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月: 2018年12月
慢性腎臓病(CKD)患者、透析回避の鍵は睡眠。睡眠の質が低いと透析リスクが1.3倍!
こんにちは、ゆっきーです。
先日の医療従事者向けの情報サイトにこんなタイトルの記事が載っていました。
睡眠障害は万病の元とも言われていますが、睡眠と透析にはいったい何の関係があるのでしょうか??
透析と睡眠の関係とは?
ダステックの命題『健康寿命を延ばす』として、日々きよらを通してお客様の健康寿命にお役に立つべく情報収集や情報発信をしているわけですが、日本では、高齢化および生活習慣病の増加に伴い、透析になってしまう患者さんが残念ながら増加の一途をたどっているのが現状です。
慢性腎臓病の重症化を防ぎ、透析導入患者の減少を実現するには・・・
喫煙や運動不足など腎臓病の進行に関わる生活習慣を特定し改善をしていくような指導が必要です。しかし、生活習慣や食事指導まできめ細かな対応がなされない病院もあるのが現状です。睡眠障害があると、様々な病気の原因になるとの報告がありますが、慢性腎臓病も例外ではありません。でも、腎臓病の治療の一環で『睡眠障害かどうか?』なんてお医者さんに聞かれることはありませんよね??
睡眠障害とはどんな状態か
眠れなくなることを思い浮かべる人も多いかと思いますが、眠れないことイコール不眠症ではありません。
不眠の原因には、環境・生活習慣・精神的原因・身体的な病気から来るもの・薬によって引き起こされるもの・・・様々な原因があります。自覚できる不眠以外に自覚できないもの(いびき・無呼吸・睡眠中の異常行動)も睡眠障害と呼びます。
睡眠障害についてはこちらを参照(厚生労働省のHPです)
睡眠の質が低いと透析リスクが1.3倍に
睡眠障害が腎臓病へのリスクであることも報告されていますが、その多くは健康な人を対象とした研究でした。そこで、将来透析に至るリスクの高い通院加療中のCKD患者において、睡眠がCKDの進行にどのような影響を及ぼすかについて睡眠質問票(PSQI)に回答し、睡眠の質と時間を評価しえた1,601例を対象に、追跡開始から約4年間にどの程度CKDが進行し透析に至ったかを評価する調査を行いました。すると、睡眠の質が低いと慢性腎臓病から透析へ移行するリスクがなんと1.3倍にもなるという結果がでています。※参考文献(1)
睡眠障害はあなただけではない
ゆっきーもお電話でお客様のお話を聞いていると、夜中に必ずトイレに目が覚めるとおっしゃるお客様は大変多いです。腎臓に不安がある方は神経質で心配性の性格の方が多いようなので、よく眠れないというお悩みの方が多いような気もします。
ちゃんと睡眠が取れているか心配な場合は
この研究結果より、自覚がある睡眠障害の人は、いち早く何らかの手を打った方がよいでしょう。自覚症状のない睡眠障害もありますが、最近では睡眠に関するスマートフォンアプリもあります。
アプリを起動させて枕元に置いておくと、自身の睡眠に関する記録をとってくれたり、どんな質の睡眠をとれたのか確認できるような便利な機能も。
『睡眠・アプリ』などと検索するといろんな種類が出てくるので自身にあったアプリを探してみてもよいと思いますよ。
ぐっすり眠れると透析回避だけでなく様々な不調が解決するはずです。ぜひ、睡眠障害についてチェックをしてみてください。
※参考文献
(1)Clin J Am Soc Nephrol(2018年11月15日オンライン版)
腎臓が悪い人はなぜたんぱく制限をする必要があるの?
こんにちは、店長のたっくんです。
たっくんが毎週火曜日に配信しているメールマガジンですが、先日「役に立った」というありがたいご感想を頂戴しました。
【純炭粉末公式専門店】では論文や臨床研究のデータに基づいた最新の情報もわかりやすくお届けしています。
今日はブログネタに尽きない医療従事者向けの医学雑誌『腎と透析』からこちらのお話を解説したいと思います。
↓お客様へお伝えしたい情報がたくさんだったのでたっくんのポケットマネーでバックナンバーを買い占めました(*^_^*)
今回のテーマはずばり!
そもそも腎臓が悪い人はなんでたんぱく制限をする必要があるの?
腎機能の低下のサインがあると、経過観察するうちに医師から『タンパク質摂取量を減らしましょう』と言われます。
主な制限理由は以下の3つ↓
① たんぱく質に含まれるリンが制限できる。
② たんぱく質が腸内で分解される際にできる尿毒症物質を減らすことが出来る。
③ 調理の際に使われる塩分、調理で生じるAGEsを減らすことが出来る。
今回は”①のリン摂取量の削減を狙う”という観点に着目して解説します。
腎臓に良い食べ物は無機リンが少ないもの!
2017年にこんな論文が発表されています。
『糖尿病患者が慢性腎疾患を発症する危険因子は高濃度のリン濃度である』
※参考文献(1)
血清リン濃度が高いと腎不全患者さんの総死亡リスクと関係するとは常々言われてきました。こちらの論文から、腎不全の発症そのものにも血清リン濃度が関わっていることが新たに証明されています。
腎不全ならばもちろんですが、まだ発症していない人も気にかけた方がよいということですね。
でも腎機能の数値で引っかかるまでは”リン”なんて食事で気にしたことがある人は少ないとおもいます。それが当たり前です。
では、腎機能の低下を指摘されたらどうやって”リン”と付き合っていくのが良いのでしょうか。
リンは動植物に元々含まれる有機リンと、食品添加物の無機リンに分けられます。
無機リンはなんと90%以上が身体に吸収されてしまいます。
加工食品のほとんどに無機リンは添加物として入っていますが、原材料として記載するときには「調味料(アミノ酸等)」や「pH調整剤」と表記されています。”リン”と名の付く”リン酸塩”の使用は意図的に表示されず隠されていることがほとんどです。(添加物に含まれるリンに関しては既出のこちらのブログ参照)
上記の話は耳タコの方もいらっしゃると思いますが、今回お伝えしたい新しい切り口はリンの 生体利用効率を知ろう!という事です。
たんぱく質制限と言いますが、医師がねらっている食事指導の本質は
「リンの摂取量は減らしたいが、蛋白質摂取量は減らしたくない」
なのです。
では、どうしたら良いのでしょう。
実は、食品中に元から含まれる有機リンの体内吸収率はどんなタンパク質を摂るかによって変わってきます。
体内へのリン吸収率の高い順に並べてみると以下の通り↓
1位 乳製品 80%
2位 動物性食品(肉・魚・卵)50%
3位 植物性食品(主に大豆など)30%
つまり、どんな蛋白質を摂取するかによって体の中に取り込まれるリン(有機リン)の量が違ってくるのです。
吸収率を比べると、大きな差がありますよね。
ちなみに、血糖値の分やでは有名なGI値(食べるたときに血糖値がどれくらい上がりやすいかを表した指標、詳しくはこちら)のリンver.を作ろうと研究している先生もいたりするほどです。
結論としては、体内に吸収されるリンが少ないタンパク質食材から優先的に選んで食べるようにしましょう。
オススメは大豆製品(豆腐・納豆など)成分表示を見て添加物の少ないシンプルな食材を選ぶのがコツです。
乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)は控えめに、たくさん摂りすぎないようにしましょう。
肉や魚を選ぶときも加工されていない食材を選ぶようにしましょう。ベーコンやウインナー、練り物などの魚肉類はリンがたくさん添加されています。
以上を気にかけてタンパク質を選んでみてください。
参考文献
(1)Am J Clin Nutr. 2017 Jul;106(1):311-321
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腎臓病に大敵な便秘は冬になりやすい
こんにちはゆっきーです。
早くも12月も後半戦!今週末はクリスマスですね(*^^*)
大人にはサンタさんがきませんが・・・( ノД`)シクシク…
今年は店長たっくんサンタから商品お届けの際にクリスマスプレゼントを同梱しています♪♪
今月中にきよらがお届けの方は楽しみにしていてくださいね★
腎臓病には便秘大敵
さて、便秘便秘・・・と耳にタコが出来るくらいブログではよく上がるキーワードですが、腎臓病には便秘は大敵!というのは、よくブログやメールマガジンを読んでくださっている方にはすでに『常識』ですよね。
実は一年の中で一番便秘になりやすい季節が冬だったんです。
なんとなく心当たりがあると思いますが、冬に便秘になってしまう3つの原因はこちら!
1.冬脱水に陥っている
以前にブログ(冬脱水に要注意)で紹介した原因以外にも、冬場は寒さから頻尿になりますよね。気づかないうちに出て行ってしまっているのでご注意を!
2.寒さにより体の動きが鈍る。
寒いと手がかじかんだり動き回るのもおっくうになりますよね。
それが腸の蠕動運動でも同じことが起き、便を排出しづらくなってしまいます。
3.寒いので便意を我慢してしまう。
したいけど、トイレまで行くのが寒いから・・・なんて我慢してしまっていませんか?一度来た便意を逃すと腸が便意を感じづらくなり、出せなかった便によって腸内環境が悪化します。
寒さを我慢するだけでも大変なのに寒さからくるこんな原因で便秘になってしまっていたなんて・・・でもよく考えたらゆっきーも寒いからと便意を我慢してしまうときもあります。水分補給を疎かにしたり、寒さからコタツでゴロゴロ運動不足は毎年の事(-_-;)
まずはしっかり脱水に気を付ける、暖かい飲み物をせっせと飲んで体を温めるのも。暖かい飲み物でホッとすると副交感神経が優位になり腸の蠕動運動が活発になりやすくなりますよ。ただしカフェイン(コーヒーやお茶など)の摂り過ぎにはご注意を。
ゆっきーのおすすめはホットココア実は食物繊維が豊富で便秘解消に役立つ『リグニン』という成分が入っているのでほっと一息かつ便秘解消にも期待が出来ます。ちなみにココアに入っているカフェインの量は微量なので安心です。
もう一つ、ゆっきーが心がけたのは『寒いトイレまでの道のりのハードルを下げる』です(笑)
もこもこのスリッパを買い足し、トイレの便座カバーも肌障りの良いふわふわのものに。また、トイレの便座の暖房なども付けて少しでも寒くないトイレタイムにしました。それくらいの出費で便秘が緩和されるなら万々歳!ちょっとしたリニューアルで『あ。トイレ行って来よう』と思えます。ぜひお試しください♪
いつも以上に便秘に気を付けて冬を乗り越えてくださいね♪
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腎臓病を加速させるAGE(糖化物質)から体を守る方法とは
こんにちは。AGE研究協会認定講師でもある純炭社長の樋口です。
昨日(12月10日)の夜、香箱蟹を肴に晩酌していると、なんと健康番組でAGEが取り上げられているではありませんか!実は純炭粉末公式専門店では「毎月10日は糖化測定の日」と題してAGEの無料測定会を開催していたのですが(現在は休止中ですが、ご予約いただければ金沢市の弊社にて測定できます)、昨日も某国会議員の政策秘書さまがAGE測定にいらっしゃり、糖化の説明をしたばかりだったので「なんとタイムリーな!」と驚いてしまった次第です。
純炭粉末ブログでは6年以上前から腎臓の大敵であるAGEや抗糖化を紹介してきました。
これらの記事を読んでいただければ、「AGEとは何か?」、「どうやったらAGEから体を守れるのか?」を知っていただけると思います。
●酸化が先か、糖化が先か?
●ファストフードに含まれるAGEs
●AGEリッチ食品で病気が悪化
●砂糖は1日どれくらい食べて大丈夫?
●砂糖、糖類、糖質、炭水化物、違いはなに?AGEを作りやすいのは?
●果糖からは毒性が強いAGE(toxic AGE)ができやすい
●NHKが報道しないもうひとつの糖化(最近はきちんと報道しています)
●糖化(AGE)と病気
●糖化(AGE)と腎不全(慢性腎臓病)
●日本の加工食品に含まれるAGEs!
●ベーコンエッグで腎臓病に?
●食事から入ってくるAGEを減らすコツ
などなど・・・
鋭い方はAGEsとAGEという表記が混在していることに???と思うかもしれませんね。
そうなのです!AGEの後ろのsは複数形のエス!
AGE(糖化物質:正式には終末糖化産物)は何十種類もの物質の総称なのです。
さて、昨日(2018年12月10日)のTV番組「名医のTHE太鼓判」では、前半でAGEが病気や老化を促進し、生姜を食べるとAGEが減ることを紹介していました。また、後半では元貴闘力が赤味噌に含まれるメラノイジンで血圧を下げる場面を報じていました。駄菓子菓子、メラノイジン=AGEであることは一言も触れられなかったですね。
トーストの焦げ目だってメラノイジン(メイラード反応によってできる物質=AGEs)
”赤味噌の”メラノイジンには血圧を下げる効果があるのかも知れませんが、AGEの仲間でもあるので、赤味噌をよく食べる地方のAGE測定も行って欲しかった~!と思ったのは純炭社長だけでしょうか・・・
TV番組で「〇〇が健康に良い!」と報じられるとスーパーから〇〇が消える現象がおこりますが、諸刃の剣という言葉があるように、赤味噌ばかり食べていると血圧は下がるかも知れませんが10年・20年後にはAGEが溜まって血管が硬くなってしまうかも知れません。また、AGEを減らすと紹介されていた生姜ですが、生姜に限らず、植物エキス(ハーブやスパイス等)にはAGEが体内で生成されるのを抑制することが知られていますし、特にブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンはAGEを抑制する効果で有名です。
更には健康に良いと信じて毎日食べている意外なものにAGEが大量に含まれていた!なんてこともあります(詳しく知りたい方は→日本の加工食品に含まれるAGEs!)
物事を色々な角度から見てみることが大切だと思う今日この頃です。
過去のブログで詳しく紹介していますが、AGEは糖とタンパク質が結合して離れなくなってしまったもの(脂質やDNAもAGE化します)。タンパク質や脂質・DNAなどは体内で何らかの重要な役割を担っていますが、そこに糖が結合してしまうと、構造が変化して役割を果たせなくなるばかりか、炎症の原因にもなってしまうのです。
最後になりますがAGEから体を守るためには、
①血糖値を上げない(糖質制限)
②AGEを沢山含む食事をひかえる(低温料理)
③腎機能を保つ(AGEは腎臓から排泄されます)
の三つが大切です。
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AGE(糖化物質)の特集が TBSの番組で取り上げられました!
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糖尿病性腎症、こんな時にはがんを疑え
こんにちは。
4年前の抗加齢医学会で糖質制限に出会い、体重は89㎏→75㎏に減少。
がんの原因になる内臓脂肪も劇的に減ったのですが、ダステックサラメシを作るようになってから徐々に体重が増加している純炭社長の樋口です。
さて、医学情報サイト「メディカルトリビューン」のメルマガに
”糖尿病、こんな患者はがんを疑え”
というショッキングな見出しが掲載されていました。血液透析にはいる慢性腎臓病患者の半数以上は糖尿病を患っているので、クレアチニンだけでなく、発がんリスクに関係する検査項目も知っておいた方が良さそうです。
以前から糖尿病患者はがんを発症しやすいと言われていましたが、特に肝臓がん、膵臓がん、大腸がんで統計学上あきらかなリスク上昇が認められました。
なかでも膵臓がんは進行が速いので注意が必要。
「糖尿病の経過中に思い当たる原因がないのに血糖コントロールがうまく行かなくなったら、まず膵臓がんを疑うべき」とコメントしているのは国立がんセンターの大橋先生。
【糖尿病患者の膵臓がんチェックリスト】
①糖尿病家系ではないのに糖尿病を発症
②65歳以上
③糖尿病発症前後に2kg以上の体重減少
④発症前のBMIが25未満
①に加えて②~④の1つ以上に該当する場合は膵臓がんの検査を受けた方が良さそうです。
実は純炭社長も浦田クリニック(金沢)の人間ドックで初めて膵臓がんと胆嚢がんの検査を受けてきました。検査方法は腹部MRIで膵管と胆管の状態を立体画像で観察するというもの。
早期のがんでも膵液や胆汁の流れが妨げられるため、管の太さに異常が生じるのだそうです。
また、赤血球数やヘモグロビンが徐々に下がり続ける場合は消化器系のがんを疑った方が良いとも書かれています。しかし、腎機能が低下している場合には造血ホルモンであるエリスロポエチンの不足によっても貧血が進行します。そんな時にはMCVという検査項目を見てみましょう。
MCVとは赤血球の大きさです。エリスロポエチン不足による貧血はMCVは変化しませんが、大腸がんや胃がんで出血があると鉄が不足してMCVは低下(赤血球が小さくなる)します。
なぜ糖尿病でこれらのがんが増えるのか?は、がんの種類によって理由が異なるようですが、その一つとして「腸内細菌叢の変化によって胆汁から発がん性物質が作られる可能性」が挙げられていました。
胆汁は食べ物に含まれる脂肪を消化吸収するために必要な物質ですが、腸内の悪玉菌によって、肝臓がんの原因となるデオキシコール酸や大腸がんの原因となるリトコール酸に変化してしまうのです。
発がんリスクを下げるためには、
●内臓脂肪を減らすこと
●腸内環境を整えること
が大切だとはわかっているものの、年末年始はついつい・・・・・
と自分を甘やかさずに、年内に4kg減を目指す純炭社長なのでした。
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クレアチニン値をあげたくないから 運動は控えた方がいい??
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クレアチニンが上がっても腎機能は悪化していないこともあります。
こんにちは。左足小指を骨折中の純炭社長です。
ギブスのおかげで靴もスリッパも履けず、3日間ドライブスルーで食料を調達していました(笑)どうして骨折したのか知りたい方は純炭社長のフェイスブック投稿を探してみて下さいね。フェイスブック内で「樋口正人 純炭」と検索すると出てきます。
さて、11月27日のブログで山ガールゆっきーが、「クレアチニン値が上がるのを恐れて登山をやめるのは本末転倒!」と書いていましたが、今日もクレアチニン値と腎機能が関係しないケースをご紹介します。
それは、血圧が下がった場合です。
血圧の薬が良く効いている場合や減塩によって血圧が下がった時には血液検査のクレアチニン値が上がることがあります。これまでは、血圧の薬の副作用で腎機能が低下したと考えられていたのですが、Ann Intern Med誌2018年11月6日に「クレアチニン値が上昇し、eGFRが低下しても腎臓の組織は障害を受けていない場合もある」ことが報告されました。日経メディカルの日本語記事をわかりやすく要約してみますね。
SPRINT試験という有名な血圧の臨床試験があります。
薬で収縮期血圧(いわゆる上の血圧)を120mmHg未満にした群と140mmHg未満にした群を比較すると、120未満の方が心血管病(心筋梗塞や脳梗塞など)が少なく、死亡率も少なかったのですが、クレアチニン値が上昇して慢性腎臓病と診断された人数が約4倍も高かったのです。
クレアチニンの値だけでみると、血圧を120未満に下げると腎機能が低下するように見えてしまいますが、クレアチニン以外の検査(注1)を行うと、逆に血圧を120未満に下げた方が腎機能は(クレアチニン値が上がっているのに)、むしろ回復に向かっていることが示されました。
血液検査のクレアチニン値は腎臓に流れ込む血液量にも左右されます。
薬や減塩で血圧を下げると・・・
⇒腎臓に流れ込む血流量が減る
⇒つまり腎臓でろ過する血液量が減る
⇒血圧が高かった時に比べて(ろ過量が減ったので)クレアチニン値は上がる
という推移が見られますが、腎機能自体は低下していない!という結論です。
最後に腎機能と関係なくクレアチニンが上がってしまう原因をまとめておきますね。
●降圧剤(血圧を下げる薬)で上の血圧が120未満を維持しているとき
●筋肉量の増加
●激しい運動の後
●大量の肉食の後
●クレアチンサプリメントを飲んだ後
●前立腺肥大や尿管結石で尿が出にくいとき
など
クレアチニンの検査値が急に上がってしまった時には、これらに心当たりがないかも考えて見て下さい。
クレアチニン値が上がったね・・・とお医者さんに言われてしまってもこういった原因もありますので、心当たりがあれば過度に心配し過ぎないように、、、ストレスが一番大敵です。上手に腎臓病と付き合っていきましょう。
(注1)
・尿アルブミン/クレアチニン比(ACR)
・インターロイキン18(IL-18)
・キドニー インジュリー モレキュール 1(KIM-1)
・好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)
・モノサイト ケモアトラクタント プロテイン1(MCP-1)
・抗キチナーゼ3様タンパク質(YKL-40)
・ベータ2-ミクログロブリン(β2MG)
・アルファ1-ミクログロブリン(α1MG)
・ウロモジュリン
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