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慢性腎臓病(CKD)は植物性たんぱく質を摂った方が良い

こんにちは。純炭社長の樋口です。

植物性たんぱく質のススメ


今日は腎臓病や脳卒中・心筋梗塞を予防する(あるいは進行を遅らせる)ためには納豆は食べた方が良いのか?という観点から「植物性たんぱく質のススメ」をご紹介しようと思います。
約1年前のブログで「腎臓のためには植物性たんぱく質を摂った方が良い」という話題を紹介したところ、高価で不味い(?)低たんぱく質米を(我慢して)食べているお客様からお叱りを受けたことがあります(笑)。

植物性たんぱく質は腎臓にやさしい!


駄菓子菓子!、2016年のメディカルトリビューン記事では慢性腎臓病では総たんぱく質に占める植物性たんぱく質の割合が33%増すと死亡リスクが23%低下することが紹介されていますし、2019年の世界腎臓学会議では植物性たんぱく質の摂取量を10グラム増やすごとに、腎機能の低下速度が18%改善すると報告されています。

肉から豆に変えると・・・


更には、2019年9月27日のブログ「植物性たんぱく質で死亡や心血管病(脳卒中や心筋梗塞など)のリスクが低下!」では、日本人約7万人の調査で植物性たんぱく質を多く食べていたり、赤身肉や加工肉(ハム・ソーセージなど)を植物性たんぱく質に置き換えると、がんによる死亡率が最大で50%も低下したり、心血管病による死亡率が42%も低下することも紹介しました。

発酵した大豆製品は優れている


そして世界四大医学雑誌のひとつBritish Medical Journalに2020年1月に掲載された国立がんセンターの論文では、納豆や味噌のような発酵性大豆食品の摂取量が多いと(1日に納豆1パック程度でOK)死亡リスクが約10%低下することが報告されたのです。

もしや日本食って優秀!?


ここまで植物性たんぱく質や大豆が健康に良さそうとの研究結果が出てくると、腎機能が低下したからといって(もちろん、ナトリウム(塩分)とカリウムには注意が必要ですが)「白米に納豆と味噌汁」という典型的な日本食を我慢する必要があるのか?と疑問に思ってしまうのです。

お医者さんがダメって言う


ところがどっこい、お客様からの電話では「納豆や大豆は食べるなと言われた」という話をよく聞きます。ネットや腎臓病食の書籍を調べてみましたが、どうして大豆がNG食品なのかよくわかりません。(腎臓病食に大豆がダメな理由を知っている方は教えてください)

・大豆はアミノ酸スコアが低いから
・納豆はカリウムが多いから
という情報はみつかりましたがコレは本当なのでしょうか?

大豆のアミノ酸スコアが低いという情報は否定されている

植物性たんぱく質は腎機能低下を抑制する
かつては大豆は動物性たんぱく質に比べてメチオニン(アミノ酸の一種)が少ないので、動物性たんぱく質のアミノ酸スコアが100に対して大豆は80程度とされていました。例えば納豆1パック(40グラム)にはたんぱく質には6.6グラム、メチオニン104ミリグラムが含まれていますが、豚肩ロース37グラムはたんぱく質6.6グラム(納豆と同じ)、メチオニン197ミリグラム(納豆の約2倍)といったように。
しかし、メチオニンを大量に必要とするネズミの実験で算出されたアミノ酸スコアは後に否定され、人間にとって大豆は卵や牛乳と同じくアミノ酸スコア100点満点とされたのです(1993年米国食品医薬品局)。

鍵はメチオニン?


なぜ植物性たんぱく質が良いのか?金沢医科大学の北田先生らの研究からメチオニン含有量の違いが浮上してきたのです。「腎機能が低下する肥満ネズミを低たんぱく食で飼育すると腎機能低下が抑制されるが、メチオニンの添加によってその効果が打ち消された」という結果です。

たんぱく質は
1)メチオニンが少ない植物性たんぱく質
2)オメガ3不飽和脂肪酸が多い魚介類のたんぱく質
3)飽和脂肪酸が多い動物性たんぱく質
この3種類を偏りなく食べた方が良さそうです。

ちなみに納豆1パックのカリウムは約260ミリグラムでちょっとだけ多め。
13グラムの高野豆腐は納豆1パックと同じたんぱく質量でカリウムは4ミリグラムしか含まれていませんよ。

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純炭社長:樋口正人 代表取締役社長CEO
中外製薬で腎臓病治療薬(エリスロポエチン)の創薬研究に従事。金沢医科大学医学部腎臓内科非常勤講師を経て、2009年株式会社ダステックを創業。 長期服用を前提とした安心・安全な食用炭「純炭粉末」の研究開発や自社製造を続ける傍ら、腎臓病の知識・腎臓内科の受診のすすめ、腎臓をeGFRで管理することの重要性など、慢性腎臓病患者さんに対する情報発信、啓蒙活動に取り組んでいる。

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この記事を書いた人
純炭社長:樋口正人

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

「慢性腎臓病(CKD)は植物性たんぱく質を摂った方が良い」への6 件のフィードバック

  • 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    腎臓疾患の、疑いが有り、食べ物は、何が良いか?何が悪いか、知りたいのですが、教えて頂きたいのですが。

    • 腎臓病食は難しいですよね。ネット上には玉石混交の情報があふれています。
      まずは「素人考えでたんぱく制限やカリウム制限を始めないこと!」が大切だと思っています。
      筋肉量が減ってしまったり、BMIが20未満の低体重になるのは危険です。
      腎機能が低下している原因が1)糖尿病なのか?2)高血圧なのか?3)炎症なのか?また、eGFRはどれ位残っているか?によって食事内容も変わってきます。
      カリウムやリンに関しても、血液検査の結果を見ながら、制限が必要なのか?を医師に判断してもらわないと生野菜や果物を食べて良いのか?乳製品は食べても良いのか?も判断できません。
      自分の検査データを見ながら医師や栄養士の指導を受けてみてください。
      以下には個人的に考えている「控え目にした方が良い食べ物」と「取り入れた方が良い食べ物」を列挙してみます。

      控え目にした方が良い食べ物
      ・食塩
      ・食品添加物(無機リンなど)
      ・加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)
      ・赤身肉(牛、羊、豚など)
      ・揚げ物など高温料理された高AGE食材
      ・オメガ6が多い食用油やトランス脂肪酸が多いマーガリン、ショートニング
      ・リンが高い場合は乳製品など
      ・カリウムが高い場合は生野菜や果物など

      取り入れた方が良い食べ物
      ・鶏肉、魚介類、豆類などの植物性たんぱく質(リン制限がある場合には低リンプロテインなどを活用)
      ・煮物、蒸し物など調理温度がひくい低AGE食材
      ・オメガ3が多いえごま油、亜麻仁油
      ・MCTオイル
      ・食物繊維(カリウム制限がある場合にはサプリメントで代用)

      純炭粉末公式専門店のお問合せフォームでもご相談を承っております。

  • 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    主食の米、麺、食パンのタンパク質含量は原材料の品種により異なります。
    加工食品は何が入っているか見ることが大切です。
    副食は野菜中心に肉類を添えて100度C以下で調理(煮るか蒸かす)で薄味。
    飲み物はゴボウ茶、もろみ酢、お茶など、みそ汁を十分飲むなどがよさそうです。
    「腎臓が寿命を決める」=老化加速物質リンを最速で排出する。幻冬舎新書新刊;黒尾 誠著者
    参考になりました。

    • 素晴らしいコメントをいただきありがとうございます。
      まったく同感です。
      たんぱく質はアミノ酸スコアを知ることが大切ですし、加工食品の添加物を極力避けることも大切だと思います。
      特に無機リンの摂りすぎは要注意ですね。
      腎臓に存在する老化遺伝子の発見者である黒尾先生の著書を読まれているのも素晴らしいと感じました。
      私は腎臓と腸内環境が健康寿命を決めると考えています。
      匿名様の食生活は私の理想に合致しており感銘を受けました。

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