知らぬ間に腎機能を落とす隠れ糖尿病(食後高血糖)で、腎臓を傷つけていませんか?
こんにちは、純炭社長の樋口です。
今年(2024年)は南海トラフ地震や台風の影響で大変なお盆休みでしたが、金沢(石川県)から長岡(新潟)に車で移動して、父が眠るお墓をお参りすることができました。
私の父は糖尿病でしたが、健康診断では何の指摘もなく、気が付いた時には体中の大小の血管が相当傷ついていたと思います。
糖尿病も腎臓病もゆっくりと病気が進むので、医師に指摘される前に予兆を察知できれば、病気の進行を止めることも不可能ではありません。
このブログでは、透析の原因第1位である糖尿病を2年前倒しで察知して、発症を回避する裏技をお伝えします。
目次
透析に入らずに天寿を全うするために知っておきたいコト
2022年に透析を開始した方の統計では、透析導入の原因は以下のような順位となりました。
1位:糖尿病性腎症:38.7%
2位:腎硬化症(主として高血圧が原因):18.7%
3位:原因不明:15.0%
4位:慢性糸球体腎炎(IgA腎症など):14.0%
出典:わが国の慢性透析療法の現状(日本透析医学会)
私は糖尿病じゃないから一安心…とは行かないところが腎臓病の難しいところ!
健康診断や日頃の血液検査で糖尿病と言われていない場合でも、今回の話題を覚えておくと、腎機能低下のスピードを緩やかにして透析を遠ざけることにつながると思います。
知らないとコワイ食後高血糖
弊社の純炭社長の話です。
年に1度の健康診断では、血糖値もHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)も正常範囲。
誰がどう見ても糖尿病ではありませんでした。
しかし、コンビニおにぎりを1つ食べたあと何気なく血糖値を測ってみると、とんでもない数値を示していたのです(後述)。
詳しくはこの後に書きますが、今、糖尿病と診断されていなくても食事をすれば必ず血糖値が一時的に急上昇します(これを血糖値スパイクと呼びます)。
普段から血圧が高く、腎臓の血管に負担がかかっている状態に血糖値スパイクが加わると、血管には圧力による負担(物理的負担)と糖による負担(AGE化=化学的負担)の両方がのしかかることになる訳です。
血糖値とは血液中の”ブドウ糖”を測った値
食事に含まれる糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)が消化されると、ブドウ糖となり血液中をめぐります。
健康な人は、空腹時の血糖値は110㎎/㎗以未満に保たれています。
この状態で全血液中に存在するブドウ糖は、わずか角砂糖1個分しかありません。
食事をすると、食べ物が消化吸収されて血糖値が上昇します。
すると、インスリンが分泌されて、ブドウ糖は細胞中へすみやかに取り込まれます。
インスリンの働きにより、食事から2~3時間で血糖値は正常値まで下がります。
しかし、すみやかに血糖値が下がらないと、飲食後に増えた血糖があふれたまま、『食後高血糖』状態が続きます。
特に、血糖値が180㎎/㎗を超える状態がいつまでも続くと、血管をたくさん傷つけてしまいます。
血糖が体を蝕むメカニズム
血管の壁にブドウ糖が入り込むことで活性酸素が発生し血管が傷つきます。
また、血管をつくるたんぱく質に、糖がベタベタくっついて糖化(AGE)が起こり、血管が硬く老化させてしまいます。
食後、血糖値を下げるには、インスリンというホルモンが必要です。
しかし、インスリンの処理能力以上に糖質を摂取してしまうと、インスリンが足りなくなり高血糖状態になってしまいます。
また、「果糖は血糖値を上げないから大丈夫ですよね?」は大間違い!
果糖は測定できないだけでブドウ糖の10倍もAGEが作られます。
飲み物に入っている果糖ブドウ糖液糖には要注意です!
食後高血糖を放置すると5年後には糖尿病に
食後2時間後でも血糖値が正常に戻らない食後高血糖…
コレを知らずに放置すると5年後には確実に糖尿病になると言われています。
糖尿病は、血糖がコントロールできず全身の血管がボロボロになります。
そして、腎臓には細かい血管が集まっているので、高血糖のダメージにより腎機能も低下してしまいます。
社長のおにぎり後の血糖値は?
ちなみに、純炭社長がおにぎりを1つ(炭水化物量40.9g)食べた後の血糖値は、2時間たっても170㎎/㎗と高い状態のままだったのです。
たまたま食後高血糖が見つかった純炭社長は、生活習慣の改善(糖質制限食と運動)で2時間後の血糖値が正常レベルに戻るようになりました。
しかし、日本の健康診断では空腹時の血糖値しか測らないので、食後高血糖に気づけないことが多いのです。
血糖値異常の見方
一般的な健康診断で出てくる検査値は『空腹時血糖』と『HbA1c(ヘモグロビンA1c)』の2つ。
これらの検査結果が正常範囲でも、純炭社長のように食後高血糖の害が少しずつ体を蝕んでいる場合があるのです。
また、既にこれらの数値に異常がある場合は、かかりつけ医に確認してみてください。
検査項目 | 糖尿病予備軍 | 糖尿病の可能性大 |
空腹時血糖 | 110~125㎎/㎗ | 126㎎/㎗以上 |
食後血糖値 | 140㎎/㎗以上 | 200㎎/㎗以上 |
HbA1c | 6.0%以上 | 6.5%以上 |
糖尿病の家族歴があったら血糖チェック!
食後高血糖になっていないか心配な方は、血液検査をしてくれる薬局があります。
『ゆびさきセルフ測定室(https://navi.yubisaki.org/)』が近くにあるか検索してみて下さい。
食後高血糖かどうかを調べるには、炭水化物(ご飯・パン・麺類)を含む普段と変わらない食事をして、食べ始めから約2時間後に血糖値を測ってみましょう。
ただし、食事内容や体調、体質により食後血糖値が起こっているか分からないこともあります。
確実に知りたい場合は、糖負荷試験(※)という検査があるので、健康診断のオプション検査で調べてみて下さい。
(※)糖負荷試験を検討した方がよい人45歳以上、肥満、血縁に糖尿病がいる、高血圧、脂質異常、血糖値異常(空腹時血糖が110以上、HbA1c6.0以上) |
もしも食後高血糖に気づいてしまったら
糖尿病と診断されていなくても、食後高血糖がわかったら血糖値を上げない食生活が大切です。
例えば、こんな方法が効果的です!
1 | 食前に酢や油を飲む(大匙1杯の酢を水で薄めて・亜麻仁油やえごま油をスプーン1杯飲む) |
2 | 食後1時間以内に軽く運動をする(ウォーキング、立ち座り、スクワット、階段昇降など) |
3 | 精製度低い糖質を選ぶ(白米より雑穀、白いパンより全粒粉、うどんより蕎麦…等) |
4 | 糖質の多い炭水化物から食べない(食事の最初はサラダや肉魚から) |
5 | レジスタントスターチを取り入れる(冷えた芋、春雨、豆など) |
紙面が足りず書ききれませんでしたが、きよら通信では、血糖値を上げない食事法や生活習慣について、たびたび取り上げて おります。
過去のきよら通信も見返していただければ幸いです。
(「きよら通信」2023年8月号として配布した内容に加筆修正しました)
- この記事を書いた人
- ゆっきー
美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
きよら通信やブログはゆっきーがお届けしています。
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