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きよら通信バックナンバー

腸内環境を改善して、腎臓によいポストバイオティクスを増やそう

腸内環境を整えることが透析を遠ざける?!

東北大学の研究によると、便秘の改善が腎臓病の進行を抑制するという報告があり、腸内環境が悪いと、腎臓に負担がかかることがわかっています。

人間のお腹の中には、重さ約1.5㎏、1000種類、100兆個もの腸内細菌が住み着いています。

私たちの体の中のヒト細胞は37兆個なので、腸内細菌の方が数で言うと多数派なんです。

腸内細菌が体質をも左右する

そんな腸内細菌ですが腎臓病を筆頭に、

・糖尿病
・動脈硬化
・がん
・うつ病認知症

などの様々な病気や体質と関係していることが分かってきました。

腸内細菌たちは、絶妙なバランスを取りながら、自分たちが長く生きられるように、宿主(人間)の健康を守ってくれています。

ところが、うまく菌たちを“飼いならさないと、”バランスが崩れ心身の不調や病気になってしまうのです。

腸内細菌の新知見、健康長寿に役立つ『ポストバイオティクス』とは

多種多様な腸内細菌の中で、人間に有用な物質を作る菌を善玉菌と呼び、逆に人間に悪影響を及ぼす物質(尿毒素など)を作る菌を悪玉菌と呼びます。

善玉菌は主に食物繊維をエサにして人間に有益な『ポストバイオティクス』を作ってくれます。

一方、悪玉菌は脂っこい食べ物や消化しきれなかったたんぱく質を餌にして、腎臓や血管に負担をかける尿毒素などを作ります。

善玉菌と悪玉菌は腸の中で陣取り合戦をしているので、腸内の善玉菌を増やして、ポストバイオティクスがたくさん作られる腸内環境を目指すことが、腎機能を守る事にもつながるのです。

善玉菌人体に有益な物質を作り出す、好きな食べ物は食物繊維
悪玉菌人体に有害な物質を作り出す、好きな食べ物は脂質やたんぱく質

食物繊維がポストバイオティクスに変身!

人間は食物繊維を消化できませんが、腸内に住む“糖化菌”が糖へ分解します。

そして、その糖(※)をエサにして、乳酸菌は乳酸を作り、ビフィズス菌は酢酸を作り、酪酸菌は酪酸を作ります。

※ただし、口から摂った糖は小腸で吸収されてしまう為、乳酸菌やビフィズス菌のエサには食物繊維が必要です。

乳酸や酢酸・酪酸は人体にとって良い作用がある『ポストバイオティクス』の一種です。

昨今の研究では、様々なポストバイオティクスが発見され、健康効果が報告されています。

腎臓に良いポストバイオティクス①
Dセリン

金沢大学のマウスを使った研究によると、Dセリンを投与したマウスは腎障害が軽減するという報告があり、Dセリンには腎保護効果があると考えられています。

Dセリンは腸内細菌により生産され、発酵食品に多く含まれています。

参考:腸内細菌がつくるアミノ酸が腎臓を保護 なぜ「発酵食品」は健康に良いのか

腎臓に良いポストバイオティクス②
短鎖脂肪酸

腸内細菌が作り出す『酸(乳酸、酢酸、酪酸、プロビオン酸)』のこと。

短鎖脂肪酸は

・腸内環境を弱酸性に保ち、善玉菌が増えやすい環境にする
・便秘の解消
・腸の免疫力を強化
・肥満や炎症の抑制

といった働きがあることが分かっています。

※一時期話題になった“瘦せ菌”というのはこの短鎖脂肪酸を作り出す菌の事!痩せている人や健康長寿の人には、短鎖脂肪酸をつくる菌が多いことから注目されています。

腎臓に良いポストバイオティクス③
EPS

EPSとは、エキソポリサッカライド(exoplysaccharide)の略で、菌が作り出す多糖類の事です。

乳酸菌が作り出す食物繊維のようなもので、カスピ海ヨーグルトの粘り成分がEPSです。

カスピ海ヨーグルトのEPSにはインフルエンザ感染による死亡率を低下させたり、大腸炎を緩和するなど、免疫力に関わる働きが報告されています。

また、ヴィーリというEPSが豊富なヨーグルトを愛用しているフィンランド人は大腸がんが少ないという報告もあります。

風邪のような感染症や炎症はクレアチニン値を上げてしまうので、EPSの免疫力UPや抗炎症は期待できそうです。

腎臓に良いポストバイオティクス④
GABA

スヤスヤねむる赤ちゃん

GABAは脳内で作られる神経伝達物質で、リラックスや安眠といった精神面をサポートすることが知られています。

近年では、GABAの入った食品やサプリメントが売られています。

ところが、最近の研究で腸内細菌がGABAを作り出すことが分かってきたのです。

良質な睡眠が透析を遠ざけるとの報告もあるのでパワーを頂きたいものです。

腎臓に良いポストバイオティクス⑤
αケトA

亜麻仁油やえごま油のイメージ画像

オメガ3が豊富な腎臓にもよい油(えごま油、亜麻仁油)をとると、腸内細菌がαケトAを作ります。

この成分は、過剰な免疫反応を抑えてくれるので、この時期悩まされる花粉症にもよい作用があるかもしれませんね。

免疫異常による腎機能低下にも良い作用があるかもしれません。

腎臓に良いポストバイオティクス⑥
HYA

スリムな男性、抗肥満のイメージ画像

食用油に多く含まれるリノール酸から乳酸菌が作り出します。

血糖値の上昇を抑えるので、抗肥満や糖尿病の改善にも効果が期待できます。

ポストバイオティクスを増やす3つの方法

様々な菌がつくる体に良い成分『ポストバイオティクス』についてみてきましたが、これらを体内で増やすには食事に工夫が必要です。

簡単に3つのポイントに絞ってまとめましたので、今日の食事からぜひ参考にしてみてください。

1)食物繊維を意識的に摂取する。

オートミールで作ったピラフ

主食を雑穀やもち麦入りのご飯、全粒粉のパン、オートミールに変えてみましょう。

また、副菜にはキノコ類や海藻類も意識的に摂取しましょう。

カリウム制限がある場合は食物繊維サプリの活用(なるべくいろんな種類が入ったものを)も考えてみてくださいね。

2)メインディッシュは、牛や豚よりも脂身の少ない鶏・魚・豆製品に変える。

魚と豆腐のメインディッシュ

脂質を摂りすぎると、腸内環境が悪化してしまいます。

また加工肉(ウインナーやベーコンなど)に含まれる添加物も腸内細菌に悪影響なので、なるべく控えましょう。

メインのたんぱく質は、鶏肉や魚を使ったものや、豆腐や油揚げなどの大豆製品に変えてみましょう。

3)いろんな種類の発酵食品に挑戦してみる。

いつもの味噌、納豆、ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料・・・たまには別の種類に変えてみませんか?

もしかしたら、もっとお腹の菌と相性の良い発酵食品が存在するかもしれません。

効果が実感されない場合は他のメーカーのものに変え、2週間ほど継続してとるのがおすすめです。

善玉菌をサポートする純炭粉末を、毎日欠かさずに腸に届けることも忘れずに、腸活に取り組んでみて下さいね♪

(2024年3月号として配布したものです)

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この記事を書いた人
ゆっきー

美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
きよら通信やブログはゆっきーがお届けしています。
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