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腎臓病対策

腎臓病との闘い方、お教えします。正しい知識と少しの意思で透析回避・先延ばしへの道は拓ける【書評】(難易度:初級)

こんにちは。純炭社長です。

通勤途中のラジオから流れる池江璃花子選手の白血病ニュースを聞き、「神様は彼女に何をさせようとしているのか?」と涙がこぼれそうになった純炭社長の樋口です。その後、「神様は乗り越えられない試練は与えない」と語っているのを知り、彼女自身が病気の意味をきちんと受け止めている聡明さに感動してしまいました。

純炭粉末公式専門店のお客様にも病気を抱えた方が沢山いらっしゃいます。「透析に入るくらいなら死んだ方がまし」という言葉も良く聞きます。そんななか、2019年1月22日のJAMA Intern Med誌電子版に、「透析を受けないという患者の意思決定がどのような状況で下されたのか?」という論文が掲載されたそうです。現代医学では透析導入が標準治療だと思い込んでいましたが、患者自身、家族、または医師が透析を開始しない意思決定を下す場合もあるということを知り、少なからず衝撃を受けました。透析を受けない意思決定をした851人の平均年齢は75歳。98.9%が男性で(女性は池江選手のように治療に前向きなのか?)、95.4%の方が約半年で亡くなったそうです。

このように腎臓病は死と向き合う病気です。日本で血液透析が始まったのは1960年代ですから、つい60年前までは腎臓病はかつての結核と同じように死を覚悟する病気だったのです。透析技術の進歩によって腎臓病=死ではなくなりましたが、週3回、3~5時間の血液透析は相当な負担ですので、純炭粉末公式専門店のお客様は腎機能が低下しないように食事療法や運動療法を前向きに行い、腎臓に良さそうな情報にとても敏感であるように感じています。

さて、今日ご紹介する本は東京高麗手指鍼研究会代表の小松隆央氏著『腎臓病との闘い方、お教えします。正しい知識と少しの意思で透析回避・先延ばしへの道は拓ける』(現代書林、税悦1,300円)です。

腎臓病との闘い方、お教えします。正しい知識と少しの意思で透析回避・先延ばしへの道は拓ける

純炭社長は中外製薬時代、バイオテクノロジーを使った血液の研究をしていたので、西洋医学信奉者と思われがちですが、実は鍼灸やアロマテラピー、マインドフルネス、瞑想などを取り入れた統合医療にとても興味があります。鍼灸やマッサージは(かなりの確率で)腎機能回復に効果があると思い、この本を手に取りましたが、結果的には「残念な一冊」でした。
この本を読んでも、お灸やマッサージの仕方はわかりません。どこに行ったら高麗手指鍼を受けられるのか?もわかりません。ある程度、集客を目的として書かれた本であったとしても、藁にもすがる思いで本書を手に取る読者に対して、自分でできるツボ刺激法や高麗手指鍼を受けられる鍼灸院リストくらいは欲しかった(残念)、というのが本音です。

著者はIgA腎症の青年に鍼治療を施したことをきっかけに、その後500人以上の慢性腎臓病患者と関わった結果、『お医者さん任せにしないで、正しい知識と少しの意思さえ持てば、多くの腎臓病患者さんは自分自身で人工透析を先延ばしできる。回避することも可能。』というメッセージを伝えたくて本書を出版したと書かれています。『お医者さん任せにしない』という心構えは、先にご紹介したリュウ・ウェイさんの生き方と同じであり、純炭社長も同じ考えです。

では、本書の構成にそって内容と感想を要約してみます。

『序章 鍼灸師の私が腎臓病治療に取り組む理由』
予後不良のIgA腎症で10年後には透析導入と告げられた大学生が週3回の高麗手指鍼を続けた結果、クレアチニンクリアランスが改善し、7年後には症状が落ちついて鍼治療から離脱できたケースが紹介されています。IgA腎症は日本人で最も多い慢性糸球体腎炎であり、若年者に多い特徴があります。以前は予後良好な腎疾患だと思われていましたが、近年では診断後5~25年で20~40%が透析導入になると考えられています。

『第1章 腎臓病は日常生活を蝕んで、やがて命を脅かす』
ここでは腎機能や慢性腎臓病に関する簡単な説明が書かれていますが、『透析が「儲かるビジネス」になっている』や『「透析の質」を問題視する医師もいる』といった医師では書きにくい実態に言及している点は面白いと思いました。

本文には具体的数値は書かれていませんが、外来血液透析は約40万円/月、腹膜透析は30~50万円/月の医療費がかかります。しかし、高額医療費の特例として透析治療の自己負担は1カ月1万円が上限とされています(全腎協HPより)。言いかえると、透析クリニックは患者ひとり当たり年間500万円近いお金が自動的に健康保険から入ってくる計算になる訳です。インフルエンザなどで患者数が季節変動する一般内科とは病院経営的に大きく違いますね。
透析の質に関しては「透析時間」と「透析液の質」の二つの問題があります。透析時間が短ければ限られた時間で多くの患者を透析することができます。一方で、透析時間が長いほど生命予後が良く、痒みなどの透析合併症が少ないことが知られています。私が知っている熊本のクリニックは5時間以上の長時間透析を行っており、痒みを訴える患者は皆無と聞いています。また、1回の透析には120~150リットルもの透析液が必要です。透析液が綺麗であるほど透析に質は高まります。最近では水素水を使って透析を行うクリニックもあります。透析液の質は患者にはわかり難いですが、長時間透析を勧めてくれるクリニックは良心的と言えるでしょう。
更にこの章では、クレアチニン値よりもeGFRで腎機能を判断しましょう!と書かれています。これはとても良いことなのですが、次章以降の本文ではeGFRよりもクレアチニン値ばかり出てくるので、ちょっと残念な気分になります。

『第2章 透析を回避したいなら、守らなければならないこと<食事編>』
注意すべき4つのポイントとして、①タンパク制限、②塩分制限、③カリウム制限、④プリン体制限があげられていますが、糖質制限の体験談が紹介されていたり、ステレオタイプにタンパク制限が推奨されていたり、内容に一貫性がなく、あまり参考になりません。
ただ、「青汁はカリウムが多いので、健康に良いと聞くから漫然と飲むのは良くない」というのはその通りだと思いました。

何をどれだけ食べたら良いのか?という問題はとても難しい問題です。糖尿病性腎症であれば血糖値を上げない糖質制限食が良い場合もありますが、糖質を控えた分、タンパク質と脂質の摂取量が増えてしまうので、残腎機能ごとにタンパク質、糖質、脂質のバランスを調節する必要があると思います。また、高齢者に安易にタンパク制限を勧めることは筋肉量の低下につながり、サルコペニアやフレイルによる寝たきりを招く原因にもなります。腎機能の数値だけを気にするのではなく、全身状態を見極めながら必要な栄養素を摂る必要があります。

『第3章 透析を回避したいなら、守らなければならないこと<生活編>』
ここで紹介されるのは、①適度な運動、②質の良い睡眠と休憩の必要性、ですが、具体的な運動方法が知りたい方は別の書評ブログで紹介した上月先生の書籍の方が良いと思います。

なお、この章には『腎臓病に漢方薬は悪影響を及ぼす』という項があります。アリストロキア酸という成分や甘草を含む漢方薬は腎機能を低下されることが紹介されています。純炭粉末公式専門店のお客様の中にも漢方薬を飲んでいる方が多いので参考になりました。

多くの化学物質は腎臓から尿中に排泄されるので、「健康に良いから」と思って飲んでいたサプリメントや漢方が腎臓に負担をかけている可能性も考えなくてはならないですね。

『第4章 「高麗手指鍼」なら、あなたの闘いをバックアップできる』
ここが最も知りたい内容ですが、本章では他の鍼灸と高麗手指鍼につかう鍼の違いや、手に鍼を打つだけなので衣類を脱ぐ必要がない、などの施術の違いが説明されているのみです。セルフケアのためのお灸も紹介されていますが、『高麗手指鍼で用いるお灸は、日本の市販のものとは違い、韓国製の特殊なもので、もぐさの質が良く、台座には遠赤外線効果がある鉱石を使っています。』と書かれており、市販のお灸ではダメなのか?という素朴な疑問には答えてくれません。

『第5章 ケーススタディー。腎臓病との闘いの記録』
よくあるビフォーアフター症例が紹介されています。その中にこのような公式が記されています。
『「クレアチニン数値」×仕事の内容(事務職か肉体労働か)×食事内容(塩分+タンパク質)×1週間の治療頻度=有効率』
そして、以下の記載も。

『クレアチニンが4台で、事務職、食事の内容がほぼ完璧なら、おおむね、
・1週間1回で5~10%
・1週間2回で50~60%
・1週間3回で70~80%
・1週間5回で90%以上
の確率でクレアチニン値は一定の割合で降下し、その後停止状態になります。』

要するに、「透析を回避したいなら楽な仕事に転職し、適切な食事と適度な運動をこころがけ、毎日、高麗手指鍼を受ければ90%以上の確率で透析に入らずに済む」ということです。実際に、東京にある「こまつ鍼灸院」には沖縄や関西在住の慢性腎臓病患者が高麗手指鍼を受けに訪れるようです。しかし、週に5回の施術を受けるには東京近郊に住んでいないと難しいですよね。遠方の患者さんにはどのような指導をしているのか知りたいところです。

さて、今回は辛口の書評になってしまいましたが、多くの気付きを与えてくれた一冊でもありました。ツボ刺激は腎機能を保護(又は回復)させるための補完療法として有用だと思います。高麗手指鍼では手のひらに全身全てのツボが集中していることを利用して治療している訳ですが、足の裏にも同じように全身のツボがあります。そして耳や頭皮にも。

そこで純炭社長は考えました。手のひらや足の裏のツボを常時刺激することはできませんが、耳のツボであれば常時刺激しても普通に日常生活がおくれるのではないか?と。
知り合いの鍼灸師さんの意見を聞きながら、「セルフケアで腎臓を守るツボ刺激が出来ないのか?」を試してみたいと思っています。そして、本書の著者である小松先生には、全国で高麗手指鍼が受けられるようにお弟子さんの育成に励んで欲しいと願っています。

最後になりますが、本書でも繰り返し書かれているように、高麗手指鍼だけで腎機能が改善するわけではありません。適切な食事療法と運動療法との組み合わせによって効果が期待できるのです。鍼を打ってもらったから暴飲暴食しても大丈夫などと思わないで下さいね(笑)。

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この記事を書いた人
樋口正人(純炭社長)

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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