原因によって違う夜間頻尿の治し方
こんにちは純炭社長の樋口です。
「夜に何度もトイレに行くのが大変」という声をよく聞きます。
多い方だと夜に10回もトイレに行くとか。
日本経済新聞社が運営する健康情報サイト「日経Gooday(グッデイ)」の2021年5月特集で夜間頻尿が取り上げられていたので、要点をまとめてご紹介しますね。
1.夜間頻尿には3つのタイプがある。
夜間頻尿には大きく分けて夜間多尿型、畜尿障害型、睡眠障害型の3つのタイプがあります。タイプ別に改善方法が違うので、まずは自分がどのタイプに当てはまるのかを調べてみましょう。
夜間頻尿チェックシート
●夜間の尿(1回分)が昼間の尿(1回分)と同程度または昼間よりも多い。
●夕方になると足が浮腫むが、夜間に数回トイレに行くと朝には浮腫みがとれている。
⇒この症状に心当たりがある人は”夜間多尿型”頻尿です。
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●前立腺肥大や過活動膀胱と診断されている。
●尿の出が悪い(勢いがない)、残尿感がある、昼夜を問わずトイレが近い。
⇒この症状に心当たりがある人は”蓄尿障害型”頻尿です。
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●就寝後3時間以内にトイレに起きる。
●夜トイレに起きたあとは1時間以上眠れない。
●「睡眠時無呼吸症候群」や「夕方以降、足にムズムズした不快感がある」、「寝ている間に足が勝手に動く」といった症状がある。
⇒この症状に心当たりがある人は”睡眠障害型”頻尿です。
夜間多尿型の原因と治し方
夜間多尿型の原因は足の浮腫みとして溜まった水分が寝ている間に血管に戻ってくるためです。このタイプの特徴は夜間尿が1日の総尿量の1/3を超えていることなので、昼間はトイレの回数が少ないのに夜になると何度もトイレに起きる(しかも尿量も昼間と同じくらい出る)時には夜間多尿型を疑ってみてください。
夜間多尿型の治し方
ポイントは「就寝の4~5時間前に下半身に溜まった水分を血管内にもどしてあげること」。具体的な方法としては「夕方のウォーキング」、「夕方の足上げ」、「弾性ストッキングの着用」の3方法です。。就寝時間の4~5時間前に30分程度のウォーキングをしたり(夜道のウォーキングには気を付けてくださいね)、あおむけ寝で座布団などに足をのせ10~50センチ程度の足上げを30分間おこなうと、足に溜まった水分が心臓に戻ってきます。また、浮腫み対策として市販されている弾性ストッキングを選ぶ時には「靴下と同じように足先まで覆うタイプを選ぶ」ことがポイントとのこと。就寝時には必ず弾性ストッキングを脱いで寝てくださいね。
畜尿障害型の原因と治し方
畜尿障害型の原因は前立腺肥大や過活動膀胱、抗利尿ホルモンや女性ホルモンの減少によって尿を膀胱にためておく機能が低下することです。
畜尿障害型の治し方
ポイントは泌尿器科の受診と適切な薬の処方です。前立腺肥大や過活動膀胱は腎臓内科ではなく泌尿器科が専門です。新薬も出てきていますので専門医に原因を特定してもらい、適切な薬を処方してもらいましょう。
睡眠障害型の原因と治し方
睡眠障害型の原因は尿量や膀胱ではなく「浅い眠りで何度も目覚めてしまい、それを尿意と勘違いしている」タイプです。
睡眠障害型の治し方
いびきや睡眠時無呼吸、無意識の足の動きなどは自分では自覚できないので家族の方に寝ている様子を観察してもらいましょう。このタイプは泌尿器科では治せないので、睡眠外来など睡眠を専門に見てくれる病院を受診してみてください。
まとめ
・夜間頻尿には夜間多尿型、畜尿障害型、睡眠障害型の3タイプがある。
・夜間の尿量が多く足の浮腫みがある場合には就寝4~5時間前の足上げや弾性ストッキングが効く。
・残尿感があり昼夜を問わずトイレが近い場合は畜尿障害の可能性があるので泌尿器科を受診。
・眠りが浅く、夜間トイレに行っても「少量しか出ない」、「その後眠れない」場合は睡眠障害の可能性もあるので睡眠専門医を受診。
・夜間頻尿で困っている場合には、まず最初に泌尿器科で原因を究明してもらいましょう!
出典:日経Gooday(グッデイ)「夜間頻尿からの解放」
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/21/042000014/
- この記事を書いた人
- 純炭社長:樋口正人
株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)
「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。
「原因によって違う夜間頻尿の治し方」への3 件のフィードバック
樋口社長さま
いつも健康情報ありがとうございます。
前立腺肥大症で夜中に1回位目が覚めます。
人間ドックで度々PSAが基準値超過で要精密検査になり
精密検査前に自転車を控えるとPSA4以下になります。
アボルブとザルティアを継続服用しています。
前立腺肥大に効果のある漢方薬はないのでしょうか。
八味地黄丸を試してみようかと思ってはおりますが・・・。
コメントありがとうございます。
順天堂大学の泌尿器科に漢方治療について書かれていました。
https://juntendo-urology.jp/treatment/kanpo/
八味地黄丸は尿の出が悪い場合に使われるようですが、残尿感には別の漢方が使われるようです。
上記サイトにあるように、漢方はオーダーメイド医療なので単一症状の対症療法ではなく、漢方専門医に全身状態を診てもらった上で適した成分を処方してもらった方が良さそうです。
[…] 慢性腎臓病では尿を濃縮する力が弱くなり、夜に何度もトイレに行きたくなったりしますが、逆に尿量は減っているのに何度もトイレに行きたくなる場合には別の病気からくる頻尿かも知れません。だとすれば原因を治療すれば頻尿は解決するかも! 原因によって違う夜間頻尿の直し方のブログもご参照ください。 […]