腎臓病研究の最新情報と、冬の過ごし方のコツをご紹介します

目次
【ニュース1】ブタからの腎臓移植、透析からの離脱症例の今!

ブタの腎臓移植のその後…
2025年1月にブタ腎臓の移植を受け、透析から離脱したTim Andrewsさん(67歳)は9か月後も透析不要で生活中。
メジャーリーグで始球式を行うほど元気だそうです。
…という記事を「きよら通信」で紹介した直後に、「移植されたブタ腎臓の機能が低下したため、移植後271日で摘出」という残念なニュースが飛び込んできました。
ブタ腎臓の機能が低下した原因は現在のところ不明です。
ご本人は再び透析生活に戻りましたが、前向きに次の移植を待っているとのことです。
透析なしで職場復帰の患者も!
一方、6月に移植を受けた別の患者さんは、透析なしで職場復帰し、サイクリングを楽しんでいると報じられています。
これらの結果を踏まえて、FDA(アメリカ食品医薬品局)はブタ腎臓移植の治験を承認しました。
日本でもベンチャー企業が開発中
日本でも移植用ブタを生産するポル・メド・テック社(明治大学発ベンチャー企業)が、2027年の治験開始を目指しています。
昨今では、AIの進歩により、医学の世界も技術革新のスピードが格段に速くなると予想されています。
1日も早く、透析を回避または離脱できる日が来ることを願うばかりです。
【ニュース2】自分の細胞から腎臓を作れる未来がくる?

京都大学は、人間の皮膚などから作った『iPS細胞』から腎臓の赤ちゃん細胞(ネフロン前駆細胞)を作ることに成功しました。
この腎臓の赤ちゃん細胞を腎臓病になったマウスへ移植すると、腎機能の低下が抑制されたとのこと。
また、熊本大学では、多能性幹細胞(iPS細胞やES細胞)から尿管(※)を再生することに成功しています。
(※)腎臓で作られた尿を膀胱に運ぶための管
前述の腎臓の赤ちゃん細胞には、尿の排泄に必要な尿管が付いていませんが・・・
両者の研究を組み合わせることで、移植可能な腎臓を再生できる可能性が高まりました。
ブタ腎臓移植よりも、実用化にはすこし時間がかかるかもしれません。
ですが、自分の細胞から腎臓を再生できれば免疫抑制剤も不要となり、拒絶反応を心配することなく、透析を回避できると期待されます。
【ニュース3】イギリスで開発進む、腎臓病治療新薬『バクスドロスタット』

アストラゼネカ社で開発されている新しいタイプの降圧剤の研究報告です。
腎機能が低下してしまうと、薬では高血圧が改善されない人が大勢います。
今回、従来の降圧剤(ACE阻害薬やARB)では、血圧が下がらない慢性腎臓病患者にこの新薬を試したところ、下の血圧が7.2~9.0も下がったというのです。
さらにこの新薬により、尿中のアルブミン(尿蛋白の主成分)が55.2%も減少したという驚きの報告が出ています。
尿中のアルブミンが多いほど腎臓病の進行が早いと言われているので、新たな降圧剤の選択肢として、臨床研究が進むことが期待されています。
ちなみに、2025年6月末時点で、日本では第3相(承認申請の一歩手前)の治験中です。
近い将来、日本の保険診療で、この薬の恩恵を受けられると思います。
【ニュース4】ノーベル賞がもたらす腎臓病克服への切り札

今年のノーベル生理学・医学賞に輝いた、大阪大学の坂口志文教授は、「制御性T細胞(Treg細胞)の発見と、その免疫調整機能の解明に貢献した」として、ノーベル賞を授与されました。
近年では、免疫の暴走が様々な病気を引き起こしている(糖尿病・花粉症アレルギーなど)ことがわかっており、腎臓病も例外ではありません。
免疫が起こす病気は多岐にわたる
このTreg細胞は、免疫を抑えることに特化したリンパ球なのですが、うまく体内で活用できればIgA腎症やループス腎炎、腎移植後の拒絶反応にも打開策が見出されるかもしれません。
すでに、Treg細胞を体内で増やすことで、腎臓の炎症を抑えたり、腎機能低下を防ぐことが出来ないか?・・・など、200以上の臨床研究が国内外で進められています。
Treg細胞研究が今後の鍵となる
また、今回ノーベル賞を受賞された坂口教授は、Treg細胞を使った新しい治療法の実用化に向けベンチャー企業を設立しています。
腎臓病においても、免疫は“抑制する(薬などでに押さえつける)”のではなく“整える”という発想が、これからの治療のスタンダードになるかもしれません。
医学が腎臓病を克服するまでにわたしたちが出来る事を!

透析を回避できる日が到来するまで「きよら通信」にて、腎機能を守る方法をお伝えします。
季節柄、お正月明けの検査でガッカリする方が多いのは、意外と知られていません。
味の濃いおせち料理や運動不足を避ける以外に、年末を乗り越える3つのコツお伝えします。
【年末を乗り越えるコツ①】冬の脱水

冬場は喉の渇きを感じづらいので、水分補給がおろそかになりがちです。
おしっこの色がいつもより濃いな…と感じたら、腎臓からのサインです。
| 白湯 |
| ノンカフェインのお茶(麦茶、ルイボスティー、コーン茶、フレーバーティーなど) |
保温できる水筒に入れ、ちょこちょこマメに飲むとGOOD!
知らずに脱水状態になっていると…
風邪をひきやすくなったり、便秘の原因にもなりますので、意識して飲んでみて下さいね。
【年末を乗り越えるコツ②】トイレを我慢しない

冬のトイレは寒いから…と考え水分補給を控えたり、便意を我慢する人が意外と多いそうです。
水分を控えたり、便意を我慢すると、便秘の原因となり腎機能にも悪影響です。
冬のトイレを快適に過ごすために
| スリッパや便座カバーを温かい素材(冬仕様)にする |
| トイレに小さな暖房器具を設置する |
など、ためしてみてください。
【年末を乗り越えるコツ③】人との触れ合いを楽しんで過ごす

ストレスや孤独な時間は、血圧や血糖値を上昇させて腎臓に負担をかける可能性があるので、少ないに越したことはありません。
年末年始は、普段合わない親戚や友人との再会も増えるのではないでしょうか。
そんな時期だからこそ、人とのコミュニケーションを意識して、みませんか。

スマホのテレビ電話
直接会えない場合は、LINEのテレビ電話も楽しい時間に一役買ってくれます。
LINEのようなアプリを使えば、昔のように、高額な電話代もかからないので(Wi-Fi環境推奨)、気軽に利用してみましょう。

AIとの会話に挑戦
話し相手に困った時は、無料で使えるチャットGPTでAIとの会話を体験するのも◎
文字入力をしなくても、音声会話もでき、結構賢く関心しますよ。
※但し、チャッピーは間違った事も言うので、信用しすぎるのは禁物です笑。

LINEの限定エフェクトを活用
毎年、12月下旬に「クリスマス」とメッセージを送ると、会話画面にクマちゃんが飛び出す仕掛けが現れます。(※LINE公式サイト参照)
この機能利用して、久しぶりの相手に「クリスマス」と送れば、楽しい会話のきっかけになりますよ!
(2025年12月に配布したきよら通信に加筆修正しました)
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- この記事を書いた人
- ゆっきー
美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
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