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腎臓病生活習慣

慢性腎臓病(CKD)は肥満が有利、驚きの統計結果とは?

こんにちは。純炭社長の樋口です。

腎臓病患者はBMIが高いほど死亡率が下がる!

腎臓病で気を付けるべき習慣とは
2020年12月18日のメディカルトリビューンWeb版にビックリする記事があったので、お知らせします。

BMIとは

肥満女性
純炭粉末公式専門店ブログではBMIについて何度か取り上げてきましたが、今一度計算方法などをご紹介します。

BMI(ボディーマスインデックス)は体重を身長の2乗で割った値です。
BMI=体重(kg)÷(身長×身長)
計算機で有名なカシオのサイトで簡単に計算できますので下記サイトで計算してみてください。

日本肥満学会の判定基準では

体重計
BMIが
18.5未満=低体重(痩せすぎ)
18.5~25未満=普通体重
25~30未満=肥満度1
30~35未満=肥満度2
35~40未満=肥満度3
40以上=肥満度4
となっています。

どんな計算結果になりましたか?

ひらめき パラドックス
「肥満は健康に悪い」に決まっているので、BMIが25以上だったら「ダイエットしないと!」と思っちゃいますよね。内臓脂肪が増えると血圧が上がったり高脂血症になったりで、心筋梗塞や脳卒中、がんの原因になります。

透析患者はBMIが高いほど死亡率が低い


ところが、血液透析患者では「太れば太るほど長生きする」というとんでもない研究結果が2005年に報告されているのです。
参考文献:血液透析集団における病的肥満および体重変化と心血管生存との関連

透析患者の死亡リスク

虫眼鏡 疑問点
血液透析患者のBMIと死亡リスクを前向きに観察していくと、最も死亡リスクが高いのはBMIが18未満の痩せすぎ群であり、太れば太るほど死亡リスクが低下して、驚くべきことにBMIが45という超肥満群まで死亡リスクが減り続けたのです。
身長150 cm、体重100 kg(日本人では珍しい体形)でBMIが44.4ですから、ここまで太っていても痩せすぎの透析患者よりも死亡リスクが低いという結果は驚きです。
ちなみに身長150 cm、体重40 kg(純炭粉末公式専門店のお客様には時々いらっしゃる体形)のBMIは17.8なので、最も死亡リスクが高いことになります。

透析に入る前でも肥満が有利

胸やけ
では、純炭粉末公式専門店のお客様に多い、透析を回避中の腎臓病(保存期腎臓病)では同じことが当てはまるのか?
5万人以上の透析導入前の保存期腎臓病患者を約4年間追跡調査した結果でも、BMIが18.5未満の痩せすぎ群では心血管病(心筋梗塞や脳卒中)・がん・それ以外の死亡リスクが最も高く、少なくともBMIが30位までは死亡リスクは低下し続ける結果となりました。
ちなみに、身長150 cm、体重67 kgでBMIが29.8なのでぽっちゃり体形の方が有利ということですね。

参考文献:慢性腎臓病における肥満度指数と死因

なぜこんな結果に?肥満パラドックスとは?

腎臓に良い食事時間
「肥満は健康に悪い」ことを示す研究結果は枚挙にいとまがありません。それなのに、どうして腎臓病では逆の結果になるのか?
2020年11月に開催された日本透析医学会のシンポジウム「透析患者の低栄養対策」で「肥満パラドックス」を報告した兵庫医科大学内科学腎・透析科の長澤康行先生は以下のような仮説を提唱したそうです。

健康な人にとっては肥満は心血管病などの病気のリスクを高める。しかし、腎臓病患者は既に血管病を発症した後の状態である。そのような病気を発症した後の状態では肥満は生命予後に有利に働くのかも知れない。

実に興味深く、魅力的な仮説です。
太るほどに生命予後が良くなる肥満パラドックスは腎臓病以外でも、心不全や喫煙によって起きる慢性閉塞性肺疾患(COPD)にも当てはまるとのことなので、弱った血管や臓器を守るために太ろうとするメカニズムが人間には備わっているのかも知れません。

患者が痩せたら大失敗!

サルコペニア
慢性腎臓病において、体重増加はさほど問題ではなく、逆に体重減少はたとえ1 kgでも死亡リスクを高めます。痩せないようにしっかり食べることがとても大切であることから、長澤先生は「慢性腎臓病患者の栄養指導では、患者が痩せたら大失敗である」と学会発表で強調したそうです。

おわりに


年末年始は「食べすぎ・飲みすぎ・太りすぎに注意!」が常識でしたが、今年のお正月はしっかり食べる口実に、このブログをご活用いただければ幸いです(笑)。ちなみに高血圧と喫煙は明らかに腎機能を低下させますが、アルコールは腎機能に影響ないと言われていますので、これも口実に使えますよ

出典:日腎会誌 2008;50(8):990-996)。

コロナ禍で旅行もままなりませんが、美味しいおせち料理と楽しいお酒で、素敵なお正月をお迎えください。

痩せすぎて元気が出ない…腎臓病専用のオススメ食品はこちらからどうぞ!

この記事を書いた人
樋口正人(純炭社長)

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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