お家でできる腎臓病対策『初級編』をおさらいしましょう!
こんにちは、純炭社長の樋口です。
2024年8月最後の週に日本列島を襲った台風10号。
被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
今回の台風で東海道新幹線が運休してしまったため、金沢経由で東京~関西を移動する人が増え、北陸新幹線は満席状態が続いていました。
ひとつのルートがダメなとき、代わりのルートが存在するのは有難いものですね。
まるで腎臓が2つある理由のように感じました。
さて、今回のブログは2024年9月郵送の「きよら通信63号」を電子化しました。
慢性腎臓病は日本人成人の8人に1人が罹患する国民病。
「eGFRってなに?」という方がお近くにいらっしゃいましたら、弊社が発信している「透析を遠ざける方法」をご紹介いただければ幸いです。
目次
お家でできる!腎臓病対策~初級編~
『腎臓の数値が悪いと言われた』
あなただけではありませんから心配しすぎないで!
慢性腎臓病患者は日本国内に1,300万人、成人の約8人に1人にあたります。
『通院中だがこのままでいいのか不安』
『何から対策をしていいのかわからない』
忙しそうなお医者様に質問や相談するのは気おくれしてしまいますよね。
そんなあなたに、まず最初に取り組んでほしい『腎臓病対策の初級編』をまとめました。
難しい食事制限(※自己判断で食事制限をするのは危険です)をするまえに、まずは初級編の3つを始めてみてはいかがでしょう。
【その1】脱水対策
夜間や外出時におしっこが近くなるからと言って、水分補給を控えていませんか?
体内の水分が足りなくなると、血液がドロドロになってそれをろ過する腎機能に負担がかかります。
その証拠に『脱水に陥りやすい夏はクレアチニン値が上がり、eGFRが低下しやすい』という研究報告もあります。
水分補給は腎臓病対策の第一歩!
※但し、心臓病やむくみで飲水制限がある場合は医師の指示に従ってください。
腎臓に良い水分補給には、コツがあります。
やみくもにたくさん飲んでもおしっこで出て行ってしまってはもったいないので、以下のポイントをおさえてくださいね。
1)何を飲む? | 水またはノンカフェインのお茶(麦茶やルイボスティーなど) 腎臓のろ過機能に負担がかからないように、しっかり水分補給をすることが大切。 カフェインの入った飲み物(緑茶、紅茶、コーヒーなど)は利尿作用があるので水分補給には適しません。 |
2)1日どれくらい飲む? | 1日1.5~2Lくらい 食事や服薬時の水分以外で、しっかり飲みましょう。 |
3)1回どれくらい飲む? | 1回に150mlずつ、1日10回ほどに分けて飲むと◎ 一度にたくさんの水分をとっても、すぐにおしっこで出て行ってしまいます。 湯呑一杯程度(150ml)を1日に10回などに分けてこまめに飲むようにすると腎臓も喜びます。 |
腎臓に良いのみもの(オススメ度順)
腎機能に不安がある方は、こちらのピラミッド図を参考に飲み物を選びましょう。
真ん中より下に書いてある飲み物は、控えた方が良い飲み物です。
≪補足≫
お酒やカフェイン飲料(緑茶やコーヒー等)は適量ならOK!
ただし、これらは嗜好品として、水分摂取量に換算せずたしなむ程度にしておけば◎です。
腎臓に良くない飲み物
甘い飲み物(ジュース、スポーツドリンク、缶コーヒー、清涼飲料水、経口補水液など)は腎臓病なら避けた方が無難です。
これらは、血糖値をあげ、腎臓の細かい血管を傷つけてしまいます。
特に異性化糖(ぶどう糖果糖液糖など)が入った飲みものは避けましょう。
また、健康に良さそうな野菜ジュースやトマトジュースは、カリウムが多い場合があるので、医師に相談してから飲みましょう。
【その2】減塩対策
腎臓のために食生活を変えるなら、まずは減塩から取り組むのが◎です。
腎機能が落ちてくると、過剰な塩分を捨てられなくなるので、ますます腎機能に負担がかかります。
塩分過多で尿蛋白がでたり、高血圧、骨粗鬆症や胃がんリスク等が増えるとわかっているので、なるべく減塩をこころがけましょう!
腎臓に良い減塩目標
腎機能に不安がある人は、1日6gまでを目標に(ただし最低3gは必要です)
1日6g迄だと1食2g・・・と、思いつめると食事が楽しめないので、1日トータルで6gを超えないように取り組むと◎です。
こちらのサイト(じんらぼ)では、各調味料ごとの塩分量などが一覧表になっているので参考にしてみてください。
腎臓に良い上手な減塩方法
調理時の塩味付けは最低限にして、うまみ調味料(味の素など)でうまみを効かせると、少ない塩分で美味しく食べられます。
また、食べる直前に醤油や塩水(塩を水で溶かしたもの)をかけると、直接舌に塩分が届くので少量の塩分で味を感じます。
水塩という商品も売っているので、参考にしてみてください!
京の水塩
輪島の水塩
昆布の水塩
【その3】腸内環境対策
腎臓に負担をかける尿毒素は、腸内の悪玉菌が作っています!
便秘や下痢でお腹の調子が安定しない場合は、腸内に悪玉菌がはびこっているかも知れません。
食事や生活習慣の見直しで善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす事が腎機能の改善につながります。
腸内環境を良くする食べ物
人間1人のお腹の中には、1.5 kgもの腸内細菌が住み着いています。
もしも善玉菌のエサが足りていないと、悪玉菌がはびこって尿毒素が増えるばかりか、飢えた善玉菌が腸の粘膜を食べてしまい、腸のバリア機能まで損なわれてしまいます。
以下の食品は、善玉菌が好む食品ですので、毎日の食事に積極的に取り入れてみて下さい。
腎臓に良い腸内環境を整える方法
お腹の中には様々な腸内細菌が住んでいて、種類や数は人それぞれ違います!
テレビでヨーグルトや納豆が良いと言っていても、自分のお腹に住み着いている菌との相性が悪いと頑張って食べても意味がありません。
先程紹介した腸内環境に良い食べ物を試してみようかな?と思ったら、2週間程度は 続けてみてください。
食べ続けて、便やお腹の調子を確認する事が大切です。
腸内環境が悪くなる食事
こんな食事が多いと腸内環境にも悪い影響が出やすいです!
・添加物が多い食品
・人工甘味料が多い食品
・偏った食事(麺類だけ、たんぱく質だけ等)
・脂っこい食事
また、運動不足や睡眠不足、疲労やストレスも腸の動きを悪くするので腸内環境にはよくありません。
規則正しい生活をこころがけると腸内環境にも◎です。
腸内環境が改善している兆候
善玉菌が増え悪玉菌が減ってきた証拠は、これらを目安にしてください。
・便の調子が良い(硬すぎず柔らかすぎず)
・便やおならが臭くない
・ガスでお腹が張らない
腎臓に良い便秘薬の使い方
ドラッグストアで買える便秘薬を長期間服用するのは危険です。
マグネシウム(Mg)やセンノシド(センナ・大黄)、ビサコジルが配合されている市販の便秘薬を愛用している場合は、必ず医師に相談してください。
近年、新しい便秘薬の研究が目覚ましく、腎臓への負担が少ない薬も開発されているので、以下を参考に自分に合った薬を処方してもらうと安心ですよ。
病院で処方される腎臓に優しい便秘薬(商品名) ・アミティーザ ・リンゼス ・グーフィス ・モビコール 処方箋が無いと買えないので、主治医に相談してみてくださいね。 |
おわりに
いかがでしたか?
ネットを検索すると「腎臓病はカリウム制限が必要なので、野菜や海藻を控える(茹でこぼしや水にさらす)」等の情報が見つかります。
しかし、カリウム制限(※)が必要なのは高カリウム血症になっている時だけ!
必要ないのに野菜や果物を制限してしまうと、腸内環境が悪化して、かえって腎機能が低下する可能性があります。
また、たんぱく質を避けすぎる(※)と、筋肉が減ってしまい、体重減少や寝たきり生活につながってしまうので、特にお年を召した方にはオススメできません。
まずは、今回紹介したお家でできる3つの対策(脱水、減塩、腸内環境)に取り組んでみてくださいね。
(※)カリウム制限、リン制限については、以下のきよら通信も参考に自己判断で行わないように医師に相談してからにしてくださいね。
(きよら通信2024年9月号として郵送した内容に加筆しています)
- この記事を書いた人
- ゆっきー
美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
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