自分の幸せ感+他者への思いやり⇒最強免疫!?
こんにちは!
生憎の雨模様 ,昨晩も雨でオリオン座流星群 は見られなかった金沢から~
水曜担当スタッフM子です
今週は見返していた「日本抗加齢医学会雑誌」の中のとある記事が気になったのでご紹介~!
Anti-Aging Medicine 2014,vol.10(2)の中で,慶應義塾大学の坪田 一男教授がおもしろい文献をご紹介なさっていました。
原著(元の論文)は以下のとおりです。
Fredrickson BL,et al
A functional genomic perspective on human well-being.
Proc Natl Acad Sci USA,110:13684-13689,2013
自分(の欲求が満たされた際)の幸せを感じている場合「=個人的快楽的幸せ」には炎症性サイトカイン(pro-inflammatory cytokine)の遺伝子群発現が約2割上昇している。そして抗体関連遺伝子群が2割ほど発現低下している。
一方,ボランティアや他者への親切等で自分にもちょっとした幸せ感を感じる「=社会的幸せ」の場合,タイプⅠインターフェロン関連の遺伝子発現が1割ほど,抗体関連の遺伝子発現が3割ほど上昇していた。
とか。
「遺伝子発現の上昇」とは,一般的にはその反応が活発化しているとか,関連の物質が体内でたくさん合成されていると表現してよいと思います。
この実験結果の考察では,
人類の遺伝子が定まったような太古の時代,
個人的快楽を追求していた個体は他個体との接触が少なく,自然との接触が多いため細菌感染等から防御する炎症性サイトカインの遺伝子発現が上昇するのでは?
一方,社会的幸せを追求する個体は,他個体と集団でいる場合が多く,仲間から風邪などウィルス性の感染を受けるリスクが高かったため,抗体関連遺伝子群が発現上昇するのでは?
というものだそうです。
考察内容を支持するならば,「太古の習慣」が現代の我々の「超短期的な遺伝子発現」にすら影響を与えているということにもなるのでしょうか。
いろいろ気になる点があるのですが,そもそもちょっとした気分の違いで遺伝子発現がグッと変化するということは,やはり煎じ詰めれば「病は気から」とか「気力で病気をやっつける!」という話の信憑性が高いということかと。
逆に精神的な不調に対して,まずは物理的(肉体的)刺激を与え,精神へよい波及効果をもたらすということも知られてきていますよね。(うつ病への運動療法など)
一方,この研究結果については炎症性サイトカイン関連遺伝子群の発現上昇をどう捉えるかで意味合いが結構違うような気がします。
炎症性サイトカインの上昇が細菌感染の事前防御として有用と考えるか,或いはガンなどを誘発するよくないものとしてとらえるか…。
(過去に弊社代表が関連する話題をブログに挙げていたような…)
自己欲求を満たす幸福 + 他者への親切に伴う幸福
⇒ 細菌感染防御 + ウィルス感染防御 の最強免疫獲得!?
或いは,
⇒ ガン化リスク + アレルギーや自己免疫疾患リスクの上昇!?
…あらあら,そもそもは前向きな良い話のはずが,えらくネガティブな話になってしまった
私は自己欲求充足上手の典型的な「個人的快楽的幸せ」 感じまくり人間なので,体内では炎症性サイトカインの遺伝子発現が強い状態だと予想されます。
…ガンには注意しなきゃかな
「ヒトはご機嫌で幸せであると長生きする」とのことですが,何でご機嫌になるか・幸福を感じるかは人によって随分違いますよね
その人の幸福要因がどんなものであれ,(他人にかける迷惑が極力少ない範疇で)幸せを感じられる毎日を過ごせば身体にはよさそうです
そして「人のために何かすることが自分の身体によい影響を与えているかも!?」ということは覚えておくと良さそうです
前者は得意なので,もう少し人にやさしくを心がけようかな…と思った本日のM子でした
- この記事を書いた人
- DF