慢性腎臓病(CKD)はクレアチニン値だけで判断しないで!
こんにちは。
純炭社長@糖質制限中の樋口です。
お客さまからのお電話やメールで
「クレアチニンの値が基準値の上限なので」とか
「基準値を超えてしまったので」というお声をよく耳にします。
臨床検査会社のホームページを見ると
クレアチニンの基準値はこのように表示されています。
男性の基準値:0.61~1.04
女性の基準値:0.47~0.79
なぜ、男女で基準値に差があるのか?
その答えは、血液中のクレアチニンは筋肉量の影響を受けるためです。
筋肉が多ければクレアチニンは高い、筋肉が少なければクレアチニンは低い。
男女差だけでなく、年齢によっても筋肉量は変わってきます。
クレアチニンの基準値も変わってこなければおかしいのです。
でも、血清クレアチニンの値だけで
一喜一憂するお客様が多いように感じます。
実は慢性腎臓病の診断基準は以下のように書かれています。
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①尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか
特に0.15 g/gCr以上の蛋白尿(30 mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要
②GFRが60mL/分/1.73 m2未満
①、②のいずれか、または両方が3か月以上持続する。
出典:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013(日本腎臓病学会)
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解りやすく、ざっくりと書き変えると、
①尿試験紙で蛋白尿+が3か月以上持続する
②eGFRという検査値が60よりも低い
ということになります。
クレアチニンなんて出てこないじゃないか!
と思いませんでしたか?
クレアチニンはeGFRを計算するために使われる数値なのです。
この表を見て下さい。
一番左側のグレーの部分が血清クレアチニン値
一番上のグレーの部分が年齢
それぞれの値が交差した部分の数値がeGFRです。
eGFRが60未満が慢性腎臓病ですから
濃い青色の部分
↓
黄色
↓
オレンジ
↓
赤
の順で慢性腎臓病が悪化していくことになります。
ここで大切なのは、
検査結果でクレアチニン値が基準内であっても
年齢によって腎機能は変わってくる
ということなのです。
クレアチニンの値だけで腎機能を判断せずに、
「eGFRが60に近づいているな」と感じたら
腎臓専門のお医者様に診てもらって下さいね。
- この記事を書いた人
- 純炭社長:樋口正人
株式会社ダステック代表取締役社長。
1985年3月:千葉大学大学院理学研究科生物学専攻 修了
1985年4月:中外製薬株式会社入社。新薬研究所配属腎性貧血治療薬エリスロポエチン(ESA製剤)の創薬に従事。
1998年4月~2001年3月:通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(岡修一先生)技術研修員
1999年4月~2008年3月:筑波大学先端学際領域研究センター(山本雅之教授)客員研究員
2007年4月~2014年3月:金沢医科大学非常勤講師
2007年10月:中外製薬退社
2009年5月:株式会社ダステック設立
2015年5月:純炭粉末の米国特許取得(ADSORPTION CARBON, AND ADSORBENT Patent No.: US 9,034,789 B2)
2015年5月:純炭粉末の日本特許取得(吸着炭及び吸着剤 特許第5765649号)
「出す健康法」で健康寿命を延ばすのが夢!
最近は「腎臓にやさしい純炭社長食堂」のシェフとして社員さんの昼食を調理しています(笑)。
「慢性腎臓病(CKD)はクレアチニン値だけで判断しないで!」への2 件のフィードバック
[…] 以前のブログで、腎機能を知るためにはクレアチニンよりもeGFRを見なければいけないことを書きました。 […]
[…] 以前のブログで、腎機能を知るためにはクレアチニンよりもeGFRを見なければいけないことを書きました。 […]