夏場に血清クレアチニン値が上がる話

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皆様こんにちは!
水曜担当スタッフM子ですhappy02

今週も締切に間に合わず,遅れて登場です…coldsweats01

 
以前,本ブログで腎機能が落ちている方は夏場の水分補給が大切であること,水分補給する際の飲み物の質について,気になる研究論文が発表されていたことについてお伝えしました。(詳しくはこちら
 
お陰様でたくさんの方にご覧いただいたようで,大変ありがたく思っておりますhappy02shine
 
 
この文献を見つけたきっかけとなった「夏場になって血液検査の血清クレアチニンの値が上昇する方が多いような…???」という気づきですが,日本の研究者からこれに関連するような研究発表がなされておりました!eye
 

Tohoku J. Exp. Med. 224:137-142, 2011
「Seasonal Variation in Estimated Glomerular Filtration Rate Based on Serum Creatinine Levels in Hypertensive Patients」
Masugata H. et al.

 
「高血圧の患者さん1の中で,慢性腎不全(CKD)のある人(55名),ない人2(47名)について,血清クレアチニン値を元に算出するeGFR(推算糸球体ろ過値)の季節変動を調べたところ,どちらのグループでも春先(3~5月)に対して夏場(6~8月)はeGFRが低下(≒血清クレアチニン値が上昇)していた。」という文献です。
 
そして夏場に低下したeGFR値は秋や冬になると少し上がっていましたconfident
秋から冬にむけても少し上がっているので,春にはもう少し上がるのでしょうか?(だから春先と夏場の間の差が一番大きくなる??)coldsweats01
 
 
eGFRは主に血清クレアチニンの値によって算出されるもので,血清クレアチニンの値自体は,夏に上昇しているものの,「統計的有意差」にまでは至らなかったようです。(しかしeGFRに換算すると意味がある「差」となるようです。catface
 
血清尿酸値も夏に上昇していたこと(有意差なしとなっていましたがBUNの値も夏に上昇していました)などから,「脱水」によって夏場に血清クレアチニン値が上昇 → eGFRが低下となるのだろうと筆者たちはまとめています。
 
このeGFRの季節変動(夏場の低下)の傾向は特に高齢者(73歳以)や降圧剤のお薬の種類(レニン-アンジオテンシン系阻害剤と利尿剤の併用)の方でよりはっきり表れるそうです。
 
 
ヘマトクリットの値が夏に少し低かった(有意差なしですが)ので,ヘマトクリットの値が下がると血が薄まっているようなイメージですから脱水とは逆のイメージですし,M子的にはそこは少し不思議な結果でしたthink
 
 
夏場に(おもに脱水の影響で)一時的に血清クレアチニン値が高くなり,「腎機能なんて気にしたことなかったのに突然指摘を受けた!coldsweats02」という事態につながっている方もいらっしゃるのかも…think
 
そういう場合は,秋や冬にかけて血清クレアチニンの値が下がっていく可能性もあるのかもしれませんねwink
 
 
本当に腎臓に傷害が起こっているのではなく,一時的な脱水の影響であれば,思い悩み過ぎてストレスをためるのは腎機能にも他の病気にとっても良くないように思いますthink
 
でも,「脱水の一時的な影響」じゃなかったり,脱水を繰り返して腎機能傷害が発生・進行し,大きなダメージになったりすると大変shockなので,夏場に血清クレアチニン値が高くて病院で指摘を受けたら,水分をしっかりとって脱水に注意しながら,あまり悩みすぎないように気を付けつつ,秋や冬に再検査を受けたりしっかり経過観察をするというのはいかがでしょうか?wink
160824水とAGE.jpg 
脱水が思わぬ検査結果を招く可能性があるという一方で,脱水が腎臓に良くない!というのは共通認識のようなので,水分補給に十分注意しましょう!happy01
 
もちろん,その際は水分の質(飲み物の種類)にも注意が必要ですよ!!wink
 
 
ちなみに血清クレアチニンの値は筋肉量や摂取タンパク質量の影響も受けやすいので(特に高齢者や女性で),1回の値ではなく,できるだけ継続的に血液検査を受けて変化を把握しましょう!
腎臓の濾過機能をしっかり確認するためには「イヌリンクリアランス」など別の指標での検査を受けることもオススメです!happy01
 
 
まだまだ暑い日が続いておりますsun

検査結果を気にし過ぎてストレスにつながるのもよくないのでcoldsweats01,適度に力を抜きつつ健康維持のためにできることを少しづつ取り組んでみましょ~happy02shine
 
 
 
※1. 収縮期血圧140mmHg以上,かつ/または,拡張期血圧90mmHg以上
※2. eGFRが60mL/min/1.73m2以上
 

参考文献
「CKD早期発見・治療 ベストガイド 寛解につながる慢性腎臓病へのアプローチ」  佐中 孜 著 <医学書院>
 
 

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