きよら通信バックナンバー
エイジ(年齢)でも揚げ物でもないAGEに注意! 老化の原因物質AGE(エージーイー=糖化物質)と腎臓病の関係
いつも食べる純炭きよらをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
きよら通信担当のゆっきーが、腎臓病お役立ち情報をお届けします(*^^)v
腎臓病の人は老けやすい?
腎臓は体の老廃物をこしとる臓器。
腎機能が落ちている人は、老廃物のほか“老化の原因物質”も体外に排出しづらくなるので、体内にたまっていってしまいます。
老化の原因物質ってどんなもの?
老化の原因物質の正体は“AGE(えーじーいー)”
別名、糖化物質とも呼ばれます。
AGEが体内にたまると、体内の様々なたんぱく質が正常に働けなくなってしまいます。
AGEが多く蓄積している人ほど、老化の進行が顕著で寿命が短いと報告されています。
AGEはどうやってできる?
AGEは糖化物質という呼び名からも分かるように“糖”が絡んでいます。
AGEとはたんぱく質に“糖”がベタベタと焦げ付いたもの。ベタベタと焦げ付くきっかけは“熱”を加えることで加速します。
つまり糖・たんぱく質・熱の3つの条件がそろう時、AGEが沢山できます。
AGEが多い食品や料理は以下のようなものが挙げられます。
AGEが多い食べ物
以下のような食事の頻度が高いと、体に取り込まれるAGEの量が多くなります。
毎日の食事で、高AGE料理をたくさん食べている人は、食事の内容を見直してみましょう。
AGEの多い食事を見直す方法
1)~4)のAGEの多い食事を全く食べないのは難しいですよね。
そこで、こんな風に今日から対策してみませんか。
AGEが溜まりやすい食生活
また、AGEの多い食事をする以外でも、こんな食生活をしていると体の中でAGEが作られてしまいます。
実は、私たちの体のほとんど(筋肉、血管、臓器など)は、たんぱく質で出来ています。
AGEはたんぱく質+糖質+熱で作られるので、体を構成するたんぱく質自体もAGE化してしまいます。
それは、糖質に偏った食事をして、血液中の糖が急激に増える(血糖値が上がる)と、その糖が体温で反応して血管がAGE化してしまうのです。
ですので、血糖値が急上昇しない食生活を心掛けるのがAGEから体を守るコツです。
血糖値が上がりやすい食事
こんな食生活に心当たりはありませんか?
これらの食習慣は、血糖値を急上昇させてしまい、体内にAGEを沢山つくらせます。
(※)糖質が多い食品とは
・穀類(ごはん、小麦、大麦、コーンフレーク、そば、うどん、そうめん、パスタ、パンなど)
・甘味料(砂糖、黒糖、はちみつ、三温糖、メープルシロップ、ジャムなど)
・菓子(和菓子、スイーツ、飴、煎餅などの米菓、スナック菓子など)
・清涼飲料水(缶コーヒー、スポーツドリンク、ジュース、炭酸飲料など)
・芋類(じゃがいも、さつまいもなど)
・果物
血糖値の上昇を抑えてAGEから体を守る方法
AGEお助け食材
身近な食材や調味料で、AGEを体に取り込みにくく、体内でAGEを作りにくくすることができます。
AGEの多そうなメニューの時は、プラスして取り入れてみてはいかがでしょうか。
AGEについてのQ&A
| Q.喫煙や飲酒はAGEが溜まりやすくなりますか?
A.はい、たばこの煙自体がAGEそのものです。 また、アルコールを分解したあとにできるアセトアルデヒド(二日酔いの原因物質)が体内にAGEを作ります。 悪酔いしたり二日酔いするような状態はAGEを作りやすいので気を付けましょう。 |
| Q.AGEと腎臓はどう関係しているのですか?
A.腎臓は細かい血管が集まった臓器です。 腎臓の細かい血管にAGEが蓄積するとろ過機能が低下します。 また、AGEが腎臓から排泄されるので、腎機能が低下すると体内にますます溜まりやすくなります。 腎臓に不安がある人は、AGEを避けるに越したことはありません。 |
| Q.AGEが溜まっているか自覚できますか?
A.年の割に関節の可動域が狭く体が硬い人や、下の血圧値が高めの人はAGEが体内にたまっている可能性があります。 また、見た目が年相応以上に老けていたり、白内障がある人もAGEによって老化が進んでいるサインとなります。 |
おわりに
知らず知らずのうちに体にたまっていってしまうAGE。
特に、腎臓にAGEがたまると、腎機能を落とす直接の原因となります。
また、体に入ってしまったAGEは腎臓からしか排泄できません。AGEを遠ざける生活が透析や老化を先延ばしにし、若々しく長生きできる鍵となります。
ぜひ今日から実践してみてくださいね。
(きよら通信2021.5月号として配布した内容に追記しました)
- この記事を書いた人
- ゆっきー
美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
きよら通信やブログはゆっきーがお届けしています。
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「エイジ(年齢)でも揚げ物でもないAGEに注意! 老化の原因物質AGE(エージーイー=糖化物質)と腎臓病の関係」への6 件のフィードバック
[…] ファーストフードに含まれるAGE量は…? 上の表は、中国のファーストフードに含まれるAEG量を測定した論文から抜粋したものです。AGEが最も多い「揚げレンコン甘酢あん」ってどんなファーストフード?って思ってしまいますが、なんとなく中国らしいですね。中国では自宅にキッチンがない家庭も多く、一日3食を外食で済ませる家庭も珍しくないと聞いたことがあります。 ”AGEが腎機能低下の原因に…”関連ブログ きよら通信vol.23-老化の原因物質、AGE(糖化物質)と腎臓の関係とは […]
今回の記事とは関係ありませんが
「SGLT2阻害薬、なぜ使ってはいけないのか」と題された、医薬ビジランスセンター・薬のチェック編集委員会による興味深い総説を読んだ[1]。SGLT2阻害薬の臨床試験では遮蔽不全(盲検化が不十分)のためプラセボ群に不利な判断がなされ、イベントがプラセボ群に偏って発生した試験があるという。著者らは、これらの試験結果は採用できないと主張する。
この記事を読んだ駒村 和雄(トヨタ記念病院)氏によるとこの記事は信用できないとのことでしたが如何なものでしょうか?
日経メディカル(2023/3/1)の記事ですね。
フォシーガやカナグルといったSGLT2阻害薬を服用している読者も多いと思うので、最初に記事の内容をご紹介します。
背景には、世界で最も権威ある医学誌(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)で、SGLT2阻害薬に腎機能や心機能を守る効果があることが報告され、世界中で爆発的に使用されている状況があります。
この状況に対して、医薬ビジランスセンター・薬のチェック編集委員会という組織が「SGLT2阻害薬の効果は疑わしいので使うべきではない」という総説を公開しました。その論旨は、「薬効を検証する二重盲検試験がきちんと行われなかった可能性があるから効果は疑わしい。ゆえに尿路感染症などの副作用の危険性をおかしてまで使うべきではない」という内容です。
これに対して、トヨタ記念病院の駒村和雄医師は、上記の総説を「トンデモ論文(陰謀論のようなもの)」と切り捨てます。その理由は、①「薬効を検証する二重盲検試験がきちんと行われなかった」という言い分に科学的裏付けがなく、②筆者も匿名で、③第三者の内容チェックを受けていないため、信憑性がないというものです。
駒村医師はSGLT2阻害薬の腎保護・心保護効果を肯定していますが、一方で腎機能や心機能ばかりに気を取られて、尿路感染症や低血糖の兆候を見逃すことの無いよう、処方医に警鐘を鳴らしています。
私も駒村医師と同じ意見です。
どんな薬でも効く人もいれば、効かない人もおり、逆に悪化する人もいます。
だからと言って、難癖をつけて不安を煽り、服用機会を妨げることは、薬の福音を受ける可能性を奪う行為だと思います。不安の中で服薬しても効果は得難いでしょうし、逆に、「絶対効く!」と信じて服用すると効果が倍増することもあるでしょう。
「とりあえずSGLT2阻害薬を出しておけ」という安易な医者は信用せず、尿の状態などをチェックし、体調が悪い時(シックデイ)の薬の飲み方も教えてくれる医師のもとで、「効く!」と信じて試してみることが良いように思います。
私のeGFR値は27.6です。血中カリウムのの値は5mEq/L前後が多いです。医師からはカリウムの摂取は1500mg/日以下にするよう指導を受けています。なるべくカリウム摂取を減らそうと家人に野菜を刻んで茹でこぼして貰っていましたが、医師や栄養士に聞いても野菜をどの程度刻んで、どれぐらい茹でればカリウムがどれくらい減るか聞いても答えが有りません。この方面の研究が蔑ろにされているのではないかと思います。尤もカリウムは野菜に限らずあらゆる食材に含まれているので、どれぐらいカリウムを摂取したら血中濃度が如何ほどになるのか腎臓の機能低下に応じた因果関係も判っていないので意味が無いのかもしれません。私も一時堀場製作所のカリウムイオンメーター購入して食材のカリウムイオンを計測していましたが、作業が大変なので止めました。
カリウムの摂取と血中濃度をeGFR値に応じて計算する研究が有ったら教えてください。カリウムの摂取は1500mg/日以下にすれば血中カリウムのの値は5mEq/L以下にできるというエビデンスはあるのでしょうか?
又、蛋白制限についても医師によって制限すべきだ、いや蛋白制限の効果についてはエビデンスが無いし、むしろ高齢者(私は81歳です)にとってはフレイルの方が怖いという医師もいます。何が正しいのかよく分かりません。
サイト欄の意味が分かりません
制限食は大変ですよね。
さて、eGFRが30を切るとカリウムを1日1500 mg以下にすべきと定めた理由は「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」に書かれています。
一方で、本文中には「ただし,これらの制限は一律に行うべきでなく,血清カリウム値を参考に薬剤の副作用や合併症をチェックし,必要に応じて行うことが重要である.また,食事指導としてたんぱく質制限を行う場合は,たんぱく質の制限によりカリウムの制限にもなるため,ビタミンを豊富に含む野菜や果物の摂取制限や,野菜や根菜類のゆでこぼしなどを一律に指導する必要はない.」とも書かれています。
すなわち、「木を見て森を見ず」的な診療はダメで、きちんと血清カリウム値をチェックしながら栄養状態や全身の状態を診なさい…ということだと思います。
しかし、ガイドラインに数値が明記されてしまうと、ステレオタイプな指導が行われてしまうのは、数字が独り歩きしてしまう悪しき典型ですよね。
さて、野菜をゆでるとどれくらいカリウムが減るか?は女子栄養大学出版部が出している「腎臓病の食品早わかり第3版」に書かれていますので参考になると思います。
また、蛋白制限に関しては2019年に腎臓学会から「サルコペニア・フレイルを合併した保存期CKDの食事療法の提言」が出されており、こちらもステレオタイプな蛋白制限指導はダメ!と書かれています。
更にショッキングなのは蛋白制限が腎機能低下を加速させるという報告が出ていることです。
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https://medical-tribune.co.jp/rensai/2024/0320561984/