慢性腎臓病(CKD)の疑問&お悩み解決2~腎臓病と薬について~
こんにちは、きよら通信担当のゆっきーです。
年明けのダイレクトメールに同梱したプレゼント応募ハガキに沢山のご質問を頂戴いたしました。
皆様から頂戴したお悩みにお答えし、共有させていただきます。
目次
Q.腎臓が片方しかなくてもきよらを飲んで良いですか?
・腎臓が片方働いていない
・小さい時から片腎である
・病気で腎臓を片方とった
・腎移植で腎臓の片方を提供する予定
…そんなお客様からのお問い合わせもございます。
片腎とはどんな状態?
腎臓という臓器は、常に100%のパワーを出して、全力で動いているわけではなく、余力をもって仕事をしていると言われています。
腎臓が1つしか働いていない場合、腎機能も1/2になると思いませんか? しかし、実際には1つしかない腎臓は頑張って働き、余力まで発揮してくれます。 その結果、2つの時と比べて6割くらいの腎機能になるそうです。 (※参考資料)片腎患者の腎機能 |
片腎でも仕事量は変わらない!
ですが、腎臓が片方になってもろ過すべき血液の量(腎臓の仕事量)が変わるわけではありません。
片方だけの腎臓に負担がかかりすぎないように、生活習慣を見直して腎臓への負担を少なくすることが大切になります。
片腎でも腎臓の負担を軽減することが大切
食べる純炭きよらは片腎の方が飲んでも大丈夫です!
副作用などの心配はありませんのでご安心ください。
1個で頑張っている腎臓の負担を軽減させるために、あわせて生活習慣も見直してみて下さいね。
(参考:きよら通信vol.1腎臓の負担を軽減する方法)
Q.フォシーガ以降、新薬は出ていないのか?
2021年8月25日にフォシーガが慢性腎臓病の治療薬として承認されてから、早2年近くがたちました。
それ以降、2種類の薬が、2型糖尿病のある慢性腎臓病患者さんへの”腎保護効果”が追加承認されています。
(しかし、残念ながら2023年2月現在、糖尿病を患っていない方が使える腎臓病薬はフォシーガしかありません)
フィネノレン(商品名:ケレンディア)
ケレンディアは、ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬に分類される薬で、もともとは血圧を下げる効果が知られていました。
フォシーガや後述のカナグルのようなSGLT2阻害薬とは作用メカニズムが異なります。
2022年3月に「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」で処方できるよう承認されました。
腎臓が炎症をおこしたり繊維化して腎機能が低下する原因として、ミネラルコルチコイド受容体(MR)の過剰な活性化が知られていました。
フィネノレンはミネラルコルチコイド受容体(MR)に選択的に結合することで過剰な活性化を抑制し、腎臓の炎症や繊維化を鎮静化する薬として開発されました。
(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬・以下MR拮抗薬と記載します)
参考資料:慢性腎臓病に対するMR拮抗薬が登場(日経メディカル)
カナグリフロジン水和物(商品名:カナグル)
カナグルは、フォシーガと同じSGLT2阻害薬に分類されるお薬です。
2022年6月に、腎保護効果があるとして、「2型糖尿病を伴う慢性腎臓病」の治療薬として承認されました。
フォシーガは糖尿病の有無に関係なく使えますが、カナグルは(今のことろ)「2型糖尿病を伴う慢性腎臓病」に限定される点に注意が必要です。
参考資料:田辺製薬ニュースリリース
慢性腎臓病治療薬まとめ(2023年2月現在)
現状、糖尿病ではない腎臓病でも使えるお薬をまとめると以下の通りです。
SGLT2阻害薬 | フォシーガ | 血糖をコントロールする・腎保護効果がある | こちらは糖尿病を患っていなくても処方が可能です。 |
吸着炭 | クレメジン | 尿毒症症状の改善および透析導入の遅延 | マイラン・球形吸着炭日医工はジェネリック医薬品です。 |
Q.クレメジンはいつから処方されるのか?
クレメジンは、医薬品の吸着炭です。(きよらは健康食品の吸着炭です)
クレメジンの働き
腎機能が落ちてくると、ろ過しきれない成分が悪さをし、尿毒症症状(倦怠感・食欲不振・かゆみ・むくみ等)が現れます。 その原因となる物質を吸着し体外へ排出させることで、腎機能の低下や透析導入を遅らせることが分かっている薬で、CKDガイドラインでも推奨されています。 |
透析導入を遅らせられる保険適用の薬があるなら、普通は飲みたいと思いますよね。では、どういった人なら処方してもらえるのでしょうか。
クレメジンの適応と注意事項
クレメジンの適応 | 慢性腎不全における尿毒症症状の改善および遅延 |
服用開始の注意事項 | 進行性の慢性腎臓病で保存療法期の患者を対象とすること 服用前のクレアチニン値上昇の割合が中等度以上(1/Cr値が毎月0.01dL/mg以上あがり続けている)であること |
上の表はクレメジンの添付文書の内容を抜粋しましたが、わかりにくいですよね。
クレメジンを処方してもらえるか否かのポイントは以下のふたつです。
1) | 進行性の慢性腎臓病であること。 |
2) | 保存期(透析に入る前)の患者しか保険適応にならないこと。 |
1)の進行性であることを示す基準として「1/Cr(1をクレアチニン値で割算した値)が毎月0.01dL/mg以上変化していること」と書かれているのですが、これまた???ですよね。
一言でいうと、「一回のクレアチニン値やeGFRの値を見て処方されるものではなく、継続して3回程度、数値が悪化していること」が処方の条件なのです。
2)のポイントは、「クレメジンは透析に入る前しか保険が使えず、透析に入ってしまうと(良い効果が報告されているにも関わらず)適応外で自費になってしまう」ということです。
クレメジンを処方してもらうには
現時点で、「クレアチニンが○○以上になったら」、「eGFRが○○以下になったら」という明確な処方基準がある訳ではありません。
過去の臨床試験では血清クレアチニン値が5~8といった透析間近の患者さんで透析導入延長の効果が確認されていますが、最近の研究では早期から効果があるのではないかと考えられています。
クレメジンには便秘や食欲不振などの副作用もあるので、(残念ながら)すべての腎専門医が処方に積極的であるとは言えません。
クレメジンを試してみたいのに主治医の先生が難色を示す場合には、セカンドオピニオンを検討してみるのも一つの方法です。
参考:メディカルノート(尿毒症) 薬局業務ノート
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- ゆっきー
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