慢性腎臓病の疑問&お悩み解決3~腎臓と睡眠、便秘、東洋医学、肥満について~
こんにちは、きよら通信担当のゆっきーです。
年明けのダイレクトメールに同梱したプレゼント応募ハガキに沢山のご質問を頂戴いたしました。
皆様から頂戴したお悩みにお答えし、共有させていただきます。
目次
Q.腎臓病と腸内環境の関係について、論文データや学会発表があれば教えてほしい。
来月号のきよら通信4月号では、腎臓病とディスバイオーシスの関係についてお届け予定です。
腎臓病の人は、腸内細菌叢に変化が生じ、善玉菌が減ってしまい、その結果さらに腎機能に負担をかけてしまうというものです。
それ以外でも以下のような研究があるのでご紹介します。
腸内環境の改善で睡眠の質が良くなる
他にも、こんな研究もあります。
筑波大学などの研究によると、腸内環境と脳機能は相互に作用しあっており、食事スタイルが腸内に生棲する細菌叢や日内変動のバランスにも影響しているという報告がありました。
腸内細菌叢を除去したマウスには、神経伝達物質の合成に異常をきたし、レム睡眠がより多く生じていることが明らかになっています。(つまり睡眠の質の悪化)
参考:糖尿病ネットワーク
睡眠の質が悪いと、透析へのリスクが上がってしまうという事も分かっています。
ですので、腸活で睡眠の質も改善させていきましょう。
便秘薬によって腎臓病の進行が遅くなる
東北大学の阿部高明教授らの研究グループは慶應義塾大学と共同で、便秘症の治療薬として使用されるルビブロストン(商品名アミティーザ)やリナクロチド(商品名リンゼス)が慢性腎臓病の進行を抑え、心血管疾患のリスクを低下させる効果があることを、慢性腎臓病動物モデルにより明らかにしています。
いずれ、腎臓病の治療薬として有効な便秘薬が承認されるといいですね。
Q.腎臓に負担をかけるインドールは悪玉菌がトリプトファンを腐敗させることで生じると何かで読みました。食事をする際、トリプトファンを摂りすぎない方が良いですか?
ここでまず、簡単に用語を説明させてください。
インドール | 腸内で悪玉菌が発生させる発生するアルカリ性の物質。 吸収されて体内に入ると、腎機能に負担をかけます。 |
トリプトファン | 必須アミノ酸の一種で生きていく上で必要な栄養素 レバー(鶏牛豚)、小麦胚芽、牛乳、チーズ、バナナ、大豆、アーモンド、鰹、鮪などに多く含まれています。 (参考:わかさの秘密) |
トリプトファンは、必須アミノ酸の一種ですので、不足しないように食事から摂取しなければいけません。
トリプトファンは精神を安定させ、鎮痛作用を持つセロトニンというホルモンの材料となるので、不足すると大変です。
腎臓に不安がある人にとっての問題は、”腐敗させる悪玉菌”の方です。
悪玉菌が出す、インドール(化合物)はアルカリ性の物質で、体内に吸収されると腎機能を落としてしまう事が分かっています。 ですので、悪玉菌が優勢な腸内環境が続くと、どんどんインドールを作り出してしまう可能性があります。 |
腸内環境は、善玉菌と悪玉菌が微妙なバランスを保ちながらひしめき合っています。
なるべく善玉菌が優勢になるように、腸によい食事を心掛けましょう。
Q.腎臓に良い鍼灸治療は?東洋医学は腎臓に効果があるか?
私たちの生活に関わる医学は大きく分けて2種類(東洋・西洋)があります。
西洋医学 | 病状を科学的、局所的、理論的に分析し、病気の原因を排除する治療を行います。 血液検査などの客観的なデータも駆使して診断を行います。 明確な原因がはっきりしている病気(ガンなどの手術で治る病気など)には西洋医学が効果的です。 |
東洋医学 | 主に中国で発達した医学の事です。 患部だけではなく全身を診てから治療方法を判断します。 治療には生薬や漢方、鍼、灸などを用いるのが特徴で、施術者の経験がものを言います。 体の健康状態を戻すため、自己治癒力を高める事が治療なので、原因のはっきりしていない病気に有効な場合もあります。 |
慢性腎臓病の場合、原因として免疫異常や、糖尿病と原因とはっきりわかっている場合もあれば、特に血圧も血糖値も高くないのに何故?という人もいます。
そこで、西洋医学と東洋医学のいいところどりをして治療を組み合わせるのも良いのではないでしょうか。
東洋医学がもたらす効果
自律神経の乱れを改善する
心の不安を取り除く
血圧が下がる
などの効果が期待できるので、改善すれば腎臓の負担を軽減ためには良い作用があるのではないでしょうか。
腎臓のために施術をしてもらうのも、一つの選択肢として選んでみて下さいね。
Q.体重と腎臓病の関係が知りたい。
以前にもご紹介しましたが、透析患者さんは痩せすぎていると死亡リスクが高く、逆に太っている患者さんほど死亡リスクが低いという結果が出ています。
では、まだ透析という訳ではない場合は、どう考えたらよいでしょうか。
肥満と腎臓病
~肥満の腎臓病への影響~ 腎臓病の原因と言われているのは、高血圧や糖尿病です。 肥満状態だと、高血圧や糖尿病といった原疾患がさらに悪化することが目に見えています。 ですので、太りすぎは良くないと言えるでしょう。 BMIでいうと、30を超えないようにしておいた方が安心です。 |
肥満と腎臓病
痩せと腎臓病
~痩せすぎの腎臓病への影響~ 特に、高齢者では、痩せすぎは転倒や寝たきり、骨折の原因となります。 痩せすぎると、内臓や消化管も弱ってしまい、ご飯が食べられなくなってしまう事もあります。 BMIで言うと、18.5を切らないようにした方が安心です。 |
もっとも死亡率が低いBMI値は、21~27の間という研究結果も出ています。(参考:日本人の肥満度指数と全死因死亡率および主要死因死亡率)
これらを考えると、太りすぎず痩せすぎず、BMI21から27の間を維持するのが良いのではないでしょうか。
体重も個性なので、この幅の範囲内であればストイックになりすぎなくてもOKです。
制限食で体重が減って元気が出ないという人は、食事の内容を専門家に見直してもらいましょう。
- この記事を書いた人
- ゆっきー
美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
きよら通信やブログはゆっきーがお届けしています。
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