慢性腎臓病(CKD)に良い食材の選び方!老けないのはどっち?【書評】(難易度:中級)

こんにちはゆっきーです♪
AGE研究の第一人者である山岸昌一先生の新刊が届きました。
AGEは老化の原因物質ですが、慢性腎臓病の原因のひとつでもあるんです。
腎臓にやさしい食事の作り方やメニューの選び方について、クイズ形式で楽しく学べる一冊になっていますよ☆

『老けないのはどっち?』
著者:山岸昌一(発行:河出書房新社 夢文庫)
ISBN-13: 978-4309485362
発売日: 2020/2/11

山岸先生と言えば、読むデトックスの続編(2・3)でも登場している先生ですが、何をどう食べるかで大差がつく老化現象について、広い視野で学べる一冊となっています。

目次はこんな感じです↓
『第1章 老けない食材はどっち?』
『第2章 老けないメニューはどっち?』
『第3章 老けない食習慣はどっち?』
『第4章 老けない人はどっち?』
今回は第1章の中から、特に迷いがちなものを少しだけクイズ形式でご紹介いたします!

Q.1白米ごはんと玄米ごはん、老けないのはどっち?


さて、どちらが体にダメージを与え、老化を促進しやすいのでしょうか。考え方のポイントとしては…
①食べ物そのものに含まれるAGE量(調理温度が高いほど多い)
②体内でのAGEになりやすさ(簡単に消化吸収される状態かどうか)
によって変わってきます。白米と玄米では調理方法は一緒ですので①は同じと考えられます。しかし、②の観点では白米の方が短時間で消化吸収され血糖値が上がりやすいので老けやすいといえます。したがって正解はA.1玄米となります。同様の理由で、白い食パン>全粒粉、うどん>そば、という風に選ぶことができますね。

Q.2肉と魚、老けないのはどっち?


さて、こんなふうに食材で比べると、どう考えたらよいのでしょうか。実は、生の状態で比較すると、脂肪が多い食材の方がAGEが高くなります。例えば、牛肉(肩ロース100g)だとAGE値が1350になるのに対し、鯵(100g)では484となり、3倍近く差があります。また、肉の油は摂り過ぎると生活習慣病を招き老けやすいのに対して、魚の油は血液をサラサラにして若さを保つ助けをしてくれます。
よって正解はA.2魚となります。この項ではさらに詳しく、豚肉と鶏肉なら?などさらに詳しく解説しています!

Q.3カマボコとタラコ、老けないのはどっち?


さて、これは難問です。普段より腎臓に気を使って食材を選んでいるあなたはそもそも食べない!とおっしゃるかもしれませんね。加工食品は添加物や無機リンが多く含まれているので、なるべく控えるに越したことはありません。
ではこの両者を比べるとなるとどうなのでしょうか?かまぼこのような練り物は、加工の段階で加熱を加えるので、食材自体のAGE量は上がってしまいます。
したがって正解はA3.タラコとなりますが、両者ともに塩分も高いので食べ過ぎには注意しましょう。
また最近はやりのサバ缶は?魚の種類による違いは?…なども詳しく解説されていますので、目から鱗!要チェックです。

Q4.生野菜と漬物、老けないのはどっち?


さて、こちらも普段から腎臓に負担をかけないように気を付けている人には簡単だったかもしれませんね。減塩と注意を受けている人は、漬物をへらしているという人も多いでしょう。予想通り正解はA4.生野菜 になります。但し、味気ないからと言ってドレッシングやマヨネーズをたくさんかけてしまうのはNG。どうしても味気ないというならば、微量の塩と良質のオリーブオイルをかけることを推奨しています。

さあ、あなたのクイズの正解率はいかがでしたか?老化の原因はAGEだけではなく、食材に含まれている成分や、栄養素のバランス、塩分量、添加物量によっても変わってきます。
ゆっきーも一応、AGE研究協会の初級講座終了済なので、こんな問題簡単だろうと読み進めましたが、老けないようにするには幅広い知識が必要なのね…と叩きのめされました(わかりやすく説明してあるのでご安心を)笑

第1章では、他にも、老けない方の油の選び方(バター・マーガリン・サラダ油・オリーブ油…etc)、お酒(ビール・焼酎…etc)の選び方も紹介されているので必見ですよ。

ぜひこちらの本を手に取って、クイズにチャレンジしてみてくださいね♪
続きは次回お届けします(‘ω’)ノ

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怒りや不安をコントロールして腎臓を守る方法

こんにちは。純炭社長の樋口です。

さて、前回のブログでは「怒りや不安が健康を損ない腎機能も低下させてしまう」ことを紹介しました。そこで今回は、「そのメカニズムと対処方法について」です。

☞人間は怒りを感じると…

アドレナリンというホルモンが増加します。

アドレナリンは「闘争と逃走のホルモン」と呼ばれ、例えばナイフを持った通り魔と出くわしてしまった時に「戦う」か「逃げる」か、究極の判断を迫られたときに威力を発揮するホルモンです(火事場の馬鹿力もアドレナリンによるもの)。

☞アドレナリンの働きって?

・アドレナリンは筋肉などのたんぱく質をエネルギー源であるブドウ糖に変化させて血糖値を上昇させます。
・アドレナリンは興奮状態を作り出すために血圧上昇心拍数上昇に働きます。
・アドレナリンは出血を最小限に抑えるために血管を収縮させ、血液を固まりやすくします。
”頭に血が上る”なんて言葉はまさに言い得て妙という感じです。

☞アドレナリン出すぎは困りもの…

このようにアドレナリンは生きるか死ぬかの瀬戸際で必要不可欠なホルモンなのですが、ちょっとした怒りや不平不満、不安でも増えてしまう困りものでもあります。そこで、無駄にアドレナリンを増やさない方法を見ていきましょう。

☞オススメの方法はこちら

世の中には数多の健康法がありますが、小林弘幸先生は「怒りをコントロールできれば、ほかの健康法はいりません。」と断言しています。逆を言うと、今のようにコロナ報道で日本全土が怒りに覆われている状況は肺炎の重症化のみならず、腎臓病やガンなどにも悪い影響が出てしまいそうで心配です。

小林先生が提唱する怒りのコントロール法に私の(つたない)解説を加えてみました。

1)口角を上げて笑顔を作る。

箸を横向きにして口にくわえてみてください。口角が上がって笑顔に似た表情になります。この状態で新聞を読むとアラ不思議。読んで心地よい記事が見つけやすくなり、暗い記事への不快感が薄まります。「笑顔を作ると楽しくなる」ことは脳科学的に正しいことが証明されていますし、何といってもあなたの笑顔は見ている人を幸せにします。コロナ離婚を避ける秘訣でもあります(笑)。

2)背筋を伸ばしてゆっくり歩く。

背筋を伸ばして歩いている人と、猫背で歩いている人を見てどちらを心地よく感じますか?表情だけでなく、姿勢も自他の気持ちに大きな影響を与えます。良い姿勢は自己肯定感をアップさせます。

3)怒りを口にしない、表現しない

「売り言葉に買い言葉」って言いますよね。怒りは怒りを増幅させます。怒りは伝播します。吐き出すよりも飲み込んでしまった方がストレスは溜まりません。ホスピスを題材とした称せる『ライオンのおやつ』の中にこんな言葉があります。
『思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝にかえれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう。』

4)ゆっくり丁寧に字を書く。
手書きで字を書く機会が少ないので、写経を始めました。落ち着きます。

5)体中に水がしみわたるイメージでゆっくり水を飲む。

寝起きはコップ一杯の常温水を一気飲み(腸が動き出して便秘改善に有効です)。日中はちびちびとゆっくり1日1.5リットルの水分補給。

6)「ため息」と「1対2」の呼吸法

「はぁ~」と声を出して息を吐くと肺の空気を出し切ることができます。そして、①3~4秒かけて鼻から息を吸い、②6~8秒かけて、(鼻または口から)ゆっくり長く息を吐く。①と②を3分間続けると良いそうです。

7)庭やベランダに出て風の香り、雨の香り、木々の香りを嗅ぐ

小林先生はプロゴルファーの横田真一さんに『ここぞというショットの前に、芝生の匂いを、風の香りを嗅いでください』とアドバイスし、見事に優勝に導いたそうです。

8)自分が心地よいと感じる色・音・香りを身の回りに置く。

どんな色・音・香りが好きか分からない場合は、口角を上げて笑顔を作って風景を見たり、音楽を聴いたり、様々な香りを嗅いでください。その時々の気持ちを和らげてくれる色・音・香りが見つかるはずです。

純炭社長も人間なので、イラっとしたりしますが、最近は意図的に口角をあげる、好きな歌を口ずさむなどを実践しています。また、ネガティブなSNSや報道を意図的に見ないように遮断するのも効果的!
ぜひ試してみてくださいね。

 

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慢性腎臓病(CKD)は植物性たんぱく質を摂った方が良い

こんにちは。純炭社長の樋口です。

植物性たんぱく質のススメ


今日は腎臓病や脳卒中・心筋梗塞を予防する(あるいは進行を遅らせる)ためには納豆は食べた方が良いのか?という観点から「植物性たんぱく質のススメ」をご紹介しようと思います。
約1年前のブログで「腎臓のためには植物性たんぱく質を摂った方が良い」という話題を紹介したところ、高価で不味い(?)低たんぱく質米を(我慢して)食べているお客様からお叱りを受けたことがあります(笑)。

植物性たんぱく質は腎臓にやさしい!


駄菓子菓子!、2016年のメディカルトリビューン記事では慢性腎臓病では総たんぱく質に占める植物性たんぱく質の割合が33%増すと死亡リスクが23%低下することが紹介されていますし、2019年の世界腎臓学会議では植物性たんぱく質の摂取量を10グラム増やすごとに、腎機能の低下速度が18%改善すると報告されています。

肉から豆に変えると・・・


更には、2019年9月27日のブログ「植物性たんぱく質で死亡や心血管病(脳卒中や心筋梗塞など)のリスクが低下!」では、日本人約7万人の調査で植物性たんぱく質を多く食べていたり、赤身肉や加工肉(ハム・ソーセージなど)を植物性たんぱく質に置き換えると、がんによる死亡率が最大で50%も低下したり、心血管病による死亡率が42%も低下することも紹介しました。

発酵した大豆製品は優れている


そして世界四大医学雑誌のひとつBritish Medical Journalに2020年1月に掲載された国立がんセンターの論文では、納豆や味噌のような発酵性大豆食品の摂取量が多いと(1日に納豆1パック程度でOK)死亡リスクが約10%低下することが報告されたのです。

もしや日本食って優秀!?


ここまで植物性たんぱく質や大豆が健康に良さそうとの研究結果が出てくると、腎機能が低下したからといって(もちろん、ナトリウム(塩分)とカリウムには注意が必要ですが)「白米に納豆と味噌汁」という典型的な日本食を我慢する必要があるのか?と疑問に思ってしまうのです。

お医者さんがダメって言う


ところがどっこい、お客様からの電話では「納豆や大豆は食べるなと言われた」という話をよく聞きます。ネットや腎臓病食の書籍を調べてみましたが、どうして大豆がNG食品なのかよくわかりません。(腎臓病食に大豆がダメな理由を知っている方は教えてください)

・大豆はアミノ酸スコアが低いから
・納豆はカリウムが多いから
という情報はみつかりましたがコレは本当なのでしょうか?

大豆のアミノ酸スコアが低いという情報は否定されている

植物性たんぱく質は腎機能低下を抑制する
かつては大豆は動物性たんぱく質に比べてメチオニン(アミノ酸の一種)が少ないので、動物性たんぱく質のアミノ酸スコアが100に対して大豆は80程度とされていました。例えば納豆1パック(40グラム)にはたんぱく質には6.6グラム、メチオニン104ミリグラムが含まれていますが、豚肩ロース37グラムはたんぱく質6.6グラム(納豆と同じ)、メチオニン197ミリグラム(納豆の約2倍)といったように。
しかし、メチオニンを大量に必要とするネズミの実験で算出されたアミノ酸スコアは後に否定され、人間にとって大豆は卵や牛乳と同じくアミノ酸スコア100点満点とされたのです(1993年米国食品医薬品局)。

鍵はメチオニン?


なぜ植物性たんぱく質が良いのか?金沢医科大学の北田先生らの研究からメチオニン含有量の違いが浮上してきたのです。「腎機能が低下する肥満ネズミを低たんぱく食で飼育すると腎機能低下が抑制されるが、メチオニンの添加によってその効果が打ち消された」という結果です。

たんぱく質は
1)メチオニンが少ない植物性たんぱく質
2)オメガ3不飽和脂肪酸が多い魚介類のたんぱく質
3)飽和脂肪酸が多い動物性たんぱく質
この3種類を偏りなく食べた方が良さそうです。

ちなみに納豆1パックのカリウムは約260ミリグラムでちょっとだけ多め。
13グラムの高野豆腐は納豆1パックと同じたんぱく質量でカリウムは4ミリグラムしか含まれていませんよ。

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腎生検をする必要はあるか

こんにちはゆっきーです。
先日こんなご質問を頂きました。もしかして、こんな風に不安を感じているお客様がたくさんいらっしゃるのではないかと思い、紹介させていただきます。

腎生検の必要性とは?


【ご相談内容】現在、腎機能e-GFRが40なのですが、3か月ごとの検査に行くたびに、腎生検と言われるのではないかと心配でなりません。腎生検をしなくてはならないほど悪いのか、腎生検をすることによって腎機能がさらに低下するのではないかと不安です。医師に言われた場合は、拒否せず検査を受けなければならないでしょうか?
※腎生検とは、腎臓の細胞をとって直接調べる検査の事です。

腎生検の目的


慢性腎臓病の原因は様々で、糖尿病性であったり高血圧性、IgA腎症など原因が明らかであれば治療方針も立てやすいのですが、原因が不明な場合は腎生検を行った方がより正確な治療を行えます。
腎生検を行うことによって「予後が良く透析の心配が少ないタイプ」なのか、「ステロイド剤や免疫抑制剤を使った方が良いタイプ」なのかを正確に知ることができます。

腎生検のメリットとデメリットとは

病院のイメージ写真
腎生検には利益と不利益がありますが、お医者さんは腎生検が必要かどうか十分検討した上で提案します。
利益は腎臓の組織を直接診ることで、正確な診断や治療法の選択を速やかに行える点。
不利益は生検による出血や合併症です。
ステレオタイプに『とりあえずクレアチニン値が〇を超えたら腎生検しておくか…』なんて事はありませんのでご安心を。
年齢や基礎疾患、社会的背景や合併症のリスクも十分に検討されます。

腎生検と言われやすいのは


では、どんな時に腎生検って言われる可能性が高いのでしょうか?
まずは、3月号のきよら通信に説明したように、腎臓の点数(e-GFR)が急激に悪くなっていないかグラフ化して確認してみましょう。
尿検査の異常(血尿や過度の尿たんぱく等)がずっと続いていたり、急速に腎機能が悪化している場合は腎生検をした方が良いかもしれません。
また、腎生検は医師が強制できるものではなく、患者や患者家族の協力や同意がなければ行えません。

腎生検で腎機能が低下しないか


腎臓の一部を切り取るとなると、腎臓へのダメージが心配ですよね。
腎生検のデメリットですが、出血による腎機能低下の可能性はゼロではありません。北里大学腎臓内科のホームページによると、日本では1年間に約1万人が腎生検を受けており、98%は問題なく検査を終了しているそうです。
2~3%に軽い出血などの合併症あり(腎機能低下は明記されていません)、死亡例は3年間で2名(1万5千人に1人程度、0.007%)だそうです。

ちなみに、腎生検でどうやって腎臓の細胞をとるのかというと…
局所麻酔をし、うつぶせになって背中から鉛筆の芯の太さ程の針を刺して細胞を採ります。麻酔するので穿刺の痛みは辛くないらしいのですが、「穿刺後にうつ伏せのまま安静にしているのがちょっと大変」という情報もありました。

不利益を上回る利益が期待できない場合は、腎生検は提案されないはずですのでご安心ください。また、不安な場合はきちんとお医者さんと話し合って不安を解消出来るようにしましょう。

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なぜ人類は健康を害するほど塩を欲してしまうのか(後編)

こんにちはゆっきーです。
前回お届けした前編ブログでは、貴重な塩を体に取り込むために、2つの臓器が進化したというお話でした。なんと、その臓器のおかげで人間のからだは2g程度の塩分摂取量でも生きていける仕組みなんです。
それにも関わらず、現代では健康を害するほど塩を摂るようになり、塩の摂り過ぎが問題化しています。

人類はわずかな塩分で生きていける


人類は、腎臓が進化したおかげで、わずかな塩だけでも生きて行けるようになりました。しかし、なぜ多くの塩を得ようとする製塩技術を必要としたのでしょうか。
日本でも、縄文人が海水から、とてつもない時間と労力をかけて塩の結晶を作り出していました。また、サラリーマンの語源はsalt(塩)とも言われ、塩が貴重品だった古代ローマ時代に塩を買うために兵士や役人に支払われた給付金に由来するのだそうです。いったいどういう背景で塩を欲するようになったのでしょうか。

食生活の変化により塩が必要に


実は、人類が農耕をはじめて食生活が変化していった頃、病気が流行ってしまいました。農耕で食糧を安定して得られるようになりましたが、今までの主食(狩猟や採集により肉や木の実などを主食にしていた時代)と違い、穀物や野菜からとれるナトリウムは、かなり少なくなっていたのです。
一方、穀物や野菜に多く含まれるカリウムが体内にたまり、心身に不調をきたすようになっていきました(血液中のカリウムが増えすぎると筋力が低下したり、不整脈や心停止につながります)。

体内からカリウムを捨てるために

そこで腎臓は、多すぎるカリウムを尿として体外に捨てようと頑張って働き始めました。
ところが、カリウムには腎臓でのナトリウム再吸収を抑制する働きがあったので、摂取するナトリウムが減ったうえに、尿に捨てられるナトリウムが増えてしまい、ナトリウム不足に拍車がかかってしまったわけです。
そこで、穀物や野菜以外の食材からナトリウムを補うために製塩技術が世界中で発達していったのだそうです。当時、塩は生命維持のためのサプリメントとして重宝されていたのですね。

腎臓の大きさは30代がピーク


30代以降、腎臓はすこしづつ小さくなり、加齢とともに腎機能は落ちていきます。人生100年といわれる昨今、自分の腎臓で天寿を全うしたいですね。
塩分過多により腎臓を疲弊させている現代人は、病気になる前から腎臓を守るために、減塩が大切です。

厚生労働省も引き下げたナトリウム摂取量


塩分摂取量過多による弊害としては、高血圧・慢性腎臓病・胃がんのリスクを高めるとされています。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では目標摂取量を1日あたり0.5g減らすよう基準値が改訂されました。
現在では、成人男性で約7g、女性約6.5gと目標摂取量が設定されています。それでも日本は世界的に見ても塩分過多な民族と言えます。実際、世界基準(WHO)での塩分摂取量の目安は5g未満を目標としています。

外食での塩分量、困っていませんか?


スーパーやコンビニで売られている一般食品(生鮮食品は除く)には栄養成分表示として食塩相当量が表示されるようになってきましたが、「外食でも表示してくれたらよいのにな~」と思います。
ラーメン屋さんに行って「麺+具=食塩相当量3g」、「スープ=食塩相当量3g」って書かれていたらスープを飲み干したいと思わなくなるのではないでしょうか。

おわりに

減塩ラーメン
ゆっきーもついつい濃い味のものを食べすぎて後悔することがあります。塩分をとりすぎると、体がむくんだりだるくなったりして、自覚症状を伴うことも少なくありません。快楽に任せて塩分をとりすぎると、そのツケは腎臓に回ってくることを肝に銘じて注意したいと思います。

過度なカリウム制限の弊害も


最後に、カリウム制限が必要ないのに自己判断で野菜や果物を控えてしまう方もいらっしゃいます。カリウムには前述したようにナトリウムを排泄する働きがあるので、カリウム不足になると更に厳しい食塩制限が必要になります。
また、食物繊維も不足して便秘の弊害もあります。
カリウム制限は自己判断で行わずに、血液検査の結果を見ながらお医者様や栄養士さんに相談してくださいね。

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なぜ人類は健康を害するほど塩を欲してしまうのか(前編)

こんにちはゆっきーです。
先日NHKの番組で、”塩”をテーマにした番組
『食の起源:塩 人類をとりこにする本当の理由』が放送されていました。

腎臓の数値に引っかかるとまず最初に”減塩してください”と言われた人も多いのではないでしょうか?
この番組の冒頭でもアナウンスされていましたが、どうして人類は健康を害するほど塩を欲してしまうようになったのでしょうか?

人類の祖先は、貴重な塩を無駄にしないように進化してきた


我々は塩に含まれる”ナトリウム”なしでは生きていけません。ナトリウムには受精卵にスイッチを入れたり、脳の電気エネルギーにも必要なミネラルで、生命維持には欠かせないものです。
もともと人類の祖先は、塩たっぷりの海の中で暮らしていましたが、やがて陸に上がり、海から離れた内陸へ生活の場を移しました。
そうすると海中とは違い、陸上では簡単にナトリウムが手に入りません。ナトリウム不足で命の危機に瀕した人類の祖先は、ある2つ臓器を進化させてきました。

ナトリウムを確保するために進化した臓器1


まず1つ目の臓器は『舌』です。塩不足を乗り切るため、貴重な塩を感じとるセンサーが敏感に進化しました。
舌に存在する味を感じるセンサー『味蕾(みらい)』からは、少しでも塩分が含まれていると、もれなく取り込もうとして、脳が快感を感じるような刺激が伝わる仕組みが備わっています。

すいかに塩をかける理由


また、最近の研究では、塩味と別の味(甘味・旨味・油の味など)が同時にあるときだけ反応するセンサーも発見されました。
このセンサーの働きにより、スイカに塩をかけるとより強く甘みを感じたり、出汁の旨味や油の旨みも塩があると、より強い刺激が脳にいくようになっているのです。

塩には中毒性がある


マウスの実験では、塩分を多く与えておいた後に塩を与えるのをやめると、塩を中毒的に求める脳内物質(麻薬依存の人の脳に現れる物質)が増えるという研究結果も出ています。
塩を摂り過ぎる生活をつづけていると、塩中毒になってしまう危険性があるということですね。

塩中毒の脳をだます方法


そこで、塩のとりこになってしまった脳でも塩の取りすぎを防ぐ方法をご紹介します。
それは『舌という優れたセンサーにだけ少量の塩を届けて、脳を満足させてしまう』というだまし討ち作戦です。
素材全体に塩を染み込ませるのではなく。表面にだけスプレーで塩水をごく少量つけて食べると、脳が快感を感じて薄味でも満足できるそうです。

ナトリウムを確保するために進化した臓器2


2つ目に進化した臓器は『腎臓』です。
ナトリウム不足から体を守る為、祖先は取り込んだナトリウムを外に捨てない様に進化しました。ナトリウムを再吸収できる臓器、それが腎臓です。
腎臓はかなり精巧な仕組で出来ており、体内のナトリウム量を常に一定に(ナトリウムとして約100g、食塩として約250g)に保つことができるようになっています。

1日に排泄される塩分量は約1.5g

腎臓病での賢い塩分の摂り方
1日に尿や汗、便などで失われる塩分はおよそ(食塩として)1.5gと言われているので、1.5gの食塩を補えば生きていけることになります。
その証拠に、地球上には塩を一切取らず、1日2Lのミルクをのんで2g程度の塩分摂取で生きている民族もいるんだそうですよ。
人体は進化した臓器のおかげで、わずかな塩分摂取量でも陸上で生きていける様に進化してきたのですが、日本人の食塩摂取量は1日あたり男性11g、女性9.2g(平成27年調査)。
一体どうして大量の塩分を欲するようになってしまったのでしょう?

さて、前置きが長くなってしまいましたが、次回はなぜわずかな塩だけでも生きていけるように進化した人類が、多くの塩を求めるようになったのか・・・?
後編に続きます。

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読むデトックスvol.1~透析を受けずに人生を楽しむ3つの方法~

『読むデトックスvol.1~透析を受けずに人生を楽しむ3つの方法~』とは?
腎臓の数値に引っかかっても・・・
先生は具体的にどうしたらいいのか教えてくれない
治る薬や治療方法もない
そんな腎臓病と付き合っていくにはどうしたらいいのか路頭に迷っているのはあなただけではありません。

読むデトックスvol.1
『私の患者は透析にさせない』という透析にしない治療を実践されている腎臓病内科の第一人者、佐中孜先生に最新の知見を取材しました。

そもそもいい医者ってどんな医者なんだろう?
腎臓病とはどうやって付き合っていったらいいんだろう?
忙しそうな主治医にはなかなか聞けない、そんな悩みを腎臓病エキスパートである佐中先生と対談形式で解決します。

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読むデトックスvol.1 透析を受けずに人生を楽しむ3つの方法

~第1部・ヤブ医者~


特効薬のない慢性腎臓病は医者の診たて(サジ加減)が最重要です。
患者にとっては生命線となるいい腎臓専門医はどうやって選べばいいのでしょう。ここで同業者佐中先生のアドバイスが「何が何でも自分の患者は透析にしないという強い信念をもった医者を選ぶことではないか」そう教えてくれました。
簡単に言えば、こんな施設の病院、治療方針の説明がこんな医者、このあたりがヤブ医者を見破るポイントだそう。
(詳しくは本書をお手に取ってご覧ください)

~第2章・ライフスタイル(食事)~


適切なサジ加減だと、食事療法はどうすればいいのでしょう。
老廃物を捨て体をきれいにするための臓器である腎臓が皮肉にも老廃物で壊れてしまう。だから体に腎臓を悪くする毒素をたまらなくする解毒療法が必要となるのです。
一言で言えば低たんぱく食というよりこの方法で、わたしは透析に入らせないために指導しています。ステレオタイプな指導しかできないヤブ医者や栄養士にかかってしまうと、かえって低たんぱく食が仇となってしまう場合もあります。
治る慢性腎臓病だってあります。これは慰めでもはったりでもない事実です。腎臓に関係のある異常があれば一度だけでいいので腎臓専門医の門を叩いてみてください。

~第3章・生活を楽しむ~


では、そんな佐中先生はどんな健康法や食事方法を実践しているのでしょうか?
副交感神経を優位にして、意識して笑う、あったまるのがポイントだと教えてくれました。
実は、佐中先生も遺伝的に糖尿病家系だそう。昔は多忙のあまり、医者の不養生といわんばかりの体だったと言います。ところが人生を楽しみながら摂生に努め、適正にコントロールしているそうです。
腎臓病を治すために人生を費やすのではなく、人生を楽しむために腎臓病と如何に付き合うか、それが腎臓病を好転させる糸口なのかもしれません。

・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*

詳しくは本書にてご覧ください。
本書を読んで、ぜひ佐中先生の診たて(サジ加減)で治療をしてほしいとお問い合わせもあります。実際お客様のなかで佐中先生の受診を受けに行かれる方もいらっしゃいます。

もし、佐中先生に診てもらいたいという方は
『メディカルプラザ市川駅』とネットで調べてみてくださいね。

 

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読むデトックスvol.2~糖化を防いで透析を防ぐ(基礎編)~

こんにちはゆっきーです!
いままで定期購入お申込みのお客様限定でプレゼントしていた読むデトックス(佐中先生との対談集)ですが、ついに続編が発売になりました!
透析を防げ

今回の読むデトックスはAGE編!
AGE研究の第一人者である山岸昌一先生にぶっちゃけ話を聞いてきました。論文を読み漁って知識豊富な山岸先生への取材は、お客様へお伝えしたい話題満載だったので、「基礎編(vol2)」と「実践編(vol.3)」の2冊にまとめました。

さっそく今回は基礎編のvol.2の冒頭部分をご紹介いたします★

読むデトックスvol.2
糖化を防いで透析を防ぐ3つのアプローチ(基礎編)
糖化を防げ
~Aの章~
「酸化」じゃない、「糖化」に気を付けろ。
いまから100年前、血液透析技術が発明されるまで、腎臓病は死の病でした。やがて、腎臓が機能を失っても透析によって生きていけるようになりました。
しかし、最近じわじわと増えている”原因不明の腎機能低下”の一因はAGEなのではないか、そんな研究が進んできています。恐ろしいことに透析導入患者の約13%は腎臓が悪くなった原因が不明なのです。
弊社では「AGE・無機リン・食品添加物のとりすぎ・食物繊維不足などが原因ではないか?」という仮説を持っています。

クレアチニンが高い時
~Gの章~
自分の体は自分でまもれ。
ある日、ドライな口調で医者にこう告げられます。
「クレアチニン値が高い、腎機能が低下している」
でも、医者は忙しそうで聞きたいことも聞けないし、栄養士の指導も疑心暗鬼になってしまう。ネットで調べたり本を読んでも、何がホントかウソか判断できない。
そう悩んでいるのはあなただけではありません。ダステックではあふれる情報の洪水に流されず、羅針盤となるホントの知見を専門家に聞いてきました。
お医者さんが言っちゃいけない(?)糖尿病を5年早く捕まえる方法も大暴露です。

AGEとは
~Eの章~
結局AGEって何?
読み方は「アゲ」でも「エイジ」でもありません。正しくは「エージーイー」と読みます。
きよら通信やダステックのブログでは度々登場していますが、まだ一般的には広く知られていないのが現状です。この知名度の低さが、AGEの健康被害に拍車をかけているといっても過言ではありません。
気づかぬうちにAGEのダメージは蓄積していっているのです。
AGEが体内に溜まるルートは2通り、これを把握して対処すれば、老化の速度を食い止められます。

・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*

詳しくは本編にてぜひご覧ください。
だれにでもわかりやすくまとめてあるので、腎臓が不安な人も、そうでない人も、AGEから体を守る知識を身につけましょう。
また、息抜きとして純炭社長の面白コラムもお楽しみください。こちらは日々の食生活にすぐに実践できる内容となっています。

 


読むデトックスvol.3
糖化を防いで透析を防ぐ3つのアプローチ(実践編)
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【2022年版】クレアチニン値・尿素窒素・e-GFRって何?

こんにちはゆっきーです。
2022年、ACジャパンのテレビCM「若いうちから、腎臓検診」が流れています。
https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html
(マンガ島耕作シリーズをリアルに呼んでいた純炭社長がお気に入りのCMですが、ゆっきーは読んだことが無いのでストーリーがピンときません 笑 )
でも、公共広告機構が「透析患者を減らしたい!」という想いで流しているCMなので共感は出来ます。
2011年の「食べる純炭きよら」発売以来、当社は慢性腎臓病のお役立ち情報を発信し続けてきましたが、やっと世の中が追い付いてくれた感じで感無量です(涙)。
と、最初から脱線してしまいましたが今日のブログは透析を遠ざけるために避けては通れない検査のお話なので、最後まで読んでくださいね。

腎臓病の数値といえば

慢性腎臓病で通院していると、病院に行くたびに「クレアチニン値」「尿素窒素」「e-GFR」の数値を言われませんか?
でも、それぞれの数値が何を意味しているのか?
上がった方が良いのか?
下がった方が良いのか?
どうして上がったり下がったりするのか?
丁寧に説明してくれるお医者様は少ないのではないでしょうか。
このブログを読んで、それぞれの検査の意味を自分のものにすれば、毎回の検査でなんで上がった(下がった)のか冷静に判断できるようになり、病院の先生にも相談しやすくなると思います。

クレアチニン


クレアチニンは筋肉に含まれるクレアチンという物質の老廃物。筋肉量が多いほどクレアチニン値は高くなりますし、筋肉を使った直後(運動だけでなく発熱でも筋肉を使っています)にはクレアチニン値が高くなります。
血液中のクレアチニンは腎臓で濾し出されて尿として排泄されますが、腎機能が弱ってくると濾し出される量が減って、血液中の濃度が増えてきます。この性質を利用して腎機能を推定している訳です。
例:血中クレアチニンが高い→腎臓からの排泄量が減っている?→腎機能低下?
でも、筋肉量や運動・発熱・炎症などに左右されるクレアチニン値だけでは正確な腎機能を知ることはできません。
詳しくはこちらのブログ『運動をするとクレアチニン値が上がるから趣味の登山はやめた方がいいの??』も参照してくださいね。

尿素窒素


こちらは(簡単に言うと)たんぱく質の老廃物。クレアチニンと同様に腎臓で濾し出されて尿中に排泄されるので、この値が高いと腎機能が低下している?と疑われてしまいます。

人体はタンパク質で出来ている


人間の体は筋肉も臓器も酵素もたんぱく質で作られているので、たんぱく質をきちんと食べることはとても大切です。
たんぱく質は窒素を含むアミノ酸が鎖のようにつながっていて、そのままでは腸から取り込むことができません。そこで、消化酵素がアミノ酸にまで分解してから小腸で吸収され、体内で利用されているのです。
ところが、厄介なことにアミノ酸を利用すると、アミノ酸に含まれていた窒素から猛毒のアンモニアが出来てしまいます。そこで(人間に限らず)生物はアンモニアを体外に排泄する機能を生み出しました。

尿素窒素は陸上生物である証


太古の昔、地球上の生物が水の中で暮らしていた時代は、水に簡単に溶けてしまうアンモニアをそのまま水中に垂れ流して生きて行けました。ところが陸上に上がった生物は別の形でアンモニアを体外に出さなければ生きていけません。
そこで生み出されたのが尿酸(水にほとんど溶けない)と尿素(水によく溶ける)です。

鳥類には尿素窒素はない


鳥類はオシッコをせずに老廃物を全て糞として排泄するので、水に溶けない尿酸の形でアンモニアを捨てるように進化しました。
一方、人間はアンモニアを水に溶けやすい尿素に換えて尿として排泄する方法を選んだのです。尿素窒素とは血液中の尿素を(尿素に含まれる)窒素の量として測定した値なので、たんぱく質を沢山食べたり、脱水によって血液が濃くなったりしても高値になります。
(余談になりますが、尿素入りクリームが保湿剤として使われるのは尿素と水が結びつきやすい性質を応用したものですし、高尿酸血漿で痛風発作を起こすのは水に溶けにくい尿酸が針状に結晶化して関節炎を起こすからです。)

e-GFRで腎機能を正しく把握!


「自覚症状のない慢性腎臓病。でも沈黙の臓器腎臓にも出せる声がありました。GFR値!検査表に耳を傾けてください」
女優の檀れいさん呼びかけるアストラゼネカのテレビCMを見たことはありませんか?
https://www.youtube.com/watch?v=W-V0WNGAEl8

腎臓病で一番気にするすべき数値はe-GFR(推算GFRや推算糸球体濾過量と記載されることもあります)です。
血液中のクレアチニン値やシスタチンC値を使って、腎臓がどれだけ働いているか?を計算によって導き出した数値です。自分の腎臓の状態を知るにはこの値に注目する必要があるのです。

クレアチニン値や尿素窒素だけでは腎機能はわかりません


というのも、クレアチニン値は筋肉の影響を受けますし、尿素窒素も食事のたんぱく質量の影響を受けます。
例えば、血液検査のクレアチニンが1.0 mg/dLだったとします。この数値で計算した20歳男性のeGFRは82.1ですが、60歳男性だと59.9(60未満は慢性腎臓病の診断)です。
これが男性よりも筋肉が少ない女性になると、20歳でeGFRが60.7(慢性腎臓病の一歩手前ですね)、35歳で58.0、60歳だと44.3になってしまうのです。
なので「クレアチニンが〇〇になったら透析」と判断することはできません!

いつから透析導入になるか


これには明確な基準はありませんが、ガイドライン(注1)ではeGFRが15~30になった時点で透析や腎移植の情報提供を行うことが推奨されていたり、eGFR8~14の早期透析導入は予後改善に寄与しないが、eGFRが2になるまでに透析導入しないと生命予後が悪化する可能性がある(注2)とされています。
平均的な理解としては、eGFRが10に近づくと「そろそろ透析」と言われ、シャント(血液透析を行うための血管回路)を作り、その後、eGFRが8以下で透析導入と考えてよいのではないでしょうか(但し、吐き気や頭痛などの尿毒症症状の現れ方次第で透析導入時期は変わります。尿毒症症状が無ければeGFRが3まで透析導入を延ばせる可能性もある訳です。)

参考文献
注1:CKDステージG3b~5診療ガイドライン2017、98頁
注2:エビデンスに基づくCDK診療ガイドライン2013、210頁

筋肉量やたんぱく摂取量とeGFRの関係


ここまで読んで、クレアチニンも尿素窒素も筋肉やたんぱく質に関係する数値であり、クレアチニン値から計算するeGFRも筋肉やたんぱく質の影響を受けてしまうことにお気づきでしょうか。
極端なたんぱく制限食を続けて筋肉量が落ちてしまった場合、クレアチニン・尿素窒素・eGFRともに数値的には改善したように見えることがあります。
そこで、筋肉量の影響を受けない腎機能検査として血中シスタチンCが開発されました。しかし、検査費用が高額(1200円程度)だったり、3か月に1回の測定しか保険適応にならない、といった理由もあり広まっていません。小柄で筋肉量が少ない女性や、逆に筋肉量が多いアスリート、運動習慣のある方などはシスタチンCの検査を受けて見ても良いのかも知れません。

ただし、シスタチンCにもデメリットあり


シスタチンCは筋肉量に左右されませんが、妊娠やステロイド剤、悪性腫瘍などの影響を受けたり、重症化した慢性腎臓病には適さないといった欠点があります。

最も正確に腎機能を知る方法は、クレアチニンクリアランスやイヌリンクリアランスといった検査方法なのですが、24時間畜尿が必要であったり検査に手間がかかるので、一般の健康診断ではオプションでもここまでやってくれる施設は無いと思います。でも、クレアチニンクリアランスやイヌリンクリアランスという検査が存在することは覚えておいてくださいね。

傾向と対策を自分なりに検証してみよう


・フォシーガやカナグルなどのSGLT2阻害薬を飲み始めて数か月はeGFRが急激に低下することがあります(通常はその後回復)。
・汗をかく夏場や乾燥する冬場は脱水でeGFRが下がったり、尿素窒素が上がってしまうことがあります。
・風邪やインフルエンザなどの感染症で熱がでるとeGFRが一過性に下がることがあります。
・激しい運動をした後の検査でもeGFRが下がることがあります。
・たんぱく質を沢山食べた後に検査すると尿素窒素が上がることがあります。
・その他にも睡眠不足や便秘や運動不足などでも、腎機能を落とす要素は様々あります。

一回の検査数値だけで一喜一憂するのではなく、今回の結果は何が影響たのかな?これのせいでもしかして数値が上がったのかな?と考えながらe-GFRをグラフにしてみてください。
グラフのつけ方やグラフ用紙は→こちら

そういえば今月は忙しくて外食が多かったかな?寒いから最近水分摂取が疎かだったかな?などなど気が付いたことをグラフに書き留めておくと、お医者様とのコミュニケーションも取りやすくなると思います。

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信じてはいけない!健康診断 プレジデント2020.1.3号 【書評】(難易度:初級)その3

こんにちはゆっきーです。
前回「信じてはいけない!健康診断 プレジデント2020.1.3号 【書評】(難易度:初級)その2」の続きです。

『知らないと危険!ヤブ医者の見分け方、医者の話のウソ』というショッキングな見出しの記事をご紹介します。

あなたの担当医師はどっち?


いい医者にかかりたい、ヤブ医者にかかりたくない。きっと誰もがそう思う事でしょう。ヤブ医者の要素は1つだけではありません。例えば、誤診、間違った治療、不確かな民間療法を勧める、などがあげられますが、やはりコミュニケーションが取れない医者はどれだけ治療実績が良くてもいい医者とは言えません。
最近では医学部でも診断や治療の説明において、上手なコミュニケーションをとれるようにするための講義もあるんだとか。
実際に、相談しずらい、話を聞いてくれない、患者の顔でなくモニターの数値だけ見て話す、そんな患者さん目線でないコミュニケーションが取れない医師にあたったことはありませんか?

患者が主語でなく、医者や病院を主語にして話す医師は要注意!


よい医者は患者さん目線で病状などを”解説”してくれるもの。専門用語を連発したり、患者さんに専門知識が無いのをいいことに、説明が不十分なまま自分のペースで診療をすすめる医者は考えものです。
”あなたに必要なこと(治療、薬、生活習慣)は●●です”のように、主語が患者さんである医者はわかりやすく解説するスキルが高いと言えるでしょう。

絶対、必ず、などと断定する医者は要注意?


不安を抱えて病院にいく患者としては、「絶対に治る」、「必ず効果がある」という言葉で安心させてほしいという気持ちもありますが、実は厚生労働省が定める医療広告ガイドラインでは「絶対に」、「必ず治る」、「100%」といった言葉を使うことは禁じられているそうです。医療や科学は不確実性の学問であり、100%断定できる事象はないのです。
なので、まともな医者なら初診時には「●●の可能性が高いですね」としか言えず、症状が時間と共に変化してきて治療の効果が出はじめた段階でやっと、「やっぱり病名は●●でしたね」と断定できるのです。「様子を見ましょう」という言葉に不安を抱いて病院に行かなくなったり、医者を変えたりするのは考え物です。症状の経過を見守って「いつもと違うところ」を知ろうとしてくれる医者が名医なのです。初診時に病名を診断できないからヤブ医者と決めつけてしまうのは患者の身勝手なのかも知れませんね。

お医者さんに依存し過ぎない生き方とは?


とは言うものの、医者も患者も人間なので相性があるのも事実。医者を変えたり、セカンドオピニオンに診てもらったりするのは医者を怒らせたり、失礼にあたるのではないか?という声もありますが、相性が合わないのにストレスを感じながら病院通いするのも考え物です。
例えば医者と一緒に治療方針を考えたいタイプの患者さんは、「1日●時間運動しろ」とか「酒は飲むな」と一方的に指示を出す医者は不向きです。でも、「Aにしますか?Bにしますか?」と患者に選択させる医者は頼りなく感じてしまい、ガツンときつく指示された方が安心できるタイプの患者もいます。

おわりに

電話相談
ダステックにご相談のお電話をくださったお客様に、弊社でお付き合いがあり信頼のおける専門医のいる病院をお住まいが近ければ紹介することもあります。『普段の経過観察はかかりつけ医でよいけど、そこまで心配しなくてもいいよ、大丈夫だよ、また心配だったら受診してくださいね』と言ってもらってとっても安心できたと、いうお客様もいらっしゃいました。
ストレスや不満を抱えて生きていくよりも、自分の心が心地よく感じることを自分の責任で選択する生き方が正解だと思うのです。純炭ブログが何かを選択するときのモノサシ(判断基準)としてお役に立てれば幸いです。

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