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【2022年版】慢性腎臓病(CKD)に適した尿酸の薬は?

こんにちは、純炭社長の樋口です。
今日のブログは尿酸に関する話題です。

尿酸と言えば痛風!

ウニイクラ丼
痛風は何の予兆もなく突然足の指などが腫れて激痛が走るので、私のようなオジサン&アルコール好き世代が恐れる病気です。
尿酸はプリン体から作られるので、「プリン体が多いビールや魚卵を控えなさい」とよく言われました。
現在では尿酸の元になるプリン体の80~90%は体内で作られるので、食事由来のプリン体は食べ過ぎなければ、さほど気にしなくても良いという事になっています。
日本痛風・核酸代謝学会のガイドラインでは、「1日のプリン体摂取量が400 mgを超えないこと」を推奨しています。

プリン体400㎎ってどれくらい?
ビール 大瓶約10本
あん肝酒蒸し 約100 g
ウニ 約300 g
イクラ 約10キログラム

イクラは10 kgも食べられるの?と驚いた方は文末のコラムも読んでみて下さいね(笑)
【参考】
・プリン体-eヘルスネット(厚生労働省 )
・「プリン体を含む食品は禁止」は間違い-高輪内科クリニック
・食品、飲料中のプリン体含量-公益財団法人 痛風・尿酸財団

腎臓と尿酸の関係

健康診断の結果
しかし、尿酸は非常に強い抗酸化物質でもあり、酸化ストレスから血管や身体を守ってくれる正義の味方でもあるのです。ですので、腎臓は尿として捨てられる尿酸をせっせと再吸収し、血液中に戻しています。
このように尿酸と腎臓は切っても切れない縁なのですが、血液中の尿酸値が高い状態を放置すると慢性腎臓病(CKD)進行が早くなったり、生命予後も悪くなることがわかってきたのです。

そこで、質問です。

あなたの尿酸は高い?薬を飲んでいる?

【質問1】
あなたの尿酸値は高いですか?(約7.0 mg/dL以上)
または、尿酸を下げる薬を飲んでいますか?

【答え1】
・「いいえ」の方はこのブログを読む必要はありません。「尿酸が高いね」と言われたら戻ってきてください。
・「はい」の方は質問2に進んでください。

あなたの薬は尿酸排泄型?尿酸生成抑制型?

【質問2】あなたが飲んでいる尿酸の薬はAとBどちらですか?
A 尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、ユリノーム、プロベネシドなど)
B 尿酸生成抑制薬(アロプリノール、フェブリク、トピロリック、ウリアデックなど)

【答え2】
・もしも、慢性腎臓病(CKD)で尿酸値が高いのに薬を飲んでいない場合は、すぐにお医者様に相談してください!
・慢性腎臓病(CKD)でAの薬が処方されている場合は、腎臓からの尿酸再吸収が抑えられて尿中尿酸量が増え、結晶化してしまう尿路結石(激痛)を起こすことがあるので、すぐにお医者様に相談しましょう。
・慢性腎臓病(CKD)でBの薬が処方されている場合は、質問3に進んでください。

あなたの尿酸生成抑制薬は新タイプ?旧タイプ?

【質問3】あなたが飲んでいる尿酸生成抑制薬はAとBどちらですか?
A アロプリノール
B  フェブリク、トピロリック、ウリアデックのいずれか

答えは本文最後を参照

メディカルトリビューン記事によると、2021年6月に開催された第64回日本腎臓学会で、藤田医科大学腎臓内科の吉田裕之先生が「新旧2タイプの尿酸生成抑制薬で血清尿酸値と生命予後を比較」した研究結果を報告したそうです(藤田医科大学病院腎臓内科

新旧2タイプの尿酸生成抑制薬とは、

旧タイプ(A) 1969年に発売されたアロプリノール
新タイプ(B) 2011年以降に発売されたフェブリク、トピロリック、ウリアデック

新タイプは実に42年ぶりに開発された新薬だったのです。
透析していない慢性腎臓病(CKD)に対して新旧2タイプを比較した結果、新タイプ(B)の方が尿酸の下がりが良く、生命予後も勝っていたとのこと。

【答え3】
慢性腎臓病(CKD)で尿酸値が高い場合はフェブリク、トピロリック、ウリアデックといった新タイプの尿酸生成抑制薬で尿酸値を下げた方がよさそうです。お薬手帳をチェックしてみてくださいね。

【参考】慢性腎臓病と高尿酸血症-日本臨床内科医会

尿酸の下げすぎにも注意が必要!(2022年追記)

尿酸の薬を飲んでいる場合は、尿酸の下がりすぎにも注意が必要です。
2022年の日本循環器学科での報告によると、腎臓を守るために適しているのは尿酸値が5~6の範囲です。
薬が効きすぎて尿酸値が5以下に下がってしまうと、逆に尿蛋白が増えることもあるので、薬の量を調節してもらった方が良さそうです。

【参考】第13回 高尿酸血症・痛風とその治療-桜十字八代リハビリテーション病院 副院長/熊本大学 客員教授  小島 淳(ききて)慶應義塾大学名誉教授  齊藤郁夫

コラム:細胞の大きさとプリン体(2022年追記)

プリン体とは大雑把に言うと「遺伝子(核酸)に含まれる成分」。
細胞1個に含まれる遺伝子はほぼ一定なので、食品に含まれるプリン体量は細胞の数に比例します。タラコ一粒、イクラ一粒、鶏卵一個は全て一つの細胞なので、100 g当たり何個の細胞があるか?でプリン体量が決まってきます。

タラコ100 g
たらこごはん
プリン体120.7 mg
イクラ100 g
イクラ丼
プリン体3.7 mg
鶏卵100 g
卵かけご飯
プリン体0 mg

イクラ丼や卵かけご飯は尿酸値が高くても安心して食べられますね(笑)

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この記事を書いた人
樋口正人(純炭社長)

株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)

「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。

「【2022年版】慢性腎臓病(CKD)に適した尿酸の薬は?」への4 件のフィードバック

  • 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    樋口社長様 尿酸値のお話しいただきありがとうございました。尿酸の薬は飲んでいません。6月期採血検査で尿素窒素23.8クレアチン1.14eGFR47.1尿酸7.7全てオーバーしています。今日 医院に7月分の常用薬を貰いに行き追加でフエブリクを追加をお願いしてとりあえず試してみようと思っています。医師は副作用が強いからと言っていましたが、とりあえず飲んで様子を見るとゆうことで納得してもらいました。パソコンで調べていましたので試してみることもいいことだと思って実行しました。8月の採血検査が楽しみです。ありがとうございました。

    • お医者様にすべてお任せではなく、お医者様と二人三脚で自分の健康を守っていく姿勢が大切だと思っています。
      さて、日本痛風・核酸代謝学会編集の『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版(2019年改訂)』の48頁~には尿酸生成抑制薬で尿酸を下げることは腎機能低下の抑制に有用である可能性が高いと記載されています。
      また、フェブリクのインタビューフォームを読むとeGFRが30以上であれば副作用の出現頻度は腎機能正常者と変わらないと書かれています。
      一方で、外国の試験ではアロプリノールに比べてフェブリクでは心血管病死が増えたとの結果もあります。
      今回の藤田医科大学の発表は、フェブリクなどで早期に尿酸を下げておくと透析導入後の生命予後を半減させる可能性を示しており、心配された心血管病死の増加は無さそうでした。
      しかしながら、副作用のない薬はありませんので、肝機能と心血管系をチェックしてからフェブリクを始めた方が安全かも知れません。

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