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共生する腎臓と微生物~2019年学会レポート~

こんにちは。純炭社長の樋口です。6月は腎臓に関連する学会シーズン。
先週末6月21日~名古屋国際会議場で開催された第62回日本腎臓学会へ参加してきました。

透析を回避する秘訣は腸内環境にあり

第62回日本腎臓学会に参加してきました

そこで興味深いシンポジウムが開催されました。
題名は・・・『共生する腎臓と微生物』
死ぬまで透析を回避する秘訣は腸内細菌にあるのかも知れません。

人体の9割は微生物でできている

腎機能と腸内細菌は密接にかかわっています

10% HUMAN(邦題は「あなたの体は9割が細菌」)という本をご存知でしょうか?
『あなたの体のうち、ヒトの部分は10%しかない。あなたが「自分の体」と呼んでいる容器を構成している細胞1個につき、そこに乗っかっているヒッチハイカーの細胞は9個ある。あなたという存在には、血と肉と骨、脳、皮膚だけでなく、細菌と菌類が含まれている。あなたの体はあなたのものである以上に、微生物のものでもあるのだ。』(プロローグより)
純炭社長を外から眺めたとき、そこにヒトの細胞は10%しか存在せず、90%はヒト以外の細胞(細菌や菌類)なのです。

食事は微生物にも影響する

ヨーグルトを食べる女性
You are what you ate.
西洋のことわざです。
生物学者の福岡伸一博士は著書「動的平衡」のなかで、次のように和訳しています。
『汝とは、汝の食べた物そのものである』

汝=10%のヒト細胞と90%の微生物だとすると、われわれ人間はもっともっと微生物を意識した食生活を送る必要があるのでは?と思ってしまうのです。

腸内環境と病気

小児特発性ネフローゼ症候群の子供は帝王切開が多かった
さて、腸内細菌と病気の話題に戻りましょう。
お母さんのお腹の中で育っている赤ちゃんは無菌状態なので腸内細菌は棲んでいません。では、いつ、どこで微生物は赤ちゃんにヒッチハイクするのでしょう?

帝王切開と病気の関係

帝王切開で生まれた子供は肥満や糖尿病になりやすいことがわかっています。
今回の腎臓病学会でも、頻回再発する小児特発性ネフローゼ症候群の子供は帝王切開が多かったと報告されています。

産道からお母さんの微生物を受け取る

現在のところ、赤ちゃんが産道を通って生まれてくるときに、お母さんからビフィズス菌などの腸内善玉菌をプレゼントされると考えられています。帝王切開の場合は、最初に接触する皮膚の常在細菌が赤ちゃんの腸内に棲みつくため、通常分娩とは異なる腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう=腸内フローラとも呼ぶ)になってしまい、病気を発症しやすいと考えられているのです。

海外の出産事情

余談になりますが、ブラジルでは50%が帝王切開だそうです。中国でも都市部の女性の2/3は帝王切開を選択するとか。そこで、帝王切開で生まれた赤ちゃんにお母さんの膣分泌液を舐めさせることも行われているそうです。

3歳で大人と同じ腸内細菌叢に

おぎゃ~と生まれた赤ちゃんは約3歳で大人と同じ腸内細菌叢になります。
しかし、母乳かミルクか、離乳食以降の食事の内容によって菌種は変わってくるようです。
具体的には炭水化物が多いとプレボテラが多く、タンパク質が多いとバクテロイデスが増えるそうですが、どっちが良いのか?は今のところよく解りません。

腎臓学会の研究では

今回の腎臓学会を聞いた限りにおいては、腸内細菌と腎臓病の関係は研究が始まったばかり、という感じでした。発表の内容をまとめてみると、

1)腸内の酪酸菌が減ることで制御性T細胞(過剰な免疫反応を抑える細胞)が減り、腎機能が低下する。(関西医科大学、金子一成先生)
2)チーズや肉に多く含まれるチロシンからフェノールを作る腸内細菌が多いと腎機能が低下し、尿たんぱくが増加する。フェノールが肝臓で代謝を受けたフェニル硫酸が腎機能を低下させる原因物質と考えられる。(東北大学、阿部高明先生)
3)腸内細菌が作るD-セリンは低濃度(0.1 mM)では腎保護的に働くが、10倍の1 mMでは逆に腎障害を起こすらしい。(金沢大学、岩田恭宜先生)
4)腎機能の低下による血中尿毒症物質の増加は、小腸の抗菌ペプチド(α-ディフェンシン)分泌を低下させることで腸内環境を悪化させ、腸内毒素の産生と血中移行を促進させる悪循環を招いている。川崎医大、佐藤稔先生)

腸内環境と腎臓病についての研究

専門的な話になってしまって申し訳ないのですが、一言でまとめると、
「腎臓に負担をかける物質は多種多様で、それらを作る腸内細菌も多種多様なので、これを抑えれば腎臓が良くなる!とは簡単にはいかない」ということです。
駄菓子菓子、腸内環境を改善すれば腎機能の低下を防ぐことができそうです。

冒頭で紹介した10% HUMANの第8章『微生物生態系を修復する』に腸内環境を改善するための三つの方法が書かれています。

①プロバイオティクス


ヨーグルトメーカーが推奨する〇〇菌を補給しましょう!という方法です。
筆者は否定はしていませんが、いくつかの懸念材料を書いています。
1)菌数の問題:腸の中には100兆とも1000兆とも言われる腸内細菌が棲んでいます。ヨーグルト等で10億や100億個を補給したって微々たるもの。商品選びには菌数をチェックして!1000億や1兆個は欲しいですね。
2)単一の菌種で足りるのか?:腸の中には2000種類の腸内細菌が棲んでいると言われます。そして菌種の割合は個人差が大きいのです。あの人が痩せた菌で自分が痩せる保障はありません。

②プレバイオティクス


体の外から善玉菌を補給するのではなく、腸内の善玉菌が自力で増えるのを手伝ってあげる方法です。イヌリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖はタマネギ、ニンニク、ネギ、アスパラガス、バナナ、キクイモなどに含まれる「善玉菌の餌」。腸内のビフィズス菌やアッカーマンシアを増やすことで、尿毒症物質を血液中に取り込みにくい腸内環境を作ってくれます。

③糞便移植


初めて聞く方も多いかもしれませんが、欧米をはじめとして日本でも話題になっている治療法です。読んで名のごとく、超優良腸内環境を持っている人の便を移植するというもの。高い治療効果があるものの、抗生物質耐性菌を移植された患者で死亡事故が出たため、しばらくは様子見になりそうです。

④腸内の掃除

腸内で良い菌を育てるためには純炭粉末で掃除が有効
そして純炭社長が実践している第四の方法が純炭粉末の組み合わせです。悪玉菌が優勢な環境では、どんなに優秀な善玉菌を送り込んでも、どんなに美味しい餌を与えても、悪玉菌が作る物質に邪魔をされてしまいます。そこで、純炭粉末によって悪玉菌が作る物質から善玉菌を守るボディーガード作戦を考えました。

終わりに

きよらプレミアムは、
①プロバイオティクスとして1兆個の乳酸菌(EC-12株)
②プレバイオティクスとして2000 mgのイヌリンと2000 mgの難消化性デキストリン
③糞便移植はナシにして、
④きよらカプセル6粒分に相当する1000 mgの純炭粉末
を配合しています。

この記事で紹介する商品

更に、最近では毎日きよらプレミアム1包に加えて、不溶性食物繊維である結晶セルロースや、フラクトオリゴ糖を含むバナナ、食物繊維の多いキノコ類や海藻類、野菜も積極的に食べて、純炭社長の90%を構成する微生物クンたちの栄養補給に励んでいる次第です。

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純炭社長:樋口正人 代表取締役社長CEO
中外製薬で腎臓病治療薬(エリスロポエチン)の創薬研究に従事。金沢医科大学医学部腎臓内科非常勤講師を経て、2009年株式会社ダステックを創業。 長期服用を前提とした安心・安全な食用炭「純炭粉末」の研究開発や自社製造を続ける傍ら、腎臓病の知識・腎臓内科の受診のすすめ、腎臓をeGFRで管理することの重要性など、慢性腎臓病患者さんに対する情報発信、啓蒙活動に取り組んでいる。

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この記事を書いた人
純炭社長:樋口正人

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

「共生する腎臓と微生物~2019年学会レポート~」への4 件のフィードバック

  • 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    10年ほど前に、腸内環境が健康を左右するという理論を知り、たんぱく質が腸内悪玉菌と結合して猛毒のインドールが生成されて腎臓の毛細血管を破壊するのだから、腸内フローラを改善すれば腎機能の低下に歯止めをかけられるのではないかと考えた。
    以来、盲目的短絡的にたんぱく質やカリウム制限をすることなく、良質の肉、青魚、野菜、キノコ、果実、納豆、静置発酵米酢をメインの食材として改善に努めている。
    腸内環境と腎機能が密接に関係しているという仮説は正しいと思う。

    • 匿名様
      コメントありがとうございます。
      10年前から腸内環境を意識して食生活を改善されているとのこと、素晴らしいと思います。
      良質なお肉に加えて、オメガ3脂肪酸や各種食物繊維、酢などを意識して摂取していらっしゃることも流石だと感じました。
      「盲目的短絡的にたんぱく質やカリウム制限をすることなく・・・」この意識改革が最も大切ですね。

  • 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    医師からは半年位で透析だと,言われました。心臓弁膜症で人工弁の手術をしています。とくにカリウム制限が厳しいので野菜、きのこは茹でこぼし,果実は殆ど食べません。これが医師と栄養士からの指導です。夜はタンパク調整調整冷凍弁当を食べています。お尋ねします。

    きよらでなくきよらプレミアムに変えたほうが良いのでしょうか?

    • 匿名様
      コメントありがとうございます。
      主として善玉菌の餌になる食物繊維類は1日に20~30グラムを摂取するのが望ましいと言われています。
      しかし、この量を食事で摂るのは大変です(キャベツ1個で約19グラム、レタス1個では約2.5グラムしか含まれません)。
      さらに、茹でこぼした野菜やキノコ類は不溶性食物繊維は残っていますが、水溶性食物繊維はカリウムとともに減少していると思います。
      可能であればきよら食物繊維類を4グラム配合しているプレミアムに切り替えて、3か月ほど様子をみていただきたいと思いますが、価格的に高額になってしまうため無理のない範囲でご検討いただければ幸いです。

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