食べる純炭的に炭水化物ダイエットを考える
2012年12月9日、東大医学部で開催された「維持透析患者の補完・代替医療研究会」全国大会で
”血液透析患者の酸化ストレスに及ぼすダイエタリーカーボン純炭の影響”という演題が発表されました。
(研究結果は11月16日発売の健康365(2013年1月号)42ページ~で紹介されています)
今日のブログはダイエタリーカーボン純炭の抗酸化作用の話題ではなく、
同研究会で埼玉医科大学腎臓内科教授の鈴木洋通先生が講演した
スライドをご紹介したいと思います。
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上のグラフは鈴木先生のスライドを真似、
厚生労働省の「国民栄養の現状」からデータを拾って私が作成したものです。
生活習慣病の代表格である糖尿病は1970年以降10年~20年間で2倍に増加したと言われています。
(出典:第116回日本医学会シンポジウム 吉池信雄 急増する糖尿病)
ところが、戦後間もない1947年から現在まで
日本人の1日総摂取カロリーはほとんど変わっていないどころか、逆に減っているのです。
悪者扱いされている炭水化物摂取量も毎年確実に減少しています。
それなのになぜ糖尿病や肥満が増加したのでしょう?
タンパク質の摂取量も戦後から大きな変化はありませんが、
その中身は植物性タンパク質から動物性タンパク質に変化しました。
それに伴って(動物性)脂肪の摂取量も増加しています。
(一例として乳製品の摂取量をグラフ化してみました)
近年増加している糖尿病・乳がん・大腸がんは動物性のタンパク質・脂質が原因の1つと言われています。
だとすると、低炭水化物ダイエットは本当に健康に良いのか?という疑問が生じます。
世界16カ国以上で翻訳されているこんな本もあります。
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著者のジェイン・プラントさんは
英国インペリアル大学応用地球化学の教授で、
4回の乳がん再発とリンパ節転移を克服した
科学者です。
翻訳者は山梨大学医学部名誉教授の
佐藤章夫先生。
奇をてらって印税を稼ごうとした本ではなく、
間違った情報の蔓延に警鐘をならし、
乳がんや前立腺がんの患者を
減らしたい!
助けたい!
という想いが伝わってくる素晴らしい本です。
そもそも、牛乳とは牛の赤ちゃんが
1日に1 kgも成長するために分泌されるもの。
そして、ある程度成長すると牛の赤ちゃんは
牛乳を飲まなくなってしまいます。
乳児期を超えて乳を飲んでいるのは人間だけ!
と言われると妙に納得しませんか?
牛乳の摂取量が極めて少ない中国では乳がんの発症も少ないのだそうです。
低炭水化物ダイエットを行う際には、
動物性タンパク質と動物性脂肪に頼らないエネルギー摂取を心がけた方が良さそうです。
(具体的には大豆タンパクや魚介類でしょうか)
しかし、現代病(糖尿病・乳がん・大腸がんなど)の増加には
加工食品に含まれる糖化物質(AGE)も関与していると
食べる純炭的には考えています。
年末年始で美味しいものを召し上がる機会が増えると思いますが、
そんな時には「食べる純炭きよら」を傍らにおいて頂ければ幸いです。
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- この記事を書いた人
- 純炭社長:樋口正人
株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)
「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。
「食べる純炭的に炭水化物ダイエットを考える」への2 件のフィードバック
かかりつけの医者さんがアトキンスダイエット(ローカーボダイエット)をやっていると聞き自分でもはじめてみたが、炭水化物を食べない分、牛乳や肉を食べる量が無制限に増え気になっていたところでブログを見つけた。
ブログのグラフを見て何が真実なのかわからなくなったのが感想。
牛乳が乳がんに悪い?
信じられない。
この前も背を伸ばすには牛乳というCMを見たばかり。
k.suzukiさま、コメントありがとうございます。
様々な情報が錯綜する現代では、何を信じれば良いのかわからないというお気持ち、とてもよく理解でします。
アトキンスダイエットは短期間に体重を減少させるには効果があると思いますが、生活習慣病予防やアンチエイジングという意味では意見の分かれるところです。
ちなみに、1977年にアメリカで発表された食事目標に関する報告(マクガバンレポート)では、
脂肪の総消費量をエネルギー摂取量の約40%から30%に引き下げ、炭水化物(糖質)によるエネルギー摂取量を28%から48%に引き上げることが提唱されているそうです(アトキンスダイエットの真逆です)。
日本では健康情報が偏って広まる傾向があり、個人的にはとても危険なことだと思っています。
食べる純炭きよらのブログでは世界各国の科学論文から得た情報をもとにして、独自の切り口から皆様の健康に役立つ情報を発信していきたいと考えておりますので、今後ともご意見をいただければ幸いです。
追伸
「乳がんと牛乳」は読む価値のある書籍だと思います。ご一読下さい。