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腎臓病対策検査値の読み方

腎臓病とマグネシウム

こんにちは(*^^*)店長のたっくんです。
さて、あなたは”マグネシウム”についてどれくらい知っていますか?
カリウムやリン、ナトリウムは気にしているけれど、マグネシウムの血液検査は見ていないな~という方が多いのではないでしょうか。

腎機能が低下するとカリウムと同じようにマグネシウムも尿中に捨てにくくなって、高マグネシウム血症になる恐れがあるので、慢性腎臓病の場合にはマグネシウムを含む便秘薬などは慎重投与、もしくは避けられているのです。

マグネシウムとは


マグネシウムとは、人体に必要なミネラル(無機質)のひとつです。成人の体内には、約20g~30gのマグネシウムが存在すると言われており、その50%~60%が骨や歯に、残りは筋肉や脳・神経・血液などに含まれています。

マグネシウムの働きはさまざまで、体内の酵素(約300種類)の働きを助ける作用があります。例えば、タンパク質の合成やエネルギー代謝、歯や骨の形成、神経情報の伝達、体温や血圧の調整などが該当します。

健康な人の場合はマグネシウムをたっぷり含む食材をとっても、マグネシウムの取りすぎにはなりません。なぜなら、食物に含まれるマグネシウムの30~40%ほどしか体内には吸収されず、仮に多く吸収されたとしても余分なマグネシウムは腎臓から排泄させるからです。
マグネシウムを多く含む食材は、アーモンド、カシューナッツ、ほうれん草、豆乳、大麦、黒豆、いんげん豆、枝豆、ピーナッツバター、全粒粉のパン、アボカド、ジャガイモ、プレーンヨーグルト、玄米などです。

腎臓病とマグネシウムの関係


通常、血液中のマグネシウムの濃度は1.8~2.4 mg/dlが基準値となっています。
マグネシウム濃度は高すぎても低すぎても体内に悪影響があるので、腎臓病の人は上手にマグネシウムと付き合っていかなければなりません

マグネシウム濃度が高いと

血中のマグネシウム濃度が4.9 mg/dLくらいまで上昇すると、精神症状(倦怠感や無関心)や筋肉障害(筋力低下・けいれんなど)、循環器障害(不整脈・低血圧など)、といった高マグネシウム血症の症状があらわれます。

便秘薬として酸化マグネシウムが処方されている
腎機能の低下によって排泄能力が低下している

これらに当てはまる場合は体内のマグネシウム濃度が高くなっている可能性があります。

マグネシウム濃度が低いと

低マグネシウム血症は血中濃度が1.6 mg/dL以下になるとおこります。
症状は食欲不振,悪心,嘔吐,嗜眠(しみん:外界の刺激に応じられなくなり眠ったような状態),筋力低下,人格変化など。筋肉がピクピクしたり、つったりする症状はマグネシウム不足でもおこります。こむら返りはマグネシウムが足りないという都市伝説?も良く聞きますよね。

マグネシウム摂取量の低下(カリウム制限による野菜の摂取不足)
腸管からの吸収量低下(ビタミンD欠乏やPPI(胃酸を抑える胃薬)の摂取)
腎臓からの排泄量増加(利尿薬服用、糖尿病等によるインスリン抵抗性)

これらに当てはまる場合はマグネシウム濃度が低くなります。
【参考】こむら返りに 便秘薬(酸化マグネシウム)は効く? 効かない? ―足がつる― 医仁会武田総合病院 脳神経外科医のブログ

腎臓病ではマグネシウムは高い?低い?

高い低い
慢性腎臓病の場合、血中マグネシウム濃度が高くなる要因と低くなる要因を比較すると、おそらく、低くなる要因の方が多いのではないでしょうか。
実際のところ、腎機能が低下している場合は低マグネシウム血症に陥りやすいと言われています。

臨床試験
腎臓病の場合、血中マグネシウム濃度は透析前の保存期であれば一定に保たれ、透析に入るくらいになると高マグネシウム血症を認めると言われています。今回の学会では透析導入患者さん(163,842人)の透析直前の血中マグネシウム濃度を調査したデータが紹介されていました。ちなみに透析直前の血液検査での数値なので、身体にマグネシウムがかなり蓄積した状態(最高値)と思ってよいデータです。
その結果

約6割(57.7%)は1.8~2.7 mg/dLのほぼ正常値
約4割(37.7%)は2.7~3.5 mg/dLで少し高いが高マグネシウム血症の症状がでる程ではない
のこり(0.4%)が4.4 mg/dL以上で高マグネシウム血症の症状が出やすい水準

つまり、ほとんどの慢性腎臓病患者は高マグネシウム血症を怖がる必要はないレベルということです。

たっくんの考察(やっと本題)


※以下の内容は研究段階であり、治療ガイドラインとは逸脱した内容です。もしサプリメント等でマグネシウムを飲みたい場合は、血液検査をしたうえで、必ずかかりつけの医師とご相談ください。

血管石灰化とマグネシウム

ここ数年で腎機能低下にともなう、血管石灰化(血管にカルシウムが沈着して骨のように硬くなり、脳卒中や心不全を起こしやすい状態)とマグネシウムの関係について盛んに研究が進められています。(参考文献※1、※2)
この血管の石灰化は主にリン平衡が保てなくなったことからくる高リン血症由来(FGF23由来)と考えられており、その石灰化をなんとマグネシウムで抑制できるという報告があります。(※3)

血中マグネシウム濃度が低いとeGFRが低下

血中マグネシウム濃度が1.68 mg/dL以下(基準値の下限は1.8)だと透析リスクが高いこと、eGFRの低下速度も速いことがわかっています。
また最も予後が悪い状態は、血清リン濃度が高値なのに血清マグネシウム濃度が低値。これが石灰化が最も進んでしまう状態です。
無機リンなどの摂取を控える、もしくはリン吸着剤で血清リン濃度を下げるか、適正なマグネシウム製剤を処方してもらうことが大切でしょう。

注意!:まだまだ研究中のことなので「マグネシウムサプリがぶ飲みしよう!」みたいなことは絶対にやめましょう。
前述したように、高マグネシウム血症は危険です。長年、禁忌(処方してはいけない薬)とされていたのには相応の理由があります。

腎機能を落とさないためのマグネシウムチェックポイント

両天秤
血清マグネシウム濃度と血清リン濃度はチェックしてくださいね。

チェックポイント1 カリウムを気にした食事制限で低マグネシウム状態になっていないかをチェックしてみましょう。
チェックポイント2 マグネシウムが下がっていて、リンが上がっていたら要注意!
リンが高いときにはハムやソーセージなどの加工食品を食べ過ぎていないか?日々の食事のリン含有量を再チェックして、同時に医師にも相談しましょう。

学会発表
血管石灰化は腎機能低下や生命予後の悪化を招きますが、マグネシウムによって血管石灰化を抑制できるかも知れない!という研究結果は注目に値します。もし、マグネシウム補充だけで血管石灰化を予防できるのであれば、安価、低リスク、簡単と良いことづくめですね。
【参考】保存期CKD患者の冠動脈石灰化に対する酸化マグネシウム/球形吸着炭の効果 – 2×2 ランダム化比較試験 – 大阪大学腎臓内科

参考文献
(※1)
『マグネシウムは非糖尿病性慢性腎臓病患におかえるリンと腎不全進行リスクの関連を修復する
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/kid/research/research26061542html』
(※2)
『低マグネシウム食はリン負荷による腎障害を悪化させる
(※3)
もっと詳しく言えば、血管平滑筋細胞が高リン負荷にさらされた時、骨芽様細胞へと形質転換し石灰化が誘導されるけれども、マグネシウムがあれば形質転換も、石灰化も抑制できる。

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この記事を書いた人
dastec

純炭粉末を製造販売している(株)ダステックの公式アカウントです。
「めざしたのは世界一安全な食用炭」
高純度結晶セルロース(食物繊維)を特許取得の非賦活化焼成法で炭化しています。

「腎臓病とマグネシウム」への5 件のフィードバック

  • 匿名(ブログに頂戴したコメントは原則として匿名で公開させていただいております) より:

    人間ドックで腎石灰化を指摘されたことがあります。マグネシウムはノーマークでしたが今後気を付けます。

    • コメントありがとございます。
      私も人間ドックで甲状腺の石灰化がみつかったので、マグネシウム補給としてナッツ類を摂るようにしています。

  • […] こんにちは、純炭粉末公式専門店 店長のたっくんです! 前回の学会レポート『腎臓病とマグネシウムについて』では「マグネシウムが慢性腎臓病の血管石灰化(血管にカルシウムが沈着して、もろい骨のように折れやすくなる危険な状態)を予防するかもしれない」という新たな可能性についての研究を紹介しました。 今回のテーマは、血管をもろくしてしまう原因物質のひとつ、リンについての研究レポートをお伝えします。 […]

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