こんにちは。左足小指を骨折中の純炭社長です。
ギブスのおかげで靴もスリッパも履けず、3日間ドライブスルーで食料を調達していました(笑)どうして骨折したのか知りたい方は純炭社長のフェイスブック投稿を探してみて下さいね。フェイスブック内で「樋口正人 純炭」と検索すると出てきます。
さて、11月27日のブログで山ガールゆっきーが、「クレアチニン値が上がるのを恐れて登山をやめるのは本末転倒!」と書いていましたが、今日もクレアチニン値と腎機能が関係しないケースをご紹介します。
それは、血圧が下がった場合です。
血圧の薬が良く効いている場合や減塩によって血圧が下がった時には血液検査のクレアチニン値が上がることがあります。これまでは、血圧の薬の副作用で腎機能が低下したと考えられていたのですが、Ann Intern Med誌2018年11月6日に「クレアチニン値が上昇し、eGFRが低下しても腎臓の組織は障害を受けていない場合もある」ことが報告されました。日経メディカルの日本語記事をわかりやすく要約してみますね。
SPRINT試験という有名な血圧の臨床試験があります。
薬で収縮期血圧(いわゆる上の血圧)を120mmHg未満にした群と140mmHg未満にした群を比較すると、120未満の方が心血管病(心筋梗塞や脳梗塞など)が少なく、死亡率も少なかったのですが、クレアチニン値が上昇して慢性腎臓病と診断された人数が約4倍も高かったのです。
クレアチニンの値だけでみると、血圧を120未満に下げると腎機能が低下するように見えてしまいますが、クレアチニン以外の検査(注1)を行うと、逆に血圧を120未満に下げた方が腎機能は(クレアチニン値が上がっているのに)、むしろ回復に向かっていることが示されました。
血液検査のクレアチニン値は腎臓に流れ込む血液量にも左右されます。
薬や減塩で血圧を下げると・・・
⇒腎臓に流れ込む血流量が減る
⇒つまり腎臓でろ過する血液量が減る
⇒血圧が高かった時に比べて(ろ過量が減ったので)クレアチニン値は上がる
という推移が見られますが、腎機能自体は低下していない!という結論です。
最後に腎機能と関係なくクレアチニンが上がってしまう原因をまとめておきますね。
●降圧剤(血圧を下げる薬)で上の血圧が120未満を維持しているとき
●筋肉量の増加
●激しい運動の後
●大量の肉食の後
●クレアチンサプリメントを飲んだ後
●前立腺肥大や尿管結石で尿が出にくいとき
など
クレアチニンの検査値が急に上がってしまった時には、これらに心当たりがないかも考えて見て下さい。
クレアチニン値が上がったね・・・とお医者さんに言われてしまってもこういった原因もありますので、心当たりがあれば過度に心配し過ぎないように、、、ストレスが一番大敵です。上手に腎臓病と付き合っていきましょう。
(注1)
・尿アルブミン/クレアチニン比(ACR)
・インターロイキン18(IL-18)
・キドニー インジュリー モレキュール 1(KIM-1)
・好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)
・モノサイト ケモアトラクタント プロテイン1(MCP-1)
・抗キチナーゼ3様タンパク質(YKL-40)
・ベータ2-ミクログロブリン(β2MG)
・アルファ1-ミクログロブリン(α1MG)
・ウロモジュリン
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「クレアチニンが上がっても腎機能は悪化していないこともあります。」への2件のフィードバック