食用炭の常識・非常識

投稿日: カテゴリー ■純炭粉末について

こんにちは。
純炭社長の樋口です。

弊社が開発した純炭粉末を初めての健康食品として世に出したのは2010年3月。
あれから10年たって市場には様々な食用炭を使った商品が売られるようになりました。そんな中、純炭社長的には???と思ってしまう情報がネット上に掲載されているので、今日のブログでは理学部生物学科や製薬会社研究所で培った純炭社長的科学常識に基づいて各種情報を検証したいと思います(何故、こんなとってつけたような回りくどい表現を記載しているかというと、科学常識というのは日進月歩で、今日の常識が明日は非常識になってしまうことも多々あるからなのです。あくまでも純炭社長の私見としてお読みください(笑))。

Q.1:吸着する物質は小さいものから大きなものまで幅広いほうが優れている?
A.1:純炭社長的には×

ネット上では「薬用炭は吸着領域が分子量100~10,000までしか吸着できないのに対して、分子量100~90,000まで広範囲に吸着できる炭の方が優れている」といった印象を与える情報が掲載されていますが、純炭社長的には二つの間違いが潜んでいると思います。

間違い①:薬用炭は数百の低分子から数十万の高分子まで幅広く吸着する。
間違い②:分子量100~1,000の低分子しか吸着しない炭の方が安全性が高い。

炭(カーボン・炭素)というのは非常に奥が深く、同じ原料を炭化しても、温度や圧力、混合成分によって様々な構造をとり、吸着特性も変わってきます。ひょっとすると分子量100~10,000しか吸着しない薬用炭も存在するのかもしれませんが、ここでは慢性腎臓病薬として使われているクレメジン®のインタビューフォームに記載されているデータを使って説明します。
下のグラフをご覧ください。

薬用炭は分子量100程度の低分子から1,000,000(百万)の高分子まで吸着してしまうのに対して、医薬品であるクレメジンは分子量100~1,000の低分子領域に特化して開発されました。

なぜ、クレメジンは低分子領域に特化したのでしょう?
なぜ、幅広く吸着する薬用炭は腎臓病治療薬として使われていないのでしょう?
その答えは下の表にあると考えています。

ごはんやパンを消化吸収するための酵素α-アミラーゼの分子量は約60,000、タンパク質を消化吸収するための酵素ペプシンとトリプシンの分子量はそれぞれ約35,000と23,000、脂肪を消化吸収するための酵素リパーゼは約45,000です。
これらの消化酵素はin vitro(注1)の実験では薬用炭に吸着されてしまうので、長期に服用を続けると消化不良を引き起こし、栄養失調になってしまうかも知れません。

一方、腸の中で悪玉菌によって作られる腎臓に負担をかける物質は、インドール約117、フェノール約94、クレゾール約108なので、慢性腎臓病のように長期間毎日飲み続ける薬としては低分子領域に特化したほうが安全だと判断したのでしょう。

ちなみに薬用炭は、誤って農薬を飲んでしまった時の救命救急など、短期間しか投与されない炭なので、副作用の危険性よりも効果が優先されるのでしょう。

注1:科学の世界ではin vitro(試験管内での反応)とin vivo(生体内での反応)を分けて考えます。両者が一致することもあれば、食い違うこともあります。

Q.2-1:炭を飲むと痩せる?
A.2:純炭社長的には×。痩せる炭があるとすればその理由はなにか?

「食用炭は体に必要なタンパク質・糖質・脂質は吸着せずに余分なカロリーを減らす」という情報を見かけました。炭は汚いものを吸着してキレイにしてくれるイメージがあるのでダイエット効果をイメージしやすいのかも知れませんね。
だがしかし、食べ物のカロリーとは、タンパク質と糖質は1グラムで4キロカロリー、脂質は1グラムで9キロカロリーとして計算される値なので、「タンパク質・糖質・脂質は吸着せずに余分なカロリーを減らす」というのは矛盾があります。

仮に炭を飲んで痩せたとすると、そのメカニズムとして考えらえるのは4つ。
①腸内環境が変わって、いわゆる痩せ菌(アッカーマンシアなど)が増えている。②消化酵素などのタンパク質が吸着され、必要な栄養素を吸収できていない。
③栄養素の一部が吸着され、バランスの悪い食事内容になっている。
④炭自体から何らかの物質が溶け出している。

①が痩せた理由であれば素晴らしいのですが、腸内細菌の変化を確認するのはちょっと手間がかかります。また、「宿便が出て痩せる」という情報もありますが、医学的には宿便の存在は認められていません(大腸内視鏡をやった方ならわかりますよね)。

②~④は使われている炭の吸着分子量や含有元素、安全性試験の有無などをチェックすれば避けることができます。

Q.2-2:純炭粉末はどうなの?
今一度、薬用炭・クレメジン・純炭粉末の違いをご説明します。
薬用炭とは薬物中毒の救命救急などに使われる炭であり、何らかの植物を原材料として幅広く多くの物質を吸着するように作られた炭です。長期間の服用を想定していないので、カリウムやリンなど多くの物質を含むことがあります、
クレメジンは腎臓病治療薬として、石油由来物質を原材料として小分子を吸着するように作られた炭です。長期間の服用が必要になるため、カリウムやリンなどの不純物が極めて少なく、安全性も確認されています。
ダステックが開発した純炭粉末は高純度結晶セルロース(純粋な食物繊維)を原材料として作られた炭です。試験管内(in vitro)の吸着実験では分子量66,000のアルブミンというタンパク質は吸着せず、分子量113のクレアチニンは良く吸着するので、クレメジンのように低分子領域を吸着しやすく、また、AGE(糖化物質)も吸着することが報告されています(Diabetes Frontier Online 5, e1-008, 2018)。

だがしかし、注1でも書いたように試験管内の実験と体内に取り込んだ時の結果には違いがでることが多々あります。そこで動物に純炭粉末を食べてもらった時の体重変化や健康状態を観察する安全性試験を実施しています。

雄雌のラットに体重1 kg当たり100 mgと1,000 mgの純炭粉末を4週間にわたって毎日食べてもらいました。体重50 kgの人間に換算すると毎日5,000 mg(きよらカプセル約28粒相当)と50,000 mg(きよらカプセル280粒相当)を食べることになります。下のグラフは、餌を食べる量を比較したものです。純炭粉末を食べても食欲不振になるようなことないことがわかります。

次に体重の変化を見てみましょう。

純炭を毎日食べ続けても体重の伸びは変わりませんので、消化酵素や食事中の栄養素を吸着してしまう心配はありません(ということで、残念ながら(?)純炭粉末に痩身効果を期待するのは無理なようです(笑))。
また、鉄や葉酸・ビタミンB12が足りなくなると貧血になりますが、血液検査でも変化は認められなかったことから、純炭粉末によってビタミンやミネラルが足りなくなる心配も無さそうす。

【純炭粉末公式専門店】は→こちら

純炭社長

投稿者: 純炭社長

純炭粉末の(株)ダステック代表取締役社長。中外製薬で腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に携わった後に、ESA製剤が不必要になる世の中(すなわち腎臓病が無くなる世の中)を目指して47歳で起業しました。元金沢医科大学腎臓内科非常勤講師。ケトジェニックダイエットシニアアドバイザー・AGE研究協会認定講師でもあります。「出す」健康法で健康寿命を延ばすのが夢! 最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとしてサラメシも提供しています(笑)。

「食用炭の常識・非常識」への4件のフィードバック

  1. 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    薬用炭とは 貴社の純炭とは違う? またグラフ見ると何方も純炭粉末と書いてあるが、よくわからない。

    1. コメントありがとうございます。
      薬用炭とダステックが開発した「純炭粉末」(登録商標はダイエタリーカーボン®)とは全く異なるものですのでブログ本文中に説明を追記しました。
      さて、ブログ中のグラフは純炭粉末だけの安全性試験データであり、○対照群は純炭粉末を食べさせていないラット、●は体重1 kg当たり100 mgの純炭粉末を食べさせたラット、□は体重1 kg当たり1000 mgの純炭粉末を食べさせたラットのデータになります。
      ちなみに、薬用炭の安全性データを確認するために薬用炭「日医工」のインタビューフォーム(医薬品解説書)を見てみましたが、安全性(使用上の注意等)に関する項目では「該当記載事項なし」としか書かれておらず、安全性試験の有無は確認できませんでした。一方、薬用炭の製剤学的特性として「酵素、ビタミン、鉱物質なども吸着するので、消化をあまたゲル(消化不良)ことがある。また、長期に連用すると栄養障害が起こることがある。」と記載されています。
      ですので、ダステックが製造している「純炭粉末」では、薬用炭のような副作用がないことを確認するために安全性試験を行っている次第です。

  2. 分子量約40の酸化マグネシウムや、分子量約294のL-トレオン酸マグネシウムは、きよらでは吸着されやすいということですよね?

    1. 匿 名子 様
      とても重要な質問を投稿していただきありがとうございます。
      炭の吸着というのはとても奥が深く、多孔質の穴の大きさだけでなく、炭の表面電荷や表面官能基によって変わってきます。
      ブログでは吸着する物質のサイズだけを紹介しましたが、実は純炭粉末はナトリウム(原子量23)やリン(原子量31)、鉄(原子量56)などはサイズが小さくても吸着しない特性を持っています。
      しかしながら、酸化マグネシウムやL-トレオン酸マグネシウムといった医薬品やサプリメントの有効成分を吸着する可能性は否定できませんので、医薬品やサプリメントとは前後2時間程度、時間を空けて服用することをお願いしております(ただし、このような注意点は薬機法(旧薬事法)によって記載が禁じられているため、パッケージには表示できないことをご理解ください)。

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