腎臓病とマグネシウムについて~2019年学会レポート~

投稿日: カテゴリー ■腎臓病について

こんにちは(*^^*)
店長のたっくんです。さて、あなたは”マグネシウム”についてどれくらい知っていますか?

昔から、腎臓病の患者さんには排泄能力不足からくる、高マグネシウム血症の恐れがあったため慎重投与、もしくは避けられていました。

☞マグネシウムって何?

マグネシウムとは、人体に必要なミネラル(無機質)のひとつです。成人の体内には、約20g~30gのマグネシウムが存在すると言われており、その50%~60%が骨や歯に、残りは筋肉や脳・神経・血液などに含まれています。
マグネシウムの働きはさまざまで、体内の酵素(約300種類)の働きを助ける作用があります。
例えば、タンパク質の合成やエネルギー代謝、歯や骨の形成、神経情報の伝達、体温や血圧の調整などが該当します。
通常、健康な人の場合はマグネシウムをたっぷり含む食材をとっても、マグネシウムの取りすぎにはなりません。その理由は、食物に含まれるマグネシウムの30~40%ほどしか体内には吸収されず、仮に多く吸収されたとしても腎臓から排泄させるからです。
マグネシウムはこんな食材(アーモンド、カシューナッツ、ほうれん草、豆乳、大麦、黒豆、いんげん豆、枝豆、ピーナッツバター、全粒粉のパン、アボカド、ジャガイモ、プレーンヨーグルト、玄米)に比較的多く含まれています。

☞腎臓病の人とマグネシウムの関係

通常、血液中のマグネシウムの濃度は1.8~2.4mg/dlが基準値となっています。マグネシウム濃度は高すぎても低すぎても体内に悪影響があります。腎臓病の人は上手にマグネシウムと付き合っていかなければなりません。
では、マグネシウム濃度が高くなる要因と低くなる要因のどちらがたくさんあてはまるか、以下の項目をチェックしてみましょう

☞マグネシウム濃度が高くなる要因
高マグネシウム血症による下記の症状は、血中のマグネシウム濃度が4.9mg/dL程度からおこりはじめます。
精神症状(倦怠感や無関心)や筋肉障害(筋力低下・けいれんなど)、循環器障害(不整脈・低血圧など)、などさまざまな症状があらわれます。
以下の点に心あたりはありますか?
□便秘薬として酸化マグネシウムが処方されている
□腎機能の低下によって排泄能力が低下している

☞マグネシウム濃度が低くなる要因
低マグネシウム血症は血中濃度が1.6㎎/dL以下になるとおこります。
症状は食欲不振,悪心,嘔吐,嗜眠(しみん:外界の刺激に応じられなくなり眠ったような状態),筋力低下,人格変化など。筋肉がピクピクしたり、つったりする症状はマグネシウム不足でもおこります。
以下の点に心あたりはありますか?
□摂取量の低下(野菜の摂取不足=カリウム制限の為避けている)
□腸管からの吸収量低下(ビタミンD欠乏やPPI(胃酸を抑える胃薬)の摂取)
□腎臓からの排泄量増加(利尿薬、糖尿病等によるインスリン抵抗性)

マグネシウム濃度が高くなる要因と低くなる要因を比較すると、おそらく、低くなる要因に当てはまるものが多いという方が多いのではないでしょうか。
その為、腎機能が低下している方は、マグネシウム濃度が高くなるよりも、低マグネシウム血症に陥りやすいと言われています。

☞で、腎不全患者の血清マグネシウムは多いの少ないの?
血清マグネシウム濃度は保存期であれば一定に保たれ、透析に入るくらいになると高マグネシウム血症を認めると言われていますが、学会では透析導入患者さん(163,842人)の透析直前の血清マグネシウム濃度を調査したデータが紹介されていました。ちなみに透析直前の血液検査での数値なので、身体にマグネシウムがかなり蓄積した状態(最高値)と思ってよいデータです。
その結果
・約6割(57.7%)は1.8~2.7mg/dLのほぼ正常値
・約4割(37.7%)は2.7~3.5mg/dLで少し高いが高マグネシウム血症の症状がでる程ではない
・のこり(0.4%)が4.4mg/dL以上で高マグネシウム血症の症状が出やすい水準
つまり、ほとんどの腎不全患者は高マグネシウム血症を怖がる必要はないレベルということです。

☞ここでたっくんの考察(本題が遅くなってスミマセン)

※以下の内容は研究段階であり、治療ガイドラインとは逸脱した内容です。もしサプリメント等でマグネシウムを飲みたい場合は、血液検査をしたうえで、必ずかかりつけの医師とご相談ください。

ここ数年で腎機能低下にともなう、血管石灰化(血管にカルシウムが沈着して骨のように硬くなり、脳卒中や心不全を起こしやすい状態)とマグネシウムの関係について盛んに研究が進められています。(参考文献※1、※2)

この血管の石灰化は主にリン平衡が保てなくなったことからくる高リン血症由来(FGF23由来)と考えられており、その石灰化をなんとマグネシウムで抑制できるという報告があります。(※3)

血清マグネシウム濃度が1.68mg/dL以下(基準値の下限は1.8)だと透析リスクが高いこと、eGFRの低下速度も速いことがわかっています。
また最も予後が悪い状態は、血清リン濃度が高値なのに血清マグネシウム濃度が低値。これが石灰化が最も進んでしまう状態です。
無機リンなどの摂取を控える、もしくはリン吸着剤で血清リン濃度を下げるか、適正なマグネシウム製剤を処方してもらうことが大切でしょう。

注意!:まだまだ研究中のことなので「マグネシウムサプリがぶ飲みしよう!」みたいなことは絶対にやめましょう。
前述したように、高マグネシウム血症は危険です。長年、禁忌(処方してはいけない薬)とされていたのには相応の理由があります。

☞結局マグネシウム濃度は気にしなくていいの?
いえいえ、血清マグネシウム濃度と血清リン濃度を大いに気にして下さい。そして、マグネシウムが下がっていて、リンが上がっていたら要注意!
カリウムを気にした食事制限で低マグネシウム状態になっていないかをチェックして下さいね。リンが高いときにはハムやソーセージなどの加工食品を食べ過ぎていないか?日々の食事のリン含有量を再チェックしてみてください(と同時に医師にも相談)。

血管石灰化抑制機序としてマグネシウムによる新たなアプローチが示されたのはとても良い事!もし、マグネシウム補充だけで予防できるのであれば安価、低リスク、簡単と良いことづくめです。今後の研究の進展を非常に期待しています。

たっくんの学会考察は続編を絶賛執筆中!
じゃぁ、マグネシウムを多く含む食品を摂ろうとすれば結局カリウムも多いんじゃ?みたいな疑問もあると思いますので、次回はカリウムのお話をお届けします(/・ω・)/

参考文献
(※1)
『マグネシウムは非糖尿病性慢性腎臓病患におかえるリンと腎不全進行リスクの関連を修復する
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/kid/research/research26061542html』
(※2)
『低マグネシウム食はリン負荷による腎障害を悪化させる
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/kid/research/research30535376.html』
(※3)
もっと詳しく言えば、血管平滑筋細胞が高リン負荷にさらされた時、骨芽様細胞へと形質転換し石灰化が誘導されるけれども、Mgがあれば形質転換も、石灰化も抑制できる。

【純炭粉末公式専門店】は→こちら

店長たっくん

投稿者: 店長たっくん

純炭粉末公式専門店の店長たっくんです。 毎週火曜日にみなさんにお役に立つべくメールマガジンを配信しています。 ダステックの中では一番最年少でマスコット的キャラ(いじられキャラ)ですが、実は頭脳派!店長兼製造部長を担う純炭社長の右腕です。

「腎臓病とマグネシウムについて~2019年学会レポート~」への3件のフィードバック

  1. 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    人間ドックで腎石灰化を指摘されたことがあります。マグネシウムはノーマークでしたが今後気を付けます。

    1. コメントありがとございます。
      私も人間ドックで甲状腺の石灰化がみつかったので、マグネシウム補給としてナッツ類を摂るようにしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください