慢性腎臓病(CKD)と言われたら、たんぱく質やカリウムの多いものは食べられないの?
食べる純炭きよら通信vol.19(2021.1月号)+2024.1純炭社長追記
いつも食べる純炭きよらをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
きよら通信担当のゆっきーが、腎臓病お役立ち情報をお届けします(*^^)v
目次
腎臓病で気を付けるべき4つの注意点
ネットの情報に振り回され自己判断で食事制限を行っていませんか?
ネットの情報は誰にでも当てはまるわけではないので、注意が必要です。
腎臓病食はむやみに制限せず、自分の腎臓の状態や全身の栄養状態に合わせて選択する必要があります。
何をどれくらい食べても良いか?
それを判断できるのは、医師や管理栄養士などの専門家だけです。
ですので、先生に言われていない(※)のに自己判断で制限するのは危険な場合があります。
※但し、こちらから聞かないと何も先生が教えてくれないような、腎臓病の保存期(透析に入る前の段階)の患者さんに熱心に向き合ってくれない先生が担当医である可能性も否めません。
また、腎臓内科ではない『かかりつけ医』で、専門の管理栄養士さんがいない病院では、食事の指導がきちんとできない場合もあります。
・食事について何も教えてくれない
・先生は検査結果しか指摘しない
…そう不安に感じる場合は、
自分から『食事は具体的に何をどれくらい食べても良いのか?』しっかり先生に確認した方が安心です。
そのうえで、『特に○○を制限する必要がない』と言われれば、むやみな食事制限は不要です。
今月号のきよら通信は、純炭社長が推奨する「腎臓病食で気を付けるべき4つの注意点」をご紹介します。
病院の先生に『自分はどんな食事をするべきか?』確認したうえで、
具体的にどうしたらいいのか?
腎臓病の食事制限はなぜ必要なのか?
制限が不要な方がしてしまうとどうなるのか?
細かい部分を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
その①たんぱく質について(制限する量は自己判断できません!)
たんぱく質で腎機能は悪化するの?
食べ過ぎはよくありませんが、腎臓の数値が引っ掛かったからと言って、すべての人がたんぱく質制限をするべきではありません。
たんぱく質は、体を構成する大事な栄養素で、摂取不足が続くと自身の筋肉を分解して使ってしまい、どんどん痩せ衰えてしまいます。
どれくらいたんぱく質制限をしたらいいの?
年齢や体型(どれくらい筋肉があるか)などによっても、減らすべきか?減らすべきではないのか?が変わってきます。
たんぱく質が足りないと透析リスクよりも死亡リスクが高くなってしまいますので、心配な場合はBMIと血液検査表のアルブミン(ALB) を確認してください。
BMIが20未満であったり、アルブミンが3.8未満の場合のたんぱく質制限は危険です!(出典:「ネフロンを守る!鍵は5つの病態」メディカルトリビューン2024.1.10)
更には、「たんぱく質制限が腎機能を落とす原因になる」という驚きの報告まで出てきました(出典:「蛋白質制限は患者に害をなす医療?2型糖尿病の腎機能低下を予防するなら高蛋白食!」メディカルトリビューン2022.4.)
自己判断でたんぱく質を避けず、病院の先生に自分はどれくらいたんぱく質を摂るべきか(※)聞いてみましょう。
(※)注意:肉や魚の重さイコールたんぱく質量ではありません!
表示されている重さの約1/5がたんぱく質量と覚えておいてください。
例:200gの肉に含まれるたんぱく質量は約40gとなります。
たんぱく質の多い食材(主に肉、魚、卵、豆類、乳製品など)の賢い選び方
肉や魚のパックに書いてある重さの1/5(20%)がたんぱく質量だと考えてください。
加工食品ではなく、食材の原型がわかるものを選ぶようにすると良いですね。
練り物や加工肉等は無機リンなどの添加物が多く、腎臓に負担がかかってしまうので腎臓病食には向きません。
毎日たんぱく質量を確保するのが大変だなと感じる人は、吸収効率のよい栄養補助食品を利用するのもおすすめ。
必須アミノ酸などのバランスの良いたんぱく質でないと、体内で効率よく使えず、体重が減ってしまったり、元気が出なくなってしまう場合もあります。
毎日元気が出ないという人は、もしかしたらたんぱく質不足かも?腎臓病用のプロテイン等を利用してみるのも賢い方法です。
当店では腎臓病の人でも安心して摂れる「エンジョイプロテイン」を取り扱っています。
その②カリウムについて(先生に言われていない人は制限は必要ありません)
カリウムを避けないと、腎臓が悪くなる?
カリウムは腎臓に悪い物質?それは誤解です。
カリウム自体が腎臓を悪くするのではなく、腎臓が悪くなると余分なカリウムを排出できなくなり、不整脈(脳梗塞の原因にもなります)や心停止に至ってしまうので「カリウムを減らしましょう」と言われるのです。
カリウム排出量は個人差が大きいので、血液検査でカリウム制限が必要か判断します。
お医者様がカリウム制限を指示していなければ、無理に制限する必要はありません。
心配な場合は血液検査のカリウム(K)を見てください。5.5を超えていたら絶対に放置せずに、お医者さんに『どれくらいのカリウム制限が必要なのか?』をきちんと確認しましょう。
カリウム制限の工夫
カリウムは野菜や果物、芋類に多く含まれます。
カリウムは水に溶けやすいので、ゆでるとカリウム量を減らすことができますが、野菜によって減り方が大きく異なります。
葉物野菜 | 茹でると50%以上カリウム減 |
アスパラ | 茹でても10%しかカリウムが減りません |
なめこ | 〃 9% |
カボチャ | 〃 6% |
肉や魚のカリウムが心配な場合は、焼いたり揚げたりするよりも、茹でたり煮つける調理方法を選び、煮汁は飲まないようにするのがおすすめです。
カリウム制限の注意点
ビタミンと食物繊維不足に配慮しよう
カリウムを気にするあまり、野菜をゆでたり水にさらすと、水溶性のビタミンや食物繊維も減ってしまいます。
必要に応じてマルチビタミンや食物繊維などのサプリを活用してください。
その他、上手にカリウムと付き合うコツを4つにまとめました。
その1 | 青汁や野菜ジュース、濃縮還元ジュースは摂り過ぎNG。 カリウム量が濃縮されて思った以上に多い場合があります。 |
その2 | ドライフルーツ(干し柿・ほし芋・レーズン等)も控えめに。 つい食べ過ぎてしまいがちですが、カリウム量が高いので注意が必要です。 |
その3 | 特にこの果物は少なめに! バナナ・メロン・キウイはカリウム量が多めです。 |
その4 | 選ぶならこの果物がカリウム量少な目◎ りんご・温州みかん・梨・デラウエア・すいか等 |
その③カロリー摂取について(エネルギー不足にならない為に!)
揚げ物を食べるように言われていませんか?
油ものは、カロリーが高いので効率よくエネルギーが摂れるかもしれませんが、選び方を間違えると腎臓が泣いてしまいます。
揚げ物や油を使って加熱調理したものには腎臓に負担をかけるAGE(糖化物質)がたくさん含まれています。
油ものの賢い選び方
せっかく油を摂るなら、質を重視!
安い油や良くない油を多く摂りすぎると炎症をおこしてしまう場合もあります。
賢い油の選び方のコツを4つにまとめました。
その1 | 揚げ物には腎機能を落とすAGE(糖化物質)がたくさん! 毎日食べるのは控えましょう。 |
その2 | サラダや納豆に油をかけるなら、オメガ3が豊富なものを。 亜麻仁油やえごま油を選びましょう。 |
その3 | オリーブオイルを選ぶならエクストラバージンを選びましょう。 酸化しやすいので小瓶がGOOD! |
その4 | カロリーを確保するなら、消化吸収が速く体の負担の少ない油を活用しましょう。 特に、腎臓病治療でも活用されているMCTオイルがオススメです。 |
当店では、腎臓病の人にこそ摂ってほしい、速やかにエネルギーとなる質の良い油「MCTオイル」も取り扱っています。
その④調理方法について(腎臓に優しい食事を用意しよう)
せっかく選んだ食材も調理方法で台無しに?
腎臓病に配慮した冷凍食品をチンして食べていませんか?
また、カロリー摂取の為に揚げ物を毎日食べたりしていませんか?
電子レンジ加熱は揚げ物と同じくらいAGEができしまうので注意が必要です。
揚げ物のような高温加熱をするメニューや、電子レンジを多用する食生活は、腎臓に負担をかけるAGE(糖化物質)が多く腎臓泣かせ。
調理方法次第で腎臓に良い食べ物を選んでも、腎臓に悪いメニューへと早変わりです。
腎臓にやさしい調理方法は
なるべくAGEを作らせないような調理方法を心掛けてみてくださいね。
AGEについては後述の書籍で解説しています。
「腎臓病によい書籍」は当店でお求めいただけますので、参考にしてくださいね♪
その1 | 電子レンジ加熱はなるべく避けられるとGOOD! 可能であれば、湯煎や蒸してあたためるのがAGEが少なく抑えられます。 |
その2 | 焼いたり炒める調理方法は高温になりやすくAGEが沢山出来てしまいます。 煮る・茹でる・蒸す調理方法を選べばAGEの生成を少なくできます。 |
その3 | もし高温調理(焼く・炒める・揚げる)をするなら、加熱前の食材に工夫を。 酢やレモンをなじませるとAGEの生成を少なく抑えられます。 |
毎日のお食事は日々の積み重ねですよね。
全部を我慢すると大変なので、今回のきよら通信でご紹介したコツの中から2~3個くらい取り入れて、気持ちを新たに新年を過ごしてみてくださいね。
(きよら通信2021.1月号として配布した内容に、2024.1.22純炭社長が追記しました)
- この記事を書いた人
- ゆっきー
美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
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