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腎臓病

40歳からの予防医学【書評】(難易度:初級)その2-血液・尿・臓器のサインを見逃すな

こんにちは、きよら通信担当のゆっきーです。

前回より、森勇麿著『40歳からの予防医学』から、腎臓病でお悩みのあなたにも役立ちそうな部分を、書評として紹介しています。

巷で耳にする健康情報や医療情報の数々。

しかし、それらが本当に正しい情報で、エビデンスが確かなもなのか?

見極めるのは、この情報化社会ではなかなか難しいものです。

目次:
1.人生100年時代の健康戦略
2.血液・尿・臓器のサインを見逃すな
3.がんの予防・早期発見に効く新常識
4.健康寿命を延ばす最強の食事術
5.病気を遠ざける科学的な生活習慣
6.太く長く生きる為のメンタルケア
7.病気になってからの予防医学

今回は、腎臓病にも大きく関わってくる、『2.血液・尿・臓器のサインを見逃すな』から

腎臓にご不安があるあなたへ、耳より情報を書評としてお届けしたいと思います。

健康診断、受けるだけではもったいない!

血液検査の結果
弊社のきよらをご愛用頂いている方は、定期的に血液検査をされている方も多いと思います。

また、年に1回の健康診断しか受けない方でも、検査数値の異常から、病気の早期発見することができるかもしれません。

【血圧】高血圧は時限爆弾!?

血圧
本書によると、「40歳を超えると日本人の約半数が高血圧になる!」んだとか。

高血圧が厄介なのは、血管に高い圧力が加わり続けることでジワジワと血管の細胞が傷つき、心筋梗塞・脳梗塞・大動脈解離といった一瞬で命を奪いかねない病気の原因になること。

腎臓も血管の塊のような臓器なので、高血圧が続くと腎機能も低下してしまいます。

血圧は場所やタイミングで変動する

病院で血圧を測ると「家で測るよりも高いなぁ~」と感じることはありませんか?

病院は不安や緊張を感じる非日常空間のため、気付かぬうちに興奮状態となり血圧が高く出やすくなります。(このことを”白衣高血圧”と呼ぶそうです)

また、いつもお風呂上りに血圧を測るという人も要注意!

お風呂あがりは、体が温まって血管が拡張しているので、血圧が低く出やすくなります。

正確な血圧は家で測る

このように、血圧は時間や場所、タイミングによって変動するということがお判りいただけると思います。

正確な値をはかるには、家で測るのがおすすめです。

本書では「40歳をすぎたら1か月に1回でもいいので自宅で血圧をはかる習慣を身につけましょう」とすすめています。

繰り返しになりますが、高血圧は瞬間的に血圧が高くなって悪さをするのではなく、慢性的に高血圧の状態が続くことで、ジワジワと血管の壁を傷つけて病気を引き起こします。

一方、急激な低血圧は全身の血の巡りを悪くして急性の臓器障害を起こすことがあります。

「体調が悪い時、いつものように降圧剤を飲んだら血圧が下がりすぎて、急性の腎障害になってしまった!」

なんてこともあるので、自宅で血圧をチャックして、「いつもより低いな~」と言う時には降圧剤の量を調節してもらってくださいね。

血圧は130以下が望ましい

2016年の医学誌「ランセット」に『約61万人を解析した結果、上の血圧が130未満だと心不全、腎不全、脳卒中などのリスクが下がる』という研究が報告されました(※1)。

著者の森医師いわく『上の血圧は130未満にしておきたい。120以下にできれば素晴らしい!』という意識をもって、なるべく薬に頼らずに、生活習慣の改善で血圧をコントロールするのが理想とのことです。

血圧の下げ方については、こちらのブログ(食べる純炭きよら通信vol.38-慢性腎臓病(CKD)なら気を付けたい高血圧、服薬以外での意外な降圧習慣もご紹介します。)も参考にしてみて下さいね。


【血糖値・HbA1c】糖尿病の数値

虫眼鏡を持つ女性
血液検査の結果で、血糖値が高かったり、HbA1cが高いと糖尿病の疑いがかかります。

誤解している人が多いかもしれませんが、糖尿病という病気の本質は尿の糖分が多いことではなく「血液中の糖が血管を傷つける事」なのです。

厄介なことに、糖尿病はある程度症状が進行しないと自覚症状がでません。

気付かないうちに全身の血管や神経をも蝕むことから、『サイレントキラー』とも呼ばれています。

慢性腎臓病から透析になる患者が一番多いのも、糖尿病が原因の腎臓病なんですよ。

HbA1cが5.7を超えている人は要注意

HbA1cが6.5を超えると「糖尿病の可能性大」と診断されますが、5.7~6.4だと「糖尿病予備軍」に分類されます。

本書では、「予備軍だから大丈夫」とか「年をとればだれでも数値が多少悪くなる」とのんきに考えるのは禁物!と注意喚起しています。

というのも、糖尿病予備軍に該当する時点で心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上がったというデータが存在するからです(※2)。

ですので、血液検査でHba1cが5.7~6.4だったら、生活習慣を見直したほうが良さそうです。

本書には血糖値を下げる方法(予防医学)は書かれていませんでしたので、今後のきよら通信などで改めて取り上げてみたいと思います。

【尿蛋白】陽性は放置厳禁

頻尿 女性
腎機能に不安がある方は、尿蛋白を気にされている人も多いのではないでしょうか。

本来、たんぱく質は体の大切な栄養分として使われるものなので、尿から捨てられることはありません。

しかし、腎臓のろ過機能が落ちてしまうと、尿へ漏れ出てしまいます。

尿検査で尿蛋白が+1・+2・+3であれば必ず再検査をしてくださいとのこと。

というのも、検査前に激しい運動をしたり、たんぱく質を沢山食べたことによっても尿蛋白が陽性になることがあるため、再検査で見極める必要があるからです。

病院へ行くのが億劫な方は、薬局でも尿蛋白をチェックできる試験紙を買う事が出来るので、自宅で再検査した方が良いとのことです。

あわせてeGFRもチェック

再検査でも尿蛋白陽性が続く場合は、高血圧や高血糖・炎症などで腎臓がダメージを受けている可能性があります。

そんな時は血液検査表のクレアチニン値やeGFRをチェックしてくださいね。

おわりに

前回と今回紹介した内容の他にも、

『だるい、しんどい…原因はにせ鬱?3つの数値でわかる別の病気』

『男性の貧血は必ず何か病気が隠れている危険なサイン』

『お酒を飲まなくても脂肪肝の可能性も』

など、最新の予防医学に関する医療情報が紹介されています。

気になる方は本書を手に取ってみてくださいね。

参考文献

(※1)心血管疾患と死亡の予防のための血圧降下:系統的レビューとメタ分析
(※2)前糖尿病と心血管疾患のリスクとすべての原因による死亡率との関連

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この記事を書いた人
ゆっきー

美味しいものを食べることと、山登りが趣味の”ゆっきー”です。
きよら通信やブログはゆっきーがお届けしています。
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