慢性腎臓病(CKD)期待の新薬”フォシーガ”の服用体験談をご紹介します
目次
腎臓病新薬“フォシーガ”の続報
2021年の夏は、腎臓病患者さま悲願の新薬が承認された事が話題になりました。
1991年に球形吸着炭である「クレメジン」が発売されて以来なんと30年 ぶりの腎臓病治療の新薬なのです。
純炭粉末公式専門店では「きよら通信(※)」を通じて腎臓病薬の情報を発信していますが、2021年の秋ごろから「フォシーガを飲み始めたよ!」というお声が届き始めました。
そこで、今回のきよら通信では、フォシーガを飲み始めたあなたや、これから飲んでみようと思っているあなたに参考になりそうな体験談をお届けしたいと思います。
体験談その1:フォシーガを飲み始めてeGFRが下がってしまったA様の場合
開始1か月目の検査でクレアチニンやeGFRが悪化していました。
そこでフォシーガの販売元である小野薬品工業の「くすりの相談室」に電話してみたところ「フォシーガ投与2週間でeGFRが4.0程度下がることがある」と説明されたそうです。
純炭社長のチェックポイント
純炭社長が調べてみたところ、初回承認時の2型糖尿病1012例中、6例(その頻度はわずか0.6%!)で腎機能障害が報告されていました。
しかし、またフォシーガが腎臓に良い効果を発揮するには、少なくとも4か月の服用が必要というデータも見つかりました。
「まだまだ不透明感があり、一喜一憂するところはありますが薬効を信じてもうしばらく経過をみたい」とA様は語っておられました。 A様の素晴らしいところは、悪化した検査結果を見てもすぐに服用を中止せず、疑問点をご自身で製薬会社へ問い合わせて、納得して服用を継続している点だと思います。 |
自分が飲んでいる薬について調べたい時は、医薬品医療機器総合機構の添付文書情報サイトが便利です。製造元や販売元の問合せ窓口電話番号もわかりますよ。
体験談その2:フォシーガ服用中に尿素窒素(BUN)が上がってしまったB様の場合
B様はフォシーガ開始後3か月目の検査で尿素窒素(BUN)が2倍に跳ね上がってしまいました。
クレアチニンやeGFRには大きな変化は生じていないもののなぜ?食事の内容が悪かったせい?と思ったそうです。
純炭社長のチェックポイント
フォシーガには尿の量を増やす作用があります。
尿量が増えると腎臓に負担がかかる脱水が起こることを知っていたB様、は毎日1.5~2Lの水分摂取を心掛けていたそうです。
にもかかわらず、昨年12月の検査ではBUN/クレアチニン比が急上昇しており、HbA1cや赤血球なども上昇していたことから、フォシーガによる脱水状態だと判断されたそうです。
クレアチニンやeGFRは前回と、あまり変わっていないのに尿素窒素(BUN)が大きく上昇している場合は、フォシーガで脱水になっている可能性があります。 また、脱水で血液が濃くなるとアルブミン(ALB)や尿酸値も高くなることがあるので、過去の検査表と見比べてくださいね。 |
腎臓に不安がある人は血糖コントロールの薬はどれが良い?
糖尿病があって腎機能が心配な方はこちらも参考にしてください。
メトホルミン(メトグルコ、グリコランなど)は、2型糖尿病の唯一の第一選択薬として君臨してきました。
ところが、米国糖尿病学会は2022年版ガイドラインで「腎機能が低下している場合はメトホルミンを第一選択とせず、(フォシーガのような)SGLT2阻害薬の投与が求められる」という趣旨に改めました。
同時期に「日本人においてもSGLT2阻害薬は他の糖尿病治療薬に比べて腎臓を保護する効果が高い」という研究成果が報告されました(川崎医大と横浜市大の共同研究)
結果1 | eGFRの年間低下率はSGLT2阻害薬(フォシーガ以外も含む)で-0.47であったのに対し、他の血糖降下薬では-1.22で、明らかにSGLT2阻害薬の方が腎機能の低下速度が緩やかになった。 |
結果2 | 約2年の調査で腎機能が半分以上低下(または透析に至った)した103例の内訳は、SGLT2阻害薬を使用していた群は30例、他の血糖降下薬で73例であったため、明らかにSGLT2阻害薬を使用していた群の方が少なかった。 |
糖尿病の影響で腎機能も不安な方は、血糖コントロール薬の種類により腎機能の低下速度が変わるので、フォシーガのようなSGLT2阻害薬を1 つの選択肢として、先生に相談してみても良いかもしれませんね。
(2022年3月号として配布したものです)
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- ゆっきー
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