水と油と肌と分子と…???
こんにちは!
水曜担当スタッフM子です
雪がチラつく金沢,今日はきっと兼六園の雪吊りがとても美しいと思います
只今「社長文庫」からこの本を借りております。
今現在,まだ読み終わっておりません…
身体を包んでいる「皮膚」についていろいろな説明があり,「へ~っ」「ほ~っ」と思いながら読み進めております。
著者は大手化粧品メーカー;資生堂の研究者をなさっている 傳田 光洋(でんだ みつひろ) 先生。
我々の皮膚がどのような構造と機能をもつかが分かり易く解説されています。
皮膚表面が「死んだ細胞」と,「細胞間脂質」からなること,死んだ細胞がレンガ,その隙間を埋める細胞間脂質がセメントみたいなイメージであることが示されていました。
この強固な壁が,水気のものや大きな分子を皮膚の内側に入れまい!としているのだそうです。
”セメント”部材と馴染みのよい油系のものや低分子のものは浸透し易い…分子量が1,000以上のものはなかなか入っていかないとのこと。
例えばアミノ酸1分子の分子量が75~205くらいですから,分子量だけで考えるとアミノ酸10個程度までのものは浸透可能ということでしょうか。
アミノ酸は性質別でいくつかのグループに分けることができます。
疎水性(油に馴染むもの)や電荷をもたないものは肌への浸透がよいということですね。
+や-の電荷をもつアミノ酸はレンガ部分の死んだ細胞が持つタンパク質が電気をおびているため,反発する作用があり入りにくいようです。
アミノ酸1分子が添加された化粧品ってあまりないかも…むしろいくつかがつながっているもの,「ペプチド」くらいなら耳にすることがあるのでは?
アミノ酸が複数連なっているものを「ペプチド」と呼びます。
特にアミノ酸2個のからなるものはジペプチド,3個はトリペプチド,あとは10個とか50個未満くらいがつながったものはオリゴペプチドといいます。
数十から数百,数千個つながると「タンパク質」と呼ばれ,体を構成したり,細胞内などでいろんな化学反応を助けたり,いろんな種類のものが我々の体内で大活躍しています。
個々のアミノ酸の性質が違うので,ジペプチド,トリペプチドでもアミノ酸の組みあわせによっては電荷を持ったり油への馴染みの度合いが違ったりします。
化学修飾して疎水性・親水性の度合いは調節可能ですから,そうした工夫をしてある低分子もありそうです。
基礎化粧品などに入っている成分は分子の大きさや油への馴染み度合いで,「肌の中に入るものなのか?」「肌の表面にカバーしているだけのものなのか?」の大まかな判断ができそうです。」
ちなみに「コラーゲン」はタンパク質の一種(とても大きな,何十万とかの分子)だし,ヒアルロン酸はアミノ酸ではなく糖がたくさんつながったもので,こちらも通常の分子量は数百万とかになります。
なのでこのままのものは肌には浸透はしないでしょうね~
肌表面にカバーをして,加齢に伴って衰えたバリア機能のサポートし,肌の弾力等を生む成分や肌内部の水分などをできるだけ逃さないようにする感じでしょうか
コラーゲンなどは分解処理してアミノ酸3分子程度にしたような低分子のものもあるようです。
3分子を構成するアミノ酸の種類も,主として電荷のないもの(グリシン),疎水性のもの(プロリン),プロリンにちょっと水溶性が付与されたもの(ヒドロキシプロリン),のはずですから,これなら肌内部に浸透しそうです。
生物学を学んでいて思ったのは,結局生物も原子・分子の集まりで,それらの物理的・化学的観点でいろんなことが規定される…生体内で起こることは結局化学反応で,それは物理的法則に依拠する…(だから物理・化学をちゃんと勉強する必要が…)。
お化粧品も広告イメージだけで選ばずに,ちょっと調べればより効果が期待できるものを見つけられそうです
皮膚科学の本を契機に自分の化粧品をちょっと見直してみようかと思った今週のM子でした
…あれ?今週は「純炭粉末」や「食べる純炭 きよら」と何も関係ないぞ!??
- この記事を書いた人
- DF