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きよら通信バックナンバー

慢性腎臓病(CKD)の人が取り組みたい、季節の変わり目に免疫力をあげる方法

免疫力をあげる生活習慣とは

病気の原因となるウイルスから身を守るためには、感染しないようにすることが最優先ですが、日頃からウイルスに対する抵抗力すなわち“免疫力”を強化させることが大切です。

免疫力が低下していると病気の原因ウイルスに感染した際、重症化につながってしまいます。

特に、腎機能が不安な場合は、体内に増えた尿毒素により免疫力が落ちていることがあります。

ですので、以下の4つのポイントをチェックして免疫力をアップさせてみて下さい♪

免疫力UP1)腸内環境を整える

免疫力アップには腸内環境を整えよう
腸は食事から栄養素を取り込むところですが、同時に食事に紛れ込んだウイルスや菌を体内に入れないように防御しなくてはなりません。

そのため、体内の免疫細胞の7割は腸壁の内側に密集しています。

腸の粘膜では『IgA抗体』という免疫物質が外敵の侵入を防いでおり、ビフィズス菌のような腸内善玉菌はIgA抗体の産生量を増やして免疫力の向上に一役買っています。

逆に腸内に悪玉菌が増えるとIgA抗体の防御力が弱くなり、外敵の侵入を許したり、善玉菌が減って免疫力の低下につながってしまいます。

このように腸内環境と免疫力は密接な関係で結ばれているので、免疫力アップの近道は良い菌が喜ぶもの(以下の食品)がオススメ

腸内環境を整える食べ物

発酵食品
発酵食品
微生物(酵母、細菌、カビ)を利用して作られた食品は腸内の善玉菌を元気にします。

調味料)
醤油・酢・味噌・みりん・酒粕・魚醤・塩こうじ・醤油麹・豆板醤・かんずり等

漬物、野菜)
ぬか漬け・漬物・キムチ・奈良漬・粕漬け・ザーサイ・ザワークラウト等

乳製品)
ヨーグルト・チーズ・発酵バター等

豆類)
納豆・テンペ・豆腐よう・臭豆腐等

魚介類)
鰹節・くさや・塩辛・へしこ・なれずし

飲料)
甘酒・阿波番茶、碁石茶、富山黒茶、石鎚茶、プーアル茶等

参考:みんなの発酵
ホールフードのイメージ画像
食物繊維が豊富な食べ物
消化のしづらい食物繊維は、腸内にすみつく善玉菌のエサになります。

果物や野菜)
いろんな種類を、できれば皮や種ごとそのまま食べるのがおすすめです。

穀類)
白米に雑穀やもち麦、玄米などを混ぜて食べたり、グラノーラやオートミールなどを取り入れるのも良い方法です。

海藻類)
海藻のねばねば成分は、水溶性食物繊維が豊富に含まれます。モズクやワカメ、めかぶなど食事に取り入れてみましょう。


厚生労働省の指標によると、食物繊維は1日に25g以上摂取することが推奨されています。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では24g以上とされていましたが、2025年改訂予定の基準では摂取量が引き上げられました。

一般的に腸内環境に良いと言われていても、自分の腸内にいる善玉菌が喜ぶかどうかは、継続して2週間程度とりつづけてみないと分かりません。

良い菌を増やして免疫力アップするには、さまざまな種類の食品をコツコツと食べ続けましょう。

免疫力アップ2)痩せすぎに注意!有効な栄養素を摂る

しっかり食べて免疫力をあげる
低栄養状態で痩せすぎていると感染症のリスクは高まります。

IgA抗体などの免疫物質はたんぱく質で出来ているので、たんぱく質が不足すると免疫力が低下してしまいます。

また、筋肉が減ると体内に水分を保持できなくなり、腎臓が脱水症状になってしまうことも!

3食なるべく欠食しないように、バランスの良い食事と適度な運動を心掛けてください。

また、以下の食品は免疫力アップに良い栄養素が豊富なので、おすすめです。

免疫力アップにおすすめの栄養素と食べ物

ビタミンAが豊富なレバーと人参を使った料理
ビタミンA
人参、レバー、豆苗など


脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂るのがおすすめです。人参と豆苗をいれたレバニラはいかが?
ビタミンD
干し椎茸、きくらげ、鰤、鰯など


日光浴を行う事で、体内で生成できるビタミンです。
ビタミンB6
ひれ肉、ささみ、かつお、まぐろ等


あっさりとした肉や魚に多く含まれています。
ビタミンE
かぼちゃ、ミックスナッツ、豆乳、うなぎなど


おやつに無塩のナッツを食べたり、豆乳を飲めば、手軽に補給できます。
ビタミンB12
牡蠣、あさり、鯖、ほたてなど


今が旬の貝類をたべよう!今夜や酒蒸しはいかが?
亜鉛
牡蠣・高野豆腐・アーモンド等


腎性貧血や糖尿病にも亜鉛は積極的に摂りたい栄養素です。

※どれかひとつの栄養素だけを大量に摂れば良いわけではありません。
いろんな食材をバランスよく食べることを心掛けて下さいね。

免疫力アップ3)十分な水分摂取

しっかり飲水して免疫力をあげる
マスクをしていると口が渇くことが少なくなり、のどの渇きに気付きにくくなります。

また、人前でマスクを外せず水分補給を遠慮してしまう場面も少なくありません。

隠れ脱水チェック表

こんな症状は脱水のサイン!以下に心当たりはありませんか?

☑尿の色が濃い
☑便秘をしている
☑靴下のゴム跡が10分以上残る
☑肌がカサカサ乾燥する
☑口の中がネバつく

※一つでも当てはまる場合は脱水の可能性大!

1時間に1回、湯呑一杯180 mL程度の頻度でノンカフェインのお茶やお水を飲むようにしましょう。

こまめな水分補給で、脱水が原因の免疫力低下を防ぎましょう。

参考:きよら通信5(かくれ脱水に気を付けて)

免疫力アップ4)口腔内を清潔に

口腔ケアが免疫力を助ける鍵
口の中には腸と同様にたくさんの細菌がおり、良い菌と悪さをする菌がせめぎ合いながら住み着いています。

歯垢や舌苔が蓄積すると口腔内のIgA抗体が敵を排除しきれなくなり、ウイルスの侵入を容易にしてしまいます。

歯磨きや舌磨きなどの口腔ケアはインフルエンザへの感染リスクを下げることがわかっているので、口腔ケアで体を守ることが期待できます。

腎臓病にも良い口腔ケアのコツ

水うがいが一番効果アリ

うがいをすると、口や喉の粘膜の乾燥をふせぎ、細菌や汚れを洗い流すことができます。

うがいする時間は以下のタイミングが◎
・起床後すぐ
・口の中が乾燥しているとき
・外出先から帰宅したとき
・食事の前

うがいの方法は、ぶくぶくうがいとガラガラうがいを3回1セットで行います。
1回目はぶくぶくと口の中をゆすぎます。2回目と3回目はガラガラと喉までうがいしましょう。

うがい薬について

京都大学の研究によると、
①水うがい
②ヨード液うがい
③うがいをしない
の3グループにわけ、2か月にわたり風邪の発症を調査しました。

一番効果的だったのは①水うがい
③うがいをしないグループより40%も風邪の発症を低下させました。

②ヨード液うがいは、意外なことに③と比べて12%の低下にとどまったそうです。殺菌成分のヨード液が口腔内の常在菌や正常な細胞へ負荷を与えた可能性があるとの事です。
歯磨き

歯磨きを怠っていると、歯肉から細菌が入り込もうとします。

また、歯周病が進行すると腎機能を低下させるというデータもあるので侮れません。

1日1回は最低5分以上、1本あたり10回ほどやさしく歯ブラシで磨くようにしましょう。

トローチやのど飴について

トローチやのど飴の成分で、直接腎機能に悪影響があるものはなさそうです。

ただし、抗炎症成分であるグリチルリチン酸を含むトローチを長期的に使用し続けると、腹痛や筋肉系に副作用が生じることもあります。

また、甘草などの漢方成分の入ったトローチは薬剤師さんに相談した方が良さそうです。

いずれにしても、用法用量をまもって長期間使用し続けなければ腎臓に悪影響はなさそうです。

普段の予防であれば、マスク着用で喉の乾燥を防ぎつつ朝晩の水うがいで十分かもしれませんね。

(2021.3月号として配布したものです)

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この記事を書いた人
ゆっきー

美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
きよら通信やブログはゆっきーがお届けしています。
また、お電話で商品をご注文のお客様は”ゆっきー”が電話対応させていただくことも。お客様に安心してご購入いただくことを信条としていますので、ご相談から世間話までお気軽にどうぞ♪いつも元気と笑顔がモットーです( *´艸`)

「慢性腎臓病(CKD)の人が取り組みたい、季節の変わり目に免疫力をあげる方法」への4 件のフィードバック

  • 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    何時も情報提供頂きありがとうございます。
    最近ヨーグルトが良いのか悪いのか各種の記事が出ており微妙ですね。

    • こちらこそ、いつもコメントをお寄せいただきありがとうございます。
      ブログを書く励みになります。

      さて、「ヨーグルトが良いのか悪いのか」難しいところですよね。
      酪農従事者の苦労が報道されるなか、意見を書くのが憚られる難しい話題です。
      結論から申し上げると、「嗜好品として好きならOK、健康のために頑張って食べる必要はない」というのが私の意見。
      ヨーグルトが大好きで毎日食べたい!と思えば、食べてOKだと思います。

      健康のために(あまり好きではないけれど)食べている…という場合、ヨーグルトに期待する健康効果とは何でしょう?
      乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を摂ることで、
      ・腸の調子が整う?便通が良くなる?
      ・免疫が高まる?感染症に罹りにくくなる?
      ・花粉症などのアレルギー症状が緩和される?
      あるいは、ヨーグルトなどの乳製品がカルシウムが豊富なので、
      ・骨を強くする?

      一方でヨーグルトなどの乳製品に不利な情報もあふれています。
      ・カゼインによる腸の炎症やリーキーガット?
      ・骨からのカルシウム溶出を促して骨がもろくなる?
      ・エストロゲンやホルモン剤による発がん?
      ・牛の餌に含まれる抗生物質や残留農薬?
      ・ホモジナイズされた牛乳に生じるトランス脂肪酸?

      かく言うわたくしも、小学生の頃には1リットルの牛乳を毎日飲んでおりました。
      しかし、独り暮らしを始めた頃から牛乳を買うことが無くなり(牛乳を買うお金が無かった?)、酸味が苦手なのでヨーグルトを買うこともなく、チーズにも触手がのびない(学校給食のプロセスチーズが嫌いだったのが原因?)という生活をおくっています。

      そこで、ヨーグルトや乳製品に期待する健康成分は主としてサプリメントで摂取しています

  • 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    いつもお世話になっております。貴重な情報を頂き有難うございます。今後とも宜しくお願い致します。

    • コメントありがとうございます。
      本日、米国でブタの腎臓をヒトに移植したニュースが流れてきました。
      既に透析に入っている方には朗報ですが、移植や透析にならないに越したことはありません。
      これからも透析に入らないための情報収集・発信を行っていきますので、よろしくお願いいたします。

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