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腎臓病対策治療薬

純炭社長が解説「クレメジンについての正しい知識を!」

(2022年3月15日加筆修正)こんにちは。純炭社長です。
2021年8月にフォシーガが慢性腎臓病(CKD)治療薬として承認されるまで、「腎臓病に効く薬はない!」と思い込んでいませんでしたか?
実は30年も前から「クレメジン」という薬が存在していたのです。
今でもクレメジンを上手に使いながら透析を遠ざけているお客様が沢山いらっしゃいます。あなたもその一人ではないでしょうか?

そこで、今日はクレメジンについてのお話です。
腎臓病の治療薬としての炭『クレメジン』について、こんな誤解をしていませんか?

クレメジンはカリウムをとってくれる?

男性医師 薬の説明 処方

クレメジンという医薬品の炭を、こんな風に誤解されている方がいらっしゃいます。

【クレメジンに関する誤解】
腎臓病治療薬のクレメジンは炭だから竹炭とかそんなものなんでしょ?
クレメジンにはカリウムやリンが含まれているんでしょ?
カリウムやリンが高いからクレメジンを飲めばいいんでしょ?
糖や塩分もクレメジンがとってくれるんでしょ?

これらは、クレメジンに関する大きな間違いです。

クレメジンってどんな薬?

クレメジン 商品画像

クレメジンを作った製薬会社は

クレメジンは「クレラップ」で知られる(株)クレハが1991年に販売を開始した画期的な医薬品で、「三共」が販売し、現在では田辺三菱製薬に引き継がれている、腎機能の低下を抑えるための医薬品です。

クレメジンの原料は

クレメジンの材料は竹のような植物ではなく、「石油系炭化水素由来の球形微粒多孔質炭素を高温にて酸化および還元処理して得られた球形吸着炭(要するに”石油由来の小さな穴が沢山あいた球形の炭”」です。
直径0.2~0.4 ミリのとても細かい真球状の吸着炭なので、間違って床やテーブルの上にこぼすと、コロコロ転がって大変なことになります(笑)

クレメジンにカリウムやリンは含まれません

腎臓病の進行を抑える医薬品ですから、腎不全患者で摂取制限を受けるカリウムやリンは含まれていません(弊社での測定データ)。
クレメジンにカリウムやリンが含まれていると思い込んでいる場合は竹炭などと勘違いしているのだと思います。
クレメジンはインドール化合物(腎臓に負担をかける尿毒症物質のひとつ)やAGE(腎臓に負担をかける糖化物質)を吸着するというデータが確認されています。

クレメジンはこんな薬

クレメジン細粒
真空状態のスティックを空けると・・・こんな”球形”の炭がぎっしり入っています。分かりやすい様に、爪楊枝の頭を並べてみましたが、粒の細かさがわかるでしょうか?
慢性腎臓病では、1970年代から竹炭やヤシ殻活性炭の様な吸着炭が治療薬として試されていたのですが、副作用が強すぎて実用化されませんでした。
そこで立ち上がったのがクレハです。従来の炭の副作用を取り除き、腎機能が落ちていても安全に飲み続けられる全く新しい炭を15年の歳月をかけて開発したのです。

クレメジンの値段

1 gあたりの薬価(医薬品の値段は国が決めます) 71.2円(2022年3月時点)
1日の服用量6 gで 427.2円
1か月(30日)飲むと 12,816円

巷には安価な炭サプリも売られていますが、15年の歳月をかけて開発された化学製品の高純度な炭ですからお値段もそれなりです。

新タイプのクレメジン

クレメジン速崩錠
ちなみに、最近では(2018年1月発売)速崩錠という固めた状態のクレメジンも発売されています。500 mgの錠剤が4個で一回分(計2g)。これを1日3回飲むと薬価は12,924円(30日)で旧タイプの細粒分包よりもちょっと高めです。錠剤を口に含み、舌の上で水分を含ませると、ホロホロと崩れていき、崩れたところで飲みこみます。

クレメジンのジェネリック

クレメジンジェネリック
クレメジンにはジェネリック(後発薬)であるマイラン製薬の『マイラン』や日医工の『球形吸着炭細粒包』があります(この写真はマイラン)。
薬価は3割ほどクレメジンよりも安いですが、AGEの吸着効果はクレメジンに劣るという研究結果があります。

クレメジンはインドールを吸着

クレメジンは尿毒素の1種であるインドールを腸管内で吸着し便として排泄します。
インドールは腸内悪玉菌がたんぱく質から作り出す毒素で、肝臓で毒性の弱いインドキシル硫酸に作り変えられてから腎臓で排泄されますが、その際に腎臓を傷つけます。更には慢性腎臓病ではインドキシル硫酸の排泄がうまくいかず体内にたまってしまいます。体内のインドキシル硫酸濃度が高いほど生命予後が悪くなるため(参考文献※1)、インドキシル硫酸の元であるインドールを体内に取り込まないようにしてくれるのがクレメジンなのです。

クレメジンではカリウムやリンは吸着できません

腎機能低下が進むと血液中のカリウムやリンの濃度がうまく調節できなくなります。カリウムが高くなりすぎると心臓に負担がかかりますし、リンが高くなりすぎると血管などにカルシウムが沈着(石灰化)してもろくなってしまいます。
野菜や果物(カリウムが多い)、肉や乳製品(リンが多い)を控えていても血中濃度が高くなってしまう時には薬が必要になりますが、残念ながらクレメジンはカリウムやリンを吸着できません。
そこで、カリウムやリンの吸着を得意とする医薬品が登場するわけです。
カリウム吸着剤であれば、ロケルマ、カリメート、ケイキサレートなど。
リン吸着剤であればリオナ、ピートル、ホスレノール、レナジェルなど。

クレメジンでは塩分や糖分を吸着できません

また、慢性腎臓病では、血圧が高かったり(腎硬化症)、血糖値が高め(糖尿病性腎臓病)が多いのですが、減塩や血糖値の管理もクレメジンがしてくれるんだ…と勘違いしてしまう場合もあるようです。
残念ながら、塩分や糖分はクレメジン(を含む他の球形吸着炭)では吸着できませんし、塩分や糖分を吸着できる医薬品は(少なくとも私が知る限りは)存在しません。余分な塩分や糖分を吸着除去できる物質を開発できたら世界中が大騒ぎになるでしょうね(笑)。

おまけ『薬用炭』のお話

薬用炭
余談ですが、「薬用炭」という医薬品もあります(腎臓病治療には使えません)。
薬用炭の原料は、「マレーシア、日本、北米産の広葉樹を炭化したものをガス(水蒸気)賦活法により活性化したもの」と書かれています。具体的な広葉樹の種類はわかりません。

薬用炭を元素分析すると、竹炭同様、リンやカリウムのみならず植物に多く含まれる金属元素が検出されます。

しかし、薬用炭は農薬などの毒物を誤って飲んでしまった時の解毒剤として使われることが多いため、投与期間は短期間であり、多少の不純物が含まれていたとしても問題にはならないようです。薬価は非常に安く、1グラムで8.5円(2022年3月時点)です。もちろん腎臓病には使えません!

※参考文献
1)barretp FC et al. Clin J Am Soc Nephrol.2009;4:1551-8

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純炭社長:樋口正人 代表取締役社長CEO
中外製薬で腎臓病治療薬(エリスロポエチン)の創薬研究に従事。金沢医科大学医学部腎臓内科非常勤講師を経て、2009年株式会社ダステックを創業。 長期服用を前提とした安心・安全な食用炭「純炭粉末」の研究開発や自社製造を続ける傍ら、腎臓病の知識・腎臓内科の受診のすすめ、腎臓をeGFRで管理することの重要性など、慢性腎臓病患者さんに対する情報発信、啓蒙活動に取り組んでいる。

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この記事を書いた人
純炭社長:樋口正人

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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