大豆に含まれる反栄養素(2回目)
食べる純炭きよらのご愛用者からいただいたご質問に端を発したシリーズの2回目です。
ジャーナリストであるバーバラ・L・ミントンが
「発酵大豆が唯一の食用大豆」という見解を発表してから、
日本でも豆腐や油揚げ、豆乳は食さない方がよいとの情報が散見されるようになりました。
大豆が健康を害するという論旨は以下の3点に要約できます。
1)タンパク質分解阻害・ミネラル吸収阻害による反栄養作用
2)大豆イソフラボンによる発がん
3)甲状腺腫を誘発する物質を含む
前回のブログでは1)のタンパク質吸収阻害の可能性は極めて低いことを書きました。
2回目はミネラル吸収阻害の可能性についてです。
大豆にはフィチン酸という物質が含まれており、これがミネラル(金属元素)を強力に結合します。
しかし、大豆の危険性を提唱したバーバラ・L・ミントン自身が
フィチン酸はがんの代替医療に有効だと紹介しているのですから変な話です。
様々な食品に含まれるフィチン酸の量は以下の通りです(乾燥重量当たり)
大豆:1~2%
ゴマ:5.4%
トウモロコシ:0.8~2%
ピーナッツ:1~1.8%
玄米:0.8~1%
ココア:1.7%
これを見ても大豆だけ悪者にする理由が分かりません。
我々が口にする物質には体に良い面も悪い面もあり、
どちらか片面だけを見ていては物事の本質を見誤ってしまうことが多々あります。
たとえばミネラルと呼ばれる鉄、リン、カルシウム、カリウムは完全に欠乏してしまうと
血液や骨に障害がおきますが、逆に多すぎても、ととんでもない悪さをします。
鉄が多すぎると癌が発生しやすくなります。
リンが多すぎると骨がもろくなり、逆に血管が固くなります。
カルシウムが多すぎると腎臓に負担をかけ、尿管結石などを引き起こします。
カリウムが多すぎると心臓が止まってしまいます。
昔から食物繊維を食べると癌になりにくいと言われていますが、
これは食物繊維に含まれるフィチン酸によって活性酸素の発生を抑制し、
発がんを抑えるのではないか?と考えられるようになりました。
極端なダイエットや大豆食品だけで生きていこうなどと思わないかぎり、
豆腐や厚揚げを反栄養素と退ける必要はありません。
次回は女性が注目している大豆イソフラボンについて書きたいと思います。
- この記事を書いた人
- 純炭社長:樋口正人
株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)
「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。
「大豆に含まれる反栄養素(2回目)」への1 件のフィードバック
[…] 長くなってしまったので ミネラル吸収阻害に関しては次回ご紹介します。 […]