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腎臓病対策治療薬

【2022年最新版】慢性腎臓病(CKD)の糖尿病治療薬はどれが適している?

こんにちは、純炭社長の樋口です。
2021年8月に糖尿病治療薬であるフォシーガが慢性腎臓病治療薬として使えるようになりました。更に2022年6月には糖尿病治療薬カナグルが「2型糖尿病を合併する慢性腎不全」の治療薬として承認されました。

病院で腎機能の低下を指摘されたあなたが、今、糖尿病の薬を処方されていなくても、フォシーガを使える可能性がありますし(フォシーガは糖尿病以外の慢性腎臓病でも使えます)、血液検査の結果で空腹時血糖が126を超えていたり、HbA1c(ヘモグロビンA1c)が6.5を超えている場合は、糖尿病の疑いがあるので、是非読み進めてくださいね。

【参考】
フォシーガ、2型糖尿病合併の有無に関わらず、日本で初めての慢性腎臓病の治療薬として承認を取得 日本の慢性腎臓病患者さんの治療に大きな進展をもたらす -小野薬品
SGLT2阻害剤「カナグル®錠100mg」について日本における2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の適応追加承認を取得―田辺三菱製薬

あなたは糖尿病の薬を飲んでいますか?

処方箋

1年間に透析に入る方がどれほどいるかご存知でしょうか?
日本透析医学会が発表している最新の「わが国の慢性透析療法の現状(2020年12月31日現在)」によると、約3万9千人だったそうです。
そのうち、腎機能を落とす原因となった疾患は、何が一番多かったかというと、以下の通りです。

1位 糖尿病性腎症 40.7%
2位 高血圧が原因の腎硬化症 17.5%
3位 慢性糸球体腎炎 15.0%
4位 原因不明 13.8%

ということは、糖尿病や高血圧を適切に治療すれば透析は回避できる可能性が高いわけです。

【参考】わが国の慢性透析療法の現状(2020年末の慢性透析患者に関する集計)―日本透析医学会

糖尿病はどんな病気?

角砂糖
空腹時血糖が100 mg/dLの時、血液中の糖分はティースプーン1杯(5グラム程度)と言われます。
ところが、白米1杯の糖質は55グラムなので11倍の糖分が体内に入ってくるわけです。
しかし、ご飯を食べた後に血糖値を測っても1,200 mg/dLなんてとんでもない数値にはなりません。
なぜならば、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中の糖分(ブドウ糖)を一生懸命に肝臓や筋肉に取り込ませているのです。
何らかの理由でインスリンが作られなくなったり、インスリンの効きが悪くなると、ブドウ糖は肝臓や筋肉に取り込まれなくなり、高血糖状態が長時間続くようになります。すると、AGE化などで血管が傷ついて腎症や網膜症につながっていきます。

様々な種類がある糖尿病治療薬


糖尿病治療薬の目的は血糖値が上がりすぎるのを抑えること!
そのアプローチ方法には様々な手段があって、現在はざっと8系統の糖尿病治療薬が使われています。

ビグアナイド薬

メトホルミンに代表されるビグアナイド薬は肝臓に作用して糖新生(タンパク質などからブドウ糖を作り出す作用)を抑制して血糖値の上昇を抑える薬です。eGFRが30未満は禁忌(使ってはいけない)となっています。

チアゾリジン薬

インスリンの効きを悪くする物質を作っている脂肪細胞に働きかけてインスリン抵抗性を改善する薬です。

スルホニル尿素(SU)

膵臓の細胞に直接働きかけてインスリンの分泌を促す薬です。

グリニド薬

スルホニル尿素(SU)薬と同じ作用ですが、SU薬よりも早く効いて、早く効果がなくなる特徴があります。

DPP-4阻害薬

膵臓からのインスリン分泌を促す消化管ホルモン(GLP-1などのインクレチン)を分解するDPP-4酵素を阻害することでGLP-1の分解を防いでインスリンの分泌を促す薬です。

GLP-1受容体作動薬

膵臓にあるGLP-1受容体に直接働きかけてインスリンの分泌を促す薬です。

アルファグルコシダーゼ阻害薬

糖質からブドウ糖を切り出す酵素(アルファグルコシダーゼ)を阻害して、血中へのブドウ糖取り込みを抑える薬です。

SGLT2阻害薬

腎臓でのブドウ糖の再吸収を抑制して血糖値の上昇を防ぐ薬です。近年、腎臓や心臓の機能を保つ作用が見出されて欧米では慢性腎臓病(CKD)治療薬として承認されました。(2022年7月現在、日本でも前述のフォシーガとカナグルが承認されています)。

このように糖尿病治療薬には切り口が異なる様々な種類が存在していて、お医者さまはあなたの病状を総合的に捉えて、適切な薬を処方してくれるわけです。

慢性腎臓病(CKD)の糖尿病薬物治療

健康診断の結果
2020年版の米国糖尿病学会診療ガイドラインでは、まず第一に
①メトホルミン(注1)と「食事や運動、体重管理などの生活習慣改善」で治療を行い、
②eGFRが30~60の(または尿中アルブミン/クレアチニン比が30を上回る)腎機能低下がある場合はSGLT2阻害薬を追加して治療することが推奨されています(注2)。
注1:メトホルミンはeGFR30未満や重度の肝機能障害、妊婦など複数の禁忌(飲んではいけない状態)があるので、禁忌に当てはまらないことが服用の条件です。
注2:SGLT2阻害薬が使えない場合はGLP-1受容体作動薬が推奨されています。

※重要!2022年2月追記
2022年版のガイドラインでは「メトホルミンを第一選択薬とする」記述が消えて、慢性腎臓病や心不全がある糖尿病の場合には、最初からSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の投与が推奨されました。

日本におけるSGLT2阻害薬の審査状況

ポリファーマシー 多剤服用
2021年1月27日、SGLT2阻害薬「フォシーガ」が慢性腎臓病(CKD)治療薬として優先審査品目の指定を受けました。
フォシーガはeGFR25~75未満でアルブミン尿が増加した4,304例の慢性腎臓病(CKD)患者において、糖尿病の有無に関わらず腎機能の低下を抑制したとのことです。
カナグルやジャディアンスといった他のSGLT2阻害薬も慢性腎臓病(CKD)治療薬としての開発が進んでいます。
欧米では2型糖尿病の有無に関わらず慢性腎臓病(CKD)治療薬として承認されていることから、日本でも広く使えるようになると期待されます。※追記 2021年8月にフォシーガは慢性腎臓病(CKD)治療薬として日本でも使うことが出来るようになり、2022年6月にはカナグルが承認されました。

おわりに

女医 診察
血液検査で血糖値が高かったり、HbA1c(ヘモグロビンA1c)や糖化アルブミンが高い場合には、

①糖尿病治療薬が処方されているか?
②どんな種類の糖尿病治療薬を飲んでいるのか?

お手元のお薬手帳で確認してみてくださいね。

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この記事を書いた人
樋口正人(純炭社長)

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

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