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腎臓病食生活

透析に入らないための食生活を考えてみました。

こんにちは。
純炭社長の樋口です。

一週間ほど前に福岡で開催された日本透析医学会に参加して来ました。
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この学会は日本の透析医療に関わる、

医師、看護師、臨床工学技士、製薬会社、透析機器会社、

などなど、

ありとあらゆる透析関係者が集まる巨大学会です。

年に一回開催される学術集会に参加する人数は、

2万人とも3万人とも言われます。

博多のホテルが予約できずに、久留米や小倉から通う会員もいるほど。

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企業の展示も華やかです。

当然のように夜の博多の街も大賑わい。

これだけの学術集会を誘致できれば、

地域経済を大いに潤すでしょうねhappy01

話が脱線してしまいましたが、

数年ぶりに参加した学会は収穫の多いものでした。

基礎研究から始まって、かゆみなどの透析合併症ケア、透析膜やオンラインHDFなど3日間、フルに演題を聞きまくって感じたことは、

近い将来、透析導入は回避できるようになるsign03

という確信でした。

これまで、腎機能を低下される主要因は、

①糸球体高血圧

②インドールのような腸管内で発生する尿毒素

だと言われてきました。

今回の学会では上記に加えて、

③AGEs(終末糖化産物)

④CPP(カルシプロテインナノパーティクル)

という二つの悪役が注目を集めたと思います。

⑤一方で、京都大学の柳田先生らは、尿細管障害によって引き起こされる腎間質の繊維化がタモキシフェン(抗がん剤の一種)によって治療できる可能性を示しました。

①糸球体高血圧はARBのような降圧剤で治療が可能になりました。

②腸管内で発生する尿毒素は悪玉菌が蛋白質を分解して作られるので、クレメジンのような吸着薬で尿毒素を排泄するか、善玉菌優位にする、もしくは蛋白摂取量を減らすといった対策が取られます。

③食事由来AGEsが糖尿病性腎症を悪化させることは1990年代から報告されていました。久留米大学の山岸先生によると、食事から摂取するAGEsを減らすだけで長寿遺伝子が活性化され寿命が延びるとのこと。少し前にカロリー制限すると長寿遺伝子(Sirt1)が活性化され長生きすると話題になりましたが、面白いことに、カロリー制限をしてもAGEsを多く含む食事をとっているとSirt1の活性化は打ち消されてしまうとのことでした。
体内でAGEsが作られないようにすることも重要ですが、食事由来AGEsに気を付けることの大切さを再認識しました。

④Klotho遺伝子の発見者であるサウスウェスタンメディカルセンターの黒尾誠先生からはCPPという新しい悪玉因子の報告がありました。
CPPとはリンとカルシウムが結合したナノパーティクル(微粒子)とfetuin-Aという蛋白質が結合したもので、血管や尿細管の細胞を傷つけます。
リンやカルシウムの摂取量が過剰であったり、糸球体の数が減り、糸球体一個当たりのリン濾過量が増えると原尿中にCPPが増えて、尿細管を傷つけるのではないか?との仮説でした。

⑤京都大学の柳田先生は尿細管障害がきっかけとなって、腎臓の間質を繊維化させる因子が産生されるのでは?と報告していました。
リン・カルシウム代謝の異常によって原尿中にCPPができ、尿細管障害を引き起こすという④黒尾先生の報告とつながります。
さらに、柳田先生は女性に腎不全少ないことに着目して、女性ホルモン(エストロゲン)が腎繊維化を抑制するのでは?との仮説のもとに、タモキシフェンによって腎繊維化を治療できる可能性を見出しました。

①~⑤を考えると、
①やはり塩分摂取を控えて血圧は高くしない方が良いでしょう。
②蛋白質と脂質の摂りすぎは控えた方が良いと思います。合わせて善玉菌を増やして悪玉菌を減らす。腸内でできてしまった尿毒症物質は速やかに排泄する。
③体内でAGEsを作らせないためには、糖分を大量に含む清涼飲料水を控える。食物繊維を食べてから炭水化物を食べて食後高血糖を防ぐ。そして、AGEsを大量に含む加工食品を控える。
④リンを大量に含むインスタント食品や清涼飲料水を控える。
⑤これは仮説に過ぎませんが、タモキシフェン同様、エストロゲン受容体に作用する大豆イソフラボンにも腎繊維化を防ぐ力が有るかもしれません。
ここで注意が必要なのは、イソフラボンは腸内細菌によって分解を受け、エクオールという活性体に変化するということです。
ところが日本人の半数はエクオールを作る腸内細菌を持っていません。
自分がエクオール産生菌を持っているかどうか?は簡単な尿検査で調べることができます。
また、大塚製薬はエクオール産生菌(ラクトコッカス20-92)の単離に成功しましたので、今後はエクオール産生菌と大豆食品を取ることが主流になりそうです。

以上の結果から私が推奨する食事は、
とっても月並みですが、
(塩分を控えた)大豆食品とEPA/DHAを多く含む青魚、たっぷりの野菜と控えめなごはん
という典型的な日本食になってしまいました。
栄養士の先生方のご意見をうかがってみたいものです。

 

この記事を書いた人
樋口正人(純炭社長)

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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