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【最新版】腎臓病でもコーヒーは飲んでも良いですか?

日々、腎臓病の方からご相談を受ける中で「コーヒーって腎臓病でも飲んでよいのでしょうか?」との質問を意外と多くいただきます。

美味しいコーヒーで1日をスタートさせたいあなたが安心してコーヒーが飲めるように、最新の論文データ等をまとめました。

コーヒーと腎臓病に関するエビデンス

ドリップコーヒーのイメージ画像

実は日本腎臓学会が作成したガイドライン「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」には、コーヒーの良し悪しに関する記述がありません。

つまり、日本のお医者さんは、コーヒーを飲んでも良い(飲んではいけない)と、どちらも断言できないのです。

そうはいっても、毎日飲むものなので腎臓の負担にならないのか、心配になりますよね。

そこで、海外の論文まで視野を広げ、安心材料はないものか、エビデンス重視で調べてみました。

コーヒーは腎臓に良い飲み物ですか?

コーヒーと言えば以下の成分が有名です。

カフェインむくみの予防や改善、脂肪燃焼、冷え性の改善、覚醒効果、パーキンソン病やアルツハイマー病の予防
ポリフェノール(クロロゲン酸)中性脂肪の蓄積による肝脂肪の予防、糖新生を抑制し糖尿病の予防

といった成分が健康に寄与するという事が分かっています。

では、これらの成分が入ったコーヒーは、腎臓にも良い影響をもたらすのでしょうか?

腎臓病とコーヒーに関する報告

海外の論文を調べてみると、最近の研究で『腎臓病とコーヒー』に関する報告が3本あります。

①コーヒー摂取量が多いほど、急性腎不全(AKI) 発症リスクが低下する。

年齢、性別、人種中心、教育、1日の総エネルギー摂取量、身体活動、喫煙、アルコール摂取量、食事の質についての差を差し引いても、コーヒーをより多く飲むグループの方が急性腎不全のリスクが低い傾向がみられました。

「Coffee Consumption May Mitigate the Risk for Acute Kidney Injury: Results From the Atherosclerosis Risk in Communities Study」Kidney Int Rep. 2022 May 5;7(7):1665-1672.

②慢性腎臓病では習慣的にコーヒーを摂取しても、推定糸球体濾過率 (eGFR)等の値には関係がないという報告。
(※ただし腎臓病のリスクが高くなる、70歳以上で肥満の人には、コーヒーの摂取量が多いほど腎機能が高く保たれているということが多かった。)

「Association of habitual coffee consumption and kidney function: A prospective analysis in the Rotterdam Study」Clin Nutr. 2023 Feb;42(2):83-92.

③コーヒー摂取量と、腎機能や腎臓病のリスクとの関係を調べたところ、有意な関連性は見つからなかったという報告。

「The association between coffee and caffeine consumption and renal function: insight from individual-level data, Mendelian randomization, and meta-analysis」Arch Med Sci. 2021 Dec 14;18(4):900-911

結論:コーヒーが腎臓に良い飲み物かどうかは、未だ断言はできない。
しかし、『コーヒーが腎臓病に悪い』という報告はあまりないので、コーヒーによって腎機能を落とすことはないのではないか。

参考論文:

①2022年5月の「コーヒー摂取は急性腎障害のリスクを軽減する可能性がある:地域社会におけるアテローム性動脈硬化リスク研究の結果」

②2022年11月の「習慣的なコーヒー摂取と腎臓機能の関連性: ロッテルダム研究における前向き分析」

③2021年12月の「コーヒーおよびカフェインの摂取と腎機能との関連性:個人レベルのデータ、メンデルランダム化、およびメタ分析からの洞察」

コーヒーとの付き合い方について

腎臓病ではコーヒーは1日何杯飲んでよいですか?

これらの論文のエビデンスから考えると、1日1~2杯程度であれば飲んで良いようです。

腎臓に良い影響悪い影響あまりなさそうなので、嗜好品として適度に楽しみましょう。

健康な人でも、コーヒーを一度に4杯(カフェイン量で250~300mg)も飲んでしまうと尿量が増え、脱水になる可能性があります。

一方でコーヒー2杯まで(カフェイン150mg)では尿量は変わらず、尿中に排出されるナトリウムが多くなることが報告されています。

コーヒーでは種類、飲み方にも注意が必要なので簡単に紹介します。

コーヒーの飲み方について

おすすめのコーヒー
ドリップしたブラックコーヒーが◎
インスタントに比べてクロロゲン酸も豊富です。
砂糖や牛乳を加えずにブラックで飲むのが〇

おすすめしないコーヒー
缶コーヒーは×
缶コーヒには無機リンやカリウム、添加物が多く含まれます。
また、加糖のタイプは血糖値を上げてしまい、人工甘味料であっても腎臓に負担をかける恐れが。

コーヒーで水分補給はできません

もし、コーヒーを飲んで水分補給が出来ていると思っていたら要注意です。

コーヒーはカフェインやカリウムが多いので利尿作用が強いです。

ですので、コーヒーを飲んでも、体の水分がおしっことして出て行ってしまいます。

コーヒーを飲んだら、その分多く水を飲みましょう。

また、緑茶や紅茶、ウーロン茶などもカフェインが入っているので水分補給にはお勧めできません。

お茶を選ぶならノンカフェインのお茶(麦茶やルイボスティーなど)を選んでみましょう。

補足:ご自身の腎機能eGFR把握していますか?

クレアチニンの値だけでは、腎機能がどれくらい元気で働いているかはわかりません。

クレアチニン値と年齢、性別を入力するだけで、簡単に腎機能が何%元気で動いているかが計算できます。

計算はこちらからしてみて下さいね

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純炭社長:樋口正人 代表取締役社長CEO
中外製薬で腎臓病治療薬(エリスロポエチン)の創薬研究に従事。金沢医科大学医学部腎臓内科非常勤講師を経て、2009年株式会社ダステックを創業。 長期服用を前提とした安心・安全な食用炭「純炭粉末」の研究開発や自社製造を続ける傍ら、腎臓病の知識・腎臓内科の受診のすすめ、腎臓をeGFRで管理することの重要性など、慢性腎臓病患者さんに対する情報発信、啓蒙活動に取り組んでいる。

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この記事を書いた人
純炭社長:樋口正人

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

「【最新版】腎臓病でもコーヒーは飲んでも良いですか?」への2 件のフィードバック

    • 匿名さま
      メッセージをいただき、ありがとうございます。
      人生を楽しむには、心身ともに健康であることが大切ですよね。
      コーヒーには様々な健康効果があるので、味や香りを楽しんで素敵なカフェタイムをお過ごしくださいませ。
      腎臓の為には、インスタントコーヒーではなくドリップコーヒーがオススメ!コーヒーを飲んだ分は別で水分補給をしておけばさらに安心です。

      今後も腎臓病にやくだつ健康情報をお届けしてまいりますので、お役立ていただければ幸いです。

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