以外にも一般的な風邪薬の解熱成分として配合されているので、プロトンポンプ阻害薬を常用しながらドラックストアで風邪薬を買う際にも、薬剤師にエヌセイズが含まれているか?を確認して選んでくださいね。

抗生物質とプロトンポンプ阻害薬の併用で急性腎障害が2倍に!

抗生物質
塗り薬の抗生物質は別として、内服の抗生物質をドラッグストアで買うことはできないと思うので、抗生物質とプロトンポンプ阻害薬の併用は病院での処方や入院時が想定されます。食中毒や抜歯、外傷などで抗生物質を内服する際には、プロトンポンプ阻害薬との併用で急性腎障害のリスクが高まる抗生物質と大丈夫な抗生物質があることを覚えておくと良いかも知れません。

プロトンポンプ阻害薬との併用で急性腎障害のリスクが上がる抗生物質

・セファロスポリン系抗生物質
・フルオロキノロン系抗生物質

プロトンポンプ阻害薬と併用しても急性腎障害のリスクが上がらない抗生物質

・ペニシリン系抗生物質
・マクロライド系抗生物質

元論文:Ikuta K, Nakagawa S, Momo K, Yonezawa A, Itohana K, Sato Y, Imai S, Nakagawa T, Matsubara K. Association of proton pump inhibitors and concomitant drugs with risk of acute kidney injury: a nested case–control study. BMJ Open. 2021 Feb 15; 11(2):e041543
https://bmjopen.bmj.com/content/11/2/e041543

その他のプロトンポンプ阻害薬の注意点(認知症や2型糖尿病リスクについて)

胃は食べ物を消化吸収する臓器である一方、口から入ってくる細菌などを胃酸で殺菌する役割も担っています。欧米の研究ではプロトンポンプ阻害薬で胃酸を抑えると歯周病菌などの雑菌が腸に達して腸内細菌叢を乱し、認知症や糖尿病のリスクが高まると言われていました。

おわりに

薬
しかしながら、これらの研究は2年以上もプロトンポンプ阻害薬を使い続けた長期使用患者での話です。日本では胃潰瘍で8週間まで、十二指腸潰瘍で6週間までと添付文書に明記されているので、さすがに数年間飲み続けている方はいないと思いますし、(幸いなことに)ドラッグストアで買えるプロトンポンプ阻害薬は2022年6月現在、日本には存在しないので、あまり気にしなくても良いのでは?と(個人的には)思っています。

【参考】
・制酸剤が認知症と関連するメカニズムを発見 -LINK de DIET(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)
・PPIの長期投与で2型糖尿病リスク上昇 -メディカルトリビューン

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純炭社長:樋口正人 代表取締役社長CEO
中外製薬で腎臓病治療薬(エリスロポエチン)の創薬研究に従事。金沢医科大学医学部腎臓内科非常勤講師を経て、2009年株式会社ダステックを創業。 長期服用を前提とした安心・安全な食用炭「純炭粉末」の研究開発や自社製造を続ける傍ら、腎臓病の知識・腎臓内科の受診のすすめ、腎臓をeGFRで管理することの重要性など、慢性腎臓病患者さんに対する情報発信、啓蒙活動に取り組んでいる。

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この記事を書いた人
純炭社長:樋口正人

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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