こんにちは、純炭社長の樋口です。
今年の4月23日のブログで、
「植物性たんぱく質を多く摂るほど腎機能が低下しずらい」という研究結果を紹介しました.
今回は日本人約7万人の調査で、
植物性たんぱく質を多く食べたり、赤身肉や加工肉(ハム・ソーセージなど)を植物性たんぱく質に置き換えると、死亡リスクや心血管病(心筋梗塞や脳卒中など)リスクが低下する
との研究結果がJAMA Intern Med (2019年8月26日オンライン版)に報告されたそうです(メディカルトリビューンーン2019年9月13日オンライン記事より)。
病院で低たんぱく食やカリウム制限といった食事指導を受けている方は実践が難しいかもしれませんが、お子さんやお孫さんなどご家族の健康を守るため知っておいて損はない情報だと思います。
さて、高たんぱく・低糖質の食事は短期間で体重が減ったり、内臓脂肪が減るという効果が知られています(いわゆる糖質制限食やケトン食、MEC食など)。
今回の研究では日本人約7万人を対象に平均18年間も追跡調査を行い、総エネルギー摂取量に対する動物性たんぱく質量、植物性たんぱく質量の割合と死亡(がん、心疾患、脳血管疾患などによる死亡)の関係を調べたものです。
その結果、
1)総たんぱく質摂取量や動物性たんぱく質摂取量と死亡との関連は認められない。
2)一方、植物性たんぱく質の割合が多いほど全死亡リスクが低下した。
3)動物性たんぱく質を植物性たんぱく質に置き換えても全死亡リスクが低下する。
4)特に加工肉(ハム・ソーセージなど)と赤身肉(注1)を植物性たんぱく質に置き換えると死亡リスクの低下度が大きい。
という結果が得られました。
注1:ここでいう赤身肉とは脂身の少ない肉という意味ではなく、外国でレッドミートと呼ばれる「牛肉」、「羊肉」、「豚肉」、「馬肉」のことです。ホルモンなどの内臓は含みません。鶏肉はホワイトミートと呼ばれます。豚肉はホワイトミートに分類されることもあるようです。
●加工肉を植物性たんぱく質に置き換えた場合
・がん死は50%低下
・心血管病死は42%低下
・全死亡は46%低下
●赤身肉を植物性たんぱく質に置き換えた場合
・がん死は39%低下
・心血管病死は42%低下
・全死亡は34%低下
面白いことに、
●赤身肉を魚貝類に置き換えても
・がん死は33%低下
・心血管病死は33%低下
・全死亡は25%低
では、どんな食材に植物性たんぱく質が多いのでしょうか。
●豆類
・木綿豆腐(100 g)で6.6 g
・納豆(40 g)で6.6 g
・無調整豆乳(200 cc)で7.2 g
●ナッツ類
・ピーナッツ(15 g)で3.8 g
・アーモンド(15 g)で3 .0g
●野菜
・ブロッコリー(100 g)で4.3 g
・豆苗(100 g)で3.8 g
・カリフラワー((100 g)で3.0 g
●果物
・アボカド(100 g)で2.5 g
・バナナ(100 g)で1.1 g
(いずれも出典はAGEデータブック)
また、ごはん150 g(茶碗1杯)にも植物性たんぱく質が3.8 g入っています。
低たんぱく米を使ってたんぱく摂取量を減らすよりも普通のご飯を食べて、そのかわりにハムを2枚減らす方が健康には良さそうです。
さて、こんな情報を読むと食卓から赤身肉や加工肉が消えてしまう極端な家庭も出てきそうで心配ですが、逆に100%植物性たんぱく質に置き換えるのも危険です。
なぜなら、植物に含まれるたんぱく質はアミノ酸スコア(注2)が低いから。
注2:「身体に必要な必須アミノ酸(体内で合成できない9種のアミノ酸)をどれくらいバランス良く含んでいるか」を示す数値。アミノ酸スコア100が100点満点。
豆類やブロッコリーのアミノ酸スコアは80以上なので比較的マシですが、アーモンドのアミノ酸スコアは50しかありません。一方、肉や卵、魚類のアミノ酸スコアは100!
アミノ酸スコアが低いからと言ってその食品を避ける・赤身肉が体に悪いからといって避ける・・・と食べるものがなくなってしまいます。複数の食品を組み合わせることによってリスクを回避し、バランスよく多種多様なたんぱく源を摂るのがいいように思います。
純炭社長は個人的には加工肉はできるだけ食べないようにしていますが、加工肉と赤身肉をちょっと減らして鶏肉や魚貝類で補い、植物性たんぱく質は豆類などで意識して摂る食生活を目指そうと思います。
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