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腎臓病対策検査値の読み方

クレアチニン値・尿素窒素・e-GFRって何?

こんにちはゆっきーです。
慢性腎臓病で通院している人は、定期検診で「クレアチニン値」「尿素窒素」「e-GFR」の数値の事をうるさく言われますよね。
でも実際その数値って何で上がる(下がる)か知っていますか?
これを読めば、毎回の検査でなんで上がった(下がった)のか冷静に判断できれば傾向がつかめるかもしれません。

腎臓病の数値といえば


腎機能を見る項目として耳をふさぎたくなってしまう値と言えば、
・クレアチニン
・尿素窒素
・e-GFR
ですね。
この3つの数値は一体何なのでしょうか?

クレアチニン(Cre)


クレアチニンとは筋肉に含まれるクレアチンという物質の老廃物。クレアチニン値は筋肉量や運動量によっても増減します。
血液中のクレアチニンは腎臓で濾し出されて尿として排泄されますが、腎機能が弱ってくると濾し出される量が減って、血液中の濃度が増えてきます。
詳しくはこちらのブログ『運動をするとクレアチニン値が上がるから趣味の登山はやめた方がいいの??』も参照してください。

尿素窒素(BUN)


こちらは(簡単に言うと)たんぱく質の老廃物。クレアチニンと同様に腎臓で濾し出されて尿中に排泄されるので、この値が高いと腎機能が低下している?と疑われてしまいます。

人体はタンパク質で出来ている


人間の体は筋肉も臓器もたんぱく質で作られています。たんぱく質は窒素を含むアミノ酸が鎖のようにつながって出来ているので、消化酵素がアミノ酸にまで分解してから小腸で吸収され、体内で利用されます。
ところが、厄介なことにアミノ酸を利用すると、アミノ酸に含まれていた窒素から猛毒のアンモニアが出来てしまうのです。そこで(人間に限らず)生物はアンモニアを体外に排泄する機能を生み出しました。

尿素窒素は陸上生物である証


太古の昔、地球上の生物が水の中で暮らしていた時代は、水に簡単に溶けてしまう性質のアンモニアをそのまま水中に垂れ流して生きて行けました。ところが陸上に上がった生物は別の形でアンモニアを体外に出さなければ生きていけません。
そこで生み出されたのが尿酸(水にほとんど溶けない)と尿素(水によく溶ける)です。

鳥類には尿素窒素はない


鳥類はオシッコをせずに老廃物を全て糞として排泄するので、水に溶けない尿酸の形でアンモニアを捨てるように進化しました。
一方、人間はアンモニアを水に溶けやすい尿素に換えて尿として排泄する方法を選んだのです。尿素窒素とは血液中の尿素を(尿素に含まれる)窒素の量として測定した値なので、たんぱく質を沢山食べたり、脱水によって血液が濃くなったりしても高値になります。
(余談になりますが、尿素入りクリームが保湿剤として使われるのは尿素と水が結びつきやすい性質を応用したものですし、高尿酸血漿で痛風発作を起こすのは水に溶けにくい尿酸が針状に結晶化して関節炎を起こすからです。)

腎機能の低下度を正しく把握方法


腎臓病で一番気にするすべき数値は『e-GFR』(推定GFRと記載されることもあります)です。
血中のクレアチニン値やシスタチンC値から、腎臓がどれだけ働いているか?を計算によって導き出した数値なので、腎機能評価にはこの値に注目する必要があります。

クレアチニン値や尿素窒素だけではわかりません


というのも、尿素窒素は食事のたんぱく質量の影響を受けますし、クレアチニン値も筋肉量の影響を受けます。
例えば、血液検査のクレアチニンが1.0 mg/dLだったとします。この数値で計算した20歳男性のeGFRは82.1ですが、60歳男性だと59.9(60未満は慢性腎臓病の診断)です。
これが男性よりも筋肉が少ない女性になると、20歳でeGFRが60.7(慢性腎臓病の一歩手前ですね)、35歳で58.0、60歳だと44.3になってしまうのです。

いつから透析導入になるか


これには明確な基準はありませんが、ガイドライン(注1)ではeGFRが15~30になった時点で透析や腎移植の情報提供を行うことが推奨されていたり、eGFR8~14の早期透析導入は予後改善に寄与しないが、eGFRが2になるまでに透析導入しないと生命予後が悪化する可能性がある(注2)とされています。

数値だけを見ても何もわからない!


クレアチニンも尿素窒素も筋肉やたんぱく質に関係する数値であり、クレアチニン値から計算するeGFRも筋肉やたんぱく質の影響を受けてしまうことにお気づきでしょうか。
極端なたんぱく制限食を続けて筋肉量が落ちてしまった場合、クレアチニン・尿素窒素・eGFRともに数値的には改善したように見えることがあります。
そこで、筋肉量や食事の影響を受けない腎機能検査として血中シスタチンCが開発されましたが、検査費用が高額(1200円程度)だったり、3か月に1回の測定しか保険適応にならない、といった理由もあり広まっていません。小柄で筋肉量が少ない女性や、逆に筋肉量が多いアスリートや運動習慣のある方などはシスタチンCの検査を受けて見ても良いのかも知れません。

シスタチンCにもデメリットあり


こちらにも妊娠やステロイド剤、悪性腫瘍などの影響を受けたり、重症化した慢性腎臓病には適さないといった欠点があります。
24時間蓄尿などの手間はかかりますが、クレアチニンクリアランスやイヌリンクリアランスといった検査方法によって腎機能を正確に評価することができるので(一般の健康診断ではオプションでもここまでやってくれませんが)覚えておいてくださいね。

傾向と対策を自分なりに検証してみよう


夏場なら(もちろん冬場も疎かにしてはNG)脱水でクレアチニン値が上がってしまうこともあります。
冬場は風邪などの炎症(腎臓に負担をかける風邪薬を飲んでしまっていたり)でもクレアチニン値が一時的にあがる場合も。
季節変動以外では、激しい運動(筋肉痛を伴うような筋トレなども)をした後やタンパク質を食べ過ぎたりすると上がってしまいます。
その他にも睡眠不足や便秘や運動不足などでも、腎機能を落とす要素は様々あります。
数値だけで一喜一憂するのではなく、今回の検査結果は何が影響たのかな?これのせいでもしかして数値が上がったのかな?とお医者さんとコミュニケーションをとる機会にしてみましょう。
そういえば今月は忙しくて外食が多かったからかな?寒いから最近水分摂取が疎かだったかな?などなど自分自身の生活を振り返ってみるというのも大切ではないかなぁと思います。

腎機能の数値は時系列でみることが重要です。

こちらのサイトではクレアチニンの値からeGFRを計算したり、時系列で数値を追うための用紙をダウンロードすることが出来ます。是非一度記録を付けてみませんか。

参考文献
注1:CKDステージG3b~5診療ガイドライン2017
注2:エビデンスに基づくCDK診療ガイドライン2013

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この記事を書いた人
ゆっきー

美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
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「クレアチニン値・尿素窒素・e-GFRって何?」への2 件のフィードバック

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