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AGE研究の第一人者、山岸昌一先生著 早死にしない!老ける食べ方×若返る食べ方【書評】(難易度:初級)

こんにちは。AGE研究協会認定講師でもある純炭社長の樋口です。

2019年2月7日のメディカルトリビューンWEB版に『加糖飲料の飲み過ぎでCKD(慢性腎臓病)リスク上昇』という記事がありました。Clin J Am Soc Nephrol (2019;14:49-56)に掲載された論文によると、炭酸飲料、加糖された果汁飲料、水の摂取量が多い人では最大で61%もCKD発症リスクが高まるそうです。(水に関しては「〇〇の天然水」のような加糖されたフレーバー付き飲料水が含まれた可能性があります)。

なぜ、炭酸飲料や加糖されたジュース類を飲むと慢性腎臓病になってしまうのか?その理由を教えてくれるのが、久留米大学医学部教授、山岸昌一先生著、『老ける食べ方、若返る食べ方』(永岡書店、税別1,000円)です。

最近では健康情報番組でも紹介されるようになった“老化の原因物質AGE(エージーイー)”。実は、AGEは腎機能を低下させる原因物質でもあるのです。AGEを溜めこまない食事法や生活習慣を知ることは透析を遠ざけることにもつながりますので、内容をご紹介します。

『序章 老けたくないならどっちを食べる?』
十数年ぶりの同窓会。当時憧れていたN君がまさかの・・・・そんなマンガで始まるので活字が苦手な方にも読みやすく工夫されています。
マンガのあとにはクイズ。
『卵料理ならどれを食べる?』
①目玉焼き
②オムレツ
③スクランブルエッグ

正解は・・・・③スクランブルエッグです。理由は調理時間が短くてAGEが少ないから。
スクランブルエッグよりもAGEが少ない卵料理はゆで卵。
もっともAGEが少ない卵料理は「生卵」です!(もはや料理ではない?笑)

クイズ形式で腎臓に良いメニューや調理法がわかりますよ。

『第1章 「体がコゲる!?」“AGEをためる食べ方”が老化を早める!』
AGEとは何なのか?体内でAGEができる理由、食事からAGEが取り込まれてしまう理由がわかりやすく解説されています。AGEとはタンパク質に糖が結合して離れなくなってしまったモノ。タンパク質の構造が壊れてしまうので、タンパク質本来の機能が損なわれてしまいます(実はタンパク質以外にも細胞膜を作る脂質やDNAを作る核酸もAGE化します。怖いですね)。例えば、血管を作っているコラーゲンに糖が結合してAGE化してしまうと弾力性が失われて固くなってしまいます。腎臓は血管の集まりなのでAGE化の影響を受けやすい臓器なのでしょうね。

AGEが溜まってしまう経路はふたつあります。
『AGEの蓄積量は「血糖値×持続時間」で決まる』。ご飯やパンなどの炭水化物や炭酸飲料、加糖されたジュースなどで血糖値が高い状態が続くほど、体内でAGEができやすくなってしまうのです。

もうひとつの経路は食事。
『高温で加熱調理された料理、加工食品には、AGEがたくさん含まれます』
『食品に含まれるAGEの7%は体内に蓄積する』
『調理温度が10度上がるとAGEは2倍に増える』
何をどのように調理して食べるか?でAGEの溜まり具合は違ってくるようです。
今、流行している「糖質制限」とAGEの関係も書かれていて、とても興味深い内容です。

『第2章 「体の中から若返る」“AGE制限”の食べ方&調理のコツ』
AGEを体内にためないための3つの秘訣が紹介されています。それは・・・・
①『食後血糖値を急速に上げない食べ方をする』
②『AGEの含有量の少ない食品をチョイスする』
③『体の糖化反応を抑えるために、なるべく低温で調理する』

そして①~③を実践するための10個のコツが具体的に説明されています。

たとえば、①を実践するためにはGI値の低い食べ物を選択すること。GI値とは糖質50グラムを食べた時の血糖値の上がり具合を、ブドウ糖を100としたときの相対値で表したものです。白米のGI値は73ですが玄米は59、食パンのGI値は71ですがフランスパンは57、というように同じ重さを食べたとしても玄米やフランスパンの方が血糖値は上がりにくいというわけです。(本文にはありませんが、食後5分の軽い運動も良いらしいですよ)

その他にも、酢は血圧を下げるのみならず血糖値の上昇も抑える、エクストラバージンオリーブオイルは意外なことにAGEが多いので注意が必要、ブロッコリースプラウトやベリー類はAGE化を抑える、電子レンジ加熱でAGEが出来てしまう、などなど目から鱗な情報が満載です。

個人的には果物や清涼飲料水に含まれる果糖はブドウ糖の10倍もAGEを作りやすいことにビックリしました。冒頭で紹介した、甘いジュースで慢性腎臓病が増える原因はコレだったんですね。

『第3章 「何を食べればいいの?」AGEをためない食べ方のテクニック』
『ASGを減らして老化を防ぎたいけれど、外食が多いと無理かも・・・・』と思ってしまう読者向けに、居酒屋、中華、イタリアン、ファミリーレストラン、和定食、洋定食、ラーメン、そば・うどん、焼き肉、カレー、寿司、丼物、ファーストフード、弁当・惣菜、パン、スイーツ、ドリンクといった、シーン別に食べてOKなもの、NGなものが紹介されているので、知らず知らずのうちに低AGE食の習慣が身に付きそうです。ネズミの実験では餌のカロリーは減らさずに、AGEを減らすだけで寿命が延びるそうなので、低AGE食が病気を遠ざける方法として広まりそうですね。

『第4章 「低温調理がポイント!」AGEをつくらない調理のテクニック』
電子レンジ加熱や高温調理で料理の中に大量のAGEが出来てしまいます。
『料理は「生→蒸す→煮る→炒める→焼く→揚げる」の順で』、生で食べられるものはできるだけ生で、加熱する際は高温に長くさらされない調理方法を選択する方が良いことが紹介されています。また、AGEを溜めないために、食べるべき食材や、それらを使った簡単メニューも載っていて参考になります。
純炭粉末公式専門店の社員食堂では低温調理機BONIQを使って低AGE食を調理しています。写真は豚肩ロース肉の塊を63℃で90分加熱した後に表面だけをフライパンで焼いた自家製チャーシュー。肉厚なのに、ビックリするほど柔らかくてジューシーです。

尚、本書には『食品&調理別AGE含有量データ』の一覧表も載っていますが、ビジュアルで確認したい場合は、純炭粉末公式専門店でもお買い求めいただけるAGEデータブックがおすすめです。

『第5章 「早死にしない!」“病的な老化”を防いで健康寿命をのばす習慣』
これまでは老化の原因は活性酸素による酸化(体の錆び)だと言われてきました。しかし、最近では糖化(体のコゲ)によって酸化ストレスが高まることがわかっています。抗酸化の代表格であるSODという酵素は糖化されることで抗酸化活性が低下してしまうのです。

『AGEの蓄積が招いてしまう不調と病気』の項では、心筋梗塞、脳梗塞、腎臓病といった血管系の病気のみならず、更年期障害や骨粗しょう症、変形性関節症などの女性に多い病気、アルツハイマー病や歯周病、がん転移といった意外な病気までもがAGE蓄積と関係していることが病気ごとに解説されています。

日本人の平均寿命と健康寿命(医療や介護に頼らずに、自立した生活ができている状態)には約10年の乖離があります。

AGEに対する正しい知識を1日でも早く身に着けて、AGEを溜めこまない生活をすることが、健康寿命を延ばす秘訣だと確信できる一冊でした。体内にどれだけAGEが溜まっているか?を簡単に測定できるAGEリーダーという機械があります。この機械に利き腕を載せるだけで(痛くも痒くもなく)、AGEを測定できるので、測定可能なお近くの医療機関を探してみてはいかがでしょう。ちなみに純炭粉末公式専門店を運営する(株)ダステックにもAGEリーダーがあります。石川県金沢市の会社ですが、ご予約いただければ測定できますので、興味のある方はメールやフリーダイヤルでお問合せ下さい。

【弊社ダステックお問合せ先】
◆フリーダイヤル 0120-090-218
(土日祝日、休業日を除く平日の 9-17 時)
◆メールアドレス info@juntan.net

【純炭粉末公式専門店】は→こちら

この記事を書いた人
樋口正人(純炭社長)

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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