夏場にクレアチニン値が上がる話

投稿日: カテゴリー ■腎臓病について

こんにちは、6月も半ばを過ぎ、もうすぐ夏の到来ですね。昨年は全国的に猛暑ならず酷暑となった厳しい夏でしたが、今年は冷夏との情報も・・・昨今の異常気象は想定外という事も多いので、ちょっと心配になってきますね。

☞クレアチニン値が上がりやすい季節がある?

お電話の相談でも「夏場になって血液検査の血清クレアチニンの値が上昇する方が多いような…???」とおっしゃるお客様が多いのです。そこで調べてみたところ、季節によってのクレアチニン値を調べた論文※1がありましたのでご紹介いたします。

☞6~8月の夏場が鬼門

「高血圧の患者さん2の中で,慢性腎不全(CKD)のある人(55名),ない人3(47名)について,血清クレアチニン値を元に算出するeGFR(推算糸球体ろ過値)の季節変動を調べたところ,どちらのグループでも春先(3~5月)に対して夏場(6~8月)はeGFRが低下(≒血清クレアチニン値が上昇)していた。」との事。
また、夏場に低下した値は秋や冬になると少し上がっていました。秋から冬にむけても少し上がっているので、春にはもう少し上がるのでしょうか?(だから春先と夏場の間の差が一番大きくなる??)

☞夏場の腎機能低下の原因は?

クレアチニン値のほかに血清尿酸値も夏に上昇していたことなどから、「脱水」によって腎機能が低下するのだろうと筆者たちはまとめています。このeGFRの季節変動(夏場の低下)の傾向は特に高齢者(73歳以)や降圧剤のお薬の種類(レニン-アンジオテンシン系阻害剤と利尿剤の併用)の方でよりはっきり表れるそうです。

☞検査の値は年単位で傾向をつかもう

夏場に(おもに脱水の影響で)一時的に血清クレアチニン値が高くなり、「腎機能なんて気にしたことなかったのに突然指摘を受けた!」という事態につながっている方もいらっしゃるのかも…そういう場合は,秋や冬にかけて血清クレアチニンの値が下がっていく可能性もあるのかもしれません。

本当に腎臓に傷害が起こっているのではなく、一時的な脱水の影響であれば、思い悩み過ぎてストレスをためるのは腎機能にも他の病気にとっても良くないように思います。でも「脱水の一時的な影響」じゃなかったり,脱水を繰り返して腎機能傷害が発生・進行し、大きなダメージになったりすると大変ですね。

☞秋にもう一度再検査を

夏場に血清クレアチニン値が高くて病院で指摘を受けたら、水分をしっかりとって脱水に注意しながら、秋や冬に再検査を受けたりしっかり経過観察をしてみてください。脱水が思わぬ検査結果を招く可能性があるという一方で,脱水が腎臓に良くない!というのは共通認識のようなので,水分補給に十分注意しましょう!

ちなみにクレアチニンの値は筋肉量や摂取タンパク質量の影響も受けやすいので(特に高齢者や女性で)1回の値ではなく、できるだけ継続的に血液検査を受けて変化を把握しましょう!腎臓の濾過機能をしっかり確認するためには「イヌリンクリアランス」など別の指標での検査を受けることもオススメです!

 

参考文献など

※1. Tohoku J. Exp. Med. 224:137-142, 2011
「Seasonal Variation in Estimated Glomerular Filtration Rate Based on Serum Creatinine Levels in Hypertensive Patients」
Masugata H. et al.

※2. 高血圧・・・収縮期血圧140mmHg以上,かつ/または,拡張期血圧90mmHg以上
※3. 腎不全に該当しない人・・・eGFRが60mL/min/1.73m2以上

「CKD早期発見・治療 ベストガイド 寛解につながる慢性腎臓病へのアプローチ」  佐中 孜 著 <医学書院>

 

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dastec

投稿者: dastec

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