純炭粉末をのむと便が黒くなるのはなぜ?

こんにちは!
水曜担当スタッフM子ですpig
ようやく少し涼しくなってきましたね。
夏が終わるというのに,相変わらずぽちゃぽちゃ体型…夏痩せになってみたかったなぁ…gawk

さて,先日お客様から「きよらを飲み始めてから,便の色が黒くなった気がするんですが…」とのお問い合わせをいただきました。
本日はこの理由に関する雑学を~wink

きよらの原料,弊社が製造する「純炭粉末(ダイエタリーカーボン®)」は結晶セルロースを弊社独自技術で炭化しております。

純炭粉末の大きさは粒子が真球ではないので規定しにくいのですが,おおよそ50ミクロン前後です。
(1ミクロンは1,000分の1ミリメートルです。)

HORIBA粒度分布計

この数値は近くにある公設試験場でレーザー回折・散乱式粒度分布計をお借りし,大凡の大きさの分布を調べ,電子顕微鏡像を参考にした数値です。

粒度分布計では,特定の光を照射し,粒子に光が当たった後の回折・散乱光の強度分布を検出し,どれくらいの大きさのものがどのような割合で存在しているかというデータが得られます。

純炭粉末のように,形状が複雑なものは光の散乱も複雑なので,得られる数値は大きさの絶対値を示すものではないと公設試験場の研究員さんに助言を受けました。

一方,電子顕微鏡では大きさの絶対値が得られますが,見られる範囲が限られているので,粉末中の大きさの分布は把握しづらいです。
そこで双方のデータを得て全体像を理解します。

虫眼鏡を持つ女性

ちょっと話がそれましたが…腸の上皮細胞から血管系に移行するのは,500ダルトンくらいの分子サイズまで…と言われております(ダルトンは分子量を表す単位)。

大きさでいうと数ナノメートル前後となるでしょうか?(1ナノは1,000,000分の1ミリメートル)比較すると純炭粉末は大体1万倍くらいの大きさですから,純炭粉末は血管系に移動しません。

ちなみに栄養素であるアミノ酸やイオンなどはサイズ的な問題とは別に,トランスポーターといって選択的に通す経路があります。

消化管全体図

という訳で…意外とご存じない方がいらっしゃるのですが,「食べる純炭 きよら」はお召し上がりいただくと口から胃,腸を通過してそのまま体外に排出されます。

食べ物やお薬,他のサプリメントと異なり,腸管から体内の血管に吸収されて全身をめぐるというものではありません。なので…「便は黒くなる」のです!

血管に移行しませんから,腎臓などでひっかかって臓器を傷めるなんて心配もご無用です!(そのようなご質問もいただいたことがあります。)

きよらの純炭粉末は消化管の中を通過しながら対象物をくっつけて(吸着し),そのまま便と一緒に出てきます。

なので,黒い便をご覧になったら,「うんうん,きよらは今日も頑張って働いてたんだね!と労ってあげてください!

…あ,そんなことするのは私だけ!??coldsweats01

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イカ墨は炭に非ず|美白と皮膚がんの関係

こんにちは。
「食べる純炭きよら」を製造販売する(株)ダステック代表のhigumonです。

先週、健康食品を販売する会社の社長さんとお話をして、こんな話題になりました。

A社長「イカ墨を食べると便が真っ黒になりますが、貴社の純炭でも黒くなりますよね」

私「そうですね。確かに純炭を食べると便が黒くなり、便臭が変わります」

私「イカ墨は食べたことがありませんが、体に良いのですか?」

A社長「イカ墨も純炭と同じように吸着作用があるんでしょ?」

私「????」
イカ墨リゾット

A社長と同じ誤解をしている方に時々遭遇します。

実は

イカ墨と純炭は・・・

まったくの別物なんですsign03

純炭の成分は炭素sign01
元素記号はC
カーボンです。

一方のイカ墨は?というと・・・
日焼けの原因、メラニン色素と同じもの。

メラニンは炭素の他に、酸素・水素・窒素が複雑に絡み合ったインドール骨格を持つ物質で、
チロシンというアミノ酸がチロシナーゼという酵素で分解されて作られます。

そういえば、巷で問題になっている美白化粧品のターゲットもメラニンでしたね。

皮膚のメラニンは表皮と真皮の境目にあるメラノサイトという細胞で作られます。
皮膚構造

メラノサイトは皮膚1mm2あたり約1000~1500個存在しますが、意外なことに人種が異なってもメラノサイトの数や分布に違いはないのだそうです。

紫外線を浴びたり、皮膚にストレスが加わると、

プラスミン(タンパク分解酵素の一種:セリンプロテアーゼ、血栓溶解などに働く)や

アドレノメジュリン(血管拡張、細胞遊走、抗炎症など多彩な作用を示す)が、

メラノサイト活性化因子として働き、

銅含有酵素であるチロシナーゼを活性化して

チロシンからメラニンを作り出します。

メラニン輸送

メラノサイトで作られたメラニンはメラノソームというボール状の中に詰められて、

細胞膜の表面に向けて運ばれていきます。

メラノサイトから放出されたメラノソームは、メラニンを欲しがっている他の細胞に運ばれ、

再び細胞内に取り込まれます。

すると、今度はDNAが詰まった核に向かって輸送されて行き、

核の上方に集結してメラニンキャップ(核帽)という構造を形成し、紫外線からDNAを守ります。

生物の仕組みってスゴイですねhappy01

女性には毛嫌いされるメラニンですが、DNAを傷つけないために頑張っていることをご理解いただけたでしょうか?

日焼けの心配がないイカやタコは、別の意味で身を守るためにメラニンを使っているんですね。

チロシナーゼ活性やメラノサイト刺激因子の働きを抑える美白化粧品を使うということは、

DNAが傷つきやすい(皮膚がんになりやすい)状況を作っていることになります。

ですから、日焼け止めをしっかり使って紫外線をカットすることが大切です。

ところが、皮膚科の先生がこんなことを言っていました。

「日焼け止めに書いてあるSPF(Sun Protection Factor)という数値は、

日焼け止めを厚さ2mmに塗った時の値なんです。

ところが、日本人はせいぜい1mm程度しか塗っていない。

これでは効果が無いんです。

外用剤はしっかりと量を使うことがとても大切です!」

美白化粧品は、シミやソバカスの部分だけに使い、

日焼け止め(サンスクリーン)は全身にたっぷり塗って、

大切なDNAを紫外線から守りましょう!

どんなものをどれだけくっつけるか実験室をご紹介

こんにちは!水曜担当スタッフM子です。

夏本番,毎日暑いですね~全国的にみれば金沢は涼しい方なのだと思いますが,通勤時の車内温度は連日30℃を超えておりますし,十分暑いです。

各種分析装置のため,実験室の空調は必要不可欠ですが,社内の事務室も冷房が毎日入る時期になりました。
少し前までは窓をあけて風を通して涼んでいたのですが~

ちなみにM子の住まいは冷房がないので,窓をあけたり扇風機を回したり団扇であおいだりで対応です…暑い日中は仕事で不在ですので,特に問題ありませんconfident

今日も冷房の効いた実験室で「純炭」とはまた異なる炭材料の評価試験です!
白衣で実験する女性

評価試験もいろいろあります。
JIS等で定められた活性炭に関する試験のほかに,弊社では消化管等に存在する物質をある程度絞り込んで溶液を調整し,どういったものをどれだけくっつける(吸着する)かといったことを評価したりします。

吸着試験
20mgとか,極少量の炭を量りとり,調整した溶液と混ぜて,腸内温度くらいでシャカシャカ混ぜて~
決まった時間で液を採取し,元々の量からどれだけ炭に吸着されているかを調べるのです。

ちなみに「食べる純炭 きよら」のカプセルタイプに含まれる「純炭」の量は約180mg,錠剤タイプ1錠には約70mg含まれています。

HPLC
試験液に含まれる物質の量を分析する際はこういった分析装置を使ったりします。

これは高速液体クロマトグラフィーという装置です。
複数の化合物が含まれる混合液であっても,各種条件を調整し,各物質をきれいに分離してそれぞれの成分の量を正確に分析できます。

大学の研究室にもありましたが,これを使う実験はしていなかったため,自分で触るようになったのは入社してからです。

タンパク検出

中にはこんなきれいな色水(!?)も?

これはタンパク質の量を測る試薬です。分光光度計という装置を使って厳密にタンパク質量を測ることができます。

私は有る無しを調べるために簡易的に使っていたので,色がかわればOK!でチェックしておりました。

タンパク質があると薄茶色の液が青みがかっていきます。
量が多いとより鮮やかな青色shineに…
ちなみに定量する際はここまで青いと正確な量が測れないのですがcoldsweats01

実験室って何かとおもしろくないですか??wink

安全で高性能で目的に合致した炭製品の開発を目指して~flair
M子は今日もあれやこれやと実験中で~すhappy02rockshine

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透析に入らないための食生活を考えてみました。

こんにちは。
純炭社長の樋口です。

一週間ほど前に福岡で開催された日本透析医学会に参加して来ました。
IMG_0689

 

 

 

この学会は日本の透析医療に関わる、

医師、看護師、臨床工学技士、製薬会社、透析機器会社、

などなど、

ありとあらゆる透析関係者が集まる巨大学会です。

年に一回開催される学術集会に参加する人数は、

2万人とも3万人とも言われます。

博多のホテルが予約できずに、久留米や小倉から通う会員もいるほど。

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企業の展示も華やかです。

当然のように夜の博多の街も大賑わい。

これだけの学術集会を誘致できれば、

地域経済を大いに潤すでしょうねhappy01

話が脱線してしまいましたが、

数年ぶりに参加した学会は収穫の多いものでした。

基礎研究から始まって、かゆみなどの透析合併症ケア、透析膜やオンラインHDFなど3日間、フルに演題を聞きまくって感じたことは、

近い将来、透析導入は回避できるようになるsign03

という確信でした。

これまで、腎機能を低下される主要因は、

①糸球体高血圧

②インドールのような腸管内で発生する尿毒素

だと言われてきました。

今回の学会では上記に加えて、

③AGEs(終末糖化産物)

④CPP(カルシプロテインナノパーティクル)

という二つの悪役が注目を集めたと思います。

⑤一方で、京都大学の柳田先生らは、尿細管障害によって引き起こされる腎間質の繊維化がタモキシフェン(抗がん剤の一種)によって治療できる可能性を示しました。

①糸球体高血圧はARBのような降圧剤で治療が可能になりました。

②腸管内で発生する尿毒素は悪玉菌が蛋白質を分解して作られるので、クレメジンのような吸着薬で尿毒素を排泄するか、善玉菌優位にする、もしくは蛋白摂取量を減らすといった対策が取られます。

③食事由来AGEsが糖尿病性腎症を悪化させることは1990年代から報告されていました。久留米大学の山岸先生によると、食事から摂取するAGEsを減らすだけで長寿遺伝子が活性化され寿命が延びるとのこと。少し前にカロリー制限すると長寿遺伝子(Sirt1)が活性化され長生きすると話題になりましたが、面白いことに、カロリー制限をしてもAGEsを多く含む食事をとっているとSirt1の活性化は打ち消されてしまうとのことでした。
体内でAGEsが作られないようにすることも重要ですが、食事由来AGEsに気を付けることの大切さを再認識しました。

④Klotho遺伝子の発見者であるサウスウェスタンメディカルセンターの黒尾誠先生からはCPPという新しい悪玉因子の報告がありました。
CPPとはリンとカルシウムが結合したナノパーティクル(微粒子)とfetuin-Aという蛋白質が結合したもので、血管や尿細管の細胞を傷つけます。
リンやカルシウムの摂取量が過剰であったり、糸球体の数が減り、糸球体一個当たりのリン濾過量が増えると原尿中にCPPが増えて、尿細管を傷つけるのではないか?との仮説でした。

⑤京都大学の柳田先生は尿細管障害がきっかけとなって、腎臓の間質を繊維化させる因子が産生されるのでは?と報告していました。
リン・カルシウム代謝の異常によって原尿中にCPPができ、尿細管障害を引き起こすという④黒尾先生の報告とつながります。
さらに、柳田先生は女性に腎不全少ないことに着目して、女性ホルモン(エストロゲン)が腎繊維化を抑制するのでは?との仮説のもとに、タモキシフェンによって腎繊維化を治療できる可能性を見出しました。

①~⑤を考えると、
①やはり塩分摂取を控えて血圧は高くしない方が良いでしょう。
②蛋白質と脂質の摂りすぎは控えた方が良いと思います。合わせて善玉菌を増やして悪玉菌を減らす。腸内でできてしまった尿毒症物質は速やかに排泄する。
③体内でAGEsを作らせないためには、糖分を大量に含む清涼飲料水を控える。食物繊維を食べてから炭水化物を食べて食後高血糖を防ぐ。そして、AGEsを大量に含む加工食品を控える。
④リンを大量に含むインスタント食品や清涼飲料水を控える。
⑤これは仮説に過ぎませんが、タモキシフェン同様、エストロゲン受容体に作用する大豆イソフラボンにも腎繊維化を防ぐ力が有るかもしれません。
ここで注意が必要なのは、イソフラボンは腸内細菌によって分解を受け、エクオールという活性体に変化するということです。
ところが日本人の半数はエクオールを作る腸内細菌を持っていません。
自分がエクオール産生菌を持っているかどうか?は簡単な尿検査で調べることができます。
また、大塚製薬はエクオール産生菌(ラクトコッカス20-92)の単離に成功しましたので、今後はエクオール産生菌と大豆食品を取ることが主流になりそうです。

以上の結果から私が推奨する食事は、
とっても月並みですが、
(塩分を控えた)大豆食品とEPA/DHAを多く含む青魚、たっぷりの野菜と控えめなごはん
という典型的な日本食になってしまいました。
栄養士の先生方のご意見をうかがってみたいものです。

 

純炭社長が解説する糖化(AGE)と腎臓病の関係

こんにちは、純炭社長の樋口です。

今週はAGEと腎不全とのかかわりをご紹介したいと思います。

腎不全とは腎臓の機能が低下してしまう病気です。

腎不全には急性と慢性があり、急性腎不全は比較的治りやすいのに対して慢性腎不全はじわじわと時間をかけて腎機能が低下していき最終的には血液透析を受けなければ生命維持は難しくなります。

この慢性腎不全、

最近では慢性腎臓病(CKD)と呼ばれ、日本人の成人の約8人に1人はCKDと言われています。

その患者数は実に1,330万人sign03

腎機能が低下する原因は、
・自己免疫や薬アレルギー
・高血圧
・糖尿病
などなど様々な原因があります。

しかし、血圧や血糖値が高くても全員が血液透析に至るわけではありません。

では分かれ目は何なのでしょう?

こんな論文があります。

PNAS_AGE

 

 

 

1997年に発表された米国科学アカデミー紀要(PNAS)には経口的に摂取したAGEが糖尿病性腎症のリスクファクターとなることが記載されています。

少なくとも食事由来のAGEは腎臓に負担をかけることは間違いないようです。

金沢医科大学の竹内先生らは非糖尿病性の保存期腎不全(透析予備軍)の患者に

経口吸着炭薬を投与すると、血液中のToxic-AGE(毒性のもっとも強いAGE)が減ることを見出しました。

彼らは食事由来AGEを腸管内で吸着し便中に排泄することが、腎機能低下を抑制するのではないか?と予想しています。

また、PEDF(色素上皮由来因子:pigment epithlium-derived factor)という物質とAGEの関係が注目されています。

腎臓に存在するメサンジウム細胞やポドサイトという細胞はPEDFを作って各種のストレス(酸化ストレス・糖化ストレス)から腎臓を守ろうとしています。

ところが、AGE/RAGE(AGE受容体)が活性化されるとPEDFが作られなくなってしまい、腎臓の炎症や繊維化が進展するのでは?と考えています。

食事由来AGEはAGEとRAGEの結びつきを増やす方向に働くことから、PEDFの産生低下を招くと予想されます。

CKDの腎機能低下を抑制し、透析に入らずに寿命をまっとうできる方法が望まれています。

血液透析は週に3回の通院を余儀なくされ、1回に3~4時間の透析を受けなければなりません。

当然、仕事など社会生活に支障が生じます。

一方、血液透析にかかる治療費は全額公費で賄われるため患者負担はゼロですが、

約37兆円の国民総医療費のうち、4%(1兆円以上)が透析医療に使われています。

CKDから透析に移行するのを防ぐことは、

患者と国の両方にとってとても大切なことなのです。

 

あなたと私の腸内細菌叢

こんにちは!水曜担当のスタッフM子ですhappy01

本日の金沢は曇り空cloud
空気が湿っていて涼しく,過ごしやすい感じです♪

さてさて,今日のブログネタは何にしよう…と数日前から悩んでおりました。

130529医学のあゆみ表紙
ふと目をやると,「週刊医学のあゆみ」の2012年10月13日号「小児腸内細菌叢と病態形成」が…。
以前社長文庫から借りてまだ読んでいない雑誌ですcoldsweats01

早速ひとつめのお話から読んでみたら…まぁなんと目からうろこな!!
びっくりするようなお話がいっぱいです!

東京大学大学院服部 正平先生のご寄稿からいくつかM子が気になったポイントをご紹介いたしますと…

1)  ヒト1人にはおよそ1000兆個の常在菌が生息!

うち,腸内にいるのは100兆個と言われます。ちなみに我々の体を形作っている細胞数は約60兆個と見積もられています。体細胞より細菌の数の方が多い!!shock

2)  地球上には約70門の細菌種が見つかっているが,ヒト常在細菌叢の大部分はわずか4門で形成されている!

長い進化の過程で,ヒトの環境に適応した一部の菌種が増えているのですね~

3)  双生児(遺伝的に同一),家族間(生活環境が似ている)の腸内細菌叢の類似性は他人の間の類似性と区別できるほど高くない。
人はそれぞれ独自の腸内細菌叢を持つ!遺伝的素養や生活環境が似ていても腸内細菌叢には違いが…!

なんと~!eye
双子でも,また同じような生活をしている家族間でも腸内細菌叢は違うのですね~!?
なんだかびっくりです。

4) 腸内細菌叢の菌種には個人差があるが,遺伝子組成に大きな個人差はない。

必要とする腸内細菌の働き(機能)の面からいくと,ヒトはみな同じようなものを求める…でもその遺伝子(働き,機能)をどの菌種のものから得ているかは個人差があるってことですかね?

とはいいつつも,

5)  「乳児と離乳食以降の大人」は腸内細菌叢の構成が随分異なる。また,『「タンパク質・脂質等栄養状態がよく,摂取する食物の種類が多い民族」と,「地域的には離れていても食事が低タンパク質・単純な糖質摂取と似ている2種の民族」の3種間の比較』では食生活が近い者同士の腸内細菌叢が似ている。

食事の成分や食習慣はどういった腸内細菌叢を持つかに大きな影響があるようです。

文中には「大人の腸内細菌叢は総じて頑丈で,一生を通じて大きく変化しない」とありました。

ってことは,おなかの調子や腸内細菌たちの働きで影響を受けているといわれるさまざまな疾患を,宿主である個人の好ましい状態にするには,個々人が現在持つ腸内細菌叢の種類間の生存競争を,好ましい菌種優勢に持っていくことが大切!という話の説得力が増すのかな?smile

であるならば,そのための一手段として,生育環境を好ましい状態にすると考えられる純炭吸着剤を上手に使っていくことが大切なのではなかろうか~confident

腸内細菌はヒトに欠かせない共生生物ですが,一方でこれらがタンパク質を構成するチロシンからp-クレゾール,トリプトファンからインドールなどをつくり,これらは血中に移行して尿毒性物質となるということはよく知られています。

純炭はこうした物質を腸管で吸着し体外へ排出する働きもあり,こういったものを上手に利用することで,腸内細菌とよりよいお付き合いをしていくことが大切なのではないでしょうか?

ちなみに日本人特異的な腸内細菌の遺伝子として海苔などの水生植物の多糖類を分解する酵素があるそうな。
日本人の80%は持っているけれど,欧州の方は2,3%しか持っていないんですって!(これは仏の研究者チームによりnatureという最高峰の論文雑誌に掲載された文献のようです)

服部先生のところでも日本人に特徴的な細菌遺伝子をみつけていらっしゃるそうで,今後徐々に発表されていくことと思われます。

2008年から日本,米国,欧州,英国,豪,カナダなどが参加のヒト常在細菌叢の解明を目指した国際コンソーシアムが組織されたり,これとは別に米国とEUでは各々独自の国家プロジェクトがあったり…腸内細菌や人体の常在菌はかなり注目されているようです!

分子生物学や情報処理の技術革新が進んで,細菌自体の単離ができなかったり培養ができなくても,遺伝子情報を,しかも大量のデータを得て取り扱うことができるようになりつつあります。
その結果,こうした分野も解析が進められつつあるようで…新たなことがこれからもどんどん明らかになっていきそうでわくわくしますねlovely

今後も気になる話を随時ご紹介できればと思っております~happy02paper

 

糖化(AGE)がもたらす全身を蝕む病気とは

IMG_0604お医者様が読んでいる雑誌

「医学のあゆみ」の2013年2月23日号に

糖化現象と心血管疾患の特集が組まれました。

このブログでも糖化現象を何度も取り上げていますが、

始めて読んで下さった方のために、最初に用語の説明をさせていただきますね。

まず最初にAGE。年齢を意味する英語と同じくエイジまたはエージーイーと読みます。

正式な名称はAdvanced Glycation Endproducts。日本語では終末糖化産物と訳します。

次にRAGE。読み方はレイジ。Receptor of AGEの略で、日本語ではAGE受容体となります。

心血管疾患とは血管が硬くなって詰まったり破裂したりする病気の総称で、心筋梗塞や脳梗塞などを想像しがちですが、

血管の老化は全身の老化と言われるように様々な病気の原因になっています。

目次をみるとAGE/RAGEが動脈硬化などの循環器病だけでなく、

腎臓病や認知症、多臓器不全といった様々な病気に関係していることが分かります。

IMG_0606このような病気のほかにもAGE/RAGEはがんや炎症といった病気のほか、

皮膚のコラーゲンが糖化(AGE化)すると肌の弾力が失われたり

保湿性が低下してシワやくすみの原因になるとも言われています。

このコラーゲンだけに絞って糖化の影響を考えてみましょう。

コラーゲンは体内のタンパク質の30%を占める大切な成分です。

最もコラーゲンを多く含むのが皮膚(ブタ皮や鳥皮を煮込むと分かりますよね)。

次いで骨や軟骨、血管などの全身臓器という順になります。

骨のコラーゲンが糖化してしまうと骨粗しょう症になり骨折しやすくなります。

軟骨のコラーゲンが糖化すると間接が動きにくくなり変形性関節炎の原因となります。

血管のコラーゲンが糖化すると動脈硬化になって詰まりやすくなったり、破裂しやすくなります。

このようにコラーゲンの糖化は老化とイコールなのです。

油断ですが、ポーラ化粧品のB.Aザクリーム(30クラムで3万円以上するんですよlovely)は日本で初めて?糖化に着目した化粧品として2009~2011年のベストコスメ賞を受賞し有名になりました。

このように日本でも徐々に浸透してきた「糖化」の危険性ですが、

地道に研究と啓蒙活動を続けてきたのが竹内正義先生(現金沢医科大学)。

2004年に発表した  生活習慣病におけるTAGE(toxic AGEs)病因説 は内容がセンセーショナル過ぎたのか専門家の間に浸透するのに時間がかかりましたが、

約10年の時を経て「医学のあゆみ」で特集が組まれ、ひろく臨床医に読まれるまでになったことに感銘を受けます。

これから数回にわたって糖化(AGE)と各種疾患の関係を紹介していきたいと思います。

次回は糖化(AGE)と腎不全の予定です。

 

純炭が雑誌掲載されました

寒くなったり暑くなったり
IMG_0600
不安定な天候が続きましたが、みなさま体調は大丈夫でしょうか?

ゴールデンウィーク中は冷たい雨が降っていた金沢も、

一転して初夏の陽気になっています。

さて、弊社が製造販売する安心安全な炭素材、

ダイエタリーカーボン 純炭 の記事が

FOOD STYLE 21 5月号に掲載されました!

FS21
「色とおいしさと健康」 と題した面白い特集です。

食卓をカラフルに彩る様々な食材には、

独自の機能をもった色素成分が含まれています。

動物は不足しているものを食べたくなると言いますが、

食材の色によっても、

今の自分に何が足りていて、何が不足しているか?を

判断しているのかも知れませんね。

アフリカでは妊婦さんが炭を食べると聞きました。

また、サルの中にも解毒目的で炭を食べる種類がいるとか・・・

黒い食材を無性に食べたくなったら、体の外に出してしまいたい余分なモノがたまっている証拠なのかも知れませんね(笑)。

ダイエタリーカーボン 純炭 の記事は76ページにあります。

ひとつ前の記事がマスコミで話題のユーグレナさん。

株式上場をはたして飛ぶ鳥を落とす勢いの企業ですが

大学の研究から生まれたベンチャー企業としては弊社も同じ。

ユーグレナさんをお手本にしながら頑張ります!

さて、掲載記事の別刷りをご希望の方は

弊社のフェイスブックページの” いいね!”をクリックして頂き、

弊社サイト( https://juntan.net )内にある お問い合わせページ に必要事項をご記入の上、

お問い合わせ内容欄に「フードスタイル21別刷り希望」と書いて

送信してください。

腸内の善玉菌を増やして健康になりましょう!

前回のブログでは腸内環境がうつ病や多動児にも関係している可能性を書きました。
それ以外にも加齢ととも現れる様々な病気が腸内環境の乱れに関係していると言われます。

腸年齢という言葉があるように、腸を若く保てば全身を若く健康に保てます。
でも腸の老化とはどういう現象なのでしょう?
皮膚にシワが刻まれるように腸の中もシワシワになってしまうのでしょうか?
答えはノー!
腸の細胞は数日に一回入れ替わるほど細胞分裂が激しいので、常に生まれたてのツルツル状態です。

下の図は加齢とともに腸内細菌がどのように変化するかを示したグラフです。
ビフィズス菌減少
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で無菌状態で育ちますが、
出産と同時に様々な菌にさらされます。
(※幼いうちに様々な菌にさらされることが免疫力の正常な発達には必
須と考えられています)

赤ちゃんの腸の中は善玉菌であるビフィズス菌がほとんどですが、
加齢とともにビフィズス菌が減少し、
逆に、悪玉菌であるウェルシュ菌や大腸菌が増えてきます。

この腸内細菌の変化が腸の老化と呼ばれる現象です。

言い換えれば、腸の中のビフィズス菌(善玉菌)を増やし、
悪玉菌を減らしてやれば腸は若返るわけです。

腸を若返らせるために何をすれば良いのでしょう?

多くの方が「乳酸菌飲料を飲む」「ヨーグルトを食べる」と答えるでしょう。
しかし、生きて腸まで届く善玉菌を食べたり飲んだりしても、それらの菌の大半は腸内に定着せずに排泄されてしまうことはあまり知られていません。

戦争
乳酸菌飲料やヨーグルトに含まれる”乳酸菌”や”ビフィズス菌”は、腸の中で乳酸・酢酸・酪酸といった”酸”を作ります。

この”酸”によって腸の中に棲みついていた”そのひと固有の善玉菌”が増えてくる訳です。


腸内環境を畑に例えると、

作物は”その人の腸内に棲みついていた善玉菌”

乳酸飲料やヨーグルトは”作物を実らせるための肥料”という位置づけになります。

しかし、どんなに良い苗と良い肥料を用意しても、

土に悪い菌が棲みついていては豊作は期待できません。

腸内に棲みついた悪玉菌はアンモニアやインドール・スカトール・フェノールといった臭くて毒性の強い腐敗物質を作り、善玉菌(作物)の成長を妨げます。

そこで登場するのが炭のような吸着材。

悪玉菌が作る腐敗物質を吸着除去して、作物が育ちやすい土に変えてくれる土壌改良剤のような役割です。

腸年齢を若返らせるには、
①腸内に蔓延している腐敗物質を取り除き、
②生きて腸まで届く乳酸菌・ビフィズス菌で酸を供給し、
③善玉菌の餌になるオリゴ糖を補給する
といった三段階が効果的です。

乳酸菌やビフィズス菌は胃酸に弱いので、胃酸が中和されている食後に食べるのが効果的ですよ。

腸内環境と精神疾患の関係

こんにちは、食べる純炭きよらブログ月曜日担当の純炭社長です。

1999年の映画「シックスセンス」を見たことありますが?
ブルース・ウィリスの渋く切ない演技が印象的だったホラー映画です。
面白かったな~驚愕のラストでしたよね(まだ見ていない方のために結末は絶対に書けません)。

さて、映画シックスセンスで描かれる第六感は死者が見えるという感覚でしたが、
医学の世界では内臓知覚という第六感が注目されています。

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、脳に次いで神経細胞が多い臓器です。
腸内の刺激は意識として感じることはできませんが求心性ニューロン(脳に向けて興奮を伝える神経)を通じて前頭前野(記憶や学習に関係する部位)に情報が蓄積されて、意思決定の際に重要な役割を果たすと考えられています。
意識は傍観者

 

 

 

 

我々は何か行動を起こす時に、すべてを自分で考えて決めていると思いがちです。
しかし、脳科学の分野では「人間の行動は意識が決めているのではない。意識は単なる傍観者である!」という考えが常識となっています。


たとえば、朝食時にコーヒーを飲もうとしてカップに手を伸ばすとき、「コーヒーが飲みたい」「カップを取ろう」と考える前に、すでに筋肉はカップに向かって手を伸ばす準備を始めているのです。

養老孟司先生も言っています。
「意識(心)ができることは行動を起こすことではなく、異常な行動を止めさせることだけ」
この言葉を聞いてなるほど~と思いました。

話をもとに戻しましょう。
人間は行動を起こす時に自分では意識できない脳の活動に支配されています。

この「意識できない脳の活動」に腸内環境や腸内細菌が影響を及ぼしているのです。

人間を構成する細胞は全部で60兆個程度ですが、腸内には100兆個(最近の研究では1000兆個とも言われています)もの腸内細菌が住んでいます。
腸にどんな細菌が棲みつくか?によって太りやすいなどの体質も決まると言われています。

そればかりか、腸内細菌は精神発達や自閉症・うつ病などにも関係していると考えられています。

ハムスター

ネズミを無菌状態で育てるとストレス耐性が無く”多動”になります。これは注意欠損多動性障害に似た症状だと言います。
無菌マウスにビフィズス菌を植え付けるだけでストレス耐性は正常レベル回復します。
この変化はビフィズス菌による腸管刺激が脳の前頭前野に伝わりストレスに耐えうる発達を促しているのではないかと考えられています。

ストレスというと”いじめ”などの精神的なものばかりを考えがちですが、腸内細菌や日々の食事がとても大切なので、子育て世代のお母さんはお子さんをできるだけ外で遊ばせ、土に触れる機会を多くした方が良さそうです。

子供の砂遊び

清潔すぎる環境で子育てをするとストレス耐性が弱くなる可能性があるわけですが、日々の食生活や過度の精神的ストレスで腸内の悪玉菌が増えると、
ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌が減ってしまい、脳の活動にも影響が出る可能性があります。

次回は腸内環境を健やかに保ち、病気を寄せ付けない方法をご紹介したいと思います。