知らないと意外に怖い腎臓病のサルコペニア

こんにちは。純炭社長の樋口です。

☞病院を変えたら違う事を言われた…?
腎臓病とサルコペニアに関するタンパク質の画像

先日、食べる純炭きよらの購入を検討している方からお電話がありました。その時の雑談で「今まで通っていた遠方の大病院では1日34グラムのたんぱく制限を指導されていたのに、転院した近所の病院では1日40~50グラムのたんぱく質を摂るように言われた。どっちの医者を信用したらよいのか分からない。」とおっしゃっていました。80代の男性で身長は160 cm、eGFRは38くらい。このところ体重が減って体力の衰えを感じるとのことでした。

☞食事療法の基準はどうなっている?

eGFR 38ですと慢性腎臓病のステージ3bに相当し、2014年に発表された食事療法基準では1日のたんぱく質量を、体重1 kgあたり0.6~0.8グラムに制限するように書かれています。お電話の方の場合、大病院では下限値の0.6グラムを採用して1日34グラムのたんぱく制限を指導し、転院先では上限の0.8を採用して1日45グラム程度と判断したのだと思います。

☞たんぱく質が少ないほど腎臓に良いのか?

たんぱく質が腎臓に負担をかけるのであれば、「食べる量を減らせば減らすほど透析を遠ざけられる」と思いこんでいませんか?それは大きな間違いです。その証拠に、2019年には以下のような新しい食事療法が提言されています。

☞新しい食事療法の提言!


日腎会誌 2019 ; 61(5) : 525-556
https://cdn.jsn.or.jp/data/CKD20191107.pdf
サルコペニアやフレイルってなに?聞いたことない…という方も多いかと思います。ひとことで言うと「筋肉量と筋力が低下して、よぼよぼ歩きになったり、階段の昇り降りがきつくなったり、最悪の場合には転倒→骨折→寝たきりになる、健康寿命を損なう重大要因」がサルコペニア・フレイル(以下サルコペニアで統一)なのです。

☞低たんぱく食のジレンマ
腎臓病と寝たきりの深刻な問題
腎臓病患者は一般の人よりもサルコペニアに陥りやすく、サルコペニアを合併した腎臓病患者は死亡リスクが高まることがわかっています。特に高齢の腎臓病患者はたんぱく摂取量が少ないほど死亡リスクが高く、そのリスクは透析になるリスクよりも高いことが報告されています。
透析を遠ざけるためにたんぱく質を制限するか?、サルコペニアを予防して健康寿命を延ばすためにたんぱく質制限を緩めるか?医師や栄養士さんの腕の見せ所になるわけです。

☞たんぱく制限をする基準は?
腎臓病だと何グラムまでタンパク質を食べてもいいの?

腎臓病=低たんぱく食といった画一的な情報があふれています。しかしながら、その根拠は明確ではありません。有名なMDRD Study Aという臨床試験では、eGFR 22~55の患者を2群に分け、片方には体重1 kgあたり1.3グラムのたんぱく質を食べるように指導し、もう片方は0.58グラムに制限するよう指導しました。3年間観察した結果、両群のeGFR低下に差はなかったと報告されています。

☞腎機能の数値によって変わる

一方で、eGFR 30以上では低たんぱく食の効果は認められないが、eGFR 30未満では低たんぱく食の方がeGFRの低下は抑制されたという報告もあります。
そこで、前述の提言内容をまとめてみると以下のようになります。
1)透析を回避する目的で低たんぱく食を推奨する対象は、①eGFR 30未満、②eGFRが年間3以上低下、③尿蛋白が1.0 g/gCr以上または尿アルブミンが1000 mg/gCr以上
2)eGFR 30未満の患者が透析を回避しつつ、サルコペニアを予防するたんぱく質量は体重1 kgあたり0.8グラム/日を上限とする(しかし、0.55に下げても0.8と効果は変わらないので、個人的には0.8が適量と読めます)。

☞低たんぱく食の画一的な指導は不適切
腎臓病のタンパク質制限の弊害はどうやって防ぐべきか

日本腎臓学会は「個々の患者の病態やリスク、アドヒアランス(治療方針に対する患者の納得度)などを総合的に判断して、たんぱく質制限を指導することが推奨されている。」としています。自分の状態が
・低たんぱく食によって透析回避が期待できる状況なのか?
・低たんぱく食によるサルコペニアで寿命を縮める可能性の方が高いのか?

両方のメリット、デメリットを考えつつ、食事指導を受けるようにしてくださいね。

次回は「自分でもできるサルコペニア診断」について説明したいと思います。

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腎臓病とスポーツの秋

こんにちは、ゆっきーです。

ようやく9月も半ばを過ぎ、過ごしやすい季節になってきましたね。
暑さ寒さも彼岸までというように、秋の彼岸(秋分の日の前後3日間)ごろから夏が終わったなーと感じるようになりました。

さて、過ごしやすくなってきた秋といえば、ゆっきーは”スポーツの秋”をおすすめしたいです…!今月の医療従事者向けのサイトにこんな記事が出ていました。

『デスクワークで男性の尿蛋白リスク増』J Nephrol(2020年8月27日オンライン版)

☞大阪大学の研究でこんな報告が!

座った姿勢が1日のうち長時間におよぶと、健康にどのような影響を及ぼすかを調べた研究で、こんな結果が出たそうです。
なんとデスクワークに就いている男性はそれ以外の仕事に就いている男性に比べて尿蛋白の出現リスクが高くなるという事が明らかになったそうです。さらに、デスクワークもしていて、家では長時間テレビを見ている人は特に要注意だそう。
(調査対象は、大阪大学の職員約1万人)

※ただし、毎日の運動時間と蛋白尿の出現に関しては関連が認められず、女性に関してはデスクワークやテレビの視聴時間の違いによる関連は見られなかったとの事。

☞長時間座っていると何が問題?

長時間座った姿勢が続くと、生活習慣病の代表例である肥満や糖尿病、心血管系の病気にかかりやすく、それらの病気で死亡する可能性が高くなります。腎臓病と運動の関係は度々取り上げられますが、最近では適度な運動が腎機能維持の要だと常識が変わりつつあります。

☞腎臓病と運動に関してはこちらのブログもチェック!
腎臓病と運動の関係は?
・腎臓病は運動でよくなる!~NHKガッテン出演の上月先生著~【書評】 (難易度:初級)
腎臓病と運動の関係について大きな成果をだされた上月(こうづき)先生の本の紹介です。ためしてガッテンにも出演し、腎臓病は運動でよくなるという事を啓蒙している先生です。
2013年までの糖尿病ガイドラインには運動を制限する旨が記述してあったため、いまだに腎臓病では運動は禁忌と言い続けている先生も多いのが現状です。なんと、そんな医師が主治医だったときの対処法まで書いてあるというから頼もしい本です。
実際に上月先生の実践している腎臓リハビリテーションを行って腎機能が回復した人の体験談も載っているので、『透析は回避できる』という希望を与えてくれる本になっています。リンク先の書評を読んで気になった人はぜひ手に取って読んでみてくださいね。

☞腎臓病だと趣味のスポーツはあきらめなきゃいけないの?
腎臓病の人は登山できないの?
こんなお客さまからの質問におこたえしたこちらのブログ。
運動をするとクレアチニン値が上がるから趣味の登山はやめた方がいいの??
腎臓が悪くなったら、なにもかもあきらめて我慢しなければならないの…?
いいえ、決してそんなことはありません。
「インターネットで調べてみると、運動するとクレアチニン値が上がる」と書いてあったので、クレアチニン値が上がらないように運動をしない方がいいのですか?という質問がありました。
そもそも、お医者さんがクレアチニン値のことしか言ってくれないので、クレアチニンさえ上がらなければいいんでしょ?と、誤解していませんか?そもそもクレアチニンって何なのでしょうか?
・クレアチニンっていったい何?
・クレアチニンは体の中で悪さをするの?
・クレアチニンが腎臓を悪くする物質なの?
と、よくわからなくなっている人も多いのが事実なんです。こちらのブログを読めば、クレアチニンについて正しく理解できますよ。

ぜひ、”スポーツの秋”にすべく、参考にしてみてくださいね♪

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