運動をするとクレアチニン値が上がるから趣味の登山はやめた方がいいの??
こんにちはゆっきーです。
今日はこんなよくある質問をご紹介します。
目次
運動するとクレアチニン値が上がる?
ある日、お電話でこんなご質問がありました。
「インターネットで調べてみたら、運動するとクレアチニン値が上がると書いてあったので、腎臓病と言われたら趣味の登山はしない方がいいのでしょうか?」
との事。
クレアチニン値が怖い?
確かに、こんな風に疑問に思ってしまうのも、仕方がないと思います((+_+))
病院で定期検査をうけるたびに、血液検査の数値を見せられて「クレアチニン値が高いですね」「またクレアチニン値が上がってますね」と注意されると・・・
”クレアチニンという物質自体が悪!”というイメージがついてしまいます。
でも、クレアチニンという物質自体が腎臓に悪さをするわけではありません。
クレアチニンってそもそも何?
体内でできるクレアチニンとはいったい何なの?それを簡単に説明すると『筋肉が運動するための重要なエネルギー源が使われた後にできる老廃物』の事です。
ですので、運動や筋トレなんかをすると、当然クレアチニンが沢山つくられます。その結果運動後の体内のクレアチニンの濃度は上がります。(実際、店長たっくんもジムで筋トレをした次の日に人間ドックへ行ったらクレアチニン値で引っかかってしまいました。もちろん、店長は腎不全ではありません。)
『腎機能が悪くなってしまうとクレアチニン(という一つの成分)が腎臓でろ過しきれなくなり、結果として血中のクレアチニン濃度が上昇してしまう』と考えるのが正しい流れです。
クレアチニン自体は無害!
ちなみに、クレアチニンを大量にラットに注射する実験で、腎臓への毒性はほとんど見られないとの実験結果が出ています。
(ラットの実験では、普通の健康な人で換算すると、体内に存在するクレアチニンの量の50倍もの量を投与している計算になるので、通常の生活や運動ではありえない量のクレアチニン量です)
なので、血液中にたくさんクレアチニンが流れていることが問題なのではなく、本来、腎臓でろ過されて血液中にたくさん存在しないはずのクレアチニンが多くなってしまっている状態、それが『クレアチニン値が高くでダメだよ(腎臓のろ過機能が落ちているよ)』と言われる所以なのです。
「クレアチニン値を下げたいから運動はしない」は大間違い!
むしろ、運動不足が腎機能をさらに悪化させるのみならず、生命予後を悪化させるという論文や研究結果もでています。腎機能の低下はフレイル(高齢になることで筋力や精神面が衰える状態)の増加に密接に関係しており、”腎臓病進行=フレイルの増加”は比例しています。※参考文献(1),(2),(3)
また、運動不足は喫煙、高血圧に次いで第三位の危険因子であるという論文も出ています。※参考文献(4)
趣味の登山やめないで!
ですので、腎臓病の原疾患(高血圧・糖尿病・肥満など)を改善する為にも、適度な運動は続けるのが最適解です。適度な運動は、ストレス解消になったり、リフレッシュしたり、人生を楽しむためにも不可欠です。また、運動しないでいると、透析に入る前に心血管病で亡くなるリスクがどんどん上がってしまいます。
腎臓病の人が運動時気を付けること!
ただし、運動時に気を付けてほしいのは運動中の水分補給!汗をかき過ぎて脱水になるのは腎臓に負担がかかりますのでこまめに水分を取ってくださいね。
また、運動ならどれだけでもすればするほどいいという訳ではありません。トライアスロンやフルマラソンのように筋肉痛や息切れを伴うような強い運動は、考えものです。
強すぎるは酸化ストレスが増加し、血管を固くして腎臓に負担をかけます。また、運動強度が高すぎると腎臓の細胞が酸欠になり腎機能が低下します。
詳しくはこちらのブログ『腎臓病は運動でよくなる』も参照してください。
どれくらい運動しても大丈夫か心配な場合は、お医者さんに聞いてみてくださいね(*^^)
参考文献
※(1)Semin Dial 26 : 690-696,2013
※(2)J Am Geriatr Soc 61 : 896-901,2013
※(3)Am j Kidney Dis 60 : 912-921,2012
※(4)Lancet 378 : 1094-1105,2011
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- ゆっきー
美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
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「運動をするとクレアチニン値が上がるから趣味の登山はやめた方がいいの??」への10 件のフィードバック
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[…] 以前のブログやこちらのブログやこちらのブログもクレアチニン値が当てにならない場合があることを書きましたが、 先日は透析に入ったお客様から 「きよらを飲んでいるのにクレアチニンが上がってしまった」 というお声もいただき、クレアチニン値を必要以上に意識しすぎている感じを受けました。 […]
[…] し出される量が減って、血液中の濃度が増えてきます。 詳しくはこちらのブログ『運動をするとクレアチニン値が上がるから趣味の登山はやめた方がいいの??』も参照してください。 […]
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