クレアチニンがいくつになったら透析に入る?

投稿日: カテゴリー ■腎臓病について

こんにちは、純炭社長の樋口です。

病院に行ってクレアチニンの値を告げられるのが苦痛というお声をよくいただきます。

・1.5 mg/dlになったら腎生検(腎臓の組織を取って検査すること)と言われている。
・〇〇以上になったら透析に備えてシャント手術(腕の動脈と静脈をつなぐ手術)と言われている。
などなど。

病院に行くたびに、クレアチニン値が高い(上がった、下がった・・・)と言われ続けていると”クレアチニンという物質自体が悪!”という思い込んでしまっている方が多いです。
また、フェイスブックの腎臓病に関するグループへの投稿を見ていても、クレアチニンの値だけで腎機能を評価している方が非常に多いのが気になります。

今日のブログタイトル「クレアチニンがいくつになったら透析にはいる?」の結論から書かせていただくと、
クレアチニンの値で透析導入は決められません!
eGFRが10よりも低くなると透析に入る可能性が高まります(個人差あり)
eGFRはクレアチニンとともにシスタチンCの血液検査でも計算してもらいましょう!

今一度、クレアチニンの意味を書かせていただくと、
☞『クレアチニンの存在が腎機能を悪化させる』のではなく
『腎機能が悪くなってしまうとクレアチニン(という一つの成分)がろ過できず結果として血中の濃度が上昇してしまう』と捉えるのが正しいクレアチニン値の見方です。

クレアチニンは筋肉の中にあるクレアチンという物質の代謝物(分解物のようなもの)なので、血液検査で出てくる血清クレアチニン値というのは筋肉量で変わってきます。女性よりも男性の方が筋肉が多いですし、高齢者よりも若い方の方が筋肉が多いですよね。なので、一律にクレアチニンが〇〇だから腎機能が××%低下しているとは言えないのです。

そこで、腎機能を測る指標としてeGFRという検査項目が追加されました。
ざっくりと自分の腎臓が何パーセント働いているか?を知るための数値と考えて下さい。
eGFRが100であれば腎臓は100%働いている。
eGFRが20であれば20%は働いている・・・といった具合に。

さて、クレアチニンの値が1.0だったとします。
60歳の男性であればeGFRは59.9ですが、
60歳の女性であればeGFRは49.7なので、
同じクレアチニン値であっても腎機能は10.2も違うのです。

また、性別だけでなく年齢とクレアチニン値の関係にも注意が必要です。
クレアチニン値が3.9の60歳女性のeGFRは10.0ですが、同じクレアチニン値であっても65歳女性のeGFRは9.8となり、透析をすすめられるかもしれません。
ですので、クレアチニンの値は下がるにこしたことはありませんが、同じ値をキープすることが大切なのです。

eGFRがおよそ10以下にまで低下すると、自身の腎臓だけでは体を浄化しきれなくなります(個人差あり)。その結果老廃物がたまることによる以下のような弊害がでます。
・尿毒症症状(倦怠感、食欲低下、悪心、嘔吐、頭痛など)
・体液のバランスがとれなくなりことで、心不全や肺水腫
放っておけば命にかかわってしまいます。

前述したように、クレアチニン値は筋肉量などに左右されるので、クレアチニン値のみでは透析導入するかどうかは判断できません。例えば自覚症状がなく日常生活に支障がなければ、クレアチニン値が15mg/dl前後であっても透析せず、外来通院ですむ方もいます。
一方、血清クレアチニン値が5mg/dl前後であっても、自覚症状やほかの不具合が原因で透析導入となる方もいます。また、症状がなくても急変し、肺うっ血、高カリウム血症、代謝性アシドーシスのために緊急透析を必要とすることもあります。

個人差はありますが、早すぎず、且つ、安全な透析導入の時期の見極めが大切なのです。

正しく腎機能を知るための血液検査:血清クレアチニンとシスタチンC
クレアチニンが上がっても腎機能は悪化していないこともあります。
運動をするとクレアチニン値が上がるから趣味の登山はやめた方がいいの??
こちらの過去のブログでもクレアチニン値だけでは腎機能を判断してはいけないということを書いていますのでぜひご覧ください。

eGFRがいくつになったら透析導入なのか?という問題については興味深い文章を見つけました。
「なにより大切なのは自覚症状が出ないよう、体調管理につとめることで、eGFR が6(正確には6mL/min/1.73m2未満)まで透析療法の開始を遅らせると生命予後の点で最も良好であることも分かっています」
(出典:腎臓サポート協会腎臓教室「そらまめ通信」バックナンバー85号
https://www.kidneydirections.ne.jp/support/soramame/school/no85.html

腎機能が低下すると造血ホルモンであるエリスロポエチンが作られなくなるため、貧血による動悸・息切れ・だるさ等の自覚症状が現れます。幸い、腎性貧血にはESA製剤という特効薬があるので治すことができます。

クレアチニンよりも、筋肉量の影響をうけないシスタチンCや24時間蓄尿によるクレアチニンクリアランスを測定しながら、ESA製剤などを上手く使い、自覚症状がでないように注意して、eGFR 6mL/min/1.73m2以上をキープして下さいね。

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純炭社長

投稿者: 純炭社長

純炭粉末の(株)ダステック代表取締役社長。中外製薬で腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に携わった後に、ESA製剤が不必要になる世の中(すなわち腎臓病が無くなる世の中)を目指して47歳で起業しました。元金沢医科大学腎臓内科非常勤講師。ケトジェニックダイエットシニアアドバイザー・AGE研究協会認定講師でもあります。「出す」健康法で健康寿命を延ばすのが夢! 最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとしてサラメシも提供しています(笑)。

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