【2022年最新版】腎臓の数値が改善しないのはなぜ?先生が教えてくれない検査数値の見方とは?
こんにちはゆっきーです!先日お客様からこんなご質問をいただきました。
目次
数値が横ばいで全然よくならない?
「腎臓の数値が横ばいでよくならないんだけど」というお悩み相談は少なくありません。
そうなんですよね、わかります。。。
ぐぐっと検査の数値がよくなって腎臓の不安がなくなれば、こんな悩みから解放されるのに…とお思いの方も多いはず。
※ここでは、クレアチニン値ではなく、腎臓の数値(点数)=eGFRで説明していきます。クレアチニン値からeGFRを算出する方法は「あなたの腎臓はどれくらい元気!?」で計算できます。
健康な人でも数値は横ばいではない
実は、腎臓の数値(eGFR)は、健康に問題がない人でも悪くなっていくのが普通です。
なぜなら、老化によって腎臓の機能は少しずつ落ちるから。書籍「レジデントのための腎臓教室(※)」によると、日本人平均で毎年、0.36ずつeGFRが低下するとのことです。
腎臓病でない人が80歳になった時の数値
毎年平均で0.36ずつeGFRが低下すると言われても、ピンときませんよね?
では、実際に私の数値で加齢とともにどのようにeGFRが推移するかシュミュレーションしてみましょう。
日本人平均の腎機能低下速度【1年間で-0.36ずつ】 | |
現在(35歳) | eGFR 88.7 |
45年後(80歳) | eGFR 72.5 {88.7-(0.36×45)} |
右肩下がりで低下するのは、長生きするうえで仕方のないこと! 腎機能は低下するのが当たり前なのです。
という事は、腎機能の数値(eGFR)が横ばいってことは、悪くなっていないという事なので、落ち込むことはありません。
腎機能に不安がある人はどれくらいの低下スピードか
血液検査や尿検査で腎機能の数値が引っ掛かっているという事は、ほかの人より少し腎機能が落ちるスピードが速いのかもしれません。「レジデントのための腎臓教室(※)」によると以下のように報告されています。
以下の症状がある場合の腎機能低下速度 | |
高血圧がある場合 | 1年間で0.3~0.5mLずつeGFRが低下 |
尿蛋白が出ている場合 | 1年間で0.6~0.9mLずつeGFRが低下 |
高血圧や尿蛋白がある場合のシュミュレーション
さきほどの平均的な腎機能の推移のグラフに、高血圧だった場合(-0.5ずつ低下)と尿蛋白が出ていた場合(-0.9ずつ低下)のグラフを追加してみました。
腎機能に不安がある方の大半は高血圧の薬を服用していますが、腎臓に何らかの疾患があったり、腎機能にダメージを与える生活習慣があると、腎機能の低下スピードが加速してしまうという事がわかります。
このような方法で、今のeGFR低下スピードのままで推移した場合、「そろそろ透析の準備をしましょう」と告げられるeGFR=10前後に達する時期が予測ができます。
定期的な検査で腎機能を把握することが大切
例えば、現在60歳の高血圧持ちのA男さん。
先週の検査の結果がeGFRが43だったとしましょう。
高血圧の場合、悪く見積もって0.5ずつ腎機能が低下していきます。
このままA男さんの腎臓の点数が10まで低下してしまうのは何年後でしょう?
計算としては、(43-10)÷0.5=66年後の126歳の時という事に。
むしろ、A男さんの場合は、「ギネス記録並みに長生きしたい」という事ではなければ、生きているうちに透析になる心配はないかもしれないなぁ…と安心できる材料にもなるでしょう。
特別な持病がない限り、年に1回の健康診断くらいしか検査機会がないのが普通かもしれません。しかし、クレアチニン値が高かったり、eGFRが60未満だったり、尿蛋白が陽性だった場合には半年に1回(可能であれば年に3~4回)検査に行けたらよいですよね。
還暦を過ぎた純炭社長は「コロナも下火になってきたから、かかりつけ医を見つけて定期的に検査してもらう」と言ってました。
2022年6月現在、アラフォーに差し掛かったゆっきーも純炭社長を見習いたいと思います。
おわりに
A男さんが努力をして、減塩をしたり、適度な運動をしてメタボを解消したり、きちんと水分摂取をしたり、ストレスをためないように気をつけて生活を改善すればどうなるでしょう?
きっと年間0.5ずつ悪くなるところを0.4…0.3…と悪くなる傾きを緩やかにし、透析をもっともっと先延ばしすことができるかもしれません。
腎機能悪化のスピードを緩やかにする生活の改善はこちらのブログ(クレアチニンの数値がさがらなと嘆く前に)も参考にしてください。腎臓の数値は横ばいを目指しましょう!
(※)参考文献
レジデントのための腎臓教室~ベストティーチャーに教わる全14章~
著:自治医科大学腎臓内科准教授 前嶋明人
- この記事を書いた人
- ゆっきー
美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
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「【2022年最新版】腎臓の数値が改善しないのはなぜ?先生が教えてくれない検査数値の見方とは?」への4 件のフィードバック
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[…] こちらのブログでは、自身のeGFRを記録していくと、どれくらいで透析になるか予測することができます。(もしかしたらお医者さんが脅しているだけで、透析になる年齢は120歳とかかもしれませんよ?)気になる方はチェックしてみましょう。 […]
腎機能の値は3か月間隔で行っていますが、ここ2年は30~35の範囲で経過しています。
改善されませんが低下していきませんので、安心しています。
唯、血糖値が180あり、フォシーガ50mgに切り替えていますが効果はまだ出ていません。
尿素N.クレアチニンが下がりません。
夜間尿の回数は3~4回と寝不足です。膀胱も硬くなってると思います。
コメントありがとうございます。
2021年3月に初めてコメントをいただいた際にはeGFR30前後とお聞きしていますので、約1年半も現状維持(むしろ上昇?)なのですね。
糖尿病性腎症の場合は1年で1.2程度低下するとのデータもありますので凄いです!
さて、フォシーガは5mgと10mgの2種類ですので、おそらく5mgが処方されているのではないでしょうか?
添付文書には「慢性腎臓病治療薬として使う場合には1日10mg」と書かれていますが、血糖値が下がりすぎないようにお医者さんが調節しているのかも知れませんね。
フォシーガと同じSGLT2阻害薬のカナグルが糖尿病性腎症治療薬として承認されたので、主治医の先生に相談してみてはいかがでしょう。
また、尿素窒素はたんぱく質を多く食べたり、尿量が増えて脱水になると上昇します。
数値に神経質になりすぎるのもストレスになりますので、こまめに水分をとって、リラックスしてお過ごしください。